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すげええええええそして29話まで行っても序盤ってすげええええええええ
あれから普通に何事もなく1週間が過ぎた。
つまり、今から機関に戻る。
俺とソーマとイーナ、それにシェイド大佐とラスターさんの、5人で。
……どう考えても多すぎだろ!
RELAYS - リレイズ - 29 【5人で】
「あんまり実感してなかったけど、何なんだよこの人数!!」
がたがたと揺れる車内で、俺は声を張り上げた。
機関の方で大きめの車を用意してくれたからよかったものの、5人で乗車なんて初めてだった。
「仕方ないだろう。良いから黙れ」
「私は呼ばれたし。取り敢えず車の中なんだからそんな大声じゃなくても聞こえるって」
「オレも、だな。イーナの言う通り静かにしろ」
「だってヘメティとソーマは確実だし、そこに兄サンと嬢ちゃん入ったらこの時点で4人だろ?」
「だから何でそれが5人になったんだよって聞いてるんですよ俺は!!」
ラスターさんが自分も行くと言い出したときは別に何ともなかった。まあ5人なら大丈夫だろうと
簡単に考えていた。
だが、そんな簡単に済むわけがない。
今の状態は、助手席の部分にソーマが、その後ろに残りの4人が座っている感じだ。
一応4人座ってもある程度の余裕はあるが、だからといってこれはないだろうこれは。
ちなみに俺達の並びを左から言うと、イーナ、ラスターさん、シェイド大佐、俺、となっている。
それと肝心──かどうかは解らないが、ラスターさんの怪我はほぼ完治している。
あの傷がよく1週間で回復したな、と思う。あれは大怪我、重傷の部類に入るだろう。
それを本人に聞いてみると、言って困ることでもあるのか『秘密だ』としか返されなかった。
「──まあ、6人にならなくてよかったか……」
もしもう一人プラスされて6人で行きますなんてことになったら、どうしたらいいのか解らない。
「あの怪我で連れてくるわけにもいかないからな。部下を守るのも上司の務めだ。
あのまま置いてくるのも少し気が引けたが……な」
「でも、あの嬢ちゃんも大丈夫だったんだろ? 良かったじゃねぇか」
そのもう一人──ウライは、俺達の中で一番怪我の度合いが酷かったこともあるのだろうが
未だに怪我が治らずにいた。
一度ウライの病室に行って、自分達のことを話したときの彼女が言った言葉を思い出して俺は苦笑した。
軍を離れる、と言ったシェイド大佐に、何が何でもついていこうとしていたから。
『オレは少し……いや、長い間ここから離れる。その間待っていろ』
『っ、嫌です! 私もついて行きます!』
『駄目だ。その怪我で動けるわけがないだろう』
『私は大丈夫です、だから──』
『駄目だと言っている! ……今は自分の心配だけをしていればいい』
『そんな──上司についていって、守るのが部下の役目です!』』
「上司についていくのが部下の役目……か」
あれだけの怪我でも付いていこうとしていたということは、それだけの忠誠心がある、というのと
胴意義だろうと思う。
シェイド大佐とは1週間と少しの間しか行動を共にしていないが、人柄からも想像できた通り人望は厚い。
「ウライはああ見えて頑固なところがある。説得するのは辛かった」
「確かにそういうとこあるよなーあの嬢ちゃん」
やれやれ、とでも言うように笑いながら、シェイド大佐は呟いた。
あの後4日かかってようやく諦めてくれたらしい。どうりであまり見当たらないと思った。
手合わせの為に何度基地の中を走り回ったか解らない。その度に不審者と間違われるし、やっと
見付けたと思ったら今度はソーマが居ないし。
「──そういえばヘメティ」
「どうしたんですか?」
シェイド大佐は俺の目を見据えて、重く真面目な声で訊いてきた。
「最初に会ったときから気になってはいたんだが……お前のその眼の色、生まれ付きなのか?
カラーコンタクトを入れているわけではないだろうな?」
そんなの、全然気にしたことがなかった。
記憶を失ってから、機関に行って、そこで鏡を見てようやく自分がオッドアイなのだと気付いた。
カラーコンタクトの存在は知っていたが、まさかそれを片方だけに入れてオッドアイですなんて……
「いや、これ生まれ付きですよ。多分」
もしかしたら最初はどちらの眼の色も同じで、何らかの事件か何かがあってこうなったのかもしれない。
だから多分、だ。
「そうか……すまない。ただ少し気になっただけだ。昔オレの友人に居たからな。右目にだけ赤にしている奴が」
……居たよ、片方だけ無理矢理オッドアイにしてる人が居たよ。何かある意味すごいな。
「その理由を聞いたら『オッドアイ格好いいだろ!』と答えられたな」
「確かに格好いいとは思うけどさぁ、そこまでしてやることなの?」
「え、じゃあヘメティ、お前これ生まれ付きか! すげー!」
「いや何が凄いのか全く解らないんですけど」
俺にとってはこれが普通だし、隠そうとも思わないし、特別なものだとも思わない。
だが、世間から見ればこれは格好いいらしい。内心少しびっくりしていた。
「……あ、その友達の人は今どうしてるんですか?」
もしかしてまだカラーコンタクトでオッドアイなんてやっているんだろうかと思い、軽い調子で
訊いてみる。
その途端、シェイド大佐の笑みが凍り付き、悲しげに目を伏せた。
「──もう、居ない。数年前に……死んでしまった」
呟くような声で言って、シェイド大佐は微笑んだ。
それは、見た人の胸を締め付けるような、悲痛な微笑みだった。
やってしまった。今まで一応明るかった場の空気が、一気に重く淀んでいく。
運転手の視線以外──3人の容赦なく刺さってくる視線が痛い。
「……ああ、別に気にしなくていい。すまなかった」
「いや大佐何も悪くないですって! 俺のせいです俺の!! ごめんなさい!!」
気にしなくていい、と言われても気にせずに居られないだろう、これは。
「だからいいと言っているんだ。後ろばかり振り返っていられない。友の想いは、友が引き継ぐ」
「……ほんと、嫌っつーくらい前向きだよなぁ兄サン。ま、そうじゃねぇと軍人なんて
やってられないか」
「ネガティヴ思考はオレの性ではない、それだけだ」
「どっちでも同じだろそんなの」
本当に、前向きだ。
友人の死を受け入れ、それでも尚立ち止まることなく前を見据えている。
俺も見習いたい、そう強く思った。
今の俺は、仲間も機関の皆も何も、失ってはいない。──自分の記憶以外は。
自分が無くした記憶の中の『俺』は、何かを失っているのだろうか?
そこまで考えて、ふと気付いた。
「──ソーマ、お前どうしたんだよ」
助手席に座っているソーマの出している雰囲気が、普段とは明らかに違う。
「……悪かったな、後ろ向きで」
吐き捨てるように出された言葉に、俺は苦笑いしかできなかった。
確かにソーマは、人と比べて思考はネガティヴな方だとは思う。だがそれを気にする必要はあまり
ないような気がする。
「いや、ソーマはソーマってことでいいんじゃないか?」
俺が話しかけても、何の反応も示さない。いや、いつも殆ど反応なんてしてくれないけどさ。
どうやら多少ショックを受けている……らしい。珍しいな。
「え、アンタでもショック受ける事ってあるんだ」
「待てイーナ、それを言うな、死んでも知らないぞ」
少しはオブラートに包んで……も意味はないか。じゃあ自重してくれ、頼む。怖いから。
「……何だったか……思い出せそうで思い出せないな……」
「何がですか?」
隣でシェイド大佐が何かぶつぶつ言っている。思い出せそうで思い出せない、と。
その友人との思い出か、それとも違う物か。
「いや、1週間前に話した……支配者と共に居ただろう、白髪の執事が」
確か名前はアレスだったか、とシェイド大佐は付け足してから、溜め息混じりに言う。
「あいつの姿を見たときにも少し感じたが──どこかで見たことがある気がする」
既視感──デジャヴという物か。俺がしょっちゅう感じる物でもある。
ただ、それを思い出そうとしても思い出せないことの方が多い。ただ「何処かで見たことがある」というだけで。
「まあ、別に後ででもいい。取り敢えずまだ着かないのか?」
「あー多分もうすぐ着きますよ」
もうすぐ、とは言ったが、実を言うと俺もあんまり解っていなかったりする。
……大佐とみんな、何かごめん。
やったぜ次で30話だぜ。取り敢えず次出すキャラを考えよう。
あれから普通に何事もなく1週間が過ぎた。
つまり、今から機関に戻る。
俺とソーマとイーナ、それにシェイド大佐とラスターさんの、5人で。
……どう考えても多すぎだろ!
RELAYS - リレイズ - 29 【5人で】
「あんまり実感してなかったけど、何なんだよこの人数!!」
がたがたと揺れる車内で、俺は声を張り上げた。
機関の方で大きめの車を用意してくれたからよかったものの、5人で乗車なんて初めてだった。
「仕方ないだろう。良いから黙れ」
「私は呼ばれたし。取り敢えず車の中なんだからそんな大声じゃなくても聞こえるって」
「オレも、だな。イーナの言う通り静かにしろ」
「だってヘメティとソーマは確実だし、そこに兄サンと嬢ちゃん入ったらこの時点で4人だろ?」
「だから何でそれが5人になったんだよって聞いてるんですよ俺は!!」
ラスターさんが自分も行くと言い出したときは別に何ともなかった。まあ5人なら大丈夫だろうと
簡単に考えていた。
だが、そんな簡単に済むわけがない。
今の状態は、助手席の部分にソーマが、その後ろに残りの4人が座っている感じだ。
一応4人座ってもある程度の余裕はあるが、だからといってこれはないだろうこれは。
ちなみに俺達の並びを左から言うと、イーナ、ラスターさん、シェイド大佐、俺、となっている。
それと肝心──かどうかは解らないが、ラスターさんの怪我はほぼ完治している。
あの傷がよく1週間で回復したな、と思う。あれは大怪我、重傷の部類に入るだろう。
それを本人に聞いてみると、言って困ることでもあるのか『秘密だ』としか返されなかった。
「──まあ、6人にならなくてよかったか……」
もしもう一人プラスされて6人で行きますなんてことになったら、どうしたらいいのか解らない。
「あの怪我で連れてくるわけにもいかないからな。部下を守るのも上司の務めだ。
あのまま置いてくるのも少し気が引けたが……な」
「でも、あの嬢ちゃんも大丈夫だったんだろ? 良かったじゃねぇか」
そのもう一人──ウライは、俺達の中で一番怪我の度合いが酷かったこともあるのだろうが
未だに怪我が治らずにいた。
一度ウライの病室に行って、自分達のことを話したときの彼女が言った言葉を思い出して俺は苦笑した。
軍を離れる、と言ったシェイド大佐に、何が何でもついていこうとしていたから。
『オレは少し……いや、長い間ここから離れる。その間待っていろ』
『っ、嫌です! 私もついて行きます!』
『駄目だ。その怪我で動けるわけがないだろう』
『私は大丈夫です、だから──』
『駄目だと言っている! ……今は自分の心配だけをしていればいい』
『そんな──上司についていって、守るのが部下の役目です!』』
「上司についていくのが部下の役目……か」
あれだけの怪我でも付いていこうとしていたということは、それだけの忠誠心がある、というのと
胴意義だろうと思う。
シェイド大佐とは1週間と少しの間しか行動を共にしていないが、人柄からも想像できた通り人望は厚い。
「ウライはああ見えて頑固なところがある。説得するのは辛かった」
「確かにそういうとこあるよなーあの嬢ちゃん」
やれやれ、とでも言うように笑いながら、シェイド大佐は呟いた。
あの後4日かかってようやく諦めてくれたらしい。どうりであまり見当たらないと思った。
手合わせの為に何度基地の中を走り回ったか解らない。その度に不審者と間違われるし、やっと
見付けたと思ったら今度はソーマが居ないし。
「──そういえばヘメティ」
「どうしたんですか?」
シェイド大佐は俺の目を見据えて、重く真面目な声で訊いてきた。
「最初に会ったときから気になってはいたんだが……お前のその眼の色、生まれ付きなのか?
カラーコンタクトを入れているわけではないだろうな?」
そんなの、全然気にしたことがなかった。
記憶を失ってから、機関に行って、そこで鏡を見てようやく自分がオッドアイなのだと気付いた。
カラーコンタクトの存在は知っていたが、まさかそれを片方だけに入れてオッドアイですなんて……
「いや、これ生まれ付きですよ。多分」
もしかしたら最初はどちらの眼の色も同じで、何らかの事件か何かがあってこうなったのかもしれない。
だから多分、だ。
「そうか……すまない。ただ少し気になっただけだ。昔オレの友人に居たからな。右目にだけ赤にしている奴が」
……居たよ、片方だけ無理矢理オッドアイにしてる人が居たよ。何かある意味すごいな。
「その理由を聞いたら『オッドアイ格好いいだろ!』と答えられたな」
「確かに格好いいとは思うけどさぁ、そこまでしてやることなの?」
「え、じゃあヘメティ、お前これ生まれ付きか! すげー!」
「いや何が凄いのか全く解らないんですけど」
俺にとってはこれが普通だし、隠そうとも思わないし、特別なものだとも思わない。
だが、世間から見ればこれは格好いいらしい。内心少しびっくりしていた。
「……あ、その友達の人は今どうしてるんですか?」
もしかしてまだカラーコンタクトでオッドアイなんてやっているんだろうかと思い、軽い調子で
訊いてみる。
その途端、シェイド大佐の笑みが凍り付き、悲しげに目を伏せた。
「──もう、居ない。数年前に……死んでしまった」
呟くような声で言って、シェイド大佐は微笑んだ。
それは、見た人の胸を締め付けるような、悲痛な微笑みだった。
やってしまった。今まで一応明るかった場の空気が、一気に重く淀んでいく。
運転手の視線以外──3人の容赦なく刺さってくる視線が痛い。
「……ああ、別に気にしなくていい。すまなかった」
「いや大佐何も悪くないですって! 俺のせいです俺の!! ごめんなさい!!」
気にしなくていい、と言われても気にせずに居られないだろう、これは。
「だからいいと言っているんだ。後ろばかり振り返っていられない。友の想いは、友が引き継ぐ」
「……ほんと、嫌っつーくらい前向きだよなぁ兄サン。ま、そうじゃねぇと軍人なんて
やってられないか」
「ネガティヴ思考はオレの性ではない、それだけだ」
「どっちでも同じだろそんなの」
本当に、前向きだ。
友人の死を受け入れ、それでも尚立ち止まることなく前を見据えている。
俺も見習いたい、そう強く思った。
今の俺は、仲間も機関の皆も何も、失ってはいない。──自分の記憶以外は。
自分が無くした記憶の中の『俺』は、何かを失っているのだろうか?
そこまで考えて、ふと気付いた。
「──ソーマ、お前どうしたんだよ」
助手席に座っているソーマの出している雰囲気が、普段とは明らかに違う。
「……悪かったな、後ろ向きで」
吐き捨てるように出された言葉に、俺は苦笑いしかできなかった。
確かにソーマは、人と比べて思考はネガティヴな方だとは思う。だがそれを気にする必要はあまり
ないような気がする。
「いや、ソーマはソーマってことでいいんじゃないか?」
俺が話しかけても、何の反応も示さない。いや、いつも殆ど反応なんてしてくれないけどさ。
どうやら多少ショックを受けている……らしい。珍しいな。
「え、アンタでもショック受ける事ってあるんだ」
「待てイーナ、それを言うな、死んでも知らないぞ」
少しはオブラートに包んで……も意味はないか。じゃあ自重してくれ、頼む。怖いから。
「……何だったか……思い出せそうで思い出せないな……」
「何がですか?」
隣でシェイド大佐が何かぶつぶつ言っている。思い出せそうで思い出せない、と。
その友人との思い出か、それとも違う物か。
「いや、1週間前に話した……支配者と共に居ただろう、白髪の執事が」
確か名前はアレスだったか、とシェイド大佐は付け足してから、溜め息混じりに言う。
「あいつの姿を見たときにも少し感じたが──どこかで見たことがある気がする」
既視感──デジャヴという物か。俺がしょっちゅう感じる物でもある。
ただ、それを思い出そうとしても思い出せないことの方が多い。ただ「何処かで見たことがある」というだけで。
「まあ、別に後ででもいい。取り敢えずまだ着かないのか?」
「あー多分もうすぐ着きますよ」
もうすぐ、とは言ったが、実を言うと俺もあんまり解っていなかったりする。
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