魔界に堕ちよう Want to return 11 忍者ブログ
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こっから先はR指定だ!!


多分これはハッピーエンドで終わることは無いと思う。
そしてリレイズや他の作品とリンクしてはいるけど、その元作品にこっちで出たキャラが出ることも無いと思う。

ただ、最後まで話はできてる、それだけ、なんだ。

てらちゅうに^p^p^p^p^


駄目だ、ネットのチャットとか見てるとサマーウォーズ思い出してしまう・・・
ラブマシーンくんなあああああああああ(こねーよ
去年もスカイクロラ見た後にヘリの音聞いて「戦闘機いいいいい!!」ってなったんだよ!!

Want to return 11

それから数ヶ月、カラッドはダークと父親と自分の三人家族で生活していた。
あの頃のカラッドに父親の仕事は解らなかったが、恐らく学者か研究者だったのだろうと思う。
何か有意義な研究結果でも残していたのか、金銭に困ることは無かった。
父親と過ごしている間は、ダークはカラッドに何もしてこなかった。
当然、何もしてこなかったから良い、という訳ではない。
父親が料理の為に包丁を持てば、それを欲しい玩具を見るような目で見つめている。
それを何だと思ったのか、いつしかダークは父親と共に調理場に立つようになっていた。
確かその時父親は『一緒に作りたいのか?』なんてことをダークに聞いていたと思う。
もうその記憶すら曖昧だが。
まさか『血が見たいから包丁を持ちたい』なんて子供が思っているわけがない、と思っていたのか。
周りの大人から見れば、ダークはかなり早く『母親の死』から立ち直った。
尤も、自分で殺しておいて立ち直るも何もないのだけれど。
だがカラッドは違う。
何を言われても、何をされても、表情一つ変えない。──感情の起伏を、ほぼなくしていた。
元々大人しい方ではあったが、大人しいというようなレベルではなくなっていた。
大人達からかけられる同情の言葉にも、何の反応も示さない。
別に感情がなくなった訳ではなく、勿論悲しみや怒りもある。泣こうと思えば、自室に鍵を掛けて幾らでも泣くことだってできた。
無意識のうちにそれを抑え込んでいるだけだったが、それが周りに解るはずもない。
「どれだけショックを受けたのか──」
「可哀想に……」
「お兄さんより、立ち直るのには時間がかかりそうね……」
そんな言葉を浴びせられ続け、余計に心を閉ざすようになってしまう。
丁度そんな時だった。

父親が、ダークとカラッドの2人だけをおいて失踪してしまったのは。

『少し仕事だから、数日間家を空ける。多分2日くらいで帰ってくるからその間2人で待っていてくれ』
『2日……経てば帰って、来る……?』
『ああ、帰ってくるから、心配しなくていい』
『本、当に?』
『本当だ。お前達を置いて居なくなるわけがないだろう?』

2日間、カラッドは殆どの時間を扉に鍵をかけた自室で過ごした。
部屋の中には、ベッドと棚と、後生活するのに必要最低限の物以外は置かれていない。
ダークがいつか鍵を壊して入ってくるのでは無いか、そう考えると夜は殆ど眠ることができなかった。
それでも、耐え続けた。
あと2日で帰ってくるのだから、それまでの我慢だと言い聞かせて。
でも、彼は帰ってこなかった。
優しく微笑みながらかけられた言葉は、嘘だったのか。
仕事で何かあったのか、2人の子供を育てていくことに限界を感じたのかは解らない。
心の何処かで、もう父親がここには帰ってこないことを悟っていたように思える。
ただ解っていることは、もうこの家には狂気に囚われている兄と自分しか居ないこと。
そして、もう自分の味方なんて誰も居ないことだった。
味方といっても、今まで誰も守ってはくれなかったが。
親戚は居ない。というか、居たのかどうかすら解らない。
自分を知っている人間は、ダークただ一人。
家から逃げ出そうにも、その後どうしたらいいのか解らなかった。
運良く孤児院に入るか、路地裏で生活するか、それとも飢え死にするか。
それならいっそ、この家に居た方がいい気もする。
だが、夜にいつ殺されるかという恐怖と戦いながらの生活は考えられなかった。
カラッドに残されていた選択肢は、『家に残って死んでいくか』『外の世界で死んでいくか』
その二つだけだった。

結局、カラッドはこの家から逃げ出すことを選んだ。
怯えているより、外の方が楽だろう。危険は常に付きまとうだろうが、ここよりもずっといい。
そう考え、結論づけた日の真夜中、カラッドはダークが寝たことを確認してから部屋の窓を開けた。
自室の扉にはきちんと鍵を掛けてある。もし気付いても、入ってこられないように。
扉から出て行けば、確実に足音で気付かれる。
注意深く、音を立てないようにして窓枠に足をかける。
その瞬間、扉が小さく、規則的にノックされた。
どこか楽しげにも聞こえるノックの音に、カラッドの身体が凍り付いた。
「──まだ起きてるんだよね?」
全てを見透かしたような口調、声音、言葉。
起きている、しかも逃げようとしている事を悟られないように、動きを止める。
暫く静寂が続いたが、それはある音で破られた。
ダークが、持っていた刃物か何かで扉を無理矢理破壊した。
「鍵まで掛けるなんて用心深いねー。そこで何してるの?」
砕けた扉の破片を踏みしめながら、ダークは手に持っていた剣を肩に担いだ。
父親の部屋にあったのか、それとも外で拾ってきたのかは解らない。
ただ、昔数回だけ入ったことがある父親の部屋には、剣なんてものは無かった気がする。
となると、これはダークが外で見付けて拾ってきた物だろうか。
「あー、成る程。逃げようっていう考えかぁ」
納得したように呟くと、未だに動けないで居るカラッドへと歩み寄った。
「残念だけど、逃がす訳にはいかないんだよ」
「何、で……どうして……!?」
吐息とほぼ変わらないような掠れた声に、ダークは獰猛そうに口元を歪めてから言った。
「面白くないでしょ? 『遊び』は相手が居ないとさ」

ダークが人を傷つけることを『遊び』と称したのは、これが最初だった。

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