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また消えたしwwwww何なんだよFirefoxのばかあ!!




RELAYS - リレイズ - 28 【手合わせ-2】

訓練場に着いた俺とソーマは、ある程度の距離を持って向き合っていた。
俺が立っているところは、丁度イーナが立っていた場所だろうか。
「──じゃあ、お互いに本気で、全力でいくぞ」
「当たり前だ。そうでなければ手合わせの意味がない」
こいつにとっての『本気』が『相手を殺すつもりでいく』ということなのは知っている。
それでも、俺はこうしたかった。勿論ソーマの言う通り『全力でいかないと手合わせの意味がない』
というのもあるが。
左手に拳銃を持ち、右手で闇霧を構える。
「……来い」
その言葉が耳に届くのとほぼ同時に、俺はソーマに向かって駆け出した。
その勢いのまま闇霧を振り下ろすが、いとも容易くナトゥスの柄で防がれてしまった。
防がれるのは予想していた。というか、防がれなければ逆におかしいとさえ思う。
ソーマの戦闘スタイルは、ある程度把握している。
ずっと見てきたからなのか、それとも規則性があるからなのかは解らない。
まず、相手の攻撃をそのまま受け止める。今の俺の状態がこれだ。
そのまま弾き返され、後ろに吹き飛ばされる。
俺が地面に着地した瞬間、ソーマは俺に向かって右手を突き出してきた。
「Lump oeleon!」
詠唱と共に俺に向かってきた黒い霧のようなものを纏った氷塊を、咄嗟に闇霧を身体の前に出して防ぐ。
次に、相手が間合いを取って自分への攻撃の心配が無くなったときに、魔法で追撃する。
闇霧を下ろし、顔を上げたときにはもう既にそこにソーマの姿はなかった。
背後に気配を感じ瞬時に振り返ると、俺の首を狩ろうと眼前に迫っていたナトゥスの刃を左手に
持っている拳銃の銃身で防いだ。
その状態で、突きをするようにして闇霧を振るう。
その一閃は、あまり日に当たっていないせいか白いソーマの頬を赤く滲ませた。
──そして、最後に近距離で攻撃する。
これが、ソーマの癖とも取れる戦い方だった。
まとめると、最初に防御、次に追撃、最後に近距離で畳み掛ける、といった感じだ。
確かに、体力の消耗も最小限に抑えられ、怪我をすることも少ない戦い方ではあると思う。
だが、その行動パターンを一度読まれてしまえば、相手を翻弄するのは難しくなる。
それでも今まで大丈夫だったのは、恐らくソーマ自身に隙があまりないからか。
ソーマは一度舌打ちをすると、後方に跳んだ。
「ソーマ、その戦い方少し変えたらどうだ? パターン読まれたら使えないぞ?」
「……考えておこう」
答えながら、ソーマは忌々しそうに頬を伝う血を手の甲で拭い取った。
てっきり『何故貴様に指図されなければならないんだ』と言われるかと思っていた。
ナトゥスを数度回転させてから、今度は両手で構え直す。
「──なら、今試してみるとするか」
「え? 何を──」
その言葉の意味が汲み取れず、何を言っているんだと言おうとした俺の前から、突然ソーマの姿が消えた。
どこに移動したのかと辺りを見回すが、どこにも見当たらない。
不意に、俺の耳に旗──というか、布が風に煽られるような音が聞こえた。
音に引き寄せられるようにして、頭上を見上げる。
そこにソーマは居た。
その手には、先程まで持っていたナトゥスはない。上空に居るときに能力解除したのか。
何故か恐怖を感じ、俺は無意識の内に屈んでいた。回避する、という考えが、すっかり頭の中から
抜け落ちていた。
ソーマはそのまま俺のすぐ側に降り立つと、顔を上げる暇もない程に早く手を伸ばしてきた。
俺の──首へ向かって。
「がッ……!?」
首を絞められ、俺は短く呻き声を上げる。
その力は、俺より一つ年上だとはいえ若干細身のその身体のどこにこんな力があるんだ、と
問い質したくなる程に強い。
「さっさと殺れないのは面倒だが、まあこれなら確実に殺れるか」
俺を見下ろすソーマの瞳は、本気で敵を殺そうとしているときの眼をしていた。
更に力を込められ、徐々に俺の視界が霞んでいく。
ぼやけた視界の中でも、ソーマが微かに口元を歪めたのが解った。
意識を手放しそうになったとき、どこかで銃声が聞こえた。
どこかで、というか、かなり近場で。
それから数秒と経たずに、俺の首からソーマの手が離れた。
「──ごほッ!!」
咳き込んでから、深く息を吸って呼吸を落ち着かせる。
「おいソーマ、これはあんまりだろ……!! 俺を殺すつもりか……!?」
「本気でやれと言ったのは貴様だろう」
「だからそういう意味じゃなくて……! っていうかさっきの銃声は──」
肩で息をしながら片膝をつき、先程の銃声のことを思い出した。
俺は撃っていない。というかあの状態で撃てるわけがない。
ソーマは絶対に銃器は使わないだろう。銃器よりも使い勝手が良い魔法があるのだから。
となると、答えは──
「──オレが撃ったが、何か文句でもあるかこの馬鹿共!!」
銃口から細く煙を出している拳銃を持ち、怒りに任せて撃った犯人──シェイド大佐は叫んだ。
「ソーマの部屋にもヘメティの部屋にも居ない上に何か物音がするから来てみれば……!
お前達、良いからそこに正座しろ!! 命令だ!!」
今までにない迫力で『命令だ』と言われると逆らえず──逆らうつもりもないが──黙ってそこに
正座することになった。
「まず、お前達は何をしているんだ」
まあ、誰でも最初はそう聞くだろう。俺は素直に答えた。
「自分がどれくらいの力を持っているのか知りたくて、ソーマと手合わせしてました」
「手合わせ──まあ、訓練と同じか。それならば──」
言いながら、シェイド大佐は俺の持っていた拳銃を手に取る。
そしてそれを誰も居ないことを確認してから、自分の真横へ向けて狙いも定めずに発砲した。
「実弾は使わないことだ。相手怪我をさせる程度ならばまだマシだろうが、重傷を負わせれば、
ましてや殺してしまえば大変だろう。言えばゴム弾でも何でも貸してやるから」
「……はい……」
一発も使ってはいないが、シェイド大佐の言う通りだ。何故そこまで気が回らなかったのか。
ソーマに改めて自分の『弱さ』を突き付けられ、焦っていたのか何なのか。
「それとソーマ、お前が一番問題だ」
さほど興味がなさそうに、他人事のように話を聞いているソーマに、シェイド大佐は
溜め息混じりに話──という名の説教をし始めた。
「確かに手合わせは本気でやらなければ意味がない。それは解る。だが首を絞めるのはあんまりだろう。
加減が解らずに、そのまま締殺なんてことになったらどうするつもりだ?」
「どうもしない」
「なっ、お前それでも人間か!!」
いつも通りに即答したソーマに憤慨しながらシェイド大佐が反論するが、何も聞いちゃいない。
「──兎に角だ!! 今度から手合わせはオレを呼ぶように!! 危なくて気が気ではない」
それだけを言い残して、シェイド大佐は俺の拳銃の安全装置を掛けると、基地の中へと戻っていった。




シェイド大佐はみんなのおかん←

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