魔界に堕ちよう 27話って後もう少しで30とか信じられん 忍者ブログ
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嘘だろ!!
最近ボカロよりアリプロばっかり聞いてるな…




部屋の窓から見上げる綺麗な青空。
部屋の中には何故か一番テンションが上がらない奴。
することは何もない。
話す話題も何もなし。
うん、まあ、一言で言えば……

「──何でこんなに暇なんだよー!!」

RELAYS - リレイズ - 27 【手合わせ-1】

「いいから黙れ煩い」
「こんなに暇で──ちょっと待て、何かこういう展開前にもなかったか!?」
前にもこういうの経験した気がするんだが。しかもつい最近。あれ、気のせい?
「っていうか何で俺の部屋にソーマが居るんだよ! そっからして俺理解できない!!」
厳密には俺の部屋じゃなくて『俺に与えられた部屋』だけど、その部屋に何故こいつが居るのか。
ソーマだってシェイド大佐から部屋を割り当てられただろう。
それなのに何故ここにいるんだ。戻ればいいだろ。
「ただ本を忘れたから取りに来ただけだ」
「じゃあ何で居座ってんの!?」
「あちらの部屋よりもこちらの方が日当たりが良くて本が読みやすい。それだけだ」
「それだけかよ!!」
「ああそうだ」
何か問題でも?と続けたソーマに、俺は溜息を吐くしかなかった。
何というか、会ったときからソーマの行動は読めない。何をするか解ったものじゃないのだ。
時々ふらっと外に出て行ったと思えば数分で帰ってきたり、そのまま何日も帰ってこない事もある。
要するに気まぐれなのか。それとも本当に何か用事があるのか。それさえ解らない。
「あー畜生、暇だな……」
イーナはどこかに行ったみたいで見つからないし、シェイド大佐は勿論軍務中だし、ラスターさんは
『一度店戻って休店の張り紙貼ってくるぜ!』と言って出て行ったまま戻ってきていない。
せめて話せる相手がいれば……
あれから2日経った。
俺の傷は完治したし、後は5日間過ごすだけだった。
最初はこんな暇でのんびりとした時間も楽しめた。あんな騒ぎがあったのに、と。
だが3日目の今日になって、その暇な時間がとてつもなく苦痛に感じるようになってしまった。
何かしていないと落ち着かないというか、暇なのは性に合わないというか。
とにかく暇なのが嫌だ。無性に嫌だ。
一度基地の中を歩いてみようかとも思ったが、部外者が堂々と歩くのはさすがにまずいだろうと思い
やめておいた。それに俺だったら絶対迷う。ふらふらと彷徨い歩いた挙げ句、一般人立ち入り禁止の
場所に入ってしまう事も充分有り得る。俺は一般人じゃないけど。
「……おい」
「え? あ、何だ?」
突然声を掛けられ驚くが、それでも返事を返す。
ソーマは読んでいた本を閉じると、俺の目を見据えた。
「何度も言うようだが、貴様には戦う意志があるのか? 今回の戦いを見る限り、俺にはそんな物
無いように見えるが」
「──別に、そういう訳じゃない」
何度口ではそう言っていても、心のどこかで、出来る限り相手を傷つけたくない、なんてことを
考えている。酷い矛盾だ。
「何処かでその考えを打ち切らなければ、自分も守りたい物も失うことになる。それだけは言っておく。
──俺は自分の命以外、守りたい物等無いがな」
そんな俺の考えを見透かしたように、ソーマは告げる。
「生きるか死ぬか、だ。優しさも情けも、枷にしかならない」
これは強いて言うなら、覚悟だろうか。
相手に対する優しさも情けも全て捨て去る。それは自分の足を止める枷になってしまうから。
俺だって、痛い程に理解している筈なのに。ずっと、今まで繰り返してきた自問。
「理解しているのなら実行に移せ。貴様でもそれくらいはできるだろう」
遠回しに、俺を信用しているような言葉。俺がそう感じてしまっただけかもしれないが。
「……ああ。頑張るよ」
今はそれしか言えなかった。
これから自分がどうなるか解らない。今の状態で行くのか、それともソーマの言った通り
『覚悟を決められるのか』。
ソーマはまだ少し納得していないような雰囲気だったが、何も言わなかった。
それから暫くして、ソーマは立ち上がり、俺の部屋に忘れていたらしい本を持たずに部屋を
出ようとした。
「おーい、忘れてるぞ」
「……どうせまた来る。本を読む為にな」
言いながら、ソーマはナトゥスを出現させ、肩に担いだ。
「もしかして一人で鍛錬でもするのか?」
「貴様には関係ない」
その声を聞きながら、窓の外から見えるソーマとイーナが対峙した訓練場を見る。
そこには、誰も居ない。ソーマとしても、今が一番好都合なのだろう。
「──なあ」
「何だ」
窓の外に見える訓練場を指さし、ソーマに言った。
「俺と手合わせしないか?」
俺の言葉が予想していなかったものだったのか、ソーマは何も言わずに黙っている。
「今の俺がどれだけ戦えるのか、それが知りたいんだ」
側の壁に立てかけてあった闇霧を手に取り、ソーマに向けてしっかりと言葉を紡ぐ。
「……解った。やってやろう」
「え、いいのか!?」
「貴様が言ったんだろうが。さっさと来い」
それだけを言い残し、ナトゥス特有の金属音を廊下に響かせながら早足で歩くソーマの背中を
見ながら、俺は部屋のドアを閉めた。




だからソーマはツンデレなんだってb(ry

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