I permanently serve you. NeroAngelo
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こっから先はR指定だ!!
新型インフル?興味ないね。ってことで書くぜ。
寝ろよっていうツッコミは聞こえない。
新型インフル?興味ないね。ってことで書くぜ。
寝ろよっていうツッコミは聞こえない。
Want to return 16
やっとこれで、元の世界に帰れる。
そう思うと、嬉しくて無意識の内にカラッドの口元に笑みが浮かんだ。
「……アルディック、さっきは有り難う」
「どういたしまして。邪魔しちまったかと思ったけど良かったか?」
「ああ、全然大丈夫だ」
もしアルディックがダークの両手を撃ち抜いていなければ、確実に自分は死んでいた。
アルディックが答えながら、もう一度ショットガンに弾を込めていた。
もう戦う相手など居ないだろうに、とカラッドは考えるが、それももうすぐ終わるという終焉への期待で
消えていった。
「──もうすぐ、だな」
もうすぐ、この世界はガラスのように砕け散って消えていく。勿論、カラッド達もだ。
だが、いつまで経ってもその兆候は現れなかった。
「……何でだ……何で、終わらない!?」
主催者──主催者である兄は殺した筈だ。アルディックの援護があったとしても、最終的には、この手で。
「……考えられるのはただ一つだけ」
妙に落ち着いた声で、アルディックは続けた。
「こいつが、主催者じゃなかったって事だ」
「なっ……!? そんなのが」
「有り得る」
有り得るのか、そう問おうとしていたカラッドを遮って、アルディックははっきりと言い放った。
ダークが主催者になりすましていた。
確かにそう考えれば、この遊びが終わらないことも元の世界に戻れないことにも合点がいく。
ただその場合、本当の主催者は誰なのか。
「じゃあ本物は誰なんだよ……アポフィスか? サーゼか?」
カラッドの最もな問いに、アルディックは静かに首を横に振った。
「アポフィスが主催者なら、俺なんて簡単に殺しただろ。死体処理班班長は必然的に主催者になれないっていう規律がある。努哉と行峯はもう死んでるから有り得ない」
「じゃあ誰が──」
そこまで言いかけて、ある一つの結論に辿り着く。
一番信じたくない、だが一番信憑性のある、たった一つの『答』。
「……ま、さか……」
自分に向けられる、信じられないというような感情に揺れたカラッドの視線を見て、アルディックは笑った。
その笑い声は、今まで聞いたことがない程に、ある感情で満ち溢れていた。
「──大・正・解!!」
本当に嬉しそうな声と肯定の言葉は、カラッドの心を絶望で支配するのには充分だった。
「今まで解らなかったなんてな……そんなに俺の演技は上手かったか?」
「嘘……だろ……?」
嘘と言って欲しい、カラッドの頭の中にはそれ以外になかった。
「残念ながら、嘘じゃないんだよなぁ。……それじゃあ、改めて自己紹介するか」
何も言えずに居るカラッドの目の前で、彼は狂気に満ちた笑いを堪えることもなく、全ての答えを出した。
「この世界の創造主でありゲーム主催者、アルディックだ」
「──嘘だ!」
自分の物とは思えないような、弱々しい声での否定が口をついて出てくる。
「あんたはあいつから俺を守ってくれただろ……あんたが主催者なんて俺は信じない」
「ああ、あれはなー……お前をホールで見たときから面白そうだなと思ってて、参加者に紛れ込んでペアになった。そして俺の今回の『遊びの標的』が殺されそうになった、だから守った。それだけだ。──まあ、右目を失うとは思ってなかったけどな」
ゆっくりと、だが確実に、自分の望みが消えていく。
「それと行峯を諭したのは、こいつらがペア同士で殺し合ったら笑えるなって思ったから。仲間同士でつぶし合いなんて面白いだろ?」
笑い声を漏らしながら、更に続けた。
「でもまさかお前とダークが双子だったなんて知らなかった。俺が隠れ蓑として丁度良いなって思って呼び出した狂った奴がな……世の中何が起こるか解らないモンだ」
肩を竦めたアルディックは、カラッドが必死にしがみついていた希望を全て奪い去った。
「……今までのは、全部……演技だったっていうのか……!?」
いつも自分を慰めてくれた、忘れかけていた他人の優しさも、自分を励ましてくれたのも、何もかもが演技だったというのか。
「あーまあ大体はそうだなー。そうでもしなけりゃお前だったらすぐ気付くだろ?」
自分から聞いておいてなんだったが、カラッドにとってそんな事はどうでもよかった。
「何で……何であんたがこんな事をするんだ」
「簡単なことだ」
先程までと打って変わって冷たい声を発したアルディックの眼は、負の情念──憎悪や妬みで、酷く冷たい光を帯びていた。
「俺の生まれ育った世界は、俺の存在を否定した」
存在を否定された、それは恐らく、皆に虐げられていたということだろうか。
「誰も俺を認めてくれない、誰も俺を見てくれない、勝手に俺を見下す、そんな世界に嫌気が差した」
だからこの世界を作り出した、とアルディックは続けると、思い出したように付け足した。
「俺の元居た世界には、魔術とか魔力っていうのが存在してた。俺も結構魔力は持ってる方だった。
俺は自分が持てる魔力全部を使って、この世界を作り上げた。……まあ、そのせいで俺の魔力なんて
なくなっちまったけど」
これだけ真実を突き付けられても尚、カラッドは心の何処かで嘘だと念じていた。
だがそんなカラッドの事など気にも留めず、白黒の殺戮世界を背負ったアルディックは両手を広げると高らかに言った。
「これは俺を認めなかった世界への報復だ!!」
その叫びは、今までずっと虐げられてきた彼の心が発する悲鳴にも聞こえた。
「最後まで楽しませてくれてありがとよ、カラッド」
まるで世間話でもするように理不尽な礼を言いながら、カラッドへと銃口を向ける。
「……あ、やっぱりこういうシーンには雨とかも必要か。お前に免じて降らせてやるよ」
アルディックが右手を掲げると、天候の変化など有り得ないと思っていた空から雨が降り出した。
「さあ、ラストバトルだ。言っとくけど俺は容赦しない。ま、苦しまないように殺してやっから安心しろ」
雨に打たれながら言うアルディックは、もうカラッドが知っているアルディックではなかった。
やっとこれで、元の世界に帰れる。
そう思うと、嬉しくて無意識の内にカラッドの口元に笑みが浮かんだ。
「……アルディック、さっきは有り難う」
「どういたしまして。邪魔しちまったかと思ったけど良かったか?」
「ああ、全然大丈夫だ」
もしアルディックがダークの両手を撃ち抜いていなければ、確実に自分は死んでいた。
アルディックが答えながら、もう一度ショットガンに弾を込めていた。
もう戦う相手など居ないだろうに、とカラッドは考えるが、それももうすぐ終わるという終焉への期待で
消えていった。
「──もうすぐ、だな」
もうすぐ、この世界はガラスのように砕け散って消えていく。勿論、カラッド達もだ。
だが、いつまで経ってもその兆候は現れなかった。
「……何でだ……何で、終わらない!?」
主催者──主催者である兄は殺した筈だ。アルディックの援護があったとしても、最終的には、この手で。
「……考えられるのはただ一つだけ」
妙に落ち着いた声で、アルディックは続けた。
「こいつが、主催者じゃなかったって事だ」
「なっ……!? そんなのが」
「有り得る」
有り得るのか、そう問おうとしていたカラッドを遮って、アルディックははっきりと言い放った。
ダークが主催者になりすましていた。
確かにそう考えれば、この遊びが終わらないことも元の世界に戻れないことにも合点がいく。
ただその場合、本当の主催者は誰なのか。
「じゃあ本物は誰なんだよ……アポフィスか? サーゼか?」
カラッドの最もな問いに、アルディックは静かに首を横に振った。
「アポフィスが主催者なら、俺なんて簡単に殺しただろ。死体処理班班長は必然的に主催者になれないっていう規律がある。努哉と行峯はもう死んでるから有り得ない」
「じゃあ誰が──」
そこまで言いかけて、ある一つの結論に辿り着く。
一番信じたくない、だが一番信憑性のある、たった一つの『答』。
「……ま、さか……」
自分に向けられる、信じられないというような感情に揺れたカラッドの視線を見て、アルディックは笑った。
その笑い声は、今まで聞いたことがない程に、ある感情で満ち溢れていた。
「──大・正・解!!」
本当に嬉しそうな声と肯定の言葉は、カラッドの心を絶望で支配するのには充分だった。
「今まで解らなかったなんてな……そんなに俺の演技は上手かったか?」
「嘘……だろ……?」
嘘と言って欲しい、カラッドの頭の中にはそれ以外になかった。
「残念ながら、嘘じゃないんだよなぁ。……それじゃあ、改めて自己紹介するか」
何も言えずに居るカラッドの目の前で、彼は狂気に満ちた笑いを堪えることもなく、全ての答えを出した。
「この世界の創造主でありゲーム主催者、アルディックだ」
「──嘘だ!」
自分の物とは思えないような、弱々しい声での否定が口をついて出てくる。
「あんたはあいつから俺を守ってくれただろ……あんたが主催者なんて俺は信じない」
「ああ、あれはなー……お前をホールで見たときから面白そうだなと思ってて、参加者に紛れ込んでペアになった。そして俺の今回の『遊びの標的』が殺されそうになった、だから守った。それだけだ。──まあ、右目を失うとは思ってなかったけどな」
ゆっくりと、だが確実に、自分の望みが消えていく。
「それと行峯を諭したのは、こいつらがペア同士で殺し合ったら笑えるなって思ったから。仲間同士でつぶし合いなんて面白いだろ?」
笑い声を漏らしながら、更に続けた。
「でもまさかお前とダークが双子だったなんて知らなかった。俺が隠れ蓑として丁度良いなって思って呼び出した狂った奴がな……世の中何が起こるか解らないモンだ」
肩を竦めたアルディックは、カラッドが必死にしがみついていた希望を全て奪い去った。
「……今までのは、全部……演技だったっていうのか……!?」
いつも自分を慰めてくれた、忘れかけていた他人の優しさも、自分を励ましてくれたのも、何もかもが演技だったというのか。
「あーまあ大体はそうだなー。そうでもしなけりゃお前だったらすぐ気付くだろ?」
自分から聞いておいてなんだったが、カラッドにとってそんな事はどうでもよかった。
「何で……何であんたがこんな事をするんだ」
「簡単なことだ」
先程までと打って変わって冷たい声を発したアルディックの眼は、負の情念──憎悪や妬みで、酷く冷たい光を帯びていた。
「俺の生まれ育った世界は、俺の存在を否定した」
存在を否定された、それは恐らく、皆に虐げられていたということだろうか。
「誰も俺を認めてくれない、誰も俺を見てくれない、勝手に俺を見下す、そんな世界に嫌気が差した」
だからこの世界を作り出した、とアルディックは続けると、思い出したように付け足した。
「俺の元居た世界には、魔術とか魔力っていうのが存在してた。俺も結構魔力は持ってる方だった。
俺は自分が持てる魔力全部を使って、この世界を作り上げた。……まあ、そのせいで俺の魔力なんて
なくなっちまったけど」
これだけ真実を突き付けられても尚、カラッドは心の何処かで嘘だと念じていた。
だがそんなカラッドの事など気にも留めず、白黒の殺戮世界を背負ったアルディックは両手を広げると高らかに言った。
「これは俺を認めなかった世界への報復だ!!」
その叫びは、今までずっと虐げられてきた彼の心が発する悲鳴にも聞こえた。
「最後まで楽しませてくれてありがとよ、カラッド」
まるで世間話でもするように理不尽な礼を言いながら、カラッドへと銃口を向ける。
「……あ、やっぱりこういうシーンには雨とかも必要か。お前に免じて降らせてやるよ」
アルディックが右手を掲げると、天候の変化など有り得ないと思っていた空から雨が降り出した。
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FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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