I permanently serve you. NeroAngelo
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こっから先はR指定だ!!
最終話目前ってことで風邪でウボァーしながら書きます。ダァーイかな。
頭痛が酷くなるとの事なので母に「ゆったり系聞け」言われました。なのでみくみく。
最終話目前ってことで風邪でウボァーしながら書きます。ダァーイかな。
頭痛が酷くなるとの事なので母に「ゆったり系聞け」言われました。なのでみくみく。
Want to return 15
塔の中には、警備員──と呼んで良いのかは解らないが、そのような役柄に着いている人間も
同じく主催者を殺そうとして塔に乗り込んできている参加者も居なかった。
「誰も居ないな……」
カラッドの呟きが、表と同じく白と黒で統一されている塔のホールに反響する。
「珍しいな。誰も居ないってのは」
「やっぱりそうなのか?」
「ああ。いつもならここに大勢の参加者が向かってくる。俺はそれを近くの低いビルの屋上からショットガンで撃ち殺す。今までそうやって生き延びてきた」
「……あんた詳しいな。もしかして何回も参加した事あるのか?」
この遊びは、1回では終わらない。カラッドは初参加だが、もしかしたらアルディックはカラッドが来る前にも何度か参加したことがあるのかもしれない。
「あーまあなー。何を気に入られたんだか、しょっちゅう呼び出される。確かコレで……12回目、だな」
「12回目!?」
二桁までは予想していなかった。せいぜい多くても5回くらいだろうと勝手に想像していたのだ。
それが予想の2倍以上である12回だなどと、カラッドは信じられなかった。
「まあ慣れればどうってことない。ちゃんと元の世界に戻してくれるしな」
そうじゃなかったらとっくに自殺してる、とアルディックは続けると、黒一色の階段を上り始めた。
「1階がこう、ってことは多分上に行っても誰も居ないな……余計な体力使わなくて済んだな」
「よかった……じゃあ早く行こう。──もう、逃げたりなんかしない」
真っ向から向き合って、この手で全ての終止符を打つ。
カラッドは手の中にあるナイフを握りしめ、ゆっくりとだが確実に最上階へと向かっていった。
最上階は、屋上のようになっていた。
見上げれば、白い画用紙で蓋をされたような真っ白い空が広がっている。
床は依然として白、そして古びた洋館にあるような黒い鉄作が、空間の周りを縁取っていた。
その中心に、ダークはまるでカラッドを待っているかのように立っていた。
「──思ったより早いね。ここに来るのも、お兄さんの回復も、さ。医療班は1回全員死んじゃった筈なんだけど……カラッドにでも治療して貰った?」
「残念だけどな、お前が呼び出した参加者の中に『元の世界で医者をやっていた』人間が居たんだよ」
アポフィスが居なければ、アルディックは今ここに立っていない。
「あーそうなの? まあいいや。2人の方が面白いし。ね? ──臆病者」
『臆病者』
その単語に、カラッドはナイフをより強く握りしめた。
「俺はもう臆病者なんかじゃない……あんたに怯えていたあの頃の餓鬼じゃない」
カラッドは全ての感情を込めて、ダークを睨み付けた。
「そうそう……その目だ。ほら、僕を殺してごらん?」
自分の左胸を指さし、ダークは挑発するように笑い声をこぼす。
ショットガンに弾を込め、その銃口をダークに向けるアルディックを、カラッドは手で制した。
「あんたは手を出さないでくれ。俺が殺る」
「──そのつもりだ。……だけど、危なくなったら援護射撃はするぜ?」
「なーんだ、2人でこないの? ……しょうがないかー……」
これはただ残酷な殺し合いという名の『兄弟喧嘩』だ。
「……きなよ、カラッド」
ダークの発言が終わるか終わらないかのタイミングで、カラッドは瞬時に取り出したナイフを射出していた。
「よっ、と──」
自分の持っていたカラッドのナイフと同じようなデザインのそれで、ダークはナイフを弾き落とそうとする。
だが、その内の数個は弾ききれずにダークのコートと腕を切り裂いた。
「痛いなぁ……覚悟とか、そんな感情だけでここまで変わるんだねー」
「決まってるだろ……今度は俺があんたを殺すんだから」
今まで自分を虐げ続けていた、自分と同じ顔、同じ姿の狂気の塊を自分の手で傷つけ、殺す。
「うーん、でも黙って殺される訳にはいかないんだ。ごめんね」
その瞬間、目の前からダークの姿が消えた。
戸惑い、カラッドの動きが止まる。
「カラッド、後ろだ!」
アルディックの鋭い声で我に返ったカラッドは、そのまま後ろを振り返った。
自分の首に突き立てられようとしていたナイフを、自分の持っていたナイフの刀身で受け止める。
「お前の防御の癖だよね、そうやって受け止めるの。だから他が疎かになる」
「ぐあぁッ!!」
小型の投てきナイフと思われる物を投げずにそのまま手に持つと、鍔迫り合いのような状態になっている彼の左二の腕に深々と突き刺した。
「目の前の攻撃にだけ気を取られるからこうなる。まあ、だからこそ面白いんだけど」
何も答えずに、カラッドはそのナイフを引き抜くと適当に投げ捨て、ダークに向かって駆け出した。
「──遅いよ」
難なく防がれ、相手に上手く傷を付けられないことの苛立ちからカラッドは舌打ちをすると、渾身の力でダークを蹴り飛ばした。
まさかこうくるとは思っていなかったのだろう、ダークは諸にその一撃を受けて吹き飛んだ。
「肉弾戦かーそうきたかー……武器の扱いなら僕の方が買ってるけど、力ならお前の方が強いもんね」
「考えたこともなかったな、そんなこと」
いつでも自分は、ダークよりも劣っているとしか思わなかった。自分の体中に刻まれた傷が、その証だ。
「……もういーや、めんどくさい……さっさと終わらせよう?」
「俺も丁度そう思ってたんだ。こんな殺し合い、5分も10分もかけるものじゃないだろ」
切り結んでからまだ数分しか経っていない。だが、それでも早く終わらせたかった。
どちらともなく、塔の両端と両端で対峙する。
カラッドはナイフを構え、突きをするようにしてダークに向かった。
ダークもそう来る──と思っていた。
「はい、残念でした」
悪戯っぽく笑い、ダークは恐らく最後であろう小型ナイフを、全てカラッドに飛ばした。
完全に攻撃態勢に入っていたカラッドに避けられる筈もなく、その切っ先は容赦なくカラッドの身体を傷つける。
「さあ──終わりだ」
こんなところで自分は死ぬのか、自分の願いも望みも何も果たせないまま、ここで無惨に殺されるのか。
死を覚悟し、カラッドは目を閉じた。
「──諦めるんじゃねぇよ、カラッド!!」
銃声と共に聞こえたアルディックの声に、あのときのように目を開く。
目の前には、両手から血を流しているダークがうずくまっていた。
「お兄さん……これって援護射撃って言うの?」
「さあな。知るかそんなモン。俺はただカラッドを守ろうとしただけだ。──悪いな、カラッド」
「いや……ありがとう」
アルディックに短く礼を言い、カラッドは立ち上がるとナイフを握り直す。
そして
「……終わるのは、あんたの方だ」
顔を上げたダークの首に、ナイフを突き刺した。
「がっ……!」
ダークの口から血が溢れ出し、白い地面を赤く染め上げた。
それを冷酷に見下ろしていたカラッドだったが、ダークが小刻みに笑っていることに気付き眉根を寄せる。
「……お前の、勝ち、──だよ……カラッド」
今まで通りの笑みを遺し、ダークはその場に力なく倒れた。
「──じゃあな。……『兄さん』」
塔の中には、警備員──と呼んで良いのかは解らないが、そのような役柄に着いている人間も
同じく主催者を殺そうとして塔に乗り込んできている参加者も居なかった。
「誰も居ないな……」
カラッドの呟きが、表と同じく白と黒で統一されている塔のホールに反響する。
「珍しいな。誰も居ないってのは」
「やっぱりそうなのか?」
「ああ。いつもならここに大勢の参加者が向かってくる。俺はそれを近くの低いビルの屋上からショットガンで撃ち殺す。今までそうやって生き延びてきた」
「……あんた詳しいな。もしかして何回も参加した事あるのか?」
この遊びは、1回では終わらない。カラッドは初参加だが、もしかしたらアルディックはカラッドが来る前にも何度か参加したことがあるのかもしれない。
「あーまあなー。何を気に入られたんだか、しょっちゅう呼び出される。確かコレで……12回目、だな」
「12回目!?」
二桁までは予想していなかった。せいぜい多くても5回くらいだろうと勝手に想像していたのだ。
それが予想の2倍以上である12回だなどと、カラッドは信じられなかった。
「まあ慣れればどうってことない。ちゃんと元の世界に戻してくれるしな」
そうじゃなかったらとっくに自殺してる、とアルディックは続けると、黒一色の階段を上り始めた。
「1階がこう、ってことは多分上に行っても誰も居ないな……余計な体力使わなくて済んだな」
「よかった……じゃあ早く行こう。──もう、逃げたりなんかしない」
真っ向から向き合って、この手で全ての終止符を打つ。
カラッドは手の中にあるナイフを握りしめ、ゆっくりとだが確実に最上階へと向かっていった。
最上階は、屋上のようになっていた。
見上げれば、白い画用紙で蓋をされたような真っ白い空が広がっている。
床は依然として白、そして古びた洋館にあるような黒い鉄作が、空間の周りを縁取っていた。
その中心に、ダークはまるでカラッドを待っているかのように立っていた。
「──思ったより早いね。ここに来るのも、お兄さんの回復も、さ。医療班は1回全員死んじゃった筈なんだけど……カラッドにでも治療して貰った?」
「残念だけどな、お前が呼び出した参加者の中に『元の世界で医者をやっていた』人間が居たんだよ」
アポフィスが居なければ、アルディックは今ここに立っていない。
「あーそうなの? まあいいや。2人の方が面白いし。ね? ──臆病者」
『臆病者』
その単語に、カラッドはナイフをより強く握りしめた。
「俺はもう臆病者なんかじゃない……あんたに怯えていたあの頃の餓鬼じゃない」
カラッドは全ての感情を込めて、ダークを睨み付けた。
「そうそう……その目だ。ほら、僕を殺してごらん?」
自分の左胸を指さし、ダークは挑発するように笑い声をこぼす。
ショットガンに弾を込め、その銃口をダークに向けるアルディックを、カラッドは手で制した。
「あんたは手を出さないでくれ。俺が殺る」
「──そのつもりだ。……だけど、危なくなったら援護射撃はするぜ?」
「なーんだ、2人でこないの? ……しょうがないかー……」
これはただ残酷な殺し合いという名の『兄弟喧嘩』だ。
「……きなよ、カラッド」
ダークの発言が終わるか終わらないかのタイミングで、カラッドは瞬時に取り出したナイフを射出していた。
「よっ、と──」
自分の持っていたカラッドのナイフと同じようなデザインのそれで、ダークはナイフを弾き落とそうとする。
だが、その内の数個は弾ききれずにダークのコートと腕を切り裂いた。
「痛いなぁ……覚悟とか、そんな感情だけでここまで変わるんだねー」
「決まってるだろ……今度は俺があんたを殺すんだから」
今まで自分を虐げ続けていた、自分と同じ顔、同じ姿の狂気の塊を自分の手で傷つけ、殺す。
「うーん、でも黙って殺される訳にはいかないんだ。ごめんね」
その瞬間、目の前からダークの姿が消えた。
戸惑い、カラッドの動きが止まる。
「カラッド、後ろだ!」
アルディックの鋭い声で我に返ったカラッドは、そのまま後ろを振り返った。
自分の首に突き立てられようとしていたナイフを、自分の持っていたナイフの刀身で受け止める。
「お前の防御の癖だよね、そうやって受け止めるの。だから他が疎かになる」
「ぐあぁッ!!」
小型の投てきナイフと思われる物を投げずにそのまま手に持つと、鍔迫り合いのような状態になっている彼の左二の腕に深々と突き刺した。
「目の前の攻撃にだけ気を取られるからこうなる。まあ、だからこそ面白いんだけど」
何も答えずに、カラッドはそのナイフを引き抜くと適当に投げ捨て、ダークに向かって駆け出した。
「──遅いよ」
難なく防がれ、相手に上手く傷を付けられないことの苛立ちからカラッドは舌打ちをすると、渾身の力でダークを蹴り飛ばした。
まさかこうくるとは思っていなかったのだろう、ダークは諸にその一撃を受けて吹き飛んだ。
「肉弾戦かーそうきたかー……武器の扱いなら僕の方が買ってるけど、力ならお前の方が強いもんね」
「考えたこともなかったな、そんなこと」
いつでも自分は、ダークよりも劣っているとしか思わなかった。自分の体中に刻まれた傷が、その証だ。
「……もういーや、めんどくさい……さっさと終わらせよう?」
「俺も丁度そう思ってたんだ。こんな殺し合い、5分も10分もかけるものじゃないだろ」
切り結んでからまだ数分しか経っていない。だが、それでも早く終わらせたかった。
どちらともなく、塔の両端と両端で対峙する。
カラッドはナイフを構え、突きをするようにしてダークに向かった。
ダークもそう来る──と思っていた。
「はい、残念でした」
悪戯っぽく笑い、ダークは恐らく最後であろう小型ナイフを、全てカラッドに飛ばした。
完全に攻撃態勢に入っていたカラッドに避けられる筈もなく、その切っ先は容赦なくカラッドの身体を傷つける。
「さあ──終わりだ」
こんなところで自分は死ぬのか、自分の願いも望みも何も果たせないまま、ここで無惨に殺されるのか。
死を覚悟し、カラッドは目を閉じた。
「──諦めるんじゃねぇよ、カラッド!!」
銃声と共に聞こえたアルディックの声に、あのときのように目を開く。
目の前には、両手から血を流しているダークがうずくまっていた。
「お兄さん……これって援護射撃って言うの?」
「さあな。知るかそんなモン。俺はただカラッドを守ろうとしただけだ。──悪いな、カラッド」
「いや……ありがとう」
アルディックに短く礼を言い、カラッドは立ち上がるとナイフを握り直す。
そして
「……終わるのは、あんたの方だ」
顔を上げたダークの首に、ナイフを突き刺した。
「がっ……!」
ダークの口から血が溢れ出し、白い地面を赤く染め上げた。
それを冷酷に見下ろしていたカラッドだったが、ダークが小刻みに笑っていることに気付き眉根を寄せる。
「……お前の、勝ち、──だよ……カラッド」
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職業:
ソルジャー1st
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こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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