I permanently serve you. NeroAngelo
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こっから先はR指定だ!!
ついに10話か…でももうすぐラスト。さあ突っ走るぜ。
今回マジでグロいので注意で。
ついに10話か…でももうすぐラスト。さあ突っ走るぜ。
今回マジでグロいので注意で。
俺が覚えている一番古い記憶では、アイツは世間で言う『弟思いの優しい兄』だった。
アイツがいつ狂い始めたか、実はよく覚えていない。何故狂ったのかさえもだ。
魔が差したのか、それとも好奇心か。
確か、5,6歳だった。それしか解らない。
あの頃は、アイツを家族として、双子の兄として見ていられたのに。
それなのに、ある日突然
Want to return 10
散歩から戻ると、部屋の隅で兄──ダークがこちらに背を向けて俯いた状態で立っていた。
その手には何かが握られているようだったが、カラッドの立っている位置からはそれが
何なのかは見えない。
「兄さん?」
「──カラッド」
今まで黙っていたダークが、不意に口を開いた。
「何?」
「僕ね、気付いたことがあるんだ」
何故かやけに弾んだ声で言いながら、ダークはカラッドに振り向いた。
その顔には、夥しい量の血が付着していた。
「血ってさ、こんなに温かいんだよ」
ほら、と言って、彼にナイフを持っていない手を向けた。その手も、血で真っ赤に濡れていた。
「……そ、れ……誰の……」
ダークの体中に付いている血が、誰のものなのか。それが知りたかった。
「え? 誰の何だって?」
首を傾げながら、血まみれの状態でカラッドに近づく。
手から滴り落ちた血がぽたぽたと音を立てた。歩く度に、血の染み込んだ絨毯を踏みしめる音も。
その背後に見えたものは、自分が最も信じたくない『もの』だった。
「ひッ……ああああああああああぁ!!」
ナイフで全身を切り裂かれ、床と絨毯に血を染み込ませているのは
「かあ……さ、ん……」
もう息をしていないその人間を、見間違うことなど有り得ない。
それは紛れもなく、母親の死体だった。
「そ、母さん。何か問題でもある?」
悪びれる様子も全くなく言い切ったダークに、何も言えなくなる。
そもそも、この状況でどうやって実の母親を殺した兄に声をかけろと言うのか。
近づいてくるダークに、カラッドは無意識の内に後ずさりしてしまう。
「いや……だ……来るな……来るなぁ……っ!」
「母さんの血は凄い温かかったけどさ……カラッドの血も温かいのかな?」
カラッドの目の前に立ち、その右頬に母親の血で濡れたナイフを当てた。
「──試してみよっか」
まるで新しく買って貰ったオモチャの電源を最初に入れる時のような表情をして、ダークは
カラッドの頬にナイフを食い込ませた。
「痛、い……! ──嫌、嫌だッ!!」
今まで溜まっていた恐怖が一気に爆発したのか、カラッドは叫ぶとダークの手を振り払った。
衝撃で、ダークの手からナイフが滑り落ちる。
床に突き刺さったそれを素早く抜き取り、目を閉じてダークへと突き出した。
そのナイフの一閃は、ダークの左頬を切り裂いていた。
ダークは痛みに顔を顰めるが、すぐさまカラッドの手首を掴むと動きを止め、彼の首に空いている
右手を掛けた。
そのまま全体重を掛けて、床に押し倒す。
「がっ……」
「へー……血は誰でも温かいのか。ありがと、カラッド」
カラッドの首を絞めながら、今までの『優しい兄』としての声音で言う。
それが今は、酷く冷たく聞こえた。
「このまま首締め続けたら……死んじゃうか」
彼が意識を失う寸前に、ダークは手を離した。
「──あれ、カラッド?」
カラッドが何も反応を示さないのを怪訝に思ったのか、カラッドの上から退くと名を呼んだ。
だが、何も反応しない。
首から手を離されたのはいいものの、そのまま耐えきれずに気を失ってしまったのか。
カラッドの記憶は、そこで一度途切れていた。
次に目を覚ましたとき、カラッドの目に入ってきたのは見慣れない真っ白な天井だった。
そこが病院だと気付くまでに時間はかからなかった。
枕元には、父親が重苦しい表情で座っていた。隣のベッドには──ダークが。
恐らく父親も大人達も、ダークが母親を殺したとは思っていないのだろう。
『こんな小さな子供がやるわけがない』、『気を失い倒れていたのは母親の死体を見たショックで』
『兄の方は恐らく母親の死を間近で』、『彼らはこれからどうやって──』
大人達のそんな勝手な声が聞こえる中で、カラッドは母親と兄の他にも失ったものがあった。
失ったのは
「──何を言われても……何も、感じない」
『感情の起伏』
そしてダークが手に入れたのは
「──ああ、綺麗だ」
『狂気』
この時から、二人は永遠に道を違えた。
アイツがいつ狂い始めたか、実はよく覚えていない。何故狂ったのかさえもだ。
魔が差したのか、それとも好奇心か。
確か、5,6歳だった。それしか解らない。
あの頃は、アイツを家族として、双子の兄として見ていられたのに。
それなのに、ある日突然
Want to return 10
散歩から戻ると、部屋の隅で兄──ダークがこちらに背を向けて俯いた状態で立っていた。
その手には何かが握られているようだったが、カラッドの立っている位置からはそれが
何なのかは見えない。
「兄さん?」
「──カラッド」
今まで黙っていたダークが、不意に口を開いた。
「何?」
「僕ね、気付いたことがあるんだ」
何故かやけに弾んだ声で言いながら、ダークはカラッドに振り向いた。
その顔には、夥しい量の血が付着していた。
「血ってさ、こんなに温かいんだよ」
ほら、と言って、彼にナイフを持っていない手を向けた。その手も、血で真っ赤に濡れていた。
「……そ、れ……誰の……」
ダークの体中に付いている血が、誰のものなのか。それが知りたかった。
「え? 誰の何だって?」
首を傾げながら、血まみれの状態でカラッドに近づく。
手から滴り落ちた血がぽたぽたと音を立てた。歩く度に、血の染み込んだ絨毯を踏みしめる音も。
その背後に見えたものは、自分が最も信じたくない『もの』だった。
「ひッ……ああああああああああぁ!!」
ナイフで全身を切り裂かれ、床と絨毯に血を染み込ませているのは
「かあ……さ、ん……」
もう息をしていないその人間を、見間違うことなど有り得ない。
それは紛れもなく、母親の死体だった。
「そ、母さん。何か問題でもある?」
悪びれる様子も全くなく言い切ったダークに、何も言えなくなる。
そもそも、この状況でどうやって実の母親を殺した兄に声をかけろと言うのか。
近づいてくるダークに、カラッドは無意識の内に後ずさりしてしまう。
「いや……だ……来るな……来るなぁ……っ!」
「母さんの血は凄い温かかったけどさ……カラッドの血も温かいのかな?」
カラッドの目の前に立ち、その右頬に母親の血で濡れたナイフを当てた。
「──試してみよっか」
まるで新しく買って貰ったオモチャの電源を最初に入れる時のような表情をして、ダークは
カラッドの頬にナイフを食い込ませた。
「痛、い……! ──嫌、嫌だッ!!」
今まで溜まっていた恐怖が一気に爆発したのか、カラッドは叫ぶとダークの手を振り払った。
衝撃で、ダークの手からナイフが滑り落ちる。
床に突き刺さったそれを素早く抜き取り、目を閉じてダークへと突き出した。
そのナイフの一閃は、ダークの左頬を切り裂いていた。
ダークは痛みに顔を顰めるが、すぐさまカラッドの手首を掴むと動きを止め、彼の首に空いている
右手を掛けた。
そのまま全体重を掛けて、床に押し倒す。
「がっ……」
「へー……血は誰でも温かいのか。ありがと、カラッド」
カラッドの首を絞めながら、今までの『優しい兄』としての声音で言う。
それが今は、酷く冷たく聞こえた。
「このまま首締め続けたら……死んじゃうか」
彼が意識を失う寸前に、ダークは手を離した。
「──あれ、カラッド?」
カラッドが何も反応を示さないのを怪訝に思ったのか、カラッドの上から退くと名を呼んだ。
だが、何も反応しない。
首から手を離されたのはいいものの、そのまま耐えきれずに気を失ってしまったのか。
カラッドの記憶は、そこで一度途切れていた。
次に目を覚ましたとき、カラッドの目に入ってきたのは見慣れない真っ白な天井だった。
そこが病院だと気付くまでに時間はかからなかった。
枕元には、父親が重苦しい表情で座っていた。隣のベッドには──ダークが。
恐らく父親も大人達も、ダークが母親を殺したとは思っていないのだろう。
『こんな小さな子供がやるわけがない』、『気を失い倒れていたのは母親の死体を見たショックで』
『兄の方は恐らく母親の死を間近で』、『彼らはこれからどうやって──』
大人達のそんな勝手な声が聞こえる中で、カラッドは母親と兄の他にも失ったものがあった。
失ったのは
「──何を言われても……何も、感じない」
『感情の起伏』
そしてダークが手に入れたのは
「──ああ、綺麗だ」
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この時から、二人は永遠に道を違えた。
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赤闇銀羽
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性別:
非公開
職業:
ソルジャー1st
趣味:
妄想!
自己紹介:
こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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