I permanently serve you. NeroAngelo
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やっと吐き気治まったなぁ・・・
RELAYS - リレイズ - 6 【帰還】
ソーマの後を追って走り、やっとのことで俺は出口へと辿り着いた。
といっても、地下通路だが。
ウィジロは空中都市のような上層、普通の都市のような中層、地下街の下層に分かれている。
俺が最初に居たのが中層、イーナと出会ったのが下層だ。
ここから脱出するには、地下通路を通るしかない。
本来なら、入ってきた所から出るのが普通──なんだけれど。
ええもう、俺のせいですよ……
ソーマは地下通路の鍵を扉ごとナトゥスで斬り捨てた。
「鍵だけ壊せばいいだろ?」
「面倒だ。どうでもいい」
面倒事は極力避ける、というスタンスで居るのがソーマだ。
俺としては鍵だけを壊すくらい、何の面倒とも思ってはいないが。
「来い」
考えているところに声を掛けられる。
「あ、ああ!」
少しだけイーナの事が気に掛かったが、そんな事は気にしていられなかった。
遠くから、怒号のような声とサイレンの音が微かに聞こえてくる。
俺は、その通路へと足を踏み出した。
「……」
「……」
先程から、俺もソーマも全く言葉を交わしていない。
ソーマが口を開かないのはいつものことだが、今回は訳が違う。
「……ソーマ、怒ってる?」
イーナから逃れるための──悪く言えば餌として使っちゃったから、なぁ……
ソーマから、返事は来ない。
俺がもう一度言おうとした時
「俺がそうだと答えたらどうするつもりだ?」
「……いや、謝りたいなと……」
「何をだ?」
「え、えっと……」
「貴様が自分で謝るべきだと思っている事全てを順に上げてみろ」
上手く言葉を返せずにいる俺に、ソーマは容赦なく言い放った。
俺は記憶を手繰り寄せる。
だが、途中で記憶が混乱しているのか、上手く思い出せない部分がある。
「全てまとめれば、俺の手を煩わせたことだ」
言えない俺に嫌気が差したのか、ソーマが溜め息混じりに言った。
「……本当、悪かった」
俺の謝罪を聞いて満足したのか、ソーマは僅かに口角をつり上げた。
「思い出せないか」
その言葉に、少し驚く。
「──何か、記憶とかがごちゃごちゃになってる感じがするんだ」
頭を思い切り強打したから、とかそういう意味ではない。
根本的な部分で、解らない。
「頻繁な記憶喪失だな」
「……記憶喪失、っていうのとは、少し違う感じだな──」
そう。
俺は、昔の記憶全てを──無くしている。
俺の『覚えている』記憶は、全て機関に入ってからのモノだ。
機関の上の人間には、
『時々記憶が混乱したり、奇妙なデジャヴに襲われるのは記憶喪失のせいだろう』
そう言われている。
今回も、その類だろう。
──そういえば──
意識を取り戻す前に聞いたあの『歌』は、一体何だったんだろうか。
今まで忘れていたが、不意に思い出した。
凄く懐かしい声だったことは、何となく覚えている。
これも、『昔の俺』に関係があることなのだろう。
「──どうした」
俺は自分でも気付かない内に、立ち止まっていたらしい。
「いや、何でもない」
俺はソーマにそう返し、歩き出した。
さほど経たない内に、地上──調度ウィジロの外へと出れた。
地下通路は、ここの人間の避難通路としてでもあるらしい。
俺から少し離れた所で、ソーマは携帯電話で何か連絡をしている。
任務の報告、それと移動手段の確保のため……だと信じたい。
頼むから、俺がやったことは言わないで欲しい。
そう思っていると、報告を終えたソーマがこちらに歩いてくるのが見えた。
「後数分で来るそうだ」
「そうなのか?随分早いけど」
「調度この近くに『別の任務』で他の機関の人間を送って、帰る途中だったらしい」
ソーマのその言葉通り、ものの数分で迎え──機関が所有する車が来た。
俺は車に乗り込み、窓の外から空を見上げた。
そこに、空はない。
広がっているのは、金属で出来た上層都市の『地面』だけだった。
いつか、見れるようになるのかどうか
それは解らない。
でも、見れるように『する』のが俺達の役目。
俺はそう、思っている。
車が、走り出した。
ソーマは鬼畜っ子←
RELAYS - リレイズ - 6 【帰還】
ソーマの後を追って走り、やっとのことで俺は出口へと辿り着いた。
といっても、地下通路だが。
ウィジロは空中都市のような上層、普通の都市のような中層、地下街の下層に分かれている。
俺が最初に居たのが中層、イーナと出会ったのが下層だ。
ここから脱出するには、地下通路を通るしかない。
本来なら、入ってきた所から出るのが普通──なんだけれど。
ええもう、俺のせいですよ……
ソーマは地下通路の鍵を扉ごとナトゥスで斬り捨てた。
「鍵だけ壊せばいいだろ?」
「面倒だ。どうでもいい」
面倒事は極力避ける、というスタンスで居るのがソーマだ。
俺としては鍵だけを壊すくらい、何の面倒とも思ってはいないが。
「来い」
考えているところに声を掛けられる。
「あ、ああ!」
少しだけイーナの事が気に掛かったが、そんな事は気にしていられなかった。
遠くから、怒号のような声とサイレンの音が微かに聞こえてくる。
俺は、その通路へと足を踏み出した。
「……」
「……」
先程から、俺もソーマも全く言葉を交わしていない。
ソーマが口を開かないのはいつものことだが、今回は訳が違う。
「……ソーマ、怒ってる?」
イーナから逃れるための──悪く言えば餌として使っちゃったから、なぁ……
ソーマから、返事は来ない。
俺がもう一度言おうとした時
「俺がそうだと答えたらどうするつもりだ?」
「……いや、謝りたいなと……」
「何をだ?」
「え、えっと……」
「貴様が自分で謝るべきだと思っている事全てを順に上げてみろ」
上手く言葉を返せずにいる俺に、ソーマは容赦なく言い放った。
俺は記憶を手繰り寄せる。
だが、途中で記憶が混乱しているのか、上手く思い出せない部分がある。
「全てまとめれば、俺の手を煩わせたことだ」
言えない俺に嫌気が差したのか、ソーマが溜め息混じりに言った。
「……本当、悪かった」
俺の謝罪を聞いて満足したのか、ソーマは僅かに口角をつり上げた。
「思い出せないか」
その言葉に、少し驚く。
「──何か、記憶とかがごちゃごちゃになってる感じがするんだ」
頭を思い切り強打したから、とかそういう意味ではない。
根本的な部分で、解らない。
「頻繁な記憶喪失だな」
「……記憶喪失、っていうのとは、少し違う感じだな──」
そう。
俺は、昔の記憶全てを──無くしている。
俺の『覚えている』記憶は、全て機関に入ってからのモノだ。
機関の上の人間には、
『時々記憶が混乱したり、奇妙なデジャヴに襲われるのは記憶喪失のせいだろう』
そう言われている。
今回も、その類だろう。
──そういえば──
意識を取り戻す前に聞いたあの『歌』は、一体何だったんだろうか。
今まで忘れていたが、不意に思い出した。
凄く懐かしい声だったことは、何となく覚えている。
これも、『昔の俺』に関係があることなのだろう。
「──どうした」
俺は自分でも気付かない内に、立ち止まっていたらしい。
「いや、何でもない」
俺はソーマにそう返し、歩き出した。
さほど経たない内に、地上──調度ウィジロの外へと出れた。
地下通路は、ここの人間の避難通路としてでもあるらしい。
俺から少し離れた所で、ソーマは携帯電話で何か連絡をしている。
任務の報告、それと移動手段の確保のため……だと信じたい。
頼むから、俺がやったことは言わないで欲しい。
そう思っていると、報告を終えたソーマがこちらに歩いてくるのが見えた。
「後数分で来るそうだ」
「そうなのか?随分早いけど」
「調度この近くに『別の任務』で他の機関の人間を送って、帰る途中だったらしい」
ソーマのその言葉通り、ものの数分で迎え──機関が所有する車が来た。
俺は車に乗り込み、窓の外から空を見上げた。
そこに、空はない。
広がっているのは、金属で出来た上層都市の『地面』だけだった。
いつか、見れるようになるのかどうか
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俺はそう、思っている。
車が、走り出した。
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赤闇銀羽
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性別:
非公開
職業:
ソルジャー1st
趣味:
妄想!
自己紹介:
こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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