I permanently serve you. NeroAngelo
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こっから先はR指定だ!!
「私、見ちゃった…R指定」(byパティー
さあ頑張って書くぜ。
今回マジであれだから注意。
「私、見ちゃった…R指定」(byパティー
さあ頑張って書くぜ。
今回マジであれだから注意。
ああまた一つ「駒」が消えちゃった
いつもならここで「補充」するけど
まあ今回は別に必要ないだろうね?
お前がここにきてるからさ!
Want to return 7
アルディックは膝をつき、先程まで行峯が立っていた地面に手を当てた。
伝わってくるのは、ざらついた感触と、白と黒しかないこの世界の真っ白な地面の冷たさだった。
いつも通りの筈が、酷く冷たく感じる。
そこには、行峯が居たという証さえ、欠片ほども残っていない。
「おかしいだろ、こんなの……──何なんだ……何なんだよッ!!」
叫んだアルディックの声は、怒りか悲しみか、それとも両方かで震えていた。
それは、カラッドにとっても同じ事だった。
本当に何を考えているのか解らない主催者が決めた、馬鹿げたルール。
確かに二人ともそれは知っていた。このゲームが始まる前に、自分たちに与えられた部屋に突然入ってきた紙飛行機──書類で読んでいたから。
今それを確認しようにも、その書類は読み終わった瞬間、空気に融けるようにして霧散してしまった為に確認することもできない。
「……でも、俺達は進むしか……ないんだ」
行峯は最期に言った。『二人とも、生き延びてくださいね』と。
敵ではあった人間だが、その言葉を口にしたときの行峯の表情は柔らかかった。今までこのゲームで人を殺してきたのも、恐らく不本意でだろう。
自分達には、その言葉通り生き延びなければならない、カラッドはそう思っていた。勿論、元の世界に帰るため、という意味もあるが。
「解ってる……行動を起こさない事には何も進みやしないんだ」
重苦しい声でカラッドに返し、アルディックは立ち上がった。
そして少し離れた所で地面に夥しい量の血を染みこませながら倒れている、努哉の死体を見た。
蔑んでいるような、でもどこか哀れむような目で。
「この世界に来たときからか、それとも恐怖と絶望で、か……どっちなんだかな」
努哉が殺害に快楽を見出すようになってしまったのは。
狂わなければ、自分の身を滅ぼすことも──行峯に殺されることもなかっただろう。
「──カラッド、どうする?」
「……別に、放っておけばまた『死体処理屋』がやってくれるだろ」
この世界には、殺された人間の死体を片付ける仕事の人間──人間じゃないのかもしれないが──がいる。
翌日になれば、その場には血溜まりの痕跡すら見つからない程に綺麗になる。
カラッドにもアルディックにも、努哉をどうこうする権利はない。
「それじゃ、あいつには悪いけど……帰るか」
自分達の部屋に戻ろうと、二人が足を踏み出した瞬間だった。
「──久々にルール違反して消えちゃった奴が居たから来てみれば」
突然背後から聞こえた全く別の声に、カラッドとアルディックは同時に振り向いた。
「まさかお前が居るなんて、ね。そっちの人はお仲間さんだよね?」
カラッドとほぼ同じ姿をした少年は、くすくすと笑いをこぼしながら二人に話しかけた。
「おいカラッド、あいつ──カラッド?」
問い掛けようとして、アルディックはカラッドの様子がおかしい事に気付く。
「……何で、あんたが……何で……」
うわごとのように繰り返すカラッドは、今までに見たこともないような怯えた表情をしていた。
「だからさっき言っただろ? ルール違反者が居るなぁって思ったから来てみたらお前が居たの」
「嘘、だ、嫌……嫌だ……ッ」
「カラッド!?」
カラッドはその場に座り込み、震える手で頭を押さえ込む。
その姿には、いつも彼自身が見せる無愛想さや冷静さはどこにもなかった。
「あーあ、そんなに臆病になっちゃったんだ? カラッドは」
「いい加減にしろ! お前、誰だ! 何でコイツの事を知ってる!?」
依然として笑っている少年に、アルディックは声を荒げた。
「何でって……知ってるに決まってるじゃないか。ああ、その前に自己紹介か」
こんな状況でなければ誰もが好印象を持つような笑顔で、少年は自分の名を口にした。
「僕はダーク。みんなが良く言ってる主催者ってやつ。そして──カラッドの『お兄ちゃん』だよ」
「主催者のお前が、コイツの兄貴……!?」
信じたくはない。だが、ダークとカラッドの姿は合わせ鏡のように酷似している。着ているコートも、髪の色も、目の色も、全てがカラッドと同じなのだ。
その現実を目の前で突き付けられれば、信じる以外に方法はなかった。
「じゃあ何でカラッドはこんなに……」
「さぁ? カラッドが勝手に怯えてるだけだし、酷くない?」
「何が、勝手だ……! あんた、自分がしたこと……!」
ダークの世間話でもするような声音に、カラッドが震えたか細い声で反論する。
「解ってるよ。でもそれくらいでこんな風になるくらいお前って弱かったっけ?」
だが、カラッドはそれに反応を示さない。
「はぁー……ほんっと面白くないなぁ。お前がいればちょっとは面白くなると思ったのにさぁ」
溜め息を吐くと、ダークは自分の懐に手を入れた。
その行動に、アルディックはショットガンの銃口を向けた。
「──じゃあね、愚弟君」
ダークは嘲笑混じりに言うと、両手に持った小型の投てきナイフをカラッドに向けて射出した。
俯いていたカラッドは、空を切る音で顔を上げた。
目の前に迫るナイフに、カラッドはその場に縫いつけられたように動けなくなる。
自分はここで兄に殺されるのだと、頭の中でぼんやりと他人事のように感じていた。
──カラッド!!
自分の名前を呼ぶ声と、自分の身体にナイフが突き刺さらなかったことを怪訝に思いながらカラッドは目を開いた。
「ッ、ぐあああああ!!」
「──アルディック!!?」
その場に膝をついたアルディックの右眼に当てた手の隙間から、鮮血がぼたぼたと地面に落ちる。
ダークの投げたナイフの1本が、右眼を突き刺していた。
「ぷっ……あははっ! お兄さん凄いね! 仲間を守るために自分が盾になるなんて!」
おかしそうに笑い声を上げるダークの言葉は、嫌な程にカラッドの耳に良く響いた。
アルディックは悲鳴を押し殺しながらナイフを引き抜き、投げ捨てた。
「うるせぇ、よ……ッ!」
「あーごめんごめん。──まっ、今日はからかいに来ただけで何も用なんてないし、ここら辺で」
「お前、逃げるつもりかよ!」
痛みに息を荒くしながら、それでも大声でダークに問う。
「追ってきたいなら追ってきていいよ? お兄さん出血多量で死んじゃうだろうけど」
的を射ている言葉に、追いかけようとしたアルディックの足が止まる。
「それじゃあね、お兄さん。それとカラッド」
それだけを言い残して、ダークは姿を消した。
辺りからダークの気配がしなくなり、ようやくカラッドの身体の震えは徐々に落ち着いていった。
完全に震えが収まった事を確認し、安堵の溜め息を吐いたカラッドは即座に立ち上がる。
「アルディック!!」
「カラ、ッド……?」
「アンタ馬鹿か!? 俺なんて放っておけば──」
言いながら、カラッドはアルディックの右眼に取り出した真っ白いハンカチを当てる。
「誰が放っておけるかよ……つーかいてぇ、あんまり触らないでくれ……別に死にやしねぇ」
カラッドの手を退けながら、上体を起こす。
「あー……クソ、さっきまでサーベルの傷如きで、ぎゃーぎゃー騒いでた……俺が馬鹿みてぇだ」
「大丈夫なんかじゃないだろ! アンタ化け物か!?」
「大丈夫じゃ、ねぇよ……確かにな。でもこれくらいで、死ぬことはねぇっつの」
途切れ途切れだが、いつも通りに言葉を返すアルディックに、頭に上った血が下がっていく。
「今の所は……ハンカチと包帯だけで十分だ。帰ってから治療すりゃ……な。信じろって」
「……死んだら、ただじゃおかないからな」
カラッドが言うと、アルディックは弱々しくだが笑った。
いつもならここで「補充」するけど
まあ今回は別に必要ないだろうね?
お前がここにきてるからさ!
Want to return 7
アルディックは膝をつき、先程まで行峯が立っていた地面に手を当てた。
伝わってくるのは、ざらついた感触と、白と黒しかないこの世界の真っ白な地面の冷たさだった。
いつも通りの筈が、酷く冷たく感じる。
そこには、行峯が居たという証さえ、欠片ほども残っていない。
「おかしいだろ、こんなの……──何なんだ……何なんだよッ!!」
叫んだアルディックの声は、怒りか悲しみか、それとも両方かで震えていた。
それは、カラッドにとっても同じ事だった。
本当に何を考えているのか解らない主催者が決めた、馬鹿げたルール。
確かに二人ともそれは知っていた。このゲームが始まる前に、自分たちに与えられた部屋に突然入ってきた紙飛行機──書類で読んでいたから。
今それを確認しようにも、その書類は読み終わった瞬間、空気に融けるようにして霧散してしまった為に確認することもできない。
「……でも、俺達は進むしか……ないんだ」
行峯は最期に言った。『二人とも、生き延びてくださいね』と。
敵ではあった人間だが、その言葉を口にしたときの行峯の表情は柔らかかった。今までこのゲームで人を殺してきたのも、恐らく不本意でだろう。
自分達には、その言葉通り生き延びなければならない、カラッドはそう思っていた。勿論、元の世界に帰るため、という意味もあるが。
「解ってる……行動を起こさない事には何も進みやしないんだ」
重苦しい声でカラッドに返し、アルディックは立ち上がった。
そして少し離れた所で地面に夥しい量の血を染みこませながら倒れている、努哉の死体を見た。
蔑んでいるような、でもどこか哀れむような目で。
「この世界に来たときからか、それとも恐怖と絶望で、か……どっちなんだかな」
努哉が殺害に快楽を見出すようになってしまったのは。
狂わなければ、自分の身を滅ぼすことも──行峯に殺されることもなかっただろう。
「──カラッド、どうする?」
「……別に、放っておけばまた『死体処理屋』がやってくれるだろ」
この世界には、殺された人間の死体を片付ける仕事の人間──人間じゃないのかもしれないが──がいる。
翌日になれば、その場には血溜まりの痕跡すら見つからない程に綺麗になる。
カラッドにもアルディックにも、努哉をどうこうする権利はない。
「それじゃ、あいつには悪いけど……帰るか」
自分達の部屋に戻ろうと、二人が足を踏み出した瞬間だった。
「──久々にルール違反して消えちゃった奴が居たから来てみれば」
突然背後から聞こえた全く別の声に、カラッドとアルディックは同時に振り向いた。
「まさかお前が居るなんて、ね。そっちの人はお仲間さんだよね?」
カラッドとほぼ同じ姿をした少年は、くすくすと笑いをこぼしながら二人に話しかけた。
「おいカラッド、あいつ──カラッド?」
問い掛けようとして、アルディックはカラッドの様子がおかしい事に気付く。
「……何で、あんたが……何で……」
うわごとのように繰り返すカラッドは、今までに見たこともないような怯えた表情をしていた。
「だからさっき言っただろ? ルール違反者が居るなぁって思ったから来てみたらお前が居たの」
「嘘、だ、嫌……嫌だ……ッ」
「カラッド!?」
カラッドはその場に座り込み、震える手で頭を押さえ込む。
その姿には、いつも彼自身が見せる無愛想さや冷静さはどこにもなかった。
「あーあ、そんなに臆病になっちゃったんだ? カラッドは」
「いい加減にしろ! お前、誰だ! 何でコイツの事を知ってる!?」
依然として笑っている少年に、アルディックは声を荒げた。
「何でって……知ってるに決まってるじゃないか。ああ、その前に自己紹介か」
こんな状況でなければ誰もが好印象を持つような笑顔で、少年は自分の名を口にした。
「僕はダーク。みんなが良く言ってる主催者ってやつ。そして──カラッドの『お兄ちゃん』だよ」
「主催者のお前が、コイツの兄貴……!?」
信じたくはない。だが、ダークとカラッドの姿は合わせ鏡のように酷似している。着ているコートも、髪の色も、目の色も、全てがカラッドと同じなのだ。
その現実を目の前で突き付けられれば、信じる以外に方法はなかった。
「じゃあ何でカラッドはこんなに……」
「さぁ? カラッドが勝手に怯えてるだけだし、酷くない?」
「何が、勝手だ……! あんた、自分がしたこと……!」
ダークの世間話でもするような声音に、カラッドが震えたか細い声で反論する。
「解ってるよ。でもそれくらいでこんな風になるくらいお前って弱かったっけ?」
だが、カラッドはそれに反応を示さない。
「はぁー……ほんっと面白くないなぁ。お前がいればちょっとは面白くなると思ったのにさぁ」
溜め息を吐くと、ダークは自分の懐に手を入れた。
その行動に、アルディックはショットガンの銃口を向けた。
「──じゃあね、愚弟君」
ダークは嘲笑混じりに言うと、両手に持った小型の投てきナイフをカラッドに向けて射出した。
俯いていたカラッドは、空を切る音で顔を上げた。
目の前に迫るナイフに、カラッドはその場に縫いつけられたように動けなくなる。
自分はここで兄に殺されるのだと、頭の中でぼんやりと他人事のように感じていた。
──カラッド!!
自分の名前を呼ぶ声と、自分の身体にナイフが突き刺さらなかったことを怪訝に思いながらカラッドは目を開いた。
「ッ、ぐあああああ!!」
「──アルディック!!?」
その場に膝をついたアルディックの右眼に当てた手の隙間から、鮮血がぼたぼたと地面に落ちる。
ダークの投げたナイフの1本が、右眼を突き刺していた。
「ぷっ……あははっ! お兄さん凄いね! 仲間を守るために自分が盾になるなんて!」
おかしそうに笑い声を上げるダークの言葉は、嫌な程にカラッドの耳に良く響いた。
アルディックは悲鳴を押し殺しながらナイフを引き抜き、投げ捨てた。
「うるせぇ、よ……ッ!」
「あーごめんごめん。──まっ、今日はからかいに来ただけで何も用なんてないし、ここら辺で」
「お前、逃げるつもりかよ!」
痛みに息を荒くしながら、それでも大声でダークに問う。
「追ってきたいなら追ってきていいよ? お兄さん出血多量で死んじゃうだろうけど」
的を射ている言葉に、追いかけようとしたアルディックの足が止まる。
「それじゃあね、お兄さん。それとカラッド」
それだけを言い残して、ダークは姿を消した。
辺りからダークの気配がしなくなり、ようやくカラッドの身体の震えは徐々に落ち着いていった。
完全に震えが収まった事を確認し、安堵の溜め息を吐いたカラッドは即座に立ち上がる。
「アルディック!!」
「カラ、ッド……?」
「アンタ馬鹿か!? 俺なんて放っておけば──」
言いながら、カラッドはアルディックの右眼に取り出した真っ白いハンカチを当てる。
「誰が放っておけるかよ……つーかいてぇ、あんまり触らないでくれ……別に死にやしねぇ」
カラッドの手を退けながら、上体を起こす。
「あー……クソ、さっきまでサーベルの傷如きで、ぎゃーぎゃー騒いでた……俺が馬鹿みてぇだ」
「大丈夫なんかじゃないだろ! アンタ化け物か!?」
「大丈夫じゃ、ねぇよ……確かにな。でもこれくらいで、死ぬことはねぇっつの」
途切れ途切れだが、いつも通りに言葉を返すアルディックに、頭に上った血が下がっていく。
「今の所は……ハンカチと包帯だけで十分だ。帰ってから治療すりゃ……な。信じろって」
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職業:
ソルジャー1st
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