魔界に堕ちよう 40話 忍者ブログ
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もう40とかすごくね←
軽く100話行きそうで怖いわwww




RELAYS - リレイズ - 40 【異形の館-2】

俺とソーマはその後も色々な部屋を見て回ったが、最初に見た書斎の他には特に何の変哲もない普通の部屋だった。
ただ、クローゼットやベッドといった生活必需品がそのまま放置されているのは少し気がかりだった。
もしかしたら、以前この辺りで何か戦いがあったのかもしれない。それで避難したまま、戻って来れなくなったのではないか。充分有り得る話だ。
広間と同じで色あせたカーペットが敷かれている廊下を歩き続けているが、会話も何もない。微かな足音がするくらいだ。
さすがにこの沈黙は重い。耐えきれずに、ソーマにちょっと話しかけてみることにした。
「……そろそろ2時間くらい経ったか?」
「知るか、自分で調べろ」
ですよね。予想通りの答えが返ってきた。別に良いんだ、期待してなかったから。
俺は今度こそ忘れてこなかった自分の携帯電話を取り出し、時刻を確認する。
この廃館で散策を始めたのが丁度正午、集合時刻である2時まであと30分もない。
「あと30分もないな……もう戻るか。大佐達は絶対戻ってきてないだろうけど」
何度も言うが、シェイド大佐やラスターさんが2時間で戻ってくるわけがない。最低でも4時間は必要だろう。
イーナやダグラスさん達はどうか解らない。ダグラスさんも……なんか戻ってきてないような気がする。
ファンデヴ達なんてさっさと切り上げて戻ってきてるんじゃないだろうか。サイラスは面倒なことはやりたがらないようだし。
数歩先を歩いているソーマは今が何時であれもう戻るつもりだったのか、調べていない部屋のドアも素通りして歩き続けていた。
「お、おい待てよ! 置いて行くな!」
こんなところに一人で置いて行かれたら、確実に迷う自信がある。
携帯電話をしまい、もうかなり離れた所にある階段を降りているソーマの後を走って追いかけた。
「わっ!?」
走り出した瞬間、割れている窓から入ってきたと見られる大きめの枯れ枝に足を引っかけた。
転びそうになり、俺は慌てて壁に手をついて身体を支えようとする。
だが、それは叶わなかった。
壁の手をついた部分が、何かが凹むような音を立てて、音通り文字通り、凹んだ。
それを理解した瞬間、自分の足下の床が消え去った。
待て、この展開はどこかで——なんて考えている場合じゃない。
悲鳴を上げる暇もなく、俺の身体は重力に従って落ちていった。

落とし穴——だと思うが、それは案外深い物ではなく、すぐに俺は底に着地……というか、落ちた。
「いって……! 何なんだよこれは!!」
叫びながら起き上がると、ここがどうやら地下らしいことが解る。光源は殆ど無く、薄暗かった。
俺が落ちたところは丁度地下室と地下室を繋いでいる廊下らしく、燭台が等間隔で壁に取り付けられていた。
「っていうか何で俺はこんなに落ちやすいんだよ……」
自分への悪態をつき、身体を触って何も怪我をしていないか確かめる。
少し身体を打っただけで、骨折や捻挫などはしていなかった。背中に背負っていた闇霧もちゃんとある。ベルトに取り付けてある、昨日ホリックさんに貰ったホルスターも、中に入っている拳銃も大丈夫だ。
その事に溜息を吐くが、それは安堵というよりも呆れの方が多かった。
またこれでソーマとはぐれてしまった。
そういえばイーナと初めて出会ったときもこんな感じだった。今回は色々と条件が違うが。
「兎に角ここを出ないとな……どっちに行けばいいんだ?」
少ない明かりを頼りに辺りを見回していると、突如背後に凄まじい殺気を感じた。
俺は瞬時に背後の壁を振り返ると闇霧の柄を握り、抜刀する。
それとほぼ同時に、その壁が吹き飛んだ。
瓦解していく壁の残骸と土煙から見るのは、黒い布の切れ端だけだ。
一瞬ソーマかと思ったが、あいつがこんな事をするわけがない。少なくとも、破壊命令の出された物以外壊さないことは知っている。
ならば、この殺気を発しているのはどこの誰なのだろうか?
そんな俺の疑問に答えるかのように、その正体が姿を現した。
肩の辺りで切り揃えられている墨のような黒髪に、裾が擦り切れてボロボロになっている黒マント、生まれてから一度も日光に当たったことがないのではないかと思ってしまうほどに白い肌。長身の体付きと顔つきは二十代前半の男性の物だ。
切れ長の目は、毒々しい程の赫い色をしていた。今はそれが、愉悦と殺気で輝いている。
だが俺の目を引いたのは、そんな人間離れした外見じゃない。
その手にある、巨大な鎌だった。
それはソーマの巨大鎌、ナトゥスを彷彿とさせるが、形状が全く違っていた。
ナトゥスが白に青、水色といった色で構成されており、電脳系のようなデザインになっているのとは違う。
彼の鎌は、見ただけで金属と解る矛先に、同じく金属光沢を持つ柄。
それはまるで、よくタロットカードに描かれている死神が持つような物だった。
「——Welcome,foolish customer!」
男性は流暢な英語で俺に話しかけてきた。和訳すると……『ようこそ、愚かなお客様』……か?
「……アンタ、何者だ!」
和訳した言葉の意味に憤りを感じながらも、相手に闇霧の切っ先を向け強い口調で問う。
「——この姿で驚かないなんてなァ……てめェこそ何者だ? この館を散策しまくって」
「充分驚いてる、ただ俺の仲間に同じような奴が居るだけだ! それとそんな事は俺に訊かないでくれ!」
俺は元々この廃館散策には反対だったのだから、俺に聞かれても困る。尤も、彼はそんな事情など知らないが。
同じような奴、というのは勿論ソーマの事だ。これもばれたら絶対殺される。
「だって仕方ねェだろ、ここにはてめェしか居ねェんだから。それとコレは俺の館だ、さっさと出てけ」
「俺の……って、この廃館がアンタの館!? こんな所に人間なんて住んでたのか!?」
明らかに廃墟になっている、放棄されて久しいような館にこの男性が、人間が住んでいるというのか。
だが男性は一度不機嫌そうに眉を顰め、その直後本当に可笑しそうに笑い出した。
「何が可笑しい!」
何故こんな、いつ切りかかられてもおかしくないような状況で平然と武器を下げたままで笑えるのか解らなかった。
「いや……人間呼ばわりされたのは久々だ。最後に言われたのは……丁度今から百年くらい前だったなァ」
「待て、百年……!? まさかアンタ……人間じゃないのか……!?」
彼が『人間呼ばわりされたのは久々だ』と言っているのだから、答えはもう決まっている。
それでも、聞かずにはいられなかった。
「あァ、人間じゃねェよ。俺の名前はアーシラト」
予想通り、男性——アーシラトは鎌を肩に担ぐと俺の質問にはっきりと答えてくれた。

「——種族は、死神さ!」

鎌と黒マント、そして人間ではないという事実。まさかとは思ったが、本当に死神だった。
それも皮肉を込めての呼び名でも二つ名でも何でもない。純粋な種族としての、だ。
彼が死神というのならば、俺を狙う理由なんてただ一つ。
「……俺を殺す為か!」
俺は魂なんて物はあまり信じてはいないが、それしかないだろう。
「当然だろ? 歩いてたら丁度お前が降ってきたんだ、探す手間が省けたぜ」
アーシラトは肩に背負っていた鎌を下ろし、それを数度回転させる。
それが遊びなどの類ではない、明確な殺意を持って俺の首に突き付けられた。
「さァ、せいぜい逃げ回ってくれよ、客人」
語尾に音符でも付いていそうな声音で、彼は言った。




あの英文をエキサイトで翻訳するまでに20分くらいかかった\(^o^)/

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