魔界に堕ちよう 分けたー 忍者ブログ
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カテゴリー分けしましたぜ!
リレイズで書きたいシーンがある。滅茶苦茶書きたい。凄い書きたい。




RELAYS - リレイズ - 11 【拳銃】

……うん、これは……
「暇だーーーーーーっ!!」

宿に、俺の叫び声が木霊した。

「いちいち騒ぐな、煩い」
ソーマが、俺に迷惑そうな視線を向けてきた。
時計を見ると、まだ午後5時を少し過ぎたところだ。
「寝るにしても車の中で寝たから寝れないしなぁ……」
「俺は道中何回も起こしたが。こうなることは前もって予測していた」
「普通に呼びかけただけじゃ起きないって!」
ソーマはそんな俺の最もだと……自分では思うが、その理由を無視し、手に持っている本に
視線を落とした。
「俺も本持ってくりゃ良かった」
「本など一冊も持っていないくせに」
「え、何でそれ知ってんの」
確かに俺は本は一冊も持っていない。
時間があっても読書はあまりしない。──はっきり言えば、俺は読書が本当に苦手だ。
機関の自分の部屋に帰るとすぐに横になってしまう。
それか、色々考えている。
言えば真面目な話になるが──自分の事、この戦い……『戦争』と言った方が正しいかもしれない。
俺は本当にこれでいいのかどうか。
いつも頭の片隅に、それが残っている。
──問題はそれじゃない!問題はソーマが何故俺の読書嫌いを知っているのかだ!
「貴様が本を持ち歩いているところも見たことがない。」
「だって本自体嫌いだし、持ち歩く必要ないだろうし……」
「以前司令官から渡されたたかが『二十枚程度』の資料を見て半泣きだっただろう」
「二十枚程度って何だよ!どう考えても多いだろ!!」
俺はそう思う。絶対多い。せめてその半分か四分の一にして欲しい。
だがソーマは、二十枚くらい何でもないらしい。
「駄目だ俺……暇すぎて暇すぎて駄目だ。ちょっと街ン中見てくる」
「勝手にしろ。そしてそのまま帰ってくるな馬鹿」
ソーマの冗談なのか本気なのか解らない言葉を聞かなかったことにする。
俺は一応護身用としてだが日本刀を持ち、宿の扉を開けた。
──絶対帰ってくるからな!!

「──って言って出てきたのは良いけど……」
俺はシェイド大佐に会った所から少し離れた商店街と思われる所を歩いていた。
「どこを見ればいいんだ?」
この街は本当に小さく、平和でのどかな街だ。
俺達が居る世界──戦争から隔絶された世界のような印象さえ受けた。
俺は空を見上げる。
ここにはまだ、青空が広がっている。
あの都市に、空なんてモノは存在しない。
下層部には地上、中層部には上層部の地盤でできた天井がある。
青空を見たのは、凄く久しぶりだった。
「──まあ、どっか色々見てみるか。軍隊があるっていうなら武器屋もあるだろうし」
俺はそう考え、辺りを見回しながら歩き出した。

「……見つからない……」
あれだけ歩き回ったのに、武器屋どころか闇市さえ無い。
さすがは平和な街リグスペイア。
感心──してる場合じゃない。
「これもしかして、武器屋自体ないんじゃ……」
そう落胆したときだった。
俺はふと振り向いたその先に、ある看板を見つけた。
『- Arms -』
どうやら武器屋らしい。看板の名前だけでそれが解る。
というか、少しは店名を考えたらどうなんだ店長。これじゃ捻りがないぞ。
だが、あってくれた。
俺は小走りでその店に行った。

「すいませーん、ここって武器とか売ってますかー?」
「売ってるぞ。看板を見てこい」
カウンターに座っている店長と思われる男性はそう答えた。
俺は一度、店内を見回す。
「色々あるなー……」
素直にそう思った。武器屋を利用するのは初めてではないが、ここほど色々ある店は少ない。
呟いた俺の目に、ある物が映った。
「これ──」
店の窓から入る陽の光を浴びて黒光りする、一丁の拳銃。
俺はそれを手に取る。
その拳銃は、前から俺の物であったかのように手に馴染んだ。
「気に入ったか?」
「──はい」
店長の言葉に、俺は頷いた。
「よし、持ってけ」
「え、あの、代金は──」
「来店記念だ。代金はいらないからやるよ。あと弾も。」
「あ──ありがとうございます!」
俺は店長に頭を下げた。
ここまでいい店長に会ったことは一度もない。どれだけいい人なんだ店長。
「──ところで、あと欲しいモンは?」
「え、っと……この刀手入れしたいんですけど」
「俺がやる。貸してみろ」
刀を貸すことに少し躊躇したが、俺は店長に刀を手渡した。
「──『ヤミキリ』?この刀の名前か」
『闇霧』──刀の鞘に書かれている、この刀の名称だ。
「そうらしいです。俺もつい最近知ったんですけどね」
今までそこまで見る余裕はなかった。任務がないときに刀を見ていて、その名前を知った。
「随分使い込まれてるな。まあ明日の朝までには間に合わせる」
「……何か色々すいません」
「いやいい。俺が好きでやってることだ」
心配するな、と続けた店長の言葉に、俺は笑った。
街が街なら、人も人だ。
俺は拳銃を手に、その店を出た。

「──そろそろ帰るか……」
街はまだ街頭の明かりで昼のように明るいが、空はもう薄暗くなってきている。
俺は宿へ向かおうと足を踏み出した。
その時、誰かと肩がぶつかった。
「す、すいませ──」
俺はすいません、と言おうとして止まる。
その相手が──

──俺を知っていて、俺も知っている──

「ヘメティ!?」


「──イーナ!?」





敵側の人間をヒロインにするのはマジでガチで無理だろうか

よしじゃあいっそのことソーマ(黙れ

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