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ファンタシースターポータブル2やりたい

でも小説書かなきゃ

五月二十日まで〆切の奴書かなきゃ

でもゲームしたい…DCFF7結局ディスクに触れてすらいない…

いやでもでもやっと書きたかったシーンまで来たんだから頑張って書かなきゃ

でも(ry


ゲームがしたいのに小説ばっかり考えてるんです。
だからって小説書けば逆にゲームばっかり考えるんです。
ゲームしながら小説書きながら、兎に角この後どんな展開にするか考えてる。
あひゃwwwwwww

(追記)

昨日ちゃんと更新したし(1話だけ)アンソロ行きの短編も書き終わったし(1話だけ)もうゲームしていいよね、先が気になって仕方がないよ^p^

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作業用BGM:Bad Apple!!




RELAYS - リレイズ - 64 【再度邂逅】

その三人組は、突然機関の敷地内——もとい本部の一階に姿を現した。
突然と言えば語弊があるかもしれないが、誰も予想していなかったのだから『突然』としか言いようがない。というよりも、予想できるわけがない。
真っ先に彼等の姿を発見したのは、丁度一階に訪れていたホリックだった。普段ならば研究室に籠もって何やら実験していたりするだけの彼が、珍しいことに暇潰しにと一階まで降りてきていた。
重厚な金属製の正門が突如として開け放たれる音に、彼はちらりとそちらを見る。
扉の向こうに立っているのは、恐らく姿からして男が三人。今の時刻は丁度昼過ぎの為に逆光になっていてよく見えないが、それだけは確認できた。
それにしても、誰だろうか。……いや、それよりも。どうやって彼等は入ってきた?
それなりに腕の立つ人間を門番として配置しているし、部外者はそう易々と入ってこられないような造りになっている……筈なのだが。
周囲の人間達も大半は立ち止まり、彼等を見て何やらざわついている。
誰しもが彼等を怪しがって近付こうとしない。賢い行動だとは思うが、それでは自体は何も進展しない。
ホリックは意を決し、彼等に一歩一歩ゆっくりと近付き始めた。普段ならば面倒だからとさり気なく研究室に戻ってしまうが、今日は何となくだ。所謂気紛れ。
数人程から止めろ、という制止の声が聞こえたが、構わず足を進めていく。
丁度彼等と数歩程の距離を保った所でホリックは立ち止まり、目の前にいる男達を見た。
黒いフードを纏ったその姿は、何となく魔術師にも見える。フードを目深に被っている為に顔は見えず、表情も窺えない。
「……申し訳ありませんが、どちら様でしょうか? 門番の方が居た筈——」
『居た筈ですが、どうやって入られたのですか』という彼の言葉は続かなかった。続かなかったのではなく、続けられなかったというのが正しい。
ホリックの腰の辺りから、明らかに異常である物が姿を現していた。
それは無機物で、金属で、一言で例えるならば剣の切っ先。勿論それを手に持っているのは、目の前にいる黒いフードを被った男。
男が、手に持った細身の長剣でいとも容易くホリックの身体を貫いていた。
彼の白衣に血が染み込み、赤く染まっていくのと同時に辺りから悲鳴が湧き起こる。それと同時に、フードを被っていた男達も行動を起こす。
剣を携える一人以外の男二人がフードへと手を掛ける。その内の一人は、まるでうざったくて仕方がないとでも言いたげに乱暴に取り去った。
降り積もったばかりの雪のように白い髪を持つ執事と、黒に近い茶、例えようのない色をした髪を持つ到底執事に見えそうにもない執事を引き連れた男はホリックから剣を引き抜くと、フードをぱさりと音を立てて取る。
「あんな弱い門番を配置するなんて不用心だ、って司令官に伝えておきなよ? 僕でさえ殺せたんだから」
好青年の如くにこやかな笑みを浮かべたマーヴィンは、何のことでもないように言った。

「——何が、どうなったんだ」
目の前の惨状が理解できない。何がどうなったのか、何が起こったのか、何も全く解らない。そんな俺の心境や考えている事が、そのまま口をついて出る。
シェイド大佐も、俺と同じで現状を余り理解できないのか表情を驚愕に彩ったままで絶句していた。
このフロアに研究員達の姿はない。全員避難したのか、入り口の辺りに立っている三人と俺達を除いて他の人間は一人も居なかった。
中もあまり荒らされたような様子はない。瓦礫や土煙、土埃が床を覆っている訳でもなければ家具や本、資料が散乱しているわけでもない。
それでも、この空間が異常なこと等十分に解る材料が揃いに揃っていた。
侵入者らしい三人と俺達は十メートル離れているか離れていないかといった程度の位置で互いに向き合う。
焦げ茶の長髪に赤いロングコートを羽織った青年と白い長髪に燕尾服を纏った機械人形。青年の手にはここから見ても若干色が変わっている長剣が握られている。
その足下に見覚えのある白衣姿の男が倒れているのをここまで来てやっと視認した瞬間、その驚きを塗り潰すようにして青年の声が響いた。
「……やあ、また会ったね」
不思議な響きを持ったテノールの声は反響し、鼓膜を揺さぶってくる。
「…………また会ったな、機械人形とやら」
隣から、激情を押し殺したように低いシェイド大佐の声が聞こえてくる。それは青年の後ろに立っている執事——アレスに対しての物だとすぐに解った。
そうすれば後は誰が誰かという特定は容易い。赤いコートといい『また』という言葉といい、機械人形を引き連れた人間なんて、少なくとも俺は一人しか知らないしそんな人間は一人居れば十分だ。
「久しぶり……でもないかな。改めて自己紹介しようか? そうしよう。君も覚えていないだろうし」
状況を全く理解できていないこちらの事など当然考えず、彼はほいほいと自分のペースで話を進めていく。
恐らく俺に向けられた言葉もあったが、その意味がどうも上手く理解できない。
「僕の名前はマーヴィン。君達のよーく知る大都市の支配者だよ」
「お前の名はマーヴィン、あの機械大都市の支配者だろう」
シェイド大佐の口から青年——マーヴィンと同じような言葉が吐き出される。
彼の声と自分の声が被ったことに驚いたのか、マーヴィンは僅かに目を瞠るとにこっと笑みを浮かべた。
「正解。やっぱり知らない訳がないんだよね。当然か、だって僕は……」
「あー、もう止めね? めんどくせぇ」
僕は、の後に何が続くのかは大体解るが、何やら演説を始めようとしていたマーヴィンの声を誰の物とも取れない気怠そうな低い声が遮った。
それに聞き覚えはなく、その声の主を捜してみる。
今までマーヴィンとアレスの後ろに居た所為でよく姿が見えなかったもう一人の男が、荒々しい足音を響かせながら二人を追い越して前に出てきた。
彼もだらしなく着崩しているながらも燕尾服を纏っており、マーヴィンの部下であり執事というのが窺える。アレスのように白い手袋は嵌めていない。
黒に近い茶髪を揺らしながら前に出てきた男は、黄緑に近い緑の眼を細めて口角を緩やかに吊り上げる。
「……何だ、まだ気付かないのか? まさか一週間やそこらで忘れたとか言わないよな?」
小馬鹿にしたような言い方は置いておいて、男の口ぶりからして俺達は彼に出会ったことがある、らしい。一週間前と言うと、丁度ソーマの故郷に行ったときだ。
しかし彼のような柄の悪い執事に会った記憶はない。
記憶を掘り返して今まで会った人物に男の姿を当て嵌めているとき、隣でシェイド大佐が静かに息を吐く音が聞こえた。
「……まさかとは思うが、お前は……その髪の色といい眼の色といい、あの時の宿屋の店主か?」
予想もしていなかった男の正体への予想に、俺はシェイド大佐に視線を注ぐ。こんな細かいところまで覚えていたのか、という感心のようなものもあった。俺も彼のことは覚えていたが、まさか目の前にいる男が宿屋の店主だとはそれこそ思ってもみなかった。
彼に自分の事を指され「へぇ」と男は驚いたような過人したような声を上げる。
「勘が良いな。いや、記憶力か? まあどっちでもいいんだ、それじゃあ俺も改めて自己紹介って所だ」
わざとらしく肩を竦め、彼は自分の背後を指差すと自分の名を告げた。
「俺はハウンド。そこの馬鹿で女顔で主中毒者の弟に当たる機械人形弐号機だ」
ハウンドに馬鹿——それだけではないが、悪く称されたアレスが彼に殺意を向けているのがありありと見て取れる。だがそんなのはどうでもよかった。
何故彼も機械人形であるのか。アレスのように自分の身体が無機物であるという証拠があれば話は別だが、その証拠もない。
「……成る程、大方アレスのデータを複製して人格だけを変えて新たな機械人形に、と言ったところか?」
「すげーな、流石軍人ってか? 大正解。俺はこのマーヴィン狂信者から派生しただけの代用品さ」
余りにも自虐的な言葉だった。浮かぶ笑みも禍々しく、見る者の身を竦ませるようなものだった。
ハウンドは言い終わると、燕尾服の左袖から手の甲に沿う形になる仕込みナイフを展開させるとそれで自分の右手の甲を切り裂く。
予想通りというか予想外というべきか、血は一滴も出ていない。その代わり、人工皮膚のようなものの下には鈍色に光る金属が見えた。
「……ハウンド、そこまでにしよう。そろそろ話も僕は飽きてきたんだ」
「それはお前が、だろ。アッチはまだまだ話し足りないみたいだぜ?」
「みたいだけどね。彼等はこの人を救いたいのか救いたくないのかも解らないな。今はまだ生きてるみたいだけど、このまま放っておいたら死んじゃうだろうし」
マーヴィンは長剣の切っ先で床に倒れているホリックさんをつんつんと突き、世間話でもするような軽い口調で言った。
助けたい気持ちは勿論ある。それこそ狂おしい程に。目の前で助けられもせずに死んでいくのを見るなんて御免だった。だからといって、迂闊に近付けば逆に様々な被害を大きくしてしまう可能性もある。究極の選択やら板挟みという言葉の意味がやっと理解できた気がする。
「……ああ、助けたいなら勝手に助けてくれて構わないよ。用があるのはこの人じゃないんだ。助けるっていうなら『助けたときだけは』手は出さないよ」
悪魔の囁き——とは少し違うだろうか、兎に角甘い言葉で他人を惑わすような言葉だった。それを鵜呑みに思想になった自分自身にも腹が立って仕方がない。
誰がそう簡単に敵、それも黒幕の話を信じるだろうか。少なくとも俺は信じないし、シェイド大佐だって同じだろう。
「オレ達がそれを信じるとでも思っているのか? だとすればそれは大きな誤りだ」
「うん、思ってないね。だから君達は現に迷っている。誰かが助けに来るまで、無力な子供みたいにそこに突っ立ってるだけ」
彼は言い回しがいちいち感に障るというか、こちらの神経を逆撫でするような言葉ばかりを使って話してくる。それがマーヴィンの狙いなのだという事は知っている。
「——餓鬼なのは貴様等だ」
今までに何度も聞いたよく通る声が聞こえたと同時に、一階の周りを取り囲む渡り廊下のような螺旋階段のような所から旗が風に煽られるような音が耳に入ってきた。その音と声の主はよく知っている。
「……また無茶な事を」
隣でぽつりと漏れた呆れたようなシェイド大佐の言葉に、俺も大体同意する。
彼等三人に吐き捨てたソーマはかなりの高さがある廊下の辺りから跳躍し、左手に普段通りにナトゥスを携えたまま空中にいる時点で魔術を発動させようとしているのか右手をマーヴィン達に突き出していた。
あのままではソーマも巻き添えを食う可能性が高くなる。勿論彼のことだからそんな事はしないと信頼しているが、どうしても気になるものは気になるのだ。
そんなこちらの気など全く知る由もないと言いたげに、ソーマは驚愕に頭上を見上げたままのマーヴィン達に向けて明確な殺意を持った凶器を向けた。
「——Lump oficle,」




スランプ抜けたい。

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すみません、更新滞りすぎえっへへーな状態ですみません。
その状態でファンタシースターポータブル2やっててまじでごめんなさい^p^
面白いです。ちなみにこれ980円^p^やすい。めちゃくちゃやすい。

モンハンと同じく俺が使うキャラはソーマに似せます。一番よくある髪型だしよくある髪色…何これ、ソーマ無個性^p^?
服は黒コートが見付けられないので青色の戦闘用っぽいスーツにしてます。黒コートないのか黒コート。
銀髪青目ですよ! 鎌が無いから仕方なくセイバーさ!!←
実は密かにソーマ視点のファンタシースターポータブル2の二次創作プレイ日記とかもやってみtうわなにをするやめ(ry

ぶっちゃけた話63話以降の話しは全部出来てますごめんなさい、とは言っても骨組みだけですが。
後は書くだけなんですがどうにもできません\(^o^)/
だからPSp2やる前に書けって話しじゃね^p^p^p^p^p^

水都や友人と書くオリジナルBLアンソロも進みません。何で止まってるの…w
兎に角頑張りますサーセン、頑張ります。



ってことで今から宇宙に行ってくるよ!(嘘

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Happybirthday,アレス!!


あのマーヴィン様マーヴィン様ウザいアレスの誕生日です^p^p^p^主要キャラのシェイド達はまだまだ先なんだぜ…すごくね…!?

取り敢えず旧名ダンテ時代からだから今のマーヴィン厨アレスとなるとまだ1年も経ってないw

ちなみにその頃の設定は「ホラーテラー(恐怖研究家)執事で体術使い」でした。
体術使いと執事はまだ良いとしてホラーテラーって何ですかせんせーwwwいやいいけどwww
取り敢えずあの頃から変わったのは服装と髪型と他の細々した設定くらい。何でアレスは女顔設定になったんだし…^p^p^


最初は「主に絶対の忠誠と服従を誓う執事」だった筈なのに何で「主厨で何かウザい奴」になったんだろう。
いや、今のアレスも俺は好きです←

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非公開の筈の記事を晒す以上に恥ずかしいことはないね\(^o^)/

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作業用BGM:魂のソフラン、残酷な天気のせいで




RELAYS - リレイズ - 63 【急襲】

数日間、本当にゆっくりとした時間が流れていた。任務が来ないのも当然の事、目立った動きも本当にない。
ゆっくりとした時間も一日二日は楽しめた。だがそれを過ぎるとどうしても退屈、暇としか思わなくなってしまう。
しょっちゅうソーマやシェイド大佐達と手合わせをして自分の力量を計ってみたものの、退屈や暇は拭えない。
こういう時は研究班の手伝いでもすればいいとは思うが、以前一度手伝ったときに薬品の瓶を割ったりその他諸々に足を引っ張ってしまったこともあって何となく申し出ることができない。
ソーマのように読書が趣味ならば本を読む事も出来る、だが俺は——いい加減にしつこいし言い飽きたからいいか。
兎に角、俺は何もすることがなかった。
今日もまた、暇を持て余して最早恒例となってしまっている本部内の散歩をしていた。ラスターさんやサイラスのように毎日手合わせするなんてできないしそこまでの体力もない。
サイラスは手合わせし終わったらさっさと寝てしまうし。あそこまで眠りに落ちるのが早いと、逆に見ていて清々しささえ覚える。どうやって寝ているのか訊きたいくらいだ。
頭を掻くと、俺はないと落ち着かないからという理由で背負っている闇霧を背負い直した。
それから、腰にある拳銃の位置も確認する。何となく、というのだろうか。二つとも揃っていないと落ち着かない。自分でも不思議だと思う。
今度は頭を掻いた手とは違う手で口を覆い、欠伸をする。寝ている筈なのにどうにも眠気が取れてくれない。これが春なら、春眠暁を覚えずだとか五月病だとか言い訳できるが。
目に浮かんだ涙を指の背で拭うと同時に、背中に衝撃が走った。
凄く在り来たり……というか、今まで何回も経験しすぎた展開だ。数日前に、全く同じ事をされている。
振り返れば、そこにいるのは予想を裏切らないパステルカラーの水色の髪をした男。勿論それはアイドでしかない。
「……何回目だよこの展開は……!」
絞り出すように、彼を恨めしそうに睨み付けて言ってやる。本当に何回目だ、これで。
「何回目だろうなー、俺も覚えてないな」
冗談だと気付いていないのかそれとも解っている上でそんな事を言っているのか、アイドは真面目な表情で真面目に答えてくれた。これは彼の性格からして後者と考えるのが的確だろう。
それにしても、何故アイドはいつも背後から近付いてくるのか。偶然なのか故意的なのかよく解らない。
まあアイドの行動がよく解らないのは何時も通り、今まで通りだからそこまで気にしなくても大丈夫か。
そこでふと彼の背後に視線をやれば、正に『何をしているんだ』とでも言いたげな目で俺とアイドのやり取りを見ているシェイド大佐が立っていた。
「……何でシェイド大佐まで居るんですか?」
彼がアイドと共に行動している理由がどうしても分からず、俺は恐る恐る問い掛けてみる。というか、二人とも接点やら交流やら付き合いがあったのか?
「別に何も付き合いはない初対面なんだが……ただ呼ばれたからついて行っているだけだ。渡したい物があると言われてな。恐らくお前にも同じ用件だろう。……そうだな、研究員」
「いや、アイドな。まあ平たく言えばそうだな。大佐とお前に渡したい物があったんだよ」
まるで俺の心を見透かしたようにシェイド大佐は初対面だと言うことを明かし、簡潔に理由を言ってくれた。
研究員、と言われた本人はそれを速攻で訂正すると俺の肩をぽんぽんと叩いてくる。
彼が渡したい物、というのは一体何なのだろう。それもラスターさんやソーマにはなしで俺とシェイド大佐の二人だけに。到底見当も付かない。
「兎に角ついてきてくれ、あっちに着いてからじゃないと渡せないんだ」
「……あっちと言われても解るか……」
特定の固有名詞ではない言葉で言われ、アイドの背後にいるシェイド大佐は呆れ果てたように肩を落とすと諦めきったような声で呟いた。
アイドは言い残すとさっさと人の間を縫ってどこかへと歩いていく。このまま着いていかなかったら逆に自分達はアイドを捜し出せずに迷って、結局彼が渡したかった物も受け取れずに日が暮れてしまうかも知れない。
いや、日が暮れるは大袈裟か。
「……仕方がない、早くついて行くぞ。見失うなんて冗談ではないからな」
既に気持ちを切り替えているのか、シェイド大佐はアイドに習って人の波を掻き分けて進んでいく。
よく思っていたが、彼は切り替えが早いと思う。軍人だから当たり前かもしれないが。——と、思うのは俺の勝手な偏見だろうか。
そこで指向を打ち切り、俺はその雑念を振り払うように緩く頭を振る。それから顔を上げ、既に遠ざかっているシェイド大佐の後ろ姿を目指して止まっていた足を再び踏み出した。

結局、アイドについて行って到着したのは研究室だった。最初に研究室に行くと言っておいてくれれば、ここまで慌てずとも済んだものを。終わったことをとやかく言うのもしつこいだけだろうから、これは心の中にしまい込んでおく事に決めた。うん。
シェイド大佐と二人で研究室の扉をくぐり、中に入る。それから、邪魔にならない辺りに立った。
別に忙しそうな訳でもないし、何か薬品を零したり何かに引火した、といった騒ぎでもない。それもアイドが殆ど焦っていなかったのだからそのような事ではないと理解できる。
何回も言うが、ならば彼は何故俺達だけを呼んだのか。
研究室に入った瞬間に奥の方へと駆け出していってしまったアイドを待つ間、俺とシェイド大佐は手持ちぶさたでぽつんとその場に残された。
「……それにしても、何なんですかね?」
このまま黙っていれば、また重苦しい沈黙が場を支配してしまう。いや、実際は沈黙ではない。研究員達の声や物音も聞こえている。だが、自分達の間に流れるのは静寂だ。
普段からそこまで話すような人間ではない彼から口を開くのを待つよりも、自分が話を振った方が良い。そう考え、俺はそんな心の内を悟られないよう尋ねてみた。
「オレが訊きたい。予想も出来ないからな」
腕を組み、シェイド大佐はその薄い黄色の眼をこちらに向けることなく短く答える。その視線は、奥で何やら探しているアイドが居るらしい半開きの扉に向けられている。
自分も彼と同じだ。何なのか全く予想できない。
それから数分経ってから、やっとアイドが扉の向こうの倉庫らしき部屋から姿を現した。
その手には、何やら黒い箱がある。大きさとしてはそこまで大きな物でもない。小さめのクッキーの缶程度のものだ。
「いやー、悪かった。見付けるのに手間取ってなー。何で俺あんな所入れたんだろ」
いや、そんな事言われても知らないぞ。
照れたように笑いながら現実離れした水色の髪を掻き上げ、アイドはその黒い箱を何故だか俺に差し出してくる。
「……何で俺?」
「何となく」
何となくなんて理由にならないだろう、どれだけアバウトな理由なんだ。
それでも差し出されてしまった手前受け取らないわけにもいかず、渋々それを手に取る。
箱の重さに、俺は思わず眉を顰めてしまった。大きさとしてはそこまで大きくないのにずっしりと重いそれは、金属を思い起こさせた。
これを開けてもいいのか、とアイドに目線で訊いてみれば、彼は笑顔のままで頷く。
その肯定を確認してから、中に入っているものを弾みで落としてしまわないように蓋を開けた。
中に入っていたのは、最早見慣れてしまった何の変哲もないただの銃弾。それがしっかりと整頓して並べられていた。弾数は恐らく百は軽く越えている。
「……銃弾か。こんな平凡な物を渡す為だけに呼んだ訳ではない。……そうだろう?」
シェイド大佐は箱の中から一つの銃弾を摘むとそれを数秒ほど観察した後にそれを箱の中に戻すとアイドに視線を注いだ。
「勿論。数日前の報告の事知って速攻で作ったんだよ。——機械人形でも撃ち抜けるような奴を」
それこそ不敵な、と表すのが的確だろう笑みを浮かべた彼は言い、銃弾を手に取るとそれを空中に放ったり受け止めたりを繰り返す。
「普通の銃弾なら殆どダメージも負わせられないだろ? 機械人形に対しては貫通する程の殺傷力。勿論普通に使うこともできるから汎用性も高い。確か銃を持ってたのは二人だけだったからな」
確かに、普通の銃弾を雨のように受けて尚アレスは直立不動のままだった。当然と言えば当然の事だ。それに彼は痛覚がないのを良いことに堂々と鎌の刃や刀身を堂々と手で受け止めてくる。
「成る程、それでオレとヘメティだけが呼ばれたという事か」
シェイド大佐は得意げに話すアイドに納得したように頷く。これで何故俺達だけが呼び出されたのかという謎が解けた。
「そういう事。それじゃ、是非活用してくれよ。それと突貫作業みたいなモンだったからその弾数しか作れなかったけど、後々数は増やすつもりだからな。もう銃に入れておいてくれて構わないぜ?」
彼の最後の一文を聞いたシェイド大佐が、突然その場に跪く。何かあったのかと視線を注いでみれば、彼は自分の軍服のベルトに手を掛けていた。
「……大佐?」
「……銃に入れておいて良い、という事は『全ての銃』と取って大丈夫だろうな?」
「あ? ああ、大丈夫だ。全部に入れておいて大丈夫だ。……つっても、そんなに持ってる訳じゃないだろ?」
一度手を止め、彼はアイドを見上げて尋ねる。尋ねられた本人は何のことでもないように頷くと表情を崩して笑った。
持っていても三、四丁程度だろう。そういえばシェイド大佐はライフルも使っていたが、最近は拳銃ばかり使っている気がする。
そんな数丁程度、という俺とアイドの予想を、彼は悉く裏切ってくれた。
シェイド大佐が軍服の上着を脱ぎ、軽く手を入れて何かを掻き出したかと思えば研究室に響く金属同士が擦れ合う音。それが彼の持っている短銃やら拳銃から発せられている物だと気付くのに数秒ほど時間がかかった。
彼の前には黒光りする銃器が山を作っている。それだけでは飽きたらず、シェイド大佐は更に腰のホルスターからも拳銃を取り出した。
「……これで全てだ。ヘメティ、箱を貸せ」
「……大佐、どれだけ持ってるんですか……」
金属の塊が作り出す山を見て、俺は若干引きながらも箱を渡して訊いてみる。アイドは唖然として何も言えずにいた。
十丁なんて物ではない。その倍程度はある。一体これだけの銃器をぶら下げてどうやってあんな身軽に動いていたのか。
「数えたことが無いから正確には解らないが、二十丁近くはある……だろうな」
だからどうやってそれだけの重量で行動していたんですか。そんな俺の更なる問いは言葉になることはなく、そのまま胸の中で消えていく。
兎に角、言えること……もとい思ったのは『軍人って凄いんだな』という事。偏見が入っているかも知れないが、シェイド大佐に対してこう思ったのは事実だ。
彼に習って、自分も銃に弾を込めていく。すっかり圧倒されてしまったらしいアイドは呆然と突っ立っているだけで、何も言葉を発そうとはしない。
俺が弾を込め終わってからも、シェイド大佐は黙々と全ての銃に弾を入れ続けている。その姿は内職をしているようにも見える。そこでふと彼の特技である裁縫と洋裁を思い出し、案外似合うのかも知れないと思い直す。
「……大佐、手伝いますか?」
「いや、大丈夫だ。そろそろ終わる」
その言葉通り、数分と経たずにシェイド大佐は全ての銃に弾を込め終わった。箱の中の銃弾は七、八割程なくなっている。
彼はそれをまたもや黙々と適当に羽織った軍服の上着、その元あった所にしまい込んでいく。それも終わってから、彼は漸く短く息を吐いてアイドを見た。
「感謝する。これでかなり戦況も変わりそうだ」
「ハハッ、そりゃ何よりだ」
彼が笑いながら言い終わった瞬間、耳を劈くような警報が鳴り響いた。
殆ど俺も聞いたことがない警報音に、一瞬にして空間全体が緊張感を持つ。シェイド大佐は既にどこから取り出したのか短銃を片手に持っていた。
「何、だ……!?」
どこからか僅かに悲鳴やざわめきも警報音に掻き消されそうになりながらも聞こえてきて、その声に自分の心が焦燥感で満たされていくのを感じる。
「……この状況で考えるなら……侵入者、と考えるのが妥当だろうな。階下から派手な銃声も何も聞こえないとなると……相手は数人、か」
この状況でも冷静に思考を巡らせて推測を述べるシェイド大佐の姿を、俺はこんな状況だというのに呆然と見つめる。
何故そこまで冷静に考えられるのだろう。自分ならば、情けないことだがそんな事はできそうにない。絶対に焦って、自分から飛び出していってしまうに違いない。
やはりこれは経験の差、なのか。
「——非戦闘要員は避難通路があるのならそれで避難しろ。オレは勿論下に行く。良いな、『研究班班長』」
「だからアイドだ。……ああ、解ってるさ。死ぬなよ」
短く言葉を交わしてから、アイドは残っている研究員達に指示を出すために踵を返した。
「……訊くまでもないだろうが、お前はどうする」
アイド達と共に逃げるか、それとも彼と下に行って戦うか。それをシェイド大佐は問うているのだとすぐに理解できる。
考えている暇もないし、考える意味もない。逃げるなんて真似はしたくないし、彼を、仲間を一人で行かせたくはなかった。
「……行きます。……逃げたくないんです」
もうこれ以上逃げていたくない、目を背けていたくない。だからこそ、自分は戦う事を選んだ。
俺の答えを聞き、シェイド大佐は「解った」と短く肯定を示すとすぐに踵を返し、研究室の扉へと向かっていく。
背中に背負ったままの闇霧を鞘から引き抜き、それを肩に担ぐと俺も彼の後に続いて足を踏み出した。




そろそろ本気で更新速度を速めないと。
テイルズバトンやりたいのにできないよ…浮かばないよ…orz

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とある櫻花の画像作成メーカー

どうやって作ったらいいか解らなくてこうなったの。


おまけ。



一番最初に作成した「とある自然の軍事国家(リグスペイア」
何をどうすればいいか解らなくてついやっちゃっtうわシェイド何をするやめ(ry
だってどうせリレイズをリメイクしたらリグスペイアがマジで軍事国家になr(ry


(追記)

取り敢えずテンプレを変更。
どこかで見たようなと思ったら俺が知ってるブログの人と同じだった。申し訳なくて死にそう\(^o^)/

(更に追記)

変えた^p^

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赤闇銀羽
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ソルジャー1st
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こちらは更新凍結しました
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FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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