魔界に堕ちよう RELAYS - リレイズ - 忍者ブログ
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うわわわわわわ放置してたわああああああ(ry
22話って凄くn(ry
っていうかこれどうしてもシェイドとかソーマに視点切り替えする必要が(ry




RELAYS - リレイズ - 22 【裏側-1】

「──へっ?」
俺はイーナの突拍子もない質問に間の抜けた声を出してしまった。
「だから、今この世界で……何が起こってるの? あんな事がここで起こってるんだから、ただ事じゃないのは解るけど……」
要するに、この世界の所謂『裏側』を教えて欲しい、とイーナは言っているのだろう。
その質問の中には、勿論『俺達が何をしているのか』というのも入っている。
「──そんなの教えられる訳ないだろ」
これが軍人であるシェイド大佐やある程度武器を扱えるラスターさんのように、何らかの階級を持っていたり何か力や魔力があるというのなら別だが、イーナは見た所、何の武器も力も持たない一般人だ。それもあちら側の。
そんな人間に、教えられる訳がない。
それをイーナに告げようとしたとき、彼女の背後で何かの電子音が聞こえた。
何の音だろうかと思い、そちらに視線を向ける。
「な、ソーマ何を──」
ソーマは自分の服装と同じ真っ黒な携帯電話を手に、番号を押していた。
「黙れ。教えていいのかどうか等、聞けば解る事だ」
その言葉で、俺はソーマがどこに電話を繋げているのかを悟った。──本部だ。
ソーマはリレイズ本部に『イーナに全てを教えて良いのかどうか』を聞くつもりなのだろう。
「待──」
俺が制止する前に、電話が本部に繋がったらしく、ソーマは一度部屋の中を見回した。
「あ──ああ、いいぞ。ここで話すのも何だろう」
シェイド大佐の言葉に頷いた後、ソーマは部屋を出た。
音もなく閉められた扉の向こうから、微かに話声が聞こえてくる。
辛うじて聞き取れた言葉をまとめると……『あちら側のごくごく普通の一般人に自分達の事や世界の事を教えてもいいか』──らしい。
……おい待て、一番大事な部分が伝えられていない気がするんだが?何で教えなきゃならないのかとか、そういう理由が綺麗に抜け落ちてないか?
俺は疑問に感じたが、黙ってソーマが戻ってくるのを待つ事にした。
どうせ許可なんて下りるわけがない。
暫くしてから、出て行ったときと同じようにソーマが戻ってきた。
「で、どうだった?」
俺の問い掛けに、ソーマは携帯を閉じながら
「ああ、良いらしい」
「だから無理だって──えええええ!?」
「騒ぐな、煩い」
耐えきれずに叫んでしまった俺に、ソーマが不快そうに眉根を寄せながら言う。
だが、これを叫ばない人間がどこに居るのか。
「な、何で許可下りたんだよ!?」
「知るか。ただあいつにこう言われただけだ。」

『あ、ソーマかい?どうしたの?任務で何か……え? あ、別に全っ然大丈夫だよ。一般人なら教えても何も出来ないと思うしね。ってことで、全部教えていいよ!』

「……とな」
あ、アバウトすぎる……!!何を考えてるんだダグラスさんは!!仮にも司令官だろ!!
しかも聞いた台詞だと語尾に星が付きそうなくらい軽いんだが……いいのかこれで……
「という訳だ。さっさと教えてやれ、馬鹿」
「……解ったよ。っていうか何で俺が馬鹿って言われなきゃなんないんだ?」
馬鹿と呼ばれるような事はしていない。──そりゃさっき叫んだけど。それは不可抗力じゃないのか?
いや、ソーマの辞書に不可抗力という言葉は多分存在しないのだろう。
「じゃあ今から全部説明するけど……ちゃんと付いて来いよ、イーナ」
「うん、大丈夫」
「オ、オイ待てよ!」
俺が話そうとした瞬間、突然ラスターさんが声を上げた。
「何ですか?」
「兄サンは別に良いとして──オレはどうすりゃいいんだ?」
そういえばそうだ。あくまでもラスターさんは武器屋の店長でしかない。それをすっかり忘れていた。
「別に聞けばいい。お前だって普通以上の戦闘能力は持っているだろう。全てを知っても生きていられると思うが」
確かに、常人ではあの時のザクストの攻撃で生きているという可能性が低い気がする。
そんな中で生きていたラスターさんなら、大丈夫かもしれない。
「ああ、それと『他にも教える人とかが居たら言って大丈夫』だそうだ」
マジであの人何なんだ!!
だが、それを今ああだこうだと言っても仕方がない。
「それじゃあ──話すけど」
「うん」
「ああ」
イーナとラスターさんの肯定を聞き、俺はこの世界について自分が知っている限りのこと、そして俺達が所属している機関の事を話し始めた。




長くなりそうだったからここで切った\(^o^)/

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今日掃除の時間に男子に絡まれてつい小声で「You shall die...」って言っちゃったよwww
死ぬか貴様wwwうぇwww




──そういえばそうだよな……
何かこれが、一番重大な問題な気がする。

RELAYS - リレイズ - 21 【重大さ】

「だーかーらぁーっ!!」
部屋の中に、イーナの声が響く。
「私はただ道に迷っただけなんだって!!」
「そんな事信じられるか!!」
イーナの発言に、間髪入れずにシェイド大佐が叫んだ。
「まあまあ……二人とも落ち着けよ」
その様子を見ていたラスターさんが、溜め息混じりに苦笑しながら二人の間に入った。
「何だラスター、邪魔をするな!」
「そうよ、これはこの怪我して包帯ぐるぐるの人と私の問題なんだから!」
「怪我じゃない! ただ傷痕を隠しているだけだ!」
「あーもううるせェ!! 兄サンに至ってはどっちにしろ怪我だろうが!! 同じだアホ!!」
さり気なくイーナが酷いことを言った……気がするんだが。というか言った。絶対言った。
包帯ぐるぐるって……よくまあ大佐の階級に居る人にこんな発言できるな……
「──取り敢えず、コイツの話も全部まとめようぜ。このまま言い合いしてたらコントになっちまう」
「……煩いしな」
ラスターさんの言葉に、壁にもたれ掛かっているソーマが同調した。
「チッ──……まず、名前は?」
「さっき舌打ちしたよね……まあいいや、私はイーナ」
イーナがシェイド大佐の舌打ちに突っ込んでいたが、それに対して本人は
「『断じて』していないぞ。イーナか」
シェイド大佐は一部を強調して反論した。
──いや俺聞いたぞ!しただろ!と思いはしたが、ここで俺が口を出せばまたややこしくなるだろう。
ここは黙っておくことにしよう。うん。
「それと、ここが重要な所だが……何故あの時あそこに居た?」
「道に迷ったのよ」
「だからそれがおかしいと……!」
何のことでもないように告げたイーナに、シェイド大佐は頭を抱える。
「何故道に迷って軍に辿り着いて戦場に来る!! というかそんな阿呆がどこにいる!!」
「アホではないけどここに一人」
……話を聞きながら考えた俺の勝手な考えだが……イーナはとんでもない方向オンチのようだ。
「──要するに、道に迷って」
「うん」
「何か遠くにでっけェ建物──この軍の基地が見えたからそっちに向かって行ったら」
「うん」
「ちょっと植え込み超えたら俺等が戦ってた、と」
「そうそうそう!」
ラスターさんがイーナに確認しながら聞くと、イーナは肯定した。
「あー、成る程な! それだったらしょうがねェよな〜……って言うと思うかアホーッ!!」
「うわっ! 何よビックリしたな〜!」
ちゃぶ台を引っ繰り返さんばかりの勢いで声を張り上げたラスターさんに、イーナが驚いて声を上げる。
「あのな、そこまで近付いてたら悲鳴とか銃声も聞こえんだろうが!!」
「確かにそうだよな……」
俺は呟いた。確かに、俺達が居る所までイーナが近付いていたのだとしたら、確実に銃声や
悲鳴などは聞こえている筈だ。
「となると……やはりお前はウィジロ側のスパ」
「スパイな訳ないでしょ!! あんたのその包帯むしり取るわよ!!」
言いかけたシェイド大佐の言葉を遮り、イーナが叫ぶ。しかも最後は暴言と取れる言葉まで付いている。
「いや、取っちゃ駄目だ! っていうかイーナ、この人一応大佐だからな!?」
「だから何よ!! だからってむしっちゃ駄目っていう決まりでもあるの!?」
俺が耐えきれずに言うが、それに対して即座に反応を返される。何でイーナはこんなに反応が早いんだ。
「イーナ、お前言ってる事おかしいぞ! 色々と!」
俺が対抗して言った時、少し離れた所から溜め息が聞こえた。
「──さっさと話を元に戻したらどうだ、何も進まん」
知らない人間が見たら即座に逃げたくなりそうな程に不機嫌な顔をしたソーマが、いつもより
1オクターブくらい下がった声で吐き捨てるように言った。
イーナとの言い合いに参加していた自分が言える立場ではないが、ソーマの言う通りだ。
「……じゃあ、話を戻そう」
「確か『そこまで近付いてたら銃声も悲鳴も聞こえるだろー!』っていう所で終わったと……」
「ああ、そうだったな。……イーナ、それに対してはどうなんだ?」
シェイド大佐は本人に向き直り、問い掛けた。
「あ、それはー…いっつもあそこからは聞こえてくるし、今日もやってるのかなーとか思って……」
「それは訓練中の銃声だ!! ちなみにこの軍では平日が銃器系統の訓練だ!!」
「いや兄サン、それ要らねェ説明じゃね!?」
「あーもうどっちにしろこうなるのかよ……」
俺はそんなに喋ってもいない筈なのに何故か物凄い疲れを感じた。何でこうなるんだ?どれだけ真面目にやってもコントっぽくなるのか?
「──一般人なら、聞き間違えても仕方ないだろう」
「あっ黒ずくめ! あんたは解ってくれるのね!」
その瞬間、ソーマの無表情が一瞬崩れた気がしたが──気のせいだろう。ソーマはこれくらいで切れたりはしない。……と思う。
だからといってソーマに黒ずくめは言っちゃいけない。イーナはどこまで怖い者知らずなんだ?
「でも普通訓練中の基地ン中入るか……?」
「入口辺りに誰か居るかなー、と」
その人に聞けば解るかもしれないと思って、とイーナは続けた。
「……悪いが、今回はおいていなかった。全てあちらに人員を割いてしまったからな」
先程の戦いに、ほぼ全ての軍人を投入したらしい。それも見張りまで。
「いくら何でも見張りを外すのはヤバイだろ……アホかよ兄サン」
「う、煩いッ!!」
「取り敢えず……聞いた話を全部一言でまとめると」
言い合っているシェイド大佐とラスターさんを横目で見るが、まだ終わらないようだ。
俺はため息を吐いてから言った。
「まず道に迷って、ここ──軍の見張りの人か誰かに道を聞こうとしたと。そしたら丁度俺達が戦っていて……今に至る。合ってるか?」
「合ってる! それが言いたかったのよ!」
「偶然にも程があるな」
「でもしょうがないだろ。イーナは見たところ嘘は吐いてないみたいだし」
「吐くわけないじゃない!」
「あー解った解った、悪かったよ」
俺はイーナに謝罪し、言い合っているあの二人の方へと視線を向けた。
「大体お前はいつもだな──」
「うるせェっつってんだよ! アンタにオレの趣味なんか一生理解できねェよバーカ!!」
二人は当初の言い合いの理由とは全然違う事まで引っ張り出しながら大声で叫び合っていた。
今のは何だ、趣味とか聞こえたが……何のことで言い合っているのか全く解らない。
「ハッ、誰がお前の趣味など理解するものか!」
「ッ、いい加減にしろよこのクソ兄貴!!」
「その言葉そっくり返してやりますよ!! いい加減にしてくださいよ二人とも!!」
耐えきれずに叫んだ俺の声に、シェイド大佐とラスターさんの声と動きが止まる。
「誰が一番この状態引き起こしてるかって、ラスターさんじゃないっすか!!」
「自分から言っておいて……」
「正真正銘の阿呆だな」
立て続けに言われ、ラスターさんは少し悲しそうに目を伏せた。
「お前らまで……オレはどうすりゃいいんだよ!」
「取り敢えず一旦落ち着いてくださいよ。趣味とかの話は別の所でしてください」
俺が言うと、何故かシェイド大佐がドアへと歩み寄った。
「そうか。──では来いラスター、どちらが正しいか今度こそ決着を着けるぞ」
「上等だ兄サン!! オラ行くぞ!!」
「いや、行かないで下さいよ大佐!! 大佐行ったらこの話滅茶苦茶になりますって!!」
ただの冗談に、ここまで真面目になる人も珍しい。普通ならここで止める筈……なんだけど。
「行けと言ったり行くなと言ったり……何なんだ?」
「あーもうそれはいいですから」
真顔でそう聞いてきたシェイド大佐に、俺は誤魔化して溜め息を吐くしか出来なかった。
駄目だこの人は……真面目すぎる。時々ボケたりはするけど、基本的に真面目すぎるぞ。
「──話終わった?」
「え?あ、ああ。終わった」
イーナの突然の問い掛けに、俺は少し驚きながらも返事をした。
「それじゃ、今度は私からね」
「……何がだ?」
俺は少し考えたが、イーナの『今度は私から』という発言に対しての答えは見つからなかった。
「何がって……私の質問に答えて欲しいの」
「だからその質問は何なんだって」
少しの沈黙の後、イーナの口から出された質問は

「何が起こってるのか……全部、話して」




そしてここで切る。ばーかばーk(ry
イーナに「その包帯むしり取るわよ!」を言わせたかっt(ry

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20話も続いたのは凄いよ・・・俺二次創作でも長編描けなくて短編ばっか書いてたんだからな・・・!
パソコンが重いウザい表示遅いこのポンコツ1回バラすぞコラ←

ココロのイントロだけで涙腺緩む…やべ、マジで涙腺壊れてきたわ…
前なんか悪ノでも泣けなかったのよ?囚人で緩むくらいだったのよ?
しょぼん見てからかなり変わったなぁ…




──まただ
『あの時』も聞いた、酷く懐かしい歌声
どんな歌詞なのかは……上手く、聞き取れない。
運良く聞き取れたのは、ただ、一節だけ
──もしも私が私でなくなってしまった時は──
その一節が聞こえた瞬間、俺は酷い頭痛を感じた。
そしてそのまま、世界が暗転した。

RELAYS - リレイズ - 20 【問題】

「──う……っ」
俺は、ゆっくりと目を開く。
病室を彷彿とさせる真っ白な天井が目に入ってきた。
「俺は……?」
俺は、まだ覚醒しきっていないののだろう──重い身体を起こした。
頭が混乱していて、何があったのか全く解らない。
──あの後、どうなった?
白い長髪に左眼を眼帯で隠した黒スーツの青年と、赤コートを着た茶色い長髪の男。
それと、ザクスト。
あの後、あの三人はどうなったのか。
──イーナも、ウライも……
「──目が覚めたのか?」
俺がそこまで考えたとき、突然ドアが開かれ、誰かに声を掛けられた。
俺は驚いて、ドアの方を見る。
「シェイド、大佐……!? 生きてたんですか!?」
「失礼な……! ──かなり怪我はしてるが、生きている」
シェイド大佐は、体中に巻かれた包帯と貼られたガーゼを触りながら言った。
俺はシェイド大佐が生きていてくれた事に胸を撫で下ろした。
それとほぼ同時に気付く。
「大佐、皆は──」
俺が聞こうとした瞬間、激しい音を立ててドアが蹴り開けられた。
「おっ、目ェ覚めたのか!?」
「おいラスター! もう少しまともな入り方はできないのか!」
「うるせェ! ドアは蹴り開けるモンだろうが!!」
「お前は馬鹿か!! まずはその定義がおかしいぞ!!」
大騒ぎしながら、ラスターさんが部屋に入ってきた。
確かにその定義がおかしい。ドアは蹴り開ける物じゃないだろう。
というか、その大怪我でドアを蹴り開けられる体力というか、力が凄い。
ラスターさんは頭に包帯を巻き、左腕を首から吊っていた。
「良かった──ラスターさんも生きてたんですね」
「オイオイ、オレが簡単に死ぬ訳ねェだろ? そりゃ死ぬかとは思ったけどな」
そう言って笑ったラスターさんを一度見た後、言った。
「大丈夫だ。ウライも、皆生きている」
「本当ですか!?」
「ああ。もうそろそろ皆来ると思うぞ」
シェイド大佐が言い終わるのと同時に、先程に比べれば遙かに静かにドアが開いた。
「──やっと起きたか、馬鹿が」
ソーマは入ってきて開口一番、いつも通りの言葉を俺に吐いた。
続いて、その後ろに隠れるようにしてイーナが入ってきた。
「良かった──イーナも生きてたんだな」
「うん……私は大丈夫」
俺はイーナの言葉に安堵した。
「──あれ……ウライは?」
シェイド大佐もラスターさんもソーマもイーナも居る中で、ウライの姿だけが無かった。
「彼女はまだ安静にしていろ、との事だ。命に別状は無いそうだから、心配しなくていい」
俺の問いに、シェイド大佐が答えた。
良かったと──心の底から、そう思えた。
「……シェイド大佐」
「何だ」
俺は一呼吸置いてから言う。
「あの後……何があったんですか?」
シェイド大佐は少しの間何も言わずに黙っていた。
「──お前が意識を失った後からで、いいか?」
「大丈夫です」
俺が答えると、シェイド大佐は頷いた後、話し始めた。
「あの後──召使いだとは思うが、黒スーツを着た男と赤コートの男……ザクストがアレスと
マーヴィンと呼んでいたか。その男達がザクストを連れて何処かへ行ってしまった。
そしてその直後に、理由は分からないが……あちら側の兵士達が全員引き上げていった」
シェイド大佐の「理由は分からない」という言葉に、俺は少し思い当たる事があった。
俺が意識を失う直前、あいつは俺にこう言っていた。
『今回の所は、ここで終わりにしようか』と。
「これはオレの勝手な憶測に過ぎないが……あの赤コートの人間は、恐らく──」
シェイド大佐はそこで言葉を切り、言った。
「ウィジロの最高責任者──つまり『支配者』だろうと……いや、これは確定だ」
「なっ……! 支配者が自分から来るなんて……!」
そんなの、有り得る筈がない。それはほぼ、自殺行為に等しい行為だからだ。
年々、ウィジロに反抗する組織は増えてきている。今はそんな世の中だ。
そんな、いつ命を狙われてもおかしくない時に、ほいほいと出てくるなんて──
「だとしたら、そいつはよっぽどの自信家だな」
ラスターさんが、溜め息混じりに言った。
俺もその通りだと思う。
どれ程自分の腕に自信があるのか──
「──だが、それが確定だと言い切れる証拠が何処にある?」
ソーマはさほど驚いていない様子で、シェイド大佐に聞いた。
「……オレの記憶が間違っていないのなら──名前だ。あの赤コートの男が本当にマーヴィンという
名前なのだとしたら、ほぼ支配者で確定だろう」
言い終わった後、シェイド大佐は付け足した。
「まあ──オレがその名前を聞いたのはもう6年は前の事なんだが、な」
「ま、要するにアテにならねェって事か」
「煩い! お前は黙っていろ!!」
小声で言ったラスターさんに即座に反論し、シェイド大佐は再度口を開いた。
「まあいい。──それよりも、だ」
「何ですか?」
俺が聞くと、シェイド大佐は笑って言った。
「それよりももっと重大な問題が、あるだろう?」
「え?」
俺は何が何だか解らずに混乱していた。
「──さて、そろそろ話を聞かせて貰おうか?」
シェイド大佐はそう言うと、ソーマの数歩後ろに居た──イーナに向き直った。
端から見ていても怖いくらいの、笑顔で。




明日多分病院行ってくるー。
入院とかはないよね。うん。ないない。

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すげぇ進んでるね!かなり悩んでるんだけどね!
プロットも何も立てないからさw




「──今頃、どうなってるんだろうね?」
「全て、ザクストがやってくれるでしょう。もうそろそろ終わると思います」
「でも全部まかせるのは面白くないな……そう思わないかい?」
「──わざわざ貴方が出向く程の事では無いと思いますが」
「たまには、こういうのもいいよ。面白そうだし」
「……畏まりました」
わざわざ戦場に出向いて、直に恐怖を植え付けるのも楽しいだろう?

RELAYS - リレイズ - 19 【邂逅】

俺の叫び声に、イーナの身体が震えた。
「ヘメ、ティ……?」
「何で、何で、何で……何でお前が……!!」
今思えば、あの時の俺は混乱し過ぎていたのだと思う。冷静さなんて、欠片さえ残っていなかった。
「何があったかは解らないけど、落ち着いて──」
必死に言うイーナの言葉が、耳に入って来ない。
──何でイーナがここに居る?
ここにいるのは、俺達と、俺達と敵対する人間達だけじゃないのか?
だとしたら、イーナは……
その考えに達した時、俺の右腕──丁度銃を持っている腕に、違和感を感じた。
ウライが、力の入らない手で俺の腕を押さえていた。
「ウライ……」
「銃を、下ろして……落ち、着いて……下さい……」
ウライのか細い声に、俺はイーナに向けていた銃を下ろした。
「──悪い、イーナ……」
「大丈夫──それより……何が、あったの?」
イーナは俺に近付きながらそう聞いてきた。
だが、それを説明している時間はない。
「それは後だ。とにかくここから──」
ここから離れろ、と言い終わる前に、俺とイーナから少し離れた所で銃声と激しい崩壊音が聞こえた。
俺は咄嗟に、その方向へと銃口を向けた。
風に吹かれ、徐々に土煙が晴れていく。
「ぐッ……」
「──あんた、こんな弱くてよく大佐なんかになれたな」
シェイド大佐を踏み付け、ザクストは馬鹿にするように言った。
「シェイド大佐!」
俺の声に、ザクストがこちらを振り向いた。
「そうだった……まだもう一人居たんだっけな。これで最後かと思ったんだけど」
「最後って──」
何だ、と聞こうとするが、それよりも先に答えに辿り着く。
「まさか……ソーマとラスターさんは……!」
俺の言葉に、ザクストは口元に笑みを浮かべた。
頭で考えるよりも先に、身体が動いていた。
俺は、ザクストに向けた銃の引き金を引いた。
「──射撃の腕はまあまあいいらしいな……まあ別に関係ねェけど」
ザクストは言いながら、俺の撃った銃弾を自分の持っている二丁拳銃の銃身で弾き返す。
弾は全て撃ち切ったが、弾倉を装塡する暇はどこにもない。
俺は銃をその場に捨てると、闇霧の柄に手を伸ばした。
「──待って!」
突然俺の後ろに隠れていたイーナが声を上げた。
「何を──」
俺が言う前に
「お前……!?」
ザクストは俺の隣に出てきたイーナを見て、驚いたように声を上げた。
「何で、アンタが……ザクストが、こんな事──」
「──それはこっちの台詞だ。何でお前がこんな所に居るんだよ!」
俺は、状況が飲み込めずにいた。
話を聞いていると、この二人は
「──もしかして、知り合いなのか!?」
「知り合いなんて物じゃない──幼馴染み」
俺の問いに、イーナは俺を見ずに短く答えた。
「まさかお前がここに居るなんてな──考えちゃいなかった」
ザクストは溜め息混じりに言うと、右手に持っている銃を──イーナに向けた。
「え……!?」
イーナは驚きのあまり、固まっている。
「イーナ!逃げ──」
「……悪いな」
俺が言い終わる前に、ザクストの指が引き金に掛かった。
その瞬間
「──ハイハイ、そこまで〜」
この場に似付かわしくない、やけに軽いのんびりとした声が聞こえた。
ザクストは銃を下ろすと、後ろを振り向く。
「……何だ、結局出てきたのか?」
「たまには面白いだろう?『首謀者』が戦線に出てくるっていうのもさ」
言いながら出てきたのは、血のように赤いコートを着ている青年だった。
その隣には、執事だろうか──黒スーツの男性が立っている。
時折吹く風に、青年の暗い焦げ茶の長髪が揺れた。
「首謀者……?」
俺の呟きが聞こえたのか、青年がこちらを向いた。
その瞳も、コートと同じくらいに真っ赤だった。
「君は──」
一瞬驚いたような表情を見せた青年だったが、すぐに微笑んだ。
「……そうか、生きてたんだ?」
「お前、何を──」
俺が言おうとした瞬間、頭に激痛が走った。
その痛みに耐えきれず、俺はその場に蹲る。
「君が居るっていうなら、まあそれなりに楽しくなりそうだ……これからね」
青年が他にも何かを言っているような気がしたが、俺には届いていなかった。
「──今回の所は、ここで終わりにしようか。これからのお楽しみの為に、さ?」
唯一聞き取れたその言葉と、青年と男性とザクストの後ろ姿。
俺の意識は、そこで途切れた。

「……放って置いて宜しいので?」
「うん。逆に彼が居た方が楽しくなるよ」
「そうですか──貴方の脅威とならなければ良いのですが」
「……そんなの、有り得る訳がないだろう?あの時も僕に負けたんだから」

「ほら、早く帰ろう、アレス」
「──畏まりました、マーヴィン様」




何故こんなに長くなるし・・・

しかもあれだぜ?9時から書き始めてるんだぜ?
・・・3時間か・・・

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眠くて頭が働かん^p^



「あれ……?ここどこ……?」
私は完全に──認めたくはないが、迷子になっていた。
どうしようかと考えていたとき、私の視界に何かが入った。
「──あそこちょっと、行ってみようかな……道教えて貰えるかもしれないし」
私はそう思うと、少し遠くに見えていた大きな建物に向けて歩き出した。
──遠くから、銃声と悲鳴のようなモノが聞こえた気がしたけれど……気のせいだろう。
いつもあそこからは、聞こえているから。

RELAYS - リレイズ - 18 【危機】

「──『どういう事だ』?言葉の通りだよ」
シェイド大佐に、ザクストは笑いながら答えた。
「違う……!──お前は『演技』と言ったな……それは……どういう意味だ」
「あぁ、何だそっちか。それは──」
「──オイ!何かあったのか!?」
ザクストの言葉を遮る形で、よく通る声が聞こえた。
「ラスターさん!?」
「馬鹿、来るな!!」
俺の声とシェイド大佐の声が重なった。
ザクストは何も言わず、雑木林から出てきたラスターさんに銃口を向けた。
そして、向けると同時に発砲した。
その直後、銃声に被さるようにして甲高い金属音が響き渡った。
「あっぶねェな……!オレじゃなかったら死んでたぞ、多分!」
傷一つ負っていないラスターさんを見てザクストは少し驚いたようだったが、すぐに笑みを取り戻した。
「へぇ……ただの武器屋の兄サンかと思ったら、そんな事もできんのか」
「ハッ、オレをナメんなよ?『お客さん』」
ラスターさんは言いながら、ザクストの銃弾を弾いた剣を肩に担いだ。
そのまま、俺達の居る方へと歩み寄ってくる。
「お客さん、って……まさか──」
「ああ、そうだよ。──こんな事になるんだったら、お前に銃なんざ売らなきゃ良かったぜ」
ラスターさんは溜め息を吐き、肩に担いでいた剣を握り直すとザクストにその切っ先を向けた。
「ありがとな、店長。整備も良くしてあって使いやすい」
言いながら、ザクストはラスターさんに再度銃口を向ける。
「そりゃどうも」
一度笑って言ったラスターさんは、ザクストに向かって跳躍した。
その勢いのままに振り下ろされたラスターさんの剣を、ザクストは避けずに銃身で受け止めた。
ラスターさんはそれを弾き返し、体勢を整えた。
「──ヘメティ!」
「な、何ですか!?」
突然名前を呼ばれ、俺は驚いたがすぐに返事をした。
「そこに倒れてる嬢ちゃん連れて行け!まだ死んでねェ筈だ!!」
ラスターさんが指差した先には、倒れているウライが居た。
「解りました!」
俺は頷くと、ウライに駆け寄った。
軍服の袖から見える細い手首に、指を当てる。
かなり小さいが、脈を感じ取れた。耳を澄ませれば、呼吸音も。
俺はウライを背負う。女性だからという事も有るのか、軽い。
「さっさと連れて行け」
「え……ソーマとシェイド大佐は!?」
「この状況で、誰が逃げるか」
「ソーマの言う通りだ。オレは逃げる気など毛頭無いがな」
シェイド大佐は少しだけ笑い、ライフルを構え直した。
「──行け!!」
シェイド大佐とソーマの声と同時に、俺は走り出した。
軍の基地内に入れば、大丈夫な筈だ。
そこまで行けばウライは、助かる。──いや……絶対に、助ける。
俺は走り出してから暫くして、あることに気付く。
「……何で、誰も……居ないんだ……!?」
敵兵も、こちらの兵士も、誰一人として見つからない。
まるで、人払いでもされたかのように。
──何か、嫌な予感がする。
俺は妙な胸騒ぎを抱えたまま、走り続けた。

「ここか……!」
俺は息を切らせながら、軍の入口に辿り着いた。
足を止めて、背負っているウライを見る。
「──まだ、生きてるか……?」
返事は返ってこないだろうと思いながらも、声を掛けてみた。
「……生き、て……ます……」
か細い声で、ウライは途切れ途切れに返してくれた。
「良かった──」
俺が一歩踏み出した瞬間、ウライが再び口を開いた。
「私、は……大丈夫です……だから、早く……」
聞き逃さないように、耳を澄ませる。
「早く……行って、下さい──大佐達の所……」
「そんな事──あんたを置いて出来るわけ無いだろ!」
「あいつは……ザクスト、は……あの3人だけじゃ──」
ウライの声を掻き消すように、少し離れた所にある塀が派手な音を立てて崩れた。
俺は弾かれるようにそちらを見る。
何が起こったのかを理解する前に、激しい銃声が辺りを包み込んだ。
その銃声が止むよりも先に、俺のすぐ後ろの壁に何か──いや、『誰か』が吹き飛ばされた。
「がはッ……!」
「ラスターさん!?」
ラスターさんは口元に流れている血を拭うと、傍に落ちていた自分の剣を持つと走り出した。
「あの人達、だけじゃ──勝てない」
俺はその言葉に凍り付く。
「俺は──」
「邪魔だ、退けッ!!」
鋭い声と共に、俺の隣にソーマが降り立った。
ソーマは降り立つのと同時に、ナトゥスを構え直すと跳んだ。
「……このままじゃ、みんな……死にます……」
「そんな……」
「だから、早く──」
俺は、どうしたらいい?
このまま基地内にウライを連れて行って、ソーマ達を見殺しにするか
それとも、ウライを置いてソーマ達に加勢し、ウライを死なせるか
俺には、どちらを選択する事も──出来ない。
だが、それが出来ないというのなら
「俺は……」
俺が口を開いた瞬間、俺の背後から地面を踏み締める音が微かに聞こえた。
「──ッ、誰だ!」
俺はそちらを振り返り、ウライを背負っていない手で銃を抜き、向けた。
それと同時に、その人間の姿が目に入った。
「何、で……」
俺は驚きを隠せなかった。
これを見て驚かない人間が、果たしているのかどうか──居ないだろう。
俺に銃を向けられ、完全に怯えている人間は、震える声で言う。
「──何が、あったの……?」
「何で、お前が……ここに……」
俺はその人間の言葉を無視して、言った。
「何で『一般人』が──」

「何でお前が、ここにいるッ!!」


人間──いや、イーナに向けた銃口が、震えた




長くwwwなったwwwっうぇwwwしにてぇwwww←
なにこれwww

まあイーナは方向オンチだから、と言い訳してみる。

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まっがーれ↓って何だっけと思ったら古泉のキャラソンだったw

1週間近く放置しててごめんなさい、17話書きます。
ってか17話まで行ったってすげえええ(ry
果てなき蒼穹、果てる世界って久々に聞いた。やっぱ好きだ。




俺は、近くにあったかなり高さがある建物の上から戦場を見ていた。
こっちの兵士もあっちの兵士も、次々と倒れていく。
だが、死人は出てねェらしい──それが一番面白くねェんだよな……
殺す気で来いよ。さもないと──
──さあ、お前ら全員

RELAYS - リレイズ - 17 【応戦】

「取り敢えず、殺さなきゃいいんだろ?」
ラスターさんは一度立ち止まり、俺に聞いてきた。
「あ──そうです!」
「んじゃ、殺さない程度にやらせて貰おうか!」
笑って言うと、ラスターさんは敵兵の群へと走っていった。
敵兵は一斉に、ラスターさんへと銃口を向ける。
「危な──」
俺が言いかけた瞬間、辺りに澄んだ金属音のような音が響き渡った。
数秒遅れて、金属製の物が落ちる耳障りな音も。
「オレは人切るのに慣れてねェんでな……武器の方ブッ壊させて貰うぜ!」
敵兵が持っていた銃は、無惨にも切り刻まれて地面に落ちていた。
ラスターさんの着ている薄水色のエプロンには、汚れさえ付いていない。
「凄い……」
「そうか?あれくらいは普通に出来ると思うが」
シェイド大佐は全く驚いていない。
──そりゃ、大佐だもんな……あれくらい出来るに決まってるよな……
そう考えていると、ラスターさんが思い出したように俺に声を掛けてきた。
「──ヘメティ」
「何ですか?」
「オレが言えた事じゃねェんだがな──」
ラスターさんは一度前置きをして、言った。
「お前……人切った事ねェだろ」
その言葉に、俺は顔を上げた。
「何で──」
「刀に全然血の跡が見つからねェんだよ。それこそ新品って言っていいくらい綺麗すぎる」
あまりにも的を射た言葉に、俺は何も言えずに口を噤んだ。
「──まあ、無理にやれとは言わねェよ。少しずつそういうの克服できるようになりゃいい」
ラスターさんはそう言うと、手の中にある剣を構え直した。
「──はい」
俺が返事をすると、ラスターさんは笑った。
「なあ、オレあっち辺りやりてェんだけど良いか!?」
「──お前は何と言ってもやるだろう……勝手に暴れろ」
「サンキュ、兄貴!んじゃ、頑張れよー!」
全く緊張感のない声で、ラスターさんは近くの雑木林の中へと剣を持って歩いていった。
「──大丈夫なんですか?」
「一応あいつもオレ並には強い筈だからな。そうそう負けたりはしない。殺さないなら尚更、な」
俺は最後の言葉に少し疑問を持ったが
「さて、オレ達もやるぞ」
シェイド大佐の言葉に、俺は闇霧を握り直した。
「お前は無理をするな。切るのに慣れていないならそれは命取りだ」
「大丈夫ですよ」
シェイド大佐にそう返し、俺は先程ラスターさんが歩いていった方とは反対の方向に、走り出した。
俺の行動を予測できていなかったのか、敵兵の動きが一瞬止まった。
「はあッ!!」
俺は敵兵の持っていた銃に向けて、闇霧を振るう。
何かが切れる感触に遅れて、敵兵の持っていた銃が真っ二つに切断され、地面に落ちた。
敵兵は何が起こったのか瞬時に理解できず、驚いて固まっている。
だが、敵兵以上に驚いたのは──
「──できた……」
シェイド大佐でも、誰でもない。
──俺自身だった。
「何で──俺……できた……?」
ラスターさんの動きを見様見真似でやっただけで──
元からできた事のように、俺にはそれができていた。
「ヘメティ、お前──それが出来るのか?」
驚いたように俺に聞いてくるシェイド大佐に、俺は首を横に振った。
「解らないんです──何でこれが出来たのかも、何で……銃の扱い方を知っていたのかも」
以前言った通り、俺には記憶が無い。
俺が失った記憶の中の『俺』が、関係しているのか──
恐らく、そうなのだろう。
そうでなければ、おかしい。
「──おい」
不意に聞こえた声に、俺は声の聞こえた方を振り向いた。
「ソーマ!生きてたのか!」
「死ぬ訳が無いだろうが、馬鹿が」
ソーマは不機嫌そうに、俺に言葉を返してきた。
俺はそこで気付く。
いつもなら青と水色の光を帯びている白いナトゥスが、真っ赤に染まっていた。
「ソー……マ……それ──」
よく見れば、ソーマの黒コートにも大量の血が付着していた。
「心配するな、殺してはいない。──怪我も治る程度にしておいた」
言いながら、ソーマは自分の頬に付いていた血飛沫をコートの袖で拭う。
俺は最初、ソーマの言葉が信じられなかった。
血の量が、尋常じゃない。
どれ程の敵兵を斬り捨ててきたのかと思う程に。
「──あちらの敵は全て倒した。他は?」
ソーマは俺の隣にいたシェイド大佐に聞いた。
「あ、ああ……あっちはオレの弟がやっているから大丈夫だ。後はこの一帯──」
「大佐ッ!!」
シェイド大佐の言葉を遮るようにして、鋭い声が響き渡った。
「──ウライ!?」
少し離れた位置に立っているウライは、走ってきたのか肩で息をしている。
「何かあったのか!?」
「私達の、兵士……全部、あいつ……が──」
ウライが言い終わる直前──
銃声が、聞こえた。
「──ウライッ!!」
銃声が聞こえてから数秒も経たず、ウライがその場に倒れ込んだ。
ウライに駆け寄ろうと走り出したシェイド大佐の足が止まる。
「な──何故お前が……ッ」
そのウライの後ろに、人影が見えた。

「──もう『演技』はしなくていいらしいんでな」

笑いを含んだ声が、耳に届く。
「あんたの警戒心の無さには称賛してやるよ、大佐。」
二丁拳銃を手の中で回し、世間話でもするような声音で
「どこの誰かも解らねェ俺を信じて仲間にしてくれたんだからな──やりやすくて助かった」
そう言ったのは──

赤に黒が混じった混色の長髪を後ろで一つに纏めていている

「どういう、事だ──」

「──答えろ、ザクストッ!!」




午後4時から書き始めてごめんなさい。
途中で母に骸Attack!!とか聞かせてたから・・・

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何故この名前が出てきたんだ・・・
ファンデヴはフェンシングから、ソーマは月の神、ヘメティは片翼の天使だし・・・
ブラック★ロックシューター聞きながらシリアス書く・・・



「しかし思ってたより早いな……『兄さん』、時間計算しくじったか?」
男は自分の軽トラックに乗り込むと、懐中時計を見て愚痴った。
そして、トラックのエンジンを掛ける。
「ま、オレがアッチに行きゃ分かる話か」

RELAYS - リレイズ - 16 【恐怖】

「ソーマ!」
「──何だ」
俺は走りながら、先程持った疑問をソーマにぶつけた。
「お前、『殺さないなら簡単』って──どういうことだよ!?」
ソーマは一度立ち止まると、俺に向き直った。
「要は、相手の戦闘能力を削げばいい」
その理由が分からない、と言おうとした俺の言葉を遮り、ソーマが口元に笑みを湛えながら言う。
「手足を動かなくすればいい。勿論後々ちゃんと治る程度にな」
「それって……」
「安心しろ、切り落としはしない」
「そうじゃない!そんな事したら絶対死ぬだろ!」
手足を切り落としたら確実に死ぬだろう。
ソーマには、そういう考えが何故か欠落しているような気がする。
ソーマは溜め息をつくと、はっきりと言い放った。
「手足の健を切るだけだ」
戦場では普通の言葉なのだろうが、俺にはソーマのその言葉が酷く残酷に聞こえた。
「──貴様なら、足を撃つ程度で十分だろう」
ソーマは俺の手の中にある拳銃を見て言った。
「そんなの──」
「出来ないとでも言うつもりか?」
言いかけた言葉を遮られ、俺は言葉を続けられなくなる。
「傷付けるのが怖いか?自分の手を汚すのが怖いか?殺すのが怖いか?」
怖くない──そう言えば、嘘になる。
俺はこの世界に長く身を置いて尚、自らの手を汚すことに恐怖を感じていた。
決して戻ることも、逃げることも出来ない世界だと知っていて。
「──ソーマは……怖くないのか?」
俺の言葉に、ソーマは一瞬驚いたような表情を見せた。
「……恐怖、か──とっくの昔に、忘れた」
そう言ったソーマの声は、何処か寂寥感を伴っていた。
「そうか──俺は、まだ……怖い」
ソーマの言う通り、俺はまだその感情を捨て切れていない。
俺の呟きを聞いたソーマは、独り言のように静かに言った。
「恐怖心を持たない自分が『異常』、か……そんな事は分かり切っていると言うのにな」
「え……それってどういう──」
俺がどういう事だ、と聞こうとした瞬間、近くで銃声が聞こえた。
それに続いて、怒号も。
「ッ──やばいぞ、ソーマ!」
俺が叫んだ瞬間、辺りに潜んでいた敵兵が姿を現した。
囲まれてはいないが、かなりの数だった。
「糞ッ!」
ソーマは悪態を付き、何かを詠唱するとナトゥスを自分の手に出現させた。
「……ッ!」
「ソーマ、どうし──」
何かに気付いたのか、ソーマが声を張り上げた。
「伏せろッ!」
「うわっ!!」
言いながらソーマに襟首を掴んで引き倒され、俺は短く悲鳴を上げる。
その時、何発もの銃声と悲鳴が立て続けに俺の耳に届いた。
「いってぇ……!お前、伏せろって言う前に思いっ切り──」
土埃に咽せながら不満を漏らす俺の眼に、一人の人影が映った。
「まったく……お前達は二人揃って何をしているんだ」
呆れ顔で言いながら軍服に付いた土埃を払っている人影は
「大佐!?何でこんな所に──」
「それはこっちの台詞だ。何か話し声が聞こえるから来てみれば……」
「──すみません……」
俺は謝りながら立ち上がる。
その時、シェイド大佐に撃たれた数人の敵兵が目に入った。
撃たれた敵兵は全員、例外なく足を撃ち抜かれている。
「後々ちゃんと治る程度の傷だ。心配しなくていい」
「──大丈夫、なんですね?」
俺の言葉に、シェイド大佐は困ったように笑った。
「お前は優しいな──この戦場に居るのが不思議なくらいだ」
俺は黙って、持っていた拳銃を見た。
「弾は自分で入れれるか?」
「まあ──一応」
使ったことがないとは言え、機関で少しだけ扱い方は習っている。
「見た感じ、銃は使ったことが無さそうだが」
「──使ったことは、ないです。触ったことなら幾らでも」
俺は弾を装塡しながら答えた。
「撃てるか?」
「──やれるだけやってみます」
俺の言葉に、シェイド大佐は少しだけ心配そうな視線を俺に向けた。
「──無理はするなよ」
シェイド大佐が言った時、辺りに新たな銃声が響き渡った。
その直後、俺の目の前にいた敵兵が悲鳴を上げて倒れ込む。
「──暴発か!?」
俺は真っ直ぐ伸びた手の先に見える銃口を見た。
そこから上がっている、一筋の白煙。
「いや、違う……俺が、撃ったんです」
俺自身、驚いていた。
俺が撃った銃弾は、敵兵の足を的確に撃ち抜いていた。
仲間が撃たれたことに憤りを感じたのだろう。
次から次へと向かってくる敵兵に、俺は銃口を向けた。
そして、引き金を引く。
倒れていく敵兵達を見ながら、俺は奇妙な感覚に囚われていた。
──何だ、これは──
何故、俺は──

「銃の使い方、知ってる……!?」

全てが解るのだ。
どこを撃てば相手が死に至ってしまうか。どこを撃てば大怪我はしても死にはしないのか。
銃の扱い方も、何もかもが。
「凄いな──的確な射撃だ」
隣で呆気にとられているシェイド大佐が呟く間も、俺は銃を撃ち続けた。
だが──
「いくら何でも数が多すぎるな……」
ソーマも遠くで応戦しているのは解る。
遠くから聞こえてくるナトゥス特有の金属音が、それを知らせてくれていた。
「これじゃ──」
俺が言いかけた瞬間だった。

「オイ!!」

突然聞こえてきた声と激しいブレーキ音に、俺は肩越しにそちらを振り返った。
そこには、一台の軽トラックが止まっていた。
「また敵──」
「そこの刀少年!!」
明らかに俺に向けて放たれた言葉に、俺は向けようとしていた銃を下ろす。
その声の主は、昨日立ち寄った──あの武器屋の店長だった。
「悪いな、少し遅れた!!ホラよ!!」
その声と共に、俺に闇霧が投げ渡された。
「遅いぞ、ラスター!」
「うるせェな……そっちが時間計算ミスったのが悪ィんだろ?『シェイド兄さん』」
「え……えぇ!?」
店長の名前が『ラスター』なのは解る。シェイド大佐がそう呼んでいたのだから。
だが、ラスターさんの言葉の意味が瞬時に理解できなかった。
「ラスターはオレの弟だ。この街唯一の武器屋をやっている、な」
「シェイドはオレの兄貴だ。良く似てないって言われるけどな」
ラスターサンが笑いながら言った時、その足下すぐそばに銃弾が飛んできた。
「危ないですよ!店長は帰って──」
「誰が帰るかよ──こういうのもたまには面白そうだ!」
「やるか?ラスター」
ラスターさんは笑うと、軽トラックの荷台から一本の剣を取り出した。
「じゃ、援護頼んだぜ、刀少年!」
そう言って敵兵達に向かっていこうとしたラスターさんに、俺は声を掛けた。
「あの──刀ありがとうございます!!それと──」
「俺は『刀少年』じゃなくて──ヘメティです」
俺の言葉に、ラスターさんは再度笑う。
「ヘメティか──解った。頼んだぜ?」
「はい!」
俺は返事をすると、闇霧を抜いた。




\(^o^)/

闇霧って間違えて閻魔刀って入れるとこだったwwww

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