魔界に堕ちよう RELAYS - リレイズ - 忍者ブログ
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すげええええええそして29話まで行っても序盤ってすげええええええええ




あれから普通に何事もなく1週間が過ぎた。
つまり、今から機関に戻る。
俺とソーマとイーナ、それにシェイド大佐とラスターさんの、5人で。
……どう考えても多すぎだろ!

RELAYS - リレイズ - 29 【5人で】

「あんまり実感してなかったけど、何なんだよこの人数!!」
がたがたと揺れる車内で、俺は声を張り上げた。
機関の方で大きめの車を用意してくれたからよかったものの、5人で乗車なんて初めてだった。
「仕方ないだろう。良いから黙れ」
「私は呼ばれたし。取り敢えず車の中なんだからそんな大声じゃなくても聞こえるって」
「オレも、だな。イーナの言う通り静かにしろ」
「だってヘメティとソーマは確実だし、そこに兄サンと嬢ちゃん入ったらこの時点で4人だろ?」
「だから何でそれが5人になったんだよって聞いてるんですよ俺は!!」
ラスターさんが自分も行くと言い出したときは別に何ともなかった。まあ5人なら大丈夫だろうと
簡単に考えていた。
だが、そんな簡単に済むわけがない。
今の状態は、助手席の部分にソーマが、その後ろに残りの4人が座っている感じだ。
一応4人座ってもある程度の余裕はあるが、だからといってこれはないだろうこれは。
ちなみに俺達の並びを左から言うと、イーナ、ラスターさん、シェイド大佐、俺、となっている。
それと肝心──かどうかは解らないが、ラスターさんの怪我はほぼ完治している。
あの傷がよく1週間で回復したな、と思う。あれは大怪我、重傷の部類に入るだろう。
それを本人に聞いてみると、言って困ることでもあるのか『秘密だ』としか返されなかった。
「──まあ、6人にならなくてよかったか……」
もしもう一人プラスされて6人で行きますなんてことになったら、どうしたらいいのか解らない。
「あの怪我で連れてくるわけにもいかないからな。部下を守るのも上司の務めだ。
あのまま置いてくるのも少し気が引けたが……な」
「でも、あの嬢ちゃんも大丈夫だったんだろ? 良かったじゃねぇか」
そのもう一人──ウライは、俺達の中で一番怪我の度合いが酷かったこともあるのだろうが
未だに怪我が治らずにいた。
一度ウライの病室に行って、自分達のことを話したときの彼女が言った言葉を思い出して俺は苦笑した。
軍を離れる、と言ったシェイド大佐に、何が何でもついていこうとしていたから。

『オレは少し……いや、長い間ここから離れる。その間待っていろ』
『っ、嫌です! 私もついて行きます!』
『駄目だ。その怪我で動けるわけがないだろう』
『私は大丈夫です、だから──』
『駄目だと言っている! ……今は自分の心配だけをしていればいい』
『そんな──上司についていって、守るのが部下の役目です!』』

「上司についていくのが部下の役目……か」
あれだけの怪我でも付いていこうとしていたということは、それだけの忠誠心がある、というのと
胴意義だろうと思う。
シェイド大佐とは1週間と少しの間しか行動を共にしていないが、人柄からも想像できた通り人望は厚い。
「ウライはああ見えて頑固なところがある。説得するのは辛かった」
「確かにそういうとこあるよなーあの嬢ちゃん」
やれやれ、とでも言うように笑いながら、シェイド大佐は呟いた。
あの後4日かかってようやく諦めてくれたらしい。どうりであまり見当たらないと思った。
手合わせの為に何度基地の中を走り回ったか解らない。その度に不審者と間違われるし、やっと
見付けたと思ったら今度はソーマが居ないし。
「──そういえばヘメティ」
「どうしたんですか?」
シェイド大佐は俺の目を見据えて、重く真面目な声で訊いてきた。
「最初に会ったときから気になってはいたんだが……お前のその眼の色、生まれ付きなのか?
カラーコンタクトを入れているわけではないだろうな?」
そんなの、全然気にしたことがなかった。
記憶を失ってから、機関に行って、そこで鏡を見てようやく自分がオッドアイなのだと気付いた。
カラーコンタクトの存在は知っていたが、まさかそれを片方だけに入れてオッドアイですなんて……
「いや、これ生まれ付きですよ。多分」
もしかしたら最初はどちらの眼の色も同じで、何らかの事件か何かがあってこうなったのかもしれない。
だから多分、だ。
「そうか……すまない。ただ少し気になっただけだ。昔オレの友人に居たからな。右目にだけ赤にしている奴が」
……居たよ、片方だけ無理矢理オッドアイにしてる人が居たよ。何かある意味すごいな。
「その理由を聞いたら『オッドアイ格好いいだろ!』と答えられたな」
「確かに格好いいとは思うけどさぁ、そこまでしてやることなの?」
「え、じゃあヘメティ、お前これ生まれ付きか! すげー!」
「いや何が凄いのか全く解らないんですけど」
俺にとってはこれが普通だし、隠そうとも思わないし、特別なものだとも思わない。
だが、世間から見ればこれは格好いいらしい。内心少しびっくりしていた。
「……あ、その友達の人は今どうしてるんですか?」
もしかしてまだカラーコンタクトでオッドアイなんてやっているんだろうかと思い、軽い調子で
訊いてみる。
その途端、シェイド大佐の笑みが凍り付き、悲しげに目を伏せた。
「──もう、居ない。数年前に……死んでしまった」
呟くような声で言って、シェイド大佐は微笑んだ。
それは、見た人の胸を締め付けるような、悲痛な微笑みだった。
やってしまった。今まで一応明るかった場の空気が、一気に重く淀んでいく。
運転手の視線以外──3人の容赦なく刺さってくる視線が痛い。
「……ああ、別に気にしなくていい。すまなかった」
「いや大佐何も悪くないですって! 俺のせいです俺の!! ごめんなさい!!」
気にしなくていい、と言われても気にせずに居られないだろう、これは。
「だからいいと言っているんだ。後ろばかり振り返っていられない。友の想いは、友が引き継ぐ」
「……ほんと、嫌っつーくらい前向きだよなぁ兄サン。ま、そうじゃねぇと軍人なんて
やってられないか」
「ネガティヴ思考はオレの性ではない、それだけだ」
「どっちでも同じだろそんなの」
本当に、前向きだ。
友人の死を受け入れ、それでも尚立ち止まることなく前を見据えている。
俺も見習いたい、そう強く思った。
今の俺は、仲間も機関の皆も何も、失ってはいない。──自分の記憶以外は。
自分が無くした記憶の中の『俺』は、何かを失っているのだろうか?
そこまで考えて、ふと気付いた。
「──ソーマ、お前どうしたんだよ」
助手席に座っているソーマの出している雰囲気が、普段とは明らかに違う。
「……悪かったな、後ろ向きで」
吐き捨てるように出された言葉に、俺は苦笑いしかできなかった。
確かにソーマは、人と比べて思考はネガティヴな方だとは思う。だがそれを気にする必要はあまり
ないような気がする。
「いや、ソーマはソーマってことでいいんじゃないか?」
俺が話しかけても、何の反応も示さない。いや、いつも殆ど反応なんてしてくれないけどさ。
どうやら多少ショックを受けている……らしい。珍しいな。
「え、アンタでもショック受ける事ってあるんだ」
「待てイーナ、それを言うな、死んでも知らないぞ」
少しはオブラートに包んで……も意味はないか。じゃあ自重してくれ、頼む。怖いから。
「……何だったか……思い出せそうで思い出せないな……」
「何がですか?」
隣でシェイド大佐が何かぶつぶつ言っている。思い出せそうで思い出せない、と。
その友人との思い出か、それとも違う物か。
「いや、1週間前に話した……支配者と共に居ただろう、白髪の執事が」
確か名前はアレスだったか、とシェイド大佐は付け足してから、溜め息混じりに言う。
「あいつの姿を見たときにも少し感じたが──どこかで見たことがある気がする」
既視感──デジャヴという物か。俺がしょっちゅう感じる物でもある。
ただ、それを思い出そうとしても思い出せないことの方が多い。ただ「何処かで見たことがある」というだけで。
「まあ、別に後ででもいい。取り敢えずまだ着かないのか?」
「あー多分もうすぐ着きますよ」
もうすぐ、とは言ったが、実を言うと俺もあんまり解っていなかったりする。
……大佐とみんな、何かごめん。




やったぜ次で30話だぜ。取り敢えず次出すキャラを考えよう。

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また消えたしwwwww何なんだよFirefoxのばかあ!!




RELAYS - リレイズ - 28 【手合わせ-2】

訓練場に着いた俺とソーマは、ある程度の距離を持って向き合っていた。
俺が立っているところは、丁度イーナが立っていた場所だろうか。
「──じゃあ、お互いに本気で、全力でいくぞ」
「当たり前だ。そうでなければ手合わせの意味がない」
こいつにとっての『本気』が『相手を殺すつもりでいく』ということなのは知っている。
それでも、俺はこうしたかった。勿論ソーマの言う通り『全力でいかないと手合わせの意味がない』
というのもあるが。
左手に拳銃を持ち、右手で闇霧を構える。
「……来い」
その言葉が耳に届くのとほぼ同時に、俺はソーマに向かって駆け出した。
その勢いのまま闇霧を振り下ろすが、いとも容易くナトゥスの柄で防がれてしまった。
防がれるのは予想していた。というか、防がれなければ逆におかしいとさえ思う。
ソーマの戦闘スタイルは、ある程度把握している。
ずっと見てきたからなのか、それとも規則性があるからなのかは解らない。
まず、相手の攻撃をそのまま受け止める。今の俺の状態がこれだ。
そのまま弾き返され、後ろに吹き飛ばされる。
俺が地面に着地した瞬間、ソーマは俺に向かって右手を突き出してきた。
「Lump oeleon!」
詠唱と共に俺に向かってきた黒い霧のようなものを纏った氷塊を、咄嗟に闇霧を身体の前に出して防ぐ。
次に、相手が間合いを取って自分への攻撃の心配が無くなったときに、魔法で追撃する。
闇霧を下ろし、顔を上げたときにはもう既にそこにソーマの姿はなかった。
背後に気配を感じ瞬時に振り返ると、俺の首を狩ろうと眼前に迫っていたナトゥスの刃を左手に
持っている拳銃の銃身で防いだ。
その状態で、突きをするようにして闇霧を振るう。
その一閃は、あまり日に当たっていないせいか白いソーマの頬を赤く滲ませた。
──そして、最後に近距離で攻撃する。
これが、ソーマの癖とも取れる戦い方だった。
まとめると、最初に防御、次に追撃、最後に近距離で畳み掛ける、といった感じだ。
確かに、体力の消耗も最小限に抑えられ、怪我をすることも少ない戦い方ではあると思う。
だが、その行動パターンを一度読まれてしまえば、相手を翻弄するのは難しくなる。
それでも今まで大丈夫だったのは、恐らくソーマ自身に隙があまりないからか。
ソーマは一度舌打ちをすると、後方に跳んだ。
「ソーマ、その戦い方少し変えたらどうだ? パターン読まれたら使えないぞ?」
「……考えておこう」
答えながら、ソーマは忌々しそうに頬を伝う血を手の甲で拭い取った。
てっきり『何故貴様に指図されなければならないんだ』と言われるかと思っていた。
ナトゥスを数度回転させてから、今度は両手で構え直す。
「──なら、今試してみるとするか」
「え? 何を──」
その言葉の意味が汲み取れず、何を言っているんだと言おうとした俺の前から、突然ソーマの姿が消えた。
どこに移動したのかと辺りを見回すが、どこにも見当たらない。
不意に、俺の耳に旗──というか、布が風に煽られるような音が聞こえた。
音に引き寄せられるようにして、頭上を見上げる。
そこにソーマは居た。
その手には、先程まで持っていたナトゥスはない。上空に居るときに能力解除したのか。
何故か恐怖を感じ、俺は無意識の内に屈んでいた。回避する、という考えが、すっかり頭の中から
抜け落ちていた。
ソーマはそのまま俺のすぐ側に降り立つと、顔を上げる暇もない程に早く手を伸ばしてきた。
俺の──首へ向かって。
「がッ……!?」
首を絞められ、俺は短く呻き声を上げる。
その力は、俺より一つ年上だとはいえ若干細身のその身体のどこにこんな力があるんだ、と
問い質したくなる程に強い。
「さっさと殺れないのは面倒だが、まあこれなら確実に殺れるか」
俺を見下ろすソーマの瞳は、本気で敵を殺そうとしているときの眼をしていた。
更に力を込められ、徐々に俺の視界が霞んでいく。
ぼやけた視界の中でも、ソーマが微かに口元を歪めたのが解った。
意識を手放しそうになったとき、どこかで銃声が聞こえた。
どこかで、というか、かなり近場で。
それから数秒と経たずに、俺の首からソーマの手が離れた。
「──ごほッ!!」
咳き込んでから、深く息を吸って呼吸を落ち着かせる。
「おいソーマ、これはあんまりだろ……!! 俺を殺すつもりか……!?」
「本気でやれと言ったのは貴様だろう」
「だからそういう意味じゃなくて……! っていうかさっきの銃声は──」
肩で息をしながら片膝をつき、先程の銃声のことを思い出した。
俺は撃っていない。というかあの状態で撃てるわけがない。
ソーマは絶対に銃器は使わないだろう。銃器よりも使い勝手が良い魔法があるのだから。
となると、答えは──
「──オレが撃ったが、何か文句でもあるかこの馬鹿共!!」
銃口から細く煙を出している拳銃を持ち、怒りに任せて撃った犯人──シェイド大佐は叫んだ。
「ソーマの部屋にもヘメティの部屋にも居ない上に何か物音がするから来てみれば……!
お前達、良いからそこに正座しろ!! 命令だ!!」
今までにない迫力で『命令だ』と言われると逆らえず──逆らうつもりもないが──黙ってそこに
正座することになった。
「まず、お前達は何をしているんだ」
まあ、誰でも最初はそう聞くだろう。俺は素直に答えた。
「自分がどれくらいの力を持っているのか知りたくて、ソーマと手合わせしてました」
「手合わせ──まあ、訓練と同じか。それならば──」
言いながら、シェイド大佐は俺の持っていた拳銃を手に取る。
そしてそれを誰も居ないことを確認してから、自分の真横へ向けて狙いも定めずに発砲した。
「実弾は使わないことだ。相手怪我をさせる程度ならばまだマシだろうが、重傷を負わせれば、
ましてや殺してしまえば大変だろう。言えばゴム弾でも何でも貸してやるから」
「……はい……」
一発も使ってはいないが、シェイド大佐の言う通りだ。何故そこまで気が回らなかったのか。
ソーマに改めて自分の『弱さ』を突き付けられ、焦っていたのか何なのか。
「それとソーマ、お前が一番問題だ」
さほど興味がなさそうに、他人事のように話を聞いているソーマに、シェイド大佐は
溜め息混じりに話──という名の説教をし始めた。
「確かに手合わせは本気でやらなければ意味がない。それは解る。だが首を絞めるのはあんまりだろう。
加減が解らずに、そのまま締殺なんてことになったらどうするつもりだ?」
「どうもしない」
「なっ、お前それでも人間か!!」
いつも通りに即答したソーマに憤慨しながらシェイド大佐が反論するが、何も聞いちゃいない。
「──兎に角だ!! 今度から手合わせはオレを呼ぶように!! 危なくて気が気ではない」
それだけを言い残して、シェイド大佐は俺の拳銃の安全装置を掛けると、基地の中へと戻っていった。




シェイド大佐はみんなのおかん←

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嘘だろ!!
最近ボカロよりアリプロばっかり聞いてるな…




部屋の窓から見上げる綺麗な青空。
部屋の中には何故か一番テンションが上がらない奴。
することは何もない。
話す話題も何もなし。
うん、まあ、一言で言えば……

「──何でこんなに暇なんだよー!!」

RELAYS - リレイズ - 27 【手合わせ-1】

「いいから黙れ煩い」
「こんなに暇で──ちょっと待て、何かこういう展開前にもなかったか!?」
前にもこういうの経験した気がするんだが。しかもつい最近。あれ、気のせい?
「っていうか何で俺の部屋にソーマが居るんだよ! そっからして俺理解できない!!」
厳密には俺の部屋じゃなくて『俺に与えられた部屋』だけど、その部屋に何故こいつが居るのか。
ソーマだってシェイド大佐から部屋を割り当てられただろう。
それなのに何故ここにいるんだ。戻ればいいだろ。
「ただ本を忘れたから取りに来ただけだ」
「じゃあ何で居座ってんの!?」
「あちらの部屋よりもこちらの方が日当たりが良くて本が読みやすい。それだけだ」
「それだけかよ!!」
「ああそうだ」
何か問題でも?と続けたソーマに、俺は溜息を吐くしかなかった。
何というか、会ったときからソーマの行動は読めない。何をするか解ったものじゃないのだ。
時々ふらっと外に出て行ったと思えば数分で帰ってきたり、そのまま何日も帰ってこない事もある。
要するに気まぐれなのか。それとも本当に何か用事があるのか。それさえ解らない。
「あー畜生、暇だな……」
イーナはどこかに行ったみたいで見つからないし、シェイド大佐は勿論軍務中だし、ラスターさんは
『一度店戻って休店の張り紙貼ってくるぜ!』と言って出て行ったまま戻ってきていない。
せめて話せる相手がいれば……
あれから2日経った。
俺の傷は完治したし、後は5日間過ごすだけだった。
最初はこんな暇でのんびりとした時間も楽しめた。あんな騒ぎがあったのに、と。
だが3日目の今日になって、その暇な時間がとてつもなく苦痛に感じるようになってしまった。
何かしていないと落ち着かないというか、暇なのは性に合わないというか。
とにかく暇なのが嫌だ。無性に嫌だ。
一度基地の中を歩いてみようかとも思ったが、部外者が堂々と歩くのはさすがにまずいだろうと思い
やめておいた。それに俺だったら絶対迷う。ふらふらと彷徨い歩いた挙げ句、一般人立ち入り禁止の
場所に入ってしまう事も充分有り得る。俺は一般人じゃないけど。
「……おい」
「え? あ、何だ?」
突然声を掛けられ驚くが、それでも返事を返す。
ソーマは読んでいた本を閉じると、俺の目を見据えた。
「何度も言うようだが、貴様には戦う意志があるのか? 今回の戦いを見る限り、俺にはそんな物
無いように見えるが」
「──別に、そういう訳じゃない」
何度口ではそう言っていても、心のどこかで、出来る限り相手を傷つけたくない、なんてことを
考えている。酷い矛盾だ。
「何処かでその考えを打ち切らなければ、自分も守りたい物も失うことになる。それだけは言っておく。
──俺は自分の命以外、守りたい物等無いがな」
そんな俺の考えを見透かしたように、ソーマは告げる。
「生きるか死ぬか、だ。優しさも情けも、枷にしかならない」
これは強いて言うなら、覚悟だろうか。
相手に対する優しさも情けも全て捨て去る。それは自分の足を止める枷になってしまうから。
俺だって、痛い程に理解している筈なのに。ずっと、今まで繰り返してきた自問。
「理解しているのなら実行に移せ。貴様でもそれくらいはできるだろう」
遠回しに、俺を信用しているような言葉。俺がそう感じてしまっただけかもしれないが。
「……ああ。頑張るよ」
今はそれしか言えなかった。
これから自分がどうなるか解らない。今の状態で行くのか、それともソーマの言った通り
『覚悟を決められるのか』。
ソーマはまだ少し納得していないような雰囲気だったが、何も言わなかった。
それから暫くして、ソーマは立ち上がり、俺の部屋に忘れていたらしい本を持たずに部屋を
出ようとした。
「おーい、忘れてるぞ」
「……どうせまた来る。本を読む為にな」
言いながら、ソーマはナトゥスを出現させ、肩に担いだ。
「もしかして一人で鍛錬でもするのか?」
「貴様には関係ない」
その声を聞きながら、窓の外から見えるソーマとイーナが対峙した訓練場を見る。
そこには、誰も居ない。ソーマとしても、今が一番好都合なのだろう。
「──なあ」
「何だ」
窓の外に見える訓練場を指さし、ソーマに言った。
「俺と手合わせしないか?」
俺の言葉が予想していなかったものだったのか、ソーマは何も言わずに黙っている。
「今の俺がどれだけ戦えるのか、それが知りたいんだ」
側の壁に立てかけてあった闇霧を手に取り、ソーマに向けてしっかりと言葉を紡ぐ。
「……解った。やってやろう」
「え、いいのか!?」
「貴様が言ったんだろうが。さっさと来い」
それだけを言い残し、ナトゥス特有の金属音を廊下に響かせながら早足で歩くソーマの背中を
見ながら、俺は部屋のドアを閉めた。




だからソーマはツンデレなんだってb(ry

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間違って立てちゃった死亡フラグはどうやって回収すればいいものか。
裏表ラバーズ最高だぜえええええええええええええええ(ry
等身大の裏・表!!!




RELAYS - リレイズ - 26 【一週間】

「ただいま……っと」
部屋の中に入ると、その中には俺とシェイド大佐が部屋を出る前と同じ光景が広がっていた。
いや、それは当たり前なんだけど……ソーマもイーナもラスターさんも1歩も動いていないのだ。
「あ、おかえり」
いつも通り言うイーナの様子からして、喧嘩も言い合いも何もしなかった……らしい。
「何だ、何もなかったのか? 言い合いとか」
「いや、何で言い合いすることが当たり前みたいになってんの!?」
「だってお前達から目を離したらすぐに言い合いをしそうで」
「誰がそんな低脳な事をするか、貴様ふざけているのか?」
「ふざけてはいない! オレは真面目だ!! だからラスターを子守りとし」
「こ、子守り!? アンタマジでその包帯むしり取るわよ!?」
「フン、やりたいならやるがいい!! 包帯など買えばいいだけの話だ!! 家にも幾つか予備は
あるからな!!」
「そもそも何故包帯なんだ?」
いや、何でこんな事になってるんだ?っていうか子守り?今シェイド大佐子守りって言った?
「取り敢えずヘメティおかえり」
そして何でラスターさんがこんなに冷静なんだ。何か悟りを開いたみたいな目してるし。
『あーやっぱりこうなるのかよ』とその目が語っていた。やっぱりこうなるんですね。
「煩い、俺は18だ!」
「……えええええええ!? ちょっと待って、アンタ18だったの!? どう考えても20過ぎじゃ」
「待て、本当にオレより6歳も年下か!?」
「いい加減にしろー!!! もう関係ない話になってるだろ!! それとソーマが18歳なのは
本当だからな!」
確かに18には見えない。
顔立ちや体付き──少し細身だが──はそうなのだけれど、そう見えないのは纏っている雰囲気や口調のせいだろう。
こいつが俺より一つだけ年上なんて、俺自身最初会ったとき信じられなかった。ちなみに俺は17。
世の中こういう18歳というか、未成年も居るんだな、と感じたのを覚えている。
「……嘘だ、絶対嘘だ、サバ読んでるでしょアンタ」
だから読んでないって。信じてやれよイーナ。ソーマが額に青筋立ててるぞ。
「──まあいいや。さっき電話してきたんだけどな」
「あ、そうだった。それでそれで?」
訳の解らない言い合いからさっさと切り替え、イーナが期待しているような口調で聞いてきた。
「何か俺達が機関に帰るときに一緒に連れてきてくれ、って。イーナいいか?」
そういえば彼女に許可も取らずに『今度帰るときに連れてきます』って言ってしまっていたことに気付く。
これでやっぱり駄目なんてことになったら、ダグラスさんに何て言えばいいのか解らない。
「うん、全然大丈夫!」
「即答かよ! まあいいけど……シェイド大佐も一緒に行くことになるから、俺とソーマと
イーナと……4人で行くことに」
「ちょっと待て!」
鋭い声を上げたのは椅子から立ち上がったラスターさんだった。
「オレは!? ここで黙って待ってろっていうのかよ!?」
「お前は行く理由がないだろう。それに店はどうするつもりだ?」
機関にはイーナとシェイド大佐の事以外は言っていない。
別にシェイド大佐の弟なのだから一緒に行っても何も問題はないとは思う。だが大佐の言う通り
ラスターさんが経営している武器屋はどうするのか。
「あ、それは別に店閉めるからいいぜ。元々客なんて来ねェし」
こんな平和な街だしな、とラスターさんは続けた。
来ないからいい、というものではないと思うが、店長が言っているのだから俺が口出しするわけにもいかない。
「まあ大丈夫だと思うし……ラスターさんも行くって事でどうですか?」
「よっしゃ!! んじゃあそういう事でな!」
「……お前、ただ待っているのが暇だっただけだろう」
一瞬ラスターさんの笑顔が凍り付いた気がするが、気のせいか?
兎も角これで全部決まった。
一週間後にこの部屋にいる5人で機関に帰る。ラスターさんは、まあ、成り行きってことで
ダグラスさんに説明しよう。
知らせていないだけで、ラスターさんだって力はある。問題はない。
あの人はそうそう怒る人じゃないから大丈夫。……だと思うんだけどな……
「──それで、あっちに帰るのは1週間後になった。怪我とか全部治ってから、って感じだな」
俺はほぼ無傷に近いから、2,3日すれば治るだろう。
ソーマのコートと身体に付着している血はほぼ返り血だ。ソーマ自身の怪我は少ないと思う。
イーナは勿論無傷だ。ザクストに撃たれてもいないし、流れ弾も当たっていない。
一番怪我の度合いが酷いのはシェイド大佐とラスターさんか。
この2人が1週間でどれだけ回復するかどうかは解らないが……
「あー大丈夫大丈夫、これくらい1週間あれば普通に治るし」
「それなら心配ないですねーって、どんだけ治癒力高いんですか!!」
突っ込んだ後、俺は困惑した。冗談なのか本気なのか解らない。
「昔から切り傷とか治るの早いんだよ、オレ」
「それ切り傷ってレベルじゃないですからね!? そこら辺解ってんですか!!」
ラスターさんの腕に巻かれている包帯には血が滲んでいるし、体中に切り傷や擦り傷がある。
切り傷は恐らく、銃弾が掠ったのか、砕けて鋭利になった瓦礫で切ったかのどちらか。
「大丈夫だっつーの心配すんなって」
「……治らなかったら連れて行かない方向で検討してみますか」
「いやそれだけは勘弁してくれ!!」
しょうがないだろう。治らないなら安静にするのが一番だろうし、怪我をした状況で連れて行って
どうなるか解ったもんじゃない。
まあラスターさんの辞書の中に安静の二文字があるとは思えないけれど。
「そういう事だ、さっさと寝ろ。そして治せ」
「解ったよ。じゃあどっか部屋借りていいか?」
「ああ、その事なんだが」
シェイド大佐は思い出したように口を開いた。
「ここに居る全員に、一人一部屋振り分けておいた。1週間、そこで寝泊まりすればいい」
「え、マジで!?」
「ありがと!! さすが大佐!!」
「だから大佐の権力を甘く見るなと何度も言っているだろう?」
滅茶苦茶喜んでいるラスターさんとイーナを見て、俺は大佐がどれだけ凄いのかを再認識する事になった。
最初は俺とソーマに宿取ってくれたし、今はこうだもんな……
大佐の権力って凄いな。本当に嘗めちゃいけない。
「もう日が暮れる。部屋は案内してやるから来い。──ああ、ヘメティはこの部屋だ。問題はないか?」
「全然問題なんてないです。有り難うございます」
問題なんてあるわけが無い。あるとしたら感謝と少しの申し訳なさくらいだ。
「それじゃあまた明日ね!」
「じゃあな、ヘメティ」
シェイド大佐に連れられて三人が出て行った後、俺はベッドに横になった。
もう今日は何もすることが無いだろう。ソーマのように本を持ってきている訳でもないし。
「……あーもう寝るか……暇だし」
一応寝れる環境があればどこでも眠れる、それが俺の特技のような物だったりする。全然要らない特技だけど。
何でこんなしょうもない特技があるのかと思いながら、俺はゆっくりと目を閉じた。




大体、愛、無い!!

裏表ラバーズうへへへへ^p^p^p^p^

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辞書登録したらかなり使い勝手良くなったよ!!閻魔刀って出る!!やった!!




RELAYS - リレイズ - 25 【電話】

「……じゃあもう早速聞いてみるか」
部屋に戻った後、俺は機関──本部に連絡を取ろうと思い、携帯電話を取り出そうとズボンのポケットに手を入れた。
だが、手に当たるものは何もない。
「あれ? え、ちょっと待て」
何度確認しても、携帯電話が見つからないのだ。
「まさかアンタ……」
「お前……」
「ヘメティ……」
イーナとシェイド大佐とラスターさんが口々に呟いた少し後に、俺は認めたくない事実を口にした。
「──携帯電話忘れた……」
何で今まで気付かなかったのかと、自分で自分を殴り飛ばしたい衝動に駆られた。もしここが外だったら電柱や外壁にガンガンと頭をぶつけたいくらいだ。
落としたという可能性もあるが、それよりも心当たりがあった。
俺は本部から出てくるときに遅刻しかけた為に焦って飛び出した。その時に俺が持ったのは闇霧のみ。
慌てすぎて、そのまま自室に忘れてきた……気がしてしょうがない。それ以外に有り得ない。
別に自分の携帯電話じゃなくても本部に連絡は取れる。司令官であるダグラスさんに繋ぐまでの行程がと少し面倒になるだけだ。
「馬鹿!? アンタ馬鹿!? 何で忘れるの!?」
「いくら何でも携帯忘れちゃ駄目だろ!!」
「俺だって忘れたくて忘れた訳じゃねーよ!!」
物凄い勢いでツッコんでくるイーナとラスターさんに反論した後、俺は部屋の隅にいるソーマに視線を向けた。
「……ソーマ、お前の」
「誰が貸すか」
「言い終わる前から断るなよ! 余計虚しくなるだろ!!」
こいつがそう簡単に貸してくれるわけがない、ということは解っていた。望むが薄すぎる事も。
だからといってここまではっきりと断られるとは思っていなかった。
「ヘメティ、人の携帯電話は借りるな。一歩間違えばプライバシーの侵害だぞ」
「そういうことだ」
「そりゃそうだけど──って、ソーマお前ダグラスさんの番号しか入れてないだろ!!」
ソーマの性格を考えれば、交友関係は無いと言って良いだろう。
自分になければ困る番号以外を入れているとは考えにくいし有り得ない。
というか、ソーマがダグラスさん以外に電話をかけている所を見たことがない。尤も、ソーマが電話をかけるという事自体稀なのだけれど。
「……しょうがないな……大佐、電話どこにありますか?」
面倒だが、こっちからかけるしかない。
「ああ、案内する。ついてこい」
「それじゃあ行ってくるけど……イーナ、絶対ソーマに喧嘩売るんじゃないぞ。ソーマも買うなよ。ラスターさんちょっと二人見ててくれませんか?」
「売るわけないでしょ!!」
「俺は別に見てて良いけどよ、何かあそこに一人超ドス黒いオーラ出してる奴が居るんだよな〜俺怖くてしょうがねぇ」
冗談交じりに笑いながら言ったラスターさんが指さした先に居るのは
「……貴様俺を何だと思っているんだ」
「あー二人とも悪かったって」
反発してくるイーナと半径一メートル以内に入ったらすぐさま切り殺されそうな黒いオーラを出しているソーマとラスターさんを部屋に残し、俺はシェイド大佐の後を追った。

「──ここだ。そこで待っているから、終わったら呼んでくれればいい」
お礼を言うと、シェイド大佐は少し離れたところに座った。
俺とシェイド大佐以外に、人影は見えない。
それを確認してから受話器を取り、本部の番号をプッシュしていく。
数度の電子音の後、事務的な声が聞こえてきた。
『こちら世界保護機関リレイズ、一般人の方は申し訳ありませんが通話を終了させていただきます』
今まで数度しか聞いたことはないが、毎度この言い回しとこの後の手順は堅苦しいし面倒でしょうがない。
だが、それも仕方がない事だろう。……割り切っていても面倒なのは面倒だけど。
『リレイズに所属している方は、お名前と──』
「あーもう、めんどくさいな!!」
俺は耐えきれずに叫んでしまった。すぐに息を整え、ダグラスさんに繋げる為に必要な事を全て口に出す。
「『能力者№0213のAヘメティ。リレイズ司令官ダグラス=ティアマントさんへ繋いで貰えますか?』」
『畏まりました。少々お待ちください』
№と名前を言い終わった後の言い回しは何でも良い。要は『ダグラスさんに繋いでほしい』というのが伝わればいいのだ。ただ俺はこれが一番伝わりやすいだろうと思ってこう言っている。
いや、多分『繋いでくれ』だけでも通じるとは思う。
以前聞いたソーマの場合、『繋げ』だけでも大丈夫だったのだから。それだけで通じるのが凄いと思うくらいにソーマははっきりと一言だけ口にした。
あれで解った人達も凄いよな……
そんなことを考えていると、繋がったのか数度雑音と何かの話し声のようなものが聞こえた。
雑音が聞こえてからしばらくして、ダグラスさんの声が届く。
『──ヘメ君? どうしたの? 何か一般人に教えて良いのかどうかとか言ってたらしいけど』
「だからそれは……まあいいやもう。さっさと本題入っていいですか?」
あの人がつけたあだ名にはもうツッコまないでおく。もう諦めよう。
「あの、そっちに一人連れていって大丈夫ですかね? 一般人より戦闘能力はあるんですが」
『あー、さっき一般人にどうのこうのって言うのはその人に教えてたの?』
「そうですそうです」
ダグラスさんは成る程ねー、と呟いた後に言った。
『連れてきちゃって全然大丈夫だよ。というか僕もそれをお願いしたい』
「え……あ、解りました」
あっさりと許可が下りたことに少し唖然としながらも答え、俺は息を吐いた。
『……あ、それと……そっちでお世話になった……大佐の人とか居るでしょ? その人も連れてきてくれる? 一度会ってみたい』
「それ今から聞いてみますね。ちょっと待ってて下さい」
耳から受話器を離し、座っているシェイド大佐に声をかける。
「何だ、随分早いが……終わったのか?」
「いや、大佐にお願いがあるんですけど、俺達が機関に戻るときに一緒についてきてくれますか? 何か司令官が会ってみたいと」
「そうだな……大丈夫だ」
「ありがとうございます。じゃあ伝えておきますね」
そして、もう一度受話器を取る。
『どうだった?』
「大丈夫だそうです。そっちに戻るときに同行するっていう感じで」
『はいはーい。……じゃあ、1週間くらい後かな? 戻ってくるのは』
恐らくそれくらいになるだろう。
ラスターさんやウライに比べれば遙かに俺やソーマの怪我は軽い方だ。それでも無傷という訳じゃない。
怪我が治って帰れるようになるまでは、それくらいは普通にかかる。
先程の戦い──決闘?それでイーナが殆ど怪我をしなかったのは、ソーマが手加減していた事以外にもあると俺は思う。ソーマは断固として手加減をしていたなんて認めないけど。
あいつは変なところで頑固というか、そういう面がある。
『──でも、皆怪我をしても……生きててよかったよ。有り難う、死なないでいてくれて』
「……はい」
一番上の人間として、司令官として、命令を下すだけのダグラスさんの心境はどんなだっただろうか。
自分の手で、下の人間ではあるけれど『仲間』を戦場へ送り出す。
今までどれだけ、死なないでいてほしいと願ったのだろう。この人は。
『まっ、心配しなくても死なないよね! 特にヘメ君とソーマとかは。ソーマに至っては……ね』
「あいつは殺しても死なないみたいなもんですからね」
本当にソーマはそんな感じなのだ。どれだけ窮地に追い込まれようと、あいつなら絶対死なない。そう根拠もなく信じている。
『それじゃ、また1週間後に』
「はい。ありがとうございました」
通話が切れた事を示す機械音が聞こえてきたのを確認して、俺は受話器を置いた。
前髪を掻き上げ、長く溜め息を吐く。
「終わったか」
俺の様子を見て終わったのを察したのだろう、シェイド大佐が俺の真後ろに来ていた。
「はい。それじゃあ戻りますか」
「そうだな。……あの二人がどうなっているか気になる」
「俺もですよ。また何か言い合ってないだろうな……」
ただの言い合いならまだいい。それからまた対決なんてことになりやしないだろうか。
二度目ともなれば、ソーマも本気になるような気がする。
廊下を歩いていると、不意に何かが脳裏を過ぎった。
「──ん……?」
「どうした?」
「いや、何か……そういえば起きるまでに夢を見てたなって思い出しただけです」
何故今それを思い出したのか解らない。
ただ、その中で俺は確かに聞いた。
聞いたこともない旋律、歌詞、声なのに、酷く懐かしく感じる唄。
「そうか……オレはしばらく夢を見ていないな」
「俺も久しぶりですよ、確か」
最後に見たのは、イーナと初めて出会ったときか。俺の記憶が間違っていなければ。
まあ、今考えるのはやめにしよう。
後々解る筈だ。いつになるかは解らないけれど。
夢に対する思考をそこで打ち切り、俺は歩く足を速めた。




もう駄目だ長いwwwwwwwwwwww
Wantはもう少しで終わっちゃうんだよなぁ…どうすっかな。

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悔しいから書き直してやるんだからねっ!!
今回は造語サイトにお世話になりました^p^
ソーマの呪文とかはほぼ全部それから。




RELAYS - リレイズ - 24 【対決】

「……全く何でこんな事に……」
俺達は、軍敷地内にある訓練場に来ていた。
その中央辺りには、ソーマとイーナが自分の武器を持って睨み合っている。
俺が機関のことを説明して、自分達のことを説明して、それで終わりかと思ったら今度は『自分もその機関に入れるのか』ときた。
それに対してソーマが言い方は悪いが答えたら『力があるのかどうか試してみるか』。
イーナは本当に怖いもの知らずとしか言えない。
「おい嬢ちゃん!! マジでやめろって!! 死にたいのか!!」
「だーから大丈夫だって!」
ラスターさんは部屋を出る前からずっと止めてはいるのだが、イーナはそれに対して大丈夫とばかり言っている。
「……さて、もう周りなんて気にしないでさっさと始めない?」
「いや少しは気にしてくれ! 俺達だって居るんだから!」
こっちにまで戦闘が飛び火してきたらと考えると気が気ではない。まあどちらも銃等の遠距離武器は持っていないから流れ弾の心配はないとは思うが。
……若干一名、飛び道具を持っている人が居ますけどね。これはほぼ外すことは無いから
大丈夫だろうか。
そんな俺の願いも届かず、イーナは既にソーマに向かって跳躍していた。
ソーマはナトゥスを自分の眼前に構える。
そのまま鎖鎌を振り下ろすのかと思ったが、イーナはナトゥスの柄に足を掛け更に高く跳んだ。
「足場作ってくれてありがと! あんたならそう来ると思ってた!」
頭上で楽しそうに言うイーナの存在を確認し、ソーマはナトゥスを下ろしながら不機嫌そうに舌打ちすると右手を掲げた。
「Lump oficle,」
短い詠唱の直後に生成された氷柱を、躊躇いなくイーナに射出した。
「うわっ!」
それを鎖鎌で防いだイーナは着地し、後ろに跳んで間合いを取った。
「そういえば魔法も使えるんだっけ……忘れてた」
服に付いている鎖鎌で防いだ際に砕け散った氷柱の欠片を払い落とす。
ソーマは微かに笑い、姿を消した。
イーナは即座に鎖鎌を構え辺りを見回すが、どこにも姿は見えない。
「上だ、イーナ!!」
見上げると、ソーマがナトゥスを振り下ろそうとしていた。
それを鎖鎌で受け止め、弾き返す。
「やっぱり力はあんたの方が上なのね。まっ、当たり前か」
鎖鎌を自分の腰にしまい込んだ後、イーナは腰エプロンのポケットから何か小さめの物体を取り出した。
「でもさ、いくらあんたでも……こういうのは防げないんじゃない!?」
得意気に口元を歪めながら言い、物体から何かピンらしき物を引き抜くと、それをソーマに向かって投げ付ける。
「な……まさかあれは……」
シェイド大佐が驚いたように口を開いた瞬間、その物体が爆発した。
「兄サン! まさかアレ──」
「ああ、恐らく手榴弾……それではなくても何らかの爆発物だろう」
「悠長に構えてる場合じゃない! ソーマ!!」
幾らソーマでも、あれは防げない。もろに爆発を受けてしまっている。
「イーナ! 幾ら何でもこれはないだろ!」
「っつーか嬢ちゃん、一般人のくせに何でこんなモン持ってやがる!!」
俺がイーナに駆け寄ろうとした時、未だに立ち上っていた爆煙が一瞬にしてかき消えた。
「──Vifense,」
片膝をついているソーマは、全くの無傷だった。
立ち上がったその足下には、青白い光で魔法陣が描かれている。
「防御魔法!?」
ソーマが攻撃魔法以外を使えるなんて思っていなかった。
俺はそれしか見たことがなかったから。攻撃魔法、それも氷属性のみ。
さすが機関内一の魔力を持つだけある。
イーナはというと、ソーマが無傷だったことに驚いているのか何なのか立ち尽くしたまま微動だにしない。
「どうした、かかってこないのか?」
いつも通りの無表情で淡々と言っているが、それは明らかに挑発だった。
言っている本人はそう感じていないのだろうが、俺にはそう聞こえて仕方がない。
「二人とももう止めろ! こんなのやってたって意味無いだろ!」
ソーマに魔力が残っている限り、イーナがあいつに傷を負わせる事は不可能に近い。
かといってソーマの魔力が尽きるのを待っていてはイーナの体力が持たない。
それ以前に、ソーマの魔力がどれ程あるのかすら解らない。すぐに尽きるかもしれないし、多すぎて尽きる頃には日が暮れるかもしれない。
それを考えれば、こんな事無意味以外の何物でもないのだ。
「じゃあどうしろっていうの!? 私だって……私だって戦える!!」
自分だって無力じゃない、自分だって戦えるのだ。彼女の瞳からはその意志が強く感じられた。
それを照明したくて、イーナは言っているのだろう。
俺は近付き溜め息を吐くと、口を開いた。
「……解ったよ」
元はと言えば、機関に入れるか入れないかだったのだ。それをソーマが力のない人間云々言ったから話がややこしくなっただけで、本題は単純なこと。
「機関の司令官辺りに聞いてみる。イーナが入れるのか入れないのか。それでいいんだろ?
見た所、イーナも一般人よりは戦えるみたいだし。そう思えないのは相手が相手だからだ」
今回は本当に相手が悪かった。それだけのことだ。
ソーマに勝てる人間なんてそうそう居ない。そんな気がする。
「だからイーナも鎖鎌を下ろしてくれ。ソーマもそれしまえって」
ソーマは俺を一瞥すると
「……Relickle,」
そう唱えると、ソーマの手の中にあったナトゥスは空気に融けるようにして消えていった。
今のが『能力解除』の呪文なのか。
「別にこんなことしなくても、聞けばすぐに分かる話だっていうのに……」
「え、じゃあ私がやったことって全部無駄だったって訳?」
「……そうなるな」
「馬鹿あ!! どうして最初に教えてくれなかったのよ!!」
イーナは鎖鎌を持っていない左手で俺の胸倉を掴んできた。
「言ったってどうせ聞きやしなかっただろ! それにこれはお前がソーマの話を聞いて勝手に勘違いしただけだからな!?」
「そんなの解らないでしょ!!」
絶対聞きやしないって。俺は自信を持って言える。あの状況でイーナにこんな事言ったって聞かない。
「──まあこれで怪我しなくても済んだんだからいいだろ? さっさと戻ろうぜ、部屋」
「イーナ、後であの爆発物のことについても話を聞かせて貰うぞ」
ラスターさんとシェイド大佐は続けて言い、訓練場を出て行こうとしていた。
「あ、ちょっと待ってよ!! また話聞かれるのー!?」
叫びながら追いかけるイーナの背中を見ながら、俺は隣に来ていたソーマに問い掛ける。
「……お前ちゃんと手加減してただろ?」
ソーマが本気で戦ったのなら、始まって数分も経たない内にイーナは──死んでいた。
彼女が無傷で居られたのは、ソーマが手加減していたからに他ならない。
「知らんな。運がよかっただけだろう」
そう一蹴すると、ソーマは歩く足を速めた。
「お、おい待てよ! 皆で俺を置いていくつもりか!!」
俺は叫ぶと、少し遠くに見える四人の影を焦って追いかけた。




ソーマはツンデレなんだ多分。
何ていうか、ツンデレだと思うんだ。ツンデレ。可愛いじゃないかツンデレ。

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うひぃいぃいいいい何だこの放置プレイ(ry
どこまで書いたっけ状態だぞおい。そして誰だマーヴィンに1票入れてくれたのhアッー




RELAYS - リレイズ - 23 【裏側-2】

「……まずは順を追って話そう、そうじゃないとごちゃごちゃになる」
順を追って分かり易く噛み砕いて話をしないと、イーナにもラスターさんにも伝わらない。
俺達──というか、機関に所属している人間の事はまだ、後回しでも大丈夫そうだった。
「イーナが言った『この世界で何が起こっているのか』って事なんだが」
「うん」
今俺達が生きているこの世界、この星で起こっていること。
それを簡単に一言で言えば──『自然破壊』。無差別に無作為に、自分達の領土を広げるだけの行為だ。
あの都市で生きている人間達は、それを知らない。知る術さえ、持っていないし解らない。
皆、疑いもなく支配者についていく。自分達の生活を良くしてくれるのだと信じ切っているから。
中にはそうじゃない人間も居るだろうけれど、刃向かうことはしない。
恐らく、昔に比べて凄く発展した今の生活を手放したくないのだと思う。
殆どの人間は、便利さを知ってしまえばそれを手放すことを極端に躊躇う。手放しがたい『幸福』だ。
だからあの都市を止める人間も居ない。都市は勢いを増していく。
そこまで俺は説明したが、イーナとラスターさんはずっと黙っていた。怒っているのか
呆然としているのか解らないが。
「……二人ともここまで解」
「「全ッ然」」
言い終わる前に、強い口調で同時に言われた。俺の説明の仕方が悪いのか?
それなら俺より冷静にはっきりと物事を伝えられるソーマの説明の方がいい気がする。
ちらりと横目でソーマを見るが、腕を組んだままで何も言わない。要するに俺が全部説明しろと
言いたいのか。
「──兎に角、あの都市が馬鹿みてェな事してるってことだけは解った」
溜め息混じりに、吐き捨てるように言葉が出された。
「イーナは? ……おい、どうしたんだ?」
問い掛けても、俯いたままで何も反応がない。
「……あ、ごめんごめん、私も同じ。そこまでは解ったわ」
顔を上げて少し笑いながら言ったイーナは、「ただ」と続けた。
「ただね、私はどんなに呑気だったんだろうって考えてたの。そんな大変な事も知らないで、さ」
「いや、人間は誰でもそういうものだ。上層部の人間だけが真実を知り、下に居る者達は
何も知ることが出来ない。世界であろうと何であろうと、それにさほど変わりはない」
「そうそう、兄サンの言う通りだぜ? 嬢ちゃんが責任感じる必要はねェって話だ」
「──うん……」
シェイド大佐とラスターさんが言っている事は間違っていない。イーナが責任を感じる
必要なんてどこにもないのだ。
「……じゃあ、話を続けるけどいいか?」
「ああ、続けてくれ」
この世界と都市のことは話した。次に話すべき事は俺達と機関の事についてだ。
「次は機関と俺達の事について、だったよな」
前置きをしてから、俺は話し始めた。
俺やソーマが所属している機関『リレイズ』。世界保護機関という名前をもっと噛み砕いて言うと
ウィジロへの反抗組織と言えるだろう。少し語弊があるかもしれないが。
そこに所属しているのは、ダグラスさんのような司令官や上層部の人間だったり、アイドの
ような色々な研究をしているらしい研究班の人間だったり、スパイのような役割をする人間だったり。
そして、俺達のような、前線に出ていって戦ったりする人間だったりする。
戦闘をする人間は、皆一様に何かしらの力を持っている。所謂『能力者』だ。
勿論、俺もソーマも例外じゃない。
俺の場合は、自分の能力が日本刀として実体化されている。刀自体が俺の能力ということ。
ソーマの場合は、一番分かり易く魔力を持っている。
武器である巨大鎌──ナトゥスもその魔力で生成されている……らしい。詳しいことは知らないが。
その為、所持者であるソーマの意志で出現させたりできる。
その他にも能力者もとい能力はあるらしいが、俺が知っているのはこれくらいだ。
「……ついてきてるか?」
「一応、ね」
「こっちの方が分かり易かったな」
機関や俺達の事はちゃんと伝わったらしい。
「……まあ別に、能力者じゃなくても人並み以上の力さえあればいいんだけど、な」
例えばシェイド大佐のような人間とかは全然大丈夫なのだ。寧ろ大歓迎、といったところか。
「要するに──ウィジロの機能を停止させて、この星の滅亡を食い止める。これが機関の……
俺達の目的だ」
俺が覚えている、知っている事は全て話した。
もうイーナやラスターさんに教えることは何もない。
「──一つ聞きたい」
今まで黙っていたソーマが、唐突に口を開いた。
「貴様、あの赤髪とは幼馴染みだと言っていたが──どういう意味だ?」
イーナを見ながら、ソーマは淡々とした口調で問い掛けた。
赤髪というのはザクストの事だろう。赤髪と言ったらそいつしか居ない。
「あー……えっと、昔一緒に暮らしてたんだ。私の家、お父さんは居ないしお母さんは病気だし」
頭を描きながら、イーナは続ける。
「それで、お母さんが元気になるまで、っていう条件で、仲が良かったザクストの家に……居候って
言ったらいいのかな? そんな感じだったの。──でも、私が15歳くらいのときに突然居なく
なっちゃって……ね」
「成る程なぁ……」
イーナの話をまとめるとこうなる。
父親は失踪、母親は病気、そして唯一仲が良かった人間であるザクストの家に住まわせて貰っていたと。
そして今回、数年ぶりに再開したという事なのだろう。
久々に再開した仲の良かった幼馴染みが、敵として自分に銃口を向けてきた。
イーナのショックがどれ程だったのか、計り知れない。
それを無関係の俺が考えても、何も解らない。その苦しみを知っているのは本人だけだ。
それよりも気になることがあった。
「……で、イーナ。何でこんな事聞こうと思ったんだ?」
確かに、あんな戦闘の光景を見て「何があったのか」と聞かない人間はいないと思う。
だが、何故全部を知りたがったのか。それが解らなかった。
「あ……そうだった」
思い出したようにイーナは呟くと、俺の眼を見据えた。
「私も、あんた達が居る機関って入れる?」
「は!?」
イーナは何を聞いていたんだ。
「だから、それはさっき俺が言っただろ!?」
多分……というか、絶対入ることは不可能だろう。
彼女は何の力も持たない一般人なのだから。ウィジロの情報なら少しは聞き出せるだろうけれど。
「力も覚悟も何も無い人間等、居ても邪魔なだけだ」
無表情に、はっきりとソーマは言い放った。
「ソーマお前また……」
言っていることは間違っていない。ただソーマの場合言い方が問題なのだ。
「事実だろう。──戦えない貴様に、此処に居る資格はない」
「だからその言い方をどうにかしろって──」
「──じゃあ試してみる?」
イーナの声と同時に、何か鎖の鳴るような音が聞こえた。
そちらを振り返ると、イーナの手には持っていたバッグから取り出したのか鎖鎌が握られていた。
「……イーナ、待て、どういう意味だ?」
「言葉の通りよ。私に力があるのかないのか試す? 黒ずくめ」
どう考えても、彼女の言葉はソーマを挑発しているようにしか聞こえない。実際している。
「──死ぬ覚悟は?」
普段の声音と変わらない筈のソーマの声が、酷く冷たい気がした。
「……いいわよ」
「やめろイーナ、こいつと戦ったら冗談じゃなく危ない」
「そうだって、んな事しなくたっていいだろ?」
「二人の言う通りだ。ここでやらなくてもいいだろう」
俺とラスターさんとシェイド大佐の制止にも、イーナは揺るがなかった。
「しょうがないな……ソーマ、少しは加減しろよ」
「さあな。できたらしよう」
「……嬢ちゃん、マジで大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
そんな会話を交わしながら、俺達は部屋を出た。




3日かかったわばーろー!!wwwwwwwwww畜生!!wwww

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赤闇銀羽
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