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取り敢えず50話目前とかすげぇと思う。
炉心融解はやっぱりいいぜ^p^
RELAYS - リレイズ - 45 【過去】
「……おい、どこに連れて行く気なんだよ」
「うるせェっつーの、黙ってついて来やがれ」
アーシラトに連れられ、俺達は地下に来ていた。部屋と部屋を繋いでいる廊下は、相変わらず薄暗い。
そして歩きながら彼が説明してくれて解ったことだが、この館には色々な所に罠……というよりも仕掛けが施されているらしい。
俺が引っ掛かった落とし穴なんて、その大量にある仕掛けの中の一つ。それもかなり簡単な物だったという。
もっと複雑な仕掛けになると、ダグラスさんがアーシラトにかけたような呪縛魔法の類もある、との事だった。
要するに俺は……アーシラトから言わせてみれば『馬鹿』。自分でもあれは少し注意が足りなかったとは思う。だがこれは……ないだろう、さすがに。
なんだ、この敗北感。
シェイド大佐はもう既にボレアーリスをしまい、辺りを見回して一人でぶつぶつと何かを呟きながら、時折納得したように頷いていた。ある意味怖い光景だった。
皆が物珍しそうに壁を見たり触ったりしているのとは裏腹に、ソーマだけが、何も興味を示さずに歩き続けている。こいつの性格からして興味を持たないのはいつものことだが、今回だけは何故か妙に感じてしまった。
「——よし、着いたぜ」
廊下の最奥、行き止まりには、どこの屋敷にでもありそうな両開きの扉があった。
色が黒い以外は、あの書斎で見た物と同じような物だった。ただ違うのは、目の前にある扉が掃除されているかのように綺麗だったことだ。まるで、今でも誰かが使っているように。
アーシラトは扉の取っ手に手を掛け、ゆっくりと開いた。
その直後俺達の目に飛び込んできたのは、豪華な赤絨毯に真っ白いテーブルクロスが引かれたテーブルに椅子——どう見ても、金持ちの人間が住む屋敷にある部屋だった。
「え……これ、どういう事なんだ……?」
状態が上手く呑み込めず、俺は戸惑いながら呟いた。廃館になってかなりの年月が経っている館の地下に、人間が普通に住めそうな空間があるのだ。戸惑って当然じゃないか。
「……成る程、大体解った。この扉の向こうの部屋はお前の居住スペースか、アーシラト」
「お、呑み込みが早ェな、ミイラ……や、軍人」
「お前今言いかけただろう、本気で殺すぞ」
「やめとけってシェイド、コイツ不死だから」
包帯のせいで隠れているため解らないが、シェイド大佐は恐らく額に青筋を浮かべ、引きつった笑顔でボレアーリスに手を掛けている。
今にも銃口をアーシラトに向け発砲しそうなシェイド大佐の肩を叩き、サイラスが苦笑しながら不死だと言うことを告げた。
それにも驚くことなく、一瞬考えた後で大佐は恐ろしいことを口にした。
「そうか、ならば死にたくとも死ねない苦痛を永遠に」
「大佐、それ残酷すぎる上に脱線してます!!」
今のシェイド大佐ならばやってもおかしくはない。目が本気だった。
その目を見るだけで、一切関係のない俺も足が竦んでしまう。これが大佐の本気か。
「何だ、てめェの名前シェイドって言うのかよ。さっさと教えればミイラ男言わなくて済んだのになァ」
「……馬鹿にしているのか?」
「いーや、全然そんな事はねェよ。兎に角てめェ等さっさと入れ」
半ば強制的に押し込まれるようにして、全員が部屋の中に入る。
室内も、扉と同じで綺麗に掃除されていた。テーブルクロスには染み一つない。
「ホラ座れ! 座んねェと話できねェだろうが!」
「さっきから命令するな! 驚いてるだけだろ!!」
何故こうも彼はここまで独裁者気質……もとい、偉そうなのだろうか。彼の性格なのだから、とやかく煩く言うつもりはないが。
テーブルや部屋の家具と同じく、新品のように綺麗な椅子に腰掛ける。
全員が座ったのを確認してから、全員を見渡せる位置にある椅子——縦に長いテーブルの一番端と説明したらいいのだろうか、その位置にアーシラトも座った。
「生憎、この館には客人に出せる紅茶も何もねェよ。悪ィな。——それじゃ、早速だがいいか? 話すぜ?」
「勿論。その為に僕等をここに呼んだんだろう? 話してくれ」
ダグラスさんは苦笑しながら、指を組むとテーブルに置いた。その目には、どこか好奇心のような物も見える気がする。
「……まずは、何でここに俺が棲んでるのかって話だったが……これは次の理由を言ってからの方が伝わりやすいだろうから今は言わねェ。ってか言えねェ。その代わり、だ」
アーシラトはそこで一呼吸置き、無理に感情を押し殺しているような声で、それでもはっきりと言った。
「何でここが廃館になったのか、何で俺がここで一人で居るのか。それと何でてめェ等を襲ったのか。全部話す」
この話題を持ち出す前まで漂っていた、廃館には似つかわしくないと思われる明るい雰囲気が一瞬にして消え去る。皆無駄にふざけたりはしない、と、纏っている雰囲気が語っている。
「……理由は三つある。まず一つは、俺の性——いや、死神の性って言った方が正しいかもしれねェな」
「死神の……?」
「そうだ。簡単に説明すりゃ、死神は人間の魂とか霊体とかいうのを運ぶ役目を担う奴だ。いつもはそこら辺彷徨ってるのを見付けて運んでやる。……オイてめェ等、何痛い奴見るみてェな目で見てやがる!! こっちは大真面目なんだぞゴラァ!!」
知らず知らずのうちに、白けた目線で見てしまっていたらしい。テーブルを叩いて立ち上がったアーシラトに、俺は悪かったとだけ返した。
別にそういうつもりはなかった。ただ、いきなり言われても整理できない。それから……だと思う。
「別にオレは見ていないぞ。続きを」
シェイド大佐は至って冷静に、彼に続きを促した。
「解ってるっつの。……ただな、たまーに来るんだよ。『飢え』ってのが。人間の魂を見たい、運びたい、終いには自分の手で殺して連れて行ってやりたい、なんていうハタ迷惑なのがな……まァ、吸血鬼が血に飢える感じと思ってくれればそれでいい。そんで、丁度てめェ等が来たのと今回重なっただけだ。……悪かったな、ホントに」
アーシラトは言い終わり、深く溜め息を吐くと片手で頭を押さえ、俯いた。
耐え難い欲望。それに抗うのは人間でも死神でも難しい。
今回は、本当に偶然が幾つも重なっていたのだ。
「……それじゃあ、今はどうなんだよ?」
ラスターさんの問いは最もだった。それならば、今はどうなのか。今だって同じじゃないのか。
アーシラトはマントの裾を握りしめると、苦しげに答えた。
「あァ……うん、まあ、言っちゃ悪ィが、かなり我慢してる所があるなァ……武器がないから仕方なくって感じになってる」
自嘲が混じっていた。これくらいのことすら我慢できないのか、といったような自嘲が。
「まっ、大丈夫だろ。それと二つ目なんだが……聞いて怒るなよ、てめェ等」
「怒る? 何で怒る?」
「そういう可能性があるからだ」
未だに首を傾げているファンデヴを放っておき、アーシラトは先程の寂寥感などどこへやら、星が付きそうな程明るい口調で告げた。
「二つ目。まあこれは殆ど影響してねェが……遊びだ、遊」
言い終わる前に、アーシラトの右頬を掠めるようにして銃弾が、左頬を掠めるようにして氷柱が、彼の後ろの壁に穴を空けた。
シェイド大佐とソーマが音もなく立ち上がり、アーシラトのこめかみに銃口を、首元にナトゥスの刃を突き付ける。
「貴様、本当に死にたいようだな」
「血が見せたいのなら見せてやるぞ。お前の血を、だが」
「だからちゃんと前置きしただろうが。怒んなーって。な? ついでに言うぜ? 俺の場合は飢えが2割に遊びが一割、後の7割が三つ目の理由だ! 殆ど二つは影響してねーんだっつの!!」
「あーもういい加減にしろよ!! 話が全然進まねぇだろ!! 落ち着け三人とも!!」
サイラスの鶴の一声にも似た言葉に、二人はすぐに武器を下ろし、席に着いた。
「……三つ目。これはかなり長い話になる。俺の過去だ。——この中で、歴史に詳しい奴は居るか?」
彼の過去、確かに長い話だろう。人間の寿命なんかと比べものにならないくらい、長い刻を生きているのだから。
「歴史? ファンデヴが詳しいけどな」
「そんなでもない、と思うんだけど、どうなんだか。まあ、知ってるといえば、知ってる」
ファンデヴは首を横に振って否定したが、アーシラトは意味深な笑みを浮かべ、問いかけた。
「それで十分だ。そこで赤髪、質問だ」
意味深な笑みが、何故か寂しげな物に変わる。
「今から百年前くらい前、都市の一部の連中が考えついて実行したことの中に、何があった?」
どうやら、ウィジロの事は知っているらしい。広間での会話のときもそれと思わせるような事は言っていたのだから当然かも知れないが。
「……三つ、くらいあった筈。一つが都市の拡張、これは今でも続いてる。……もう一つが自我を持つ機械人形の生産」
俺が話に聞いたり、読むのは苦手だが暇つぶしに、と資料を読んでいたときに見聞きしたことがある内容と一致している。別に疑っていた訳じゃないが、ファンデヴは詳しいのは本当のようだ。
都市の拡張は今でも続いている。機械人形の生産は、確か俺の記憶なら途中で中止になった筈だ。
最後の一つが解らない。そこまで覚えていなかった。
「最後の一つは——」
言い終わる前に、ファンデヴが何かに気付いたように顔を上げた。
「……多分正解だ、赤髪。最後の一つは、人間でも動物でもねェ生き物を排除する、『異形狩り』さ」
俺を含めた全員が、驚きと戸惑いが入り交じった視線を彼に向ける。それには、「まさか」という予測も入っているように思えた。
「さァ、ここからだ、本題は。……ちゃんと話について来いよ、てめェ等」
負の感情か、それともまた違う理由でか、心なしか先程よりも低くなっている声でアーシラトが話し出した。
——酷く残酷な、自分の過去を。
視点変更できないしにたい^p^p^p^^^
リレイズは三人称でやるべきだったwwwwwwww
炉心融解はやっぱりいいぜ^p^
RELAYS - リレイズ - 45 【過去】
「……おい、どこに連れて行く気なんだよ」
「うるせェっつーの、黙ってついて来やがれ」
アーシラトに連れられ、俺達は地下に来ていた。部屋と部屋を繋いでいる廊下は、相変わらず薄暗い。
そして歩きながら彼が説明してくれて解ったことだが、この館には色々な所に罠……というよりも仕掛けが施されているらしい。
俺が引っ掛かった落とし穴なんて、その大量にある仕掛けの中の一つ。それもかなり簡単な物だったという。
もっと複雑な仕掛けになると、ダグラスさんがアーシラトにかけたような呪縛魔法の類もある、との事だった。
要するに俺は……アーシラトから言わせてみれば『馬鹿』。自分でもあれは少し注意が足りなかったとは思う。だがこれは……ないだろう、さすがに。
なんだ、この敗北感。
シェイド大佐はもう既にボレアーリスをしまい、辺りを見回して一人でぶつぶつと何かを呟きながら、時折納得したように頷いていた。ある意味怖い光景だった。
皆が物珍しそうに壁を見たり触ったりしているのとは裏腹に、ソーマだけが、何も興味を示さずに歩き続けている。こいつの性格からして興味を持たないのはいつものことだが、今回だけは何故か妙に感じてしまった。
「——よし、着いたぜ」
廊下の最奥、行き止まりには、どこの屋敷にでもありそうな両開きの扉があった。
色が黒い以外は、あの書斎で見た物と同じような物だった。ただ違うのは、目の前にある扉が掃除されているかのように綺麗だったことだ。まるで、今でも誰かが使っているように。
アーシラトは扉の取っ手に手を掛け、ゆっくりと開いた。
その直後俺達の目に飛び込んできたのは、豪華な赤絨毯に真っ白いテーブルクロスが引かれたテーブルに椅子——どう見ても、金持ちの人間が住む屋敷にある部屋だった。
「え……これ、どういう事なんだ……?」
状態が上手く呑み込めず、俺は戸惑いながら呟いた。廃館になってかなりの年月が経っている館の地下に、人間が普通に住めそうな空間があるのだ。戸惑って当然じゃないか。
「……成る程、大体解った。この扉の向こうの部屋はお前の居住スペースか、アーシラト」
「お、呑み込みが早ェな、ミイラ……や、軍人」
「お前今言いかけただろう、本気で殺すぞ」
「やめとけってシェイド、コイツ不死だから」
包帯のせいで隠れているため解らないが、シェイド大佐は恐らく額に青筋を浮かべ、引きつった笑顔でボレアーリスに手を掛けている。
今にも銃口をアーシラトに向け発砲しそうなシェイド大佐の肩を叩き、サイラスが苦笑しながら不死だと言うことを告げた。
それにも驚くことなく、一瞬考えた後で大佐は恐ろしいことを口にした。
「そうか、ならば死にたくとも死ねない苦痛を永遠に」
「大佐、それ残酷すぎる上に脱線してます!!」
今のシェイド大佐ならばやってもおかしくはない。目が本気だった。
その目を見るだけで、一切関係のない俺も足が竦んでしまう。これが大佐の本気か。
「何だ、てめェの名前シェイドって言うのかよ。さっさと教えればミイラ男言わなくて済んだのになァ」
「……馬鹿にしているのか?」
「いーや、全然そんな事はねェよ。兎に角てめェ等さっさと入れ」
半ば強制的に押し込まれるようにして、全員が部屋の中に入る。
室内も、扉と同じで綺麗に掃除されていた。テーブルクロスには染み一つない。
「ホラ座れ! 座んねェと話できねェだろうが!」
「さっきから命令するな! 驚いてるだけだろ!!」
何故こうも彼はここまで独裁者気質……もとい、偉そうなのだろうか。彼の性格なのだから、とやかく煩く言うつもりはないが。
テーブルや部屋の家具と同じく、新品のように綺麗な椅子に腰掛ける。
全員が座ったのを確認してから、全員を見渡せる位置にある椅子——縦に長いテーブルの一番端と説明したらいいのだろうか、その位置にアーシラトも座った。
「生憎、この館には客人に出せる紅茶も何もねェよ。悪ィな。——それじゃ、早速だがいいか? 話すぜ?」
「勿論。その為に僕等をここに呼んだんだろう? 話してくれ」
ダグラスさんは苦笑しながら、指を組むとテーブルに置いた。その目には、どこか好奇心のような物も見える気がする。
「……まずは、何でここに俺が棲んでるのかって話だったが……これは次の理由を言ってからの方が伝わりやすいだろうから今は言わねェ。ってか言えねェ。その代わり、だ」
アーシラトはそこで一呼吸置き、無理に感情を押し殺しているような声で、それでもはっきりと言った。
「何でここが廃館になったのか、何で俺がここで一人で居るのか。それと何でてめェ等を襲ったのか。全部話す」
この話題を持ち出す前まで漂っていた、廃館には似つかわしくないと思われる明るい雰囲気が一瞬にして消え去る。皆無駄にふざけたりはしない、と、纏っている雰囲気が語っている。
「……理由は三つある。まず一つは、俺の性——いや、死神の性って言った方が正しいかもしれねェな」
「死神の……?」
「そうだ。簡単に説明すりゃ、死神は人間の魂とか霊体とかいうのを運ぶ役目を担う奴だ。いつもはそこら辺彷徨ってるのを見付けて運んでやる。……オイてめェ等、何痛い奴見るみてェな目で見てやがる!! こっちは大真面目なんだぞゴラァ!!」
知らず知らずのうちに、白けた目線で見てしまっていたらしい。テーブルを叩いて立ち上がったアーシラトに、俺は悪かったとだけ返した。
別にそういうつもりはなかった。ただ、いきなり言われても整理できない。それから……だと思う。
「別にオレは見ていないぞ。続きを」
シェイド大佐は至って冷静に、彼に続きを促した。
「解ってるっつの。……ただな、たまーに来るんだよ。『飢え』ってのが。人間の魂を見たい、運びたい、終いには自分の手で殺して連れて行ってやりたい、なんていうハタ迷惑なのがな……まァ、吸血鬼が血に飢える感じと思ってくれればそれでいい。そんで、丁度てめェ等が来たのと今回重なっただけだ。……悪かったな、ホントに」
アーシラトは言い終わり、深く溜め息を吐くと片手で頭を押さえ、俯いた。
耐え難い欲望。それに抗うのは人間でも死神でも難しい。
今回は、本当に偶然が幾つも重なっていたのだ。
「……それじゃあ、今はどうなんだよ?」
ラスターさんの問いは最もだった。それならば、今はどうなのか。今だって同じじゃないのか。
アーシラトはマントの裾を握りしめると、苦しげに答えた。
「あァ……うん、まあ、言っちゃ悪ィが、かなり我慢してる所があるなァ……武器がないから仕方なくって感じになってる」
自嘲が混じっていた。これくらいのことすら我慢できないのか、といったような自嘲が。
「まっ、大丈夫だろ。それと二つ目なんだが……聞いて怒るなよ、てめェ等」
「怒る? 何で怒る?」
「そういう可能性があるからだ」
未だに首を傾げているファンデヴを放っておき、アーシラトは先程の寂寥感などどこへやら、星が付きそうな程明るい口調で告げた。
「二つ目。まあこれは殆ど影響してねェが……遊びだ、遊」
言い終わる前に、アーシラトの右頬を掠めるようにして銃弾が、左頬を掠めるようにして氷柱が、彼の後ろの壁に穴を空けた。
シェイド大佐とソーマが音もなく立ち上がり、アーシラトのこめかみに銃口を、首元にナトゥスの刃を突き付ける。
「貴様、本当に死にたいようだな」
「血が見せたいのなら見せてやるぞ。お前の血を、だが」
「だからちゃんと前置きしただろうが。怒んなーって。な? ついでに言うぜ? 俺の場合は飢えが2割に遊びが一割、後の7割が三つ目の理由だ! 殆ど二つは影響してねーんだっつの!!」
「あーもういい加減にしろよ!! 話が全然進まねぇだろ!! 落ち着け三人とも!!」
サイラスの鶴の一声にも似た言葉に、二人はすぐに武器を下ろし、席に着いた。
「……三つ目。これはかなり長い話になる。俺の過去だ。——この中で、歴史に詳しい奴は居るか?」
彼の過去、確かに長い話だろう。人間の寿命なんかと比べものにならないくらい、長い刻を生きているのだから。
「歴史? ファンデヴが詳しいけどな」
「そんなでもない、と思うんだけど、どうなんだか。まあ、知ってるといえば、知ってる」
ファンデヴは首を横に振って否定したが、アーシラトは意味深な笑みを浮かべ、問いかけた。
「それで十分だ。そこで赤髪、質問だ」
意味深な笑みが、何故か寂しげな物に変わる。
「今から百年前くらい前、都市の一部の連中が考えついて実行したことの中に、何があった?」
どうやら、ウィジロの事は知っているらしい。広間での会話のときもそれと思わせるような事は言っていたのだから当然かも知れないが。
「……三つ、くらいあった筈。一つが都市の拡張、これは今でも続いてる。……もう一つが自我を持つ機械人形の生産」
俺が話に聞いたり、読むのは苦手だが暇つぶしに、と資料を読んでいたときに見聞きしたことがある内容と一致している。別に疑っていた訳じゃないが、ファンデヴは詳しいのは本当のようだ。
都市の拡張は今でも続いている。機械人形の生産は、確か俺の記憶なら途中で中止になった筈だ。
最後の一つが解らない。そこまで覚えていなかった。
「最後の一つは——」
言い終わる前に、ファンデヴが何かに気付いたように顔を上げた。
「……多分正解だ、赤髪。最後の一つは、人間でも動物でもねェ生き物を排除する、『異形狩り』さ」
俺を含めた全員が、驚きと戸惑いが入り交じった視線を彼に向ける。それには、「まさか」という予測も入っているように思えた。
「さァ、ここからだ、本題は。……ちゃんと話について来いよ、てめェ等」
負の感情か、それともまた違う理由でか、心なしか先程よりも低くなっている声でアーシラトが話し出した。
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