魔界に堕ちよう 忍者ブログ
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カラッドとかアルディックとか、二十歳になったカラッドの事とか色々考察してます。
ついったーからのまとめなので見づらいかと思います。
しかも二十歳カラッドの小説を読んでいない人には呪文^p^
これですね、これ。一応wordにも保存してますが掲示板のを。
つ - KARMA -


アレなので追記に回します。

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もう今年中に50話行けなさそげ\(^o^)/




RELAYS - リレイズ - 48 【道程】

葉擦れの音と足音、それ以外聞こえない。先程の館での会話が嘘のように、誰も口を開かなかった。
皆、何か一様に考える事があるのだろう。
俺も色々と考察したい事はあるが、それよりも訊きたい事があった。ただ、そのタイミングを掴めない。というか、どうやって切り出せばいいのか解らなかった。
誰か言うかとも思ったが、誰も言おうとはしない。気にしていないのか、俺と同じくタイミングを掴めていないのかは解らない。
俺は溜め息を吐くと、重苦しい沈黙を破るように声を出した。
「……そういえばすっかり忘れてたんだけど」
結局、普通にこう切り出す以外に方法が見つからなかった。
いきなりこんな切り出し方をしたせいか、皆の視線が自分に向けられるのが解る。
「いや、こういうときに言うのも何だとは思うんだけどな……ファンデヴ」
最後尾を歩いていたファンデヴが顔を上げる。空色、と表すのが一番しっくりくる水色の瞳が俺を映した。
「……解ってる。全部説明する」
ファンデヴは言うと、ちらりと横目で自分の隣を歩いていたサイラスを見た。
「俺も解ってるっつーの。ちゃんと色々言ってやるよ」
サイラスはそこで一呼吸置き、片手で茶色に近い金髪を掻き上げるともう片方の手をファンデヴの肩に置いた。
「まあ、見ての通りだがコイツは女だ。分かり易く説明すれば……男に変装してたって感じだな、魔術で。ただ体付きを変えるとかそういう程度だ。それに動きも大分鈍くなる」
あの地下室でサイラスが言っていた『解除』という言葉の意味がようやく解った。
彼女はあの時、助けに入る際に魔術を解除していたのだ。それならばつじつまが合う。
「……でも何でそんな事する必要があるんだ?」
「女が一人旅、なんてしてたら危険だと思うから」
浮かんだ疑問を即座に消される。確かに、女性が一人で旅をするのは危険だ。俺にもそれくらいは解る。
だが、ファンデヴの技量や強さからして、そこらを闊歩している盗賊や山賊、都市から出てきている兵士に負けるとは思えない。
「襲われたら色々面倒。時間も喰う」
いくら強いからと言って、怪我をしないわけではない。ファンデヴが戦いを避ける理由は、面倒だからというだけではない気がした。
それに、あまり敵と戦いたくない、そんな雰囲気があるようだった。
「でもそんな性別だけで変わるとは思えねぇんだけどなー……効果はあったのかよ?」
ラスターさんの尤もな問いに、ファンデヴは俯いて口を閉ざした。
どうやら、自分が期待していた程の効果はなかったらしい。図星を突かれたのか。
「そ、そこは突っ込まないでおいてくれ。コイツこう見えて結構ガラスのハートだから」
俯いたままで暗雲を頭の上に浮かばせている彼女の肩を、サイラスは今度は慰めるようにぽんぽんと叩いた。
「——まあ、仲間という事に変わりはない。性別なんてどうでもいいだろう」
「そりゃ当然だろ? 男だろうが女だろうがオレはどうでもいいぜ? 逆に男だらけの中に華が増えたじゃねぇか」
「……ラスター、何故お前はいつもそういう事を……確かにオレも思っていない訳ではないが」
「ホラ見ろやっぱりな!」
「いや何でいつも大佐とラスターさんが話せば脱線していくんですか!!」
それでも華だの何だのと色々脱線した話をしている二人に、俺は深く溜め息を吐いた。
何故彼等が言葉を交わせばこうなってしまうのか、本当に理解できない。誰か知っていたら教えて欲しいくらいだ。
「……っていうか良いの? アイツ一人でさっさと先行っちゃってるけど」
さほど驚いていないようなイーナは呆れ顔で、少し遠くに見える黒い影を指さした。
俺達の前を歩いていた筈のソーマが、もう十数メートルは先を歩いている。俺達が追いついていないことに気付いていない……という訳ではなさそうだ。あいつにそれは有り得ないか。
「……早く行かないと、この草原の真ん中で立ち往生、なんて事になりそうだな。行くぞ」
ここから先の道を知っているのはソーマだけなのだ、そのソーマが俺達を置いて先に進めば。自分達は道も解らずにここに待機することになる。
いくらこの草原が綺麗で清々しいからといって、それだけは避けたかった。
俺は足を速めたシェイド大佐に続き、歩き出した。
その時背後でファンデヴが何か呟いた気がするが、気のせいだっただろうか。
少しそれが気にかかったが、俺は足を止めずにそのまま歩を進めた。

「——遅いな、何を無駄話をしていたんだ」
もう既にここが目的地だったのか、ソーマは遠目でぼんやりと確認できる程度の小さな町の正門の前で立っていた。
「お前が立ち止まらないんだろ……少しは待ってくれたっていいじゃないか」
少し肩で息をしながら抗議するが、ソーマは殆ど疲れている様子も見せずに俺を一瞥すると、さっさと街の中に入っていった。
「あ、おい、待てよ!」
普段ならば、振り向きはしないが少しでも足を止めてくれるものを、今回だけは俺達に目もくれなかった。
そしてそのまま、街の中に消えていく。
「待てヘメティ、この町はかなり小さい。焦らなくても簡単に見付けられる」
追いかけようとした俺の腕をシェイド大佐が掴み、ソーマが歩き去っていった方向を見る。
「……さて、まずは宿を探すぞ。それからだ。——何なら、お前だけソーマを探しに行っても構わないが。オレ達で決める」
「いや、それは——」
さすがにそれは無理だろう。ただ何か様子がおかしいソーマが少し気になるから、という理由だけでシェイド大佐達に全て任せる訳にはいかない。
「気になるんでしょ? ま、私は何か薄々解るんだけどねー」
さも『自分は解ってるけど言わないよ』と言った様子で、イーナは不敵な笑みを浮かべると語尾を伸ばして口にした。
「オレ等は気にしなくていいから行ってこい。どうせ宿決めたらすぐに自由時間だ」
「俺もどうでもいいぜ? 別に寝るだけだし。ファンデヴも同じらしいぜ?」
「……解った。ラスターさんも有り難うございます。なるべく早く戻ってくるので!」
俺は一度頭を下げて言うと、ラスターさん達に背を向けて走り出した。

町は住人が少ないのか、かなり静かだった。あの館の方が賑やかだった、と感じるくらいに。
白い石でできた家が建ち並び、細い樹が色々な所に生えている。空想やファンタジーの世界に良くありそうな、綺麗な町並みだった。
俺は町中を走りながらソーマの姿を探すが、どこにも見当たらない。
ラスターさん達と別れてからずっと走っていたせいか、さすがに息が荒くなってきた。
一度立ち止まると、息を整えながら額に浮いた汗を拭う。
何処にいるんだ、と思い不意に顔を上げる。それと同時に気付いたが、どうやらここは町の端、それに俺の目の前にあるのは小さな教会だった。
藍色の屋根に、銀色の十字架が掲げられている。
俺は部外者である自分がここに足を踏み入れることに一瞬躊躇したが、意を決して入り込んだ。
建物の丁度横には十字架の形を模している墓が幾つも建てられている。
そこに、見慣れた後ろ姿を見付けた。
機械のように整った姿勢に、風に微かに揺れているコートの裾。今まで探していた物と何ら変わりはない。
ソーマが、一つの墓に背を向けて立っていた。
「——ソーマ?」
声を掛けながら近づくが、何も反応を示そうとはしない。
「……もうここまで復興したのか。まあ11年もあれば当然の事か」
そう言って、ソーマは口許に緩く弧を描いた。数度しか見たことがない、彼の笑みだった。
「ソーマ、お前何で——」
「見れば解る」
何でこの町に来ようとしたんだ、と続ける前に、ソーマは自分の背後にある墓を指さした。
訝りながらも、その白い墓石に掘られている名前を見る。
「——え……!?」
一瞬、自分の目がおかしいのかと思ってしまった。それか、自分の読み間違いか。
そこに刻まれていた名前は、綴りも何もかもが同じ、紛れもなくソーマの名前だった。
「……この町で、どうやら俺はもう死人らしいな」
今度は先程までの笑みとは違う、自嘲めいた笑みを浮かべてソーマは言った。
どういう事なのか、状況が殆ど理解できない。
何故ソーマがこの町に来ようと思ったのか、何故ソーマの名前が墓石に刻まれているのか——
そこで、俺はようやく一つの答えに辿り着く。
「……まさか……」
「ああ、そのまさか、だ」
ソーマを見れば、未だに口許には笑みが浮かんでいた。
そして墓に向き直り、真っ直ぐに前を見据えた。
「ここはベガジール。——俺の、故郷だ」
この町が、ソーマの生まれ育った故郷。その言葉は、静かに胸に染みていくようだった。
ただ、一つ解らない事がある。
何故、ソーマは生きているのに、ここに墓石があるのか。
「……知りたいか」
「え——」
何時しかソーマの口許からは笑みが消えており、代わりにまるで刃のように鋭い目が俺を射抜いていた。
その濁ったような青い瞳からは、上手く意志が読み取れない。
「何故俺の墓がここにあるのか、何故俺がこの町から居なくなったか。……何故俺が、能力者として機関に所属しているのか」
今まで、ずっと気にかかっていた事だった。
訊いても教えてはくれないだろうなんて考えて、口には出していない物の、知りたかった事。
俺はソーマから視線を外さずに、しっかりと頷いた。




次から視点切り替えいっきまーす(棒読み

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リレイズ今年中に50話行こうぜ企画←
でも無理くせぇ!!Die!!!




RELAYS - リレイズ - 47 【創造館】

同時に立ち上がったファンデヴとシェイド大佐はしばらくお互いに顔を見合わせていた。二人とも、まさか、と驚いているような、そんな雰囲気を醸し出している。
「……ああ、お前から先に言っていいぞ、ファンデヴ」
「……解った。有り難う」
シェイド大佐は立ち上がったときとは違う、落ち着いた動作で椅子に座った。
それを見てから、アーシラトは椅子から立ち上がり、ファンデヴの元へ歩み寄る。
長身なアーシラトとファンデヴでは、かなりの身長差があった。何の事情も知らない人間が見たら、本当に命を奪おうとしている死神に怯えて立ちすくんでいる人間に見えるかもしれない。
「で、何だ、赤毛。——つっても、訊きてェ事が何なのかは予想付くんだけどなァ……」
俺達にも、ファンデヴが何を訊きたいのかは大体予想ができる。
ファンデヴは行方不明になっている自分の兄を捜している。生きているのかも死んでいるのかも解らない肉親を。
兄の生死、それをアーシラトに訊きたいのだろう。
「……運んだ人間、ここ七年の間で、自分と同じ赤い長髪で、オールバックで、黒スーツの男って居た?」
ファンデヴの問いに、アーシラトは眉根を寄せると黙り込み、ファンデヴが言った外見特徴と自分の記憶を照らし合わせ始めた。
「……いや、知らねェ。悪ィな」
「全然。それなら、生きてるって事だろうから」
死神であるアーシラトがファンデヴの兄の事を知らない、見ていない。
それは、まだこの世界のどこかで彼が生きているということを示しているのではないか。
アーシラトが謝る理由はどこにもない。
「そうか。……まァ、いつか見付けたらてめェに伝えるさ。——で、てめェは?」
彼はファンデヴとの会話を打ち切ると、黒マントとは対照的に、雪のように白く細い指でシェイド大佐を指さした。
「オレもファンデヴと同じだ」
シェイド大佐は立ち上がるとアーシラトの元まで規則的な歩幅で歩み寄ると、彼の目をしっかりと見据えた。
いや、見据えるというよりは——睨む、と表現した方がいいかもしれない。
そう見えてしまう程、シェイド大佐の目には強い意志が秘められていた。
「……クヴァシル、クヴァシル=マーイョリスという男を知らないか。銀髪に、右目が赤で左目が黒、オレと同じ軍人だ」
一度大きく息を吸ってから、低く、それでもはっきりと言い切った。
恐らく、シェイド大佐が機関に来るまでの道程、車内で言っていた『数年前に死んでしまった友人』の事だ。
死んでしまっている、というのは理解しているが、それでも本当はどこかで生きているのではないか。
シェイド大佐は、そう考えているのかもしれない。その願いや感情と決別する為に、アーシラトに訊いている、そんな気がした。
俺に解る筈がないのだが、何となく解る、そんな感覚だった。
「……銀髪にオッドアイに、軍人……? ……オイ待て、そいつは……」
「死んだ筈だ。……オレは、この目で見た。それでも死んだのだと、頭では理解していてもどこか信じていない、だからお前に訊いているんだ」
シェイド大佐は、自分の大切な友人の死を自分の目で見てしまっていた。
そのときに受けた精神的な苦痛は、計り知れない。尤も、赤の他人である俺に、『こうだった』と解る筈がないのだが。
ただ、友人の死を理解したくない、それは俺にも理解できた。誰だって、認めたくはないに違いない。
知らず知らずの内に、俺は自分の服の裾を握りしめていた。
「……そうなのか? だけど、俺は知らねェ。忘れてるとかじゃねェ、記憶にねェんだ。……妙だな」
アーシラトが忘れている、という事でもない。ならば、何がどうなっているのか。
「どういう、事だ……まさかとは思うが——いや、これは無い、か……解った」
シェイド大佐は俯き、数秒の間何かを思い出したように呟いていたが、すぐに顔を上げるとアーシラトに背を向けた。
「……他に、何か訊きてェ奴は? いねェならここで終わりだ」
椅子に座っている全員の顔を見る。
俺やシェイド大佐、イーナを含めた全員が、もう何も訊くことはない、という雰囲気を醸し出していた。
俺も訊くことはもう何もない。身勝手だが、アーシラトが何故俺を襲ったのか、それさえ解れば俺は良かったのだ。
「——みんな、ないみたいだね。僕もない。アーシラト、話してくれて有り難う」
ダグラスさんは立ち上がると、アーシラトに向かって頭を下げた。
白衣を纏っている肩の上をさらさらと金髪が流れ落ちる。
頭を下げられたアーシラトも驚いているようだったが、俺もまさかダグラスさんが頭を下げるとは思っていなかった。
総司令官というにはどこか子供っぽい所もあり、そのような役職に就いている人間が持っているような威厳などは普段殆ど感じられない。
それでも、ダグラスさんはリレイズの総司令官だ。幾らアーシラトが世界で唯一の死神だとしても、階級や格が違う。
そんな人間が頭を下げたのだ。普通ならば有り得ない。……いや、ダグラスさんの人柄からして有り得そうだが。普通に考えれば、の話だ。
「……頭なんて下げんじゃねェよ。いいからさっさと帰れ。館の入り口までは送ってってやるよ」
迷って出られないなんて事になったらこっちだって困る、とアーシラトは続けた。
それは俺達も絶対に嫌だ。こんな廃館の地下で迷子になる、なんて死んでも嫌だった。考えるだけで寒気がする。
彼が館の入り口まで送っていってくれるのなら、それに越したことはない。
「ああ、有り難う。道なんて殆ど解らないからね。送っていってくれるのならそれがいい」
ダグラスさんが歩き出したタイミングを見計らい、俺は立ち上がった。それに続いて、皆も。
「よし、それじゃ行く……」
全員が椅子から立ち上がったのを確認してから、アーシラトが笑みを湛えて言いかけた。
だがその言葉は途中で途切れ、表情が凍り付く。
死神、というには感情が豊かな彼に出会ってから数度しか見たことがない、『驚愕』の表情。
まるで刃のように鋭い光を帯びている赫い瞳は、真っ直ぐに俺の後ろ——ラスターさんに向けられていた。
「……何だよ?」
「てめェ——……いや、何でもねェよ。オラ行くぞ!」
訝るように声を出したラスターさんに何かを言おうとしたらしいが、すぐにそれを隠すように口を閉ざしてしまった。その後に何か言うのかと思えば、すぐに扉を開いて歩き出していた。
「……何だったんだ?」
素直な感想が口からこぼれ落ちた。あの時のアーシラトの目には、どこか猜疑のようなものも浮かんでいた気がする。
「さあな? 知らないぜ、オレは。まさかとは思うし、な」
「いや、ラスターさんまでそんな意味深な言葉言わないで下さいよ。気になるじゃないですか」
何か隠しているような言い方をされると、どうしても知りたくなる。これは俺だけじゃないと信じたい。
それでも教えてくれないラスターさんに、胸の中に何かもやもやとした感情がわき起こる。
だが、本人が教えてくれないのだから仕方がない。
俺は溜め息を吐くと、皆と同じくアーシラトの後を追いかけた。

「——有り難う。ここまでで大丈夫だ」
「そうか? まァそうか、ここからは一本道しかねェ筈だからな」
地下室を繋ぐ薄暗い廊下を歩き、瓦礫の山を越え、ようやく俺達は館の前まで来れた。
俺は大きく伸びをすると、胸いっぱいに空気を吸い込んだ。見上げた青空が、何故かとても久々に見る物に感じる。
さほど時間は経っていない筈だが、随分と長い時間をあの地下室で過ごしたような、そんな錯覚があった。
「……青空か……見たのなんて何十年ぶりだろうなァ……50年くらい前か」
「……その時にも、何かあったのか?」
問いかけると、アーシラトは少し微笑を湛えながら、懐かしそうに目を細めた。
「あァ。——馬鹿な話さ。死神が、人間に愚かな恋をした。……笑えるだろ」
「全然。逆にいい話だろ」
即座に反応した俺に、アーシラトは若干驚いたように眉を上げた。
笑える訳がない。笑える人間なんているものか。少なくとも、自分はそうじゃない。
そういえば、以前『読書力を培う為』なんて銘打ってダグラスさんに無理矢理渡された本、それにもそんな話があった。
種族が違うが故の決して叶わない恋。三分の二ほど読んで読むのを止めてしまったけれど、それだけははっきりと心に残っている。
その物語とアーシラトが、重なって見えた。
「ホラ、もうさっさと行けよ。ここはてめェ等が、生きている人間が来るような所じゃねェ」
先程のどか寂しげな、それでも酷く優しかった面影など最初からなかったかのように、アーシラトは頭を掻きながら言った。
「解った。それじゃあ、また会おう。……『創造館』主、アーシラト」
「……てめェ、何でこの館の名前を知ってやがる」
創造館、この館の名前がそういう名称なのだと初めて知った。アーシラトも教えてはくれなかったし、何よりこの館はずっと異形の館と呼ばれ続けていたのだから。
「いや、この館に来る前の日に、色々調べてたら見付けちゃったんだよ。何でこの館が創造館なんて名前なのかは解らなかったけど。……でも、理解できたからいいよ」
「成る程な……んじゃ、今度会うときはてめェ等が死んだときだといいな」
どこまで不吉なことを言うんだ。俺達が死ぬときなんて解る訳がない。もしかすれば、明日にでも死ぬかも知れないのだ。
アーシラトは言い、すぐに踵を返して自分の館へと戻っていった。
それを見送ってから、俺達も異形の館——いや、創造館に背を向けて歩き出した。

館を出て少し歩くと、本に出てきそうな程に広々とした草原が視界に飛び込んできた。
ここまでは、都市の人間達の手も迫ってきていないらしい。ありのままの自然が残っている。
「——それにしても、何か訳の分からねぇ廃館散策だったな」
「確かにそうだったが、色々面白かったからよしとしよう」
「何でそんな簡単にあっさりと話題を変えられるんですか」
ラスターさんとシェイド大佐は、つい先程あった出来事などなかったかのように話していた。
彼等なりに何か考えがあるのだとは思う。ただここまであっさり変えられると……突っ込まざるを得ないんじゃないか。
「……それで、この後君達はどうする? 僕はもう戻るけど。一緒に戻ってきても構わない。……ただ」
そこで言葉を濁したダグラスさんに、全員の視線が集中する。
「……ソーマ、君はどうする」
何故そこでソーマに意見を求めるのか、俺は解らなかった。いつも意見を出さない人間に意見を求めるなんて、言い方は悪いが無駄じゃないのか、と。
当の本人は、興味がないのか考えているのか解らないが口を閉ざしたままでダグラスさんを見ていた。
「……君は7歳の時に機関に連れてこられて以来、11年の間——」
「要らない事は話さなくていい」
いつも通りの冷たい声だったが、それに寂寥感が混じっているように感じたのは気のせいだっただろうか。
ソーマは細く長く息を吐く。
「……行って良いのならば、行かせて貰う。ついてきたければ勝手についてこい」
「勿論、その為に君に訊いたんだから。——皆は?」
機関に戻ったとしても、他の能力者との手合わせや研究班の手伝い以外に何もすることはない。
それに、『今の』ソーマ一人だけを置いていく事はできればしたくなかった。根拠もなく、何故かそう考える自分が居る。
「……俺はソーマと一緒に行きます」
「私も。こんな危なっかしい奴を一人でおいていくなんてできないでしょ」
「ならオレもだ。幾ら強いからといって、子供をおいていくわけにはいかないな?」
「ちょっと待てよ、じゃあオレも行くぞ、いいか!?」
「……なんだ、お前等もかよ。俺等もだぞ。結局司令官以外全員じゃねーか」
結局、ダグラスさんを抜いた全員がソーマについて行くらしい。
「……そうか。それじゃあ。ソーマが行く所は、もうここから歩いてすぐの所にあるからね。……気をつけて」
「大丈夫ですよ。じゃあ、また本部で」
俺達はダグラスさんに背を向け、もう既に数メートル先を歩いているソーマを先頭に歩き始めた。




取り敢えずスランプから脱出できたのかね←

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被らないようにはしてるんだけどね^p^
Wantキャラは若干変えてるんだぜ。アルディックなんか武器が普通の拳銃になったんだぜ。


ヘメティ→日本刀
ソーマ→巨大鎌
シェイド→ライフルに拳銃
ラスター→剣
イーナ→鎖鎌
ウライ→拳銃
ザクスト→二丁拳銃
アレス→体術
サイラス→槍
ファンデヴ→二本のサーベル
アーシラト→巨大鎌
クヴァシル→魔剣
カラッド→ナイフ
ダーク→ナイフ
アルディック→銃器
ソレイユ→二丁拳銃
アポフィス→日本刀
ヴェルガーダ→二本の刀
オンブラ→短剣
ルーチェ→大小のナイフ
イキシア→刃が小さいけど長い鎌
ゲシュタルト→魔術
ジェイル→魔術
白樺→取り敢えず魔術以外なら何でも
カイザレ→短銃
ハイドラ→雷属性魔法
エヌルタ→長刀
クライム→巨大鎌
アシュルク→魔術に片刃ナイフ
デバイス→護符
バイアス→鉄鉤
カルマ→体術
ファイド→ナイフ
アリオト→鉄扇
カヴァー→改造拳銃
カソード→仕込みナイフ
アノード→鞭


多分今の所はこれくらいかと^p^
鞭いいよ鞭wwwwwwwww

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今の時期って。

取り敢えずもう年末だよねってことで、総勢120人は居る俺の子を全部まとめてみた。
漢字が解らない奴はカタカナ表記。


ヘメティ、ソーマ、イーナ、シェイド、ラスター、ウライ、マーヴィン、アレス、ザクスト、アーシラト
アイド、ダグラス、ハイドラ、ホリック、キリク、レイズ、オンブラ、ルーチェ、ヴェルガーダ、クヴァシル
カラッド、ダーク、アルディック、行峯、努哉、アポフィス、ソレイユ、サーゼ、カイザレ、クライム
夢喰、白樺、暁、ラディス、カルマ、ツィオル、バイアス、ジェイル、アシュルク、デバイス、影沼間
スティアーナ、名無しさん、チノミヤ、ファイド、御舟、イシュタム、レイピア、タナシン、ゲシュタルト、井塚
サイラス、ファンデヴ、アダメス、ステル、ネクス、ロロ、ティオ、クライシス、ガング、ヘイト
ドール、ディーク、グリード、クラヴァット、シグマ、ロスト、エスト、木崎、ソウマ、桐宮
カルミナ、アリス、イキシア、アリオト、スクリーム、ウェザー、ジーク、リーゼ、アヴィー、英雄
ミナル、ガンマ、アール、メイズ、ライヤ、ミスト、メルエム、ランファン、シルヴィ、アシ
カヴァー、赤聖、ディン、ザクロ、佐倉、ソフィア、マザー、アクセル、マーイョリス、ホーリィ
エヌルタ、ロイト、リーネット、オルトワ、メイジ、スコール、リア、ヴァーラ、闇霧、流介
ユレイ、エイジ、ヒイラギ、ジキル、アオバ、竹市、誠、サラ、アイリス、ルナン
アポロ、リリス、ヒスイ、ティア、タード、聖、針、飴玉、赤誠、晄一
アノード、カソード、ファントム、セキア、ホープレス、ルッシュ、シャドウ、スティアーナ、名無しさん、ヴィンゼント
那誉月、オルファ、アルシラ、フィレンツェ、トレヴィ、ベルージャ、ネフィリル、ハウンド、玲、オルクス
ルシフェリア、フラウロス、イザナミ、アビス、ヴィトリオール、白沢


あれ、130人いる^p^p^p^p^
すげぇwwwwおおいwwwwでももっと探せばもっといるwwwwwww


12月28日追記
アノードとカソードとファントムが増えました^p^p^p^

2010年1月7日追記
ホープレスにセキアが増えました^p^p^p^p^p^

2010年1月14日追記
ルッシュにシャドウが以下省略(137人目

2010年1月15日追記
忘れてたスティアーナと名無しさんを以下省略(139人目

2010月2月7日追記
ヴィンゼントに那誉月にオルファにアルシラにフィレンツェにトレヴィを以下略(145人目

2010年2月28日追記
ベルージャ、ネフィリル、ハウンド、玲、オルクス(150人目

2010年3月7日追記
ルシフェリア、フラウロス、イザナミ(153人目

2010年3月23日追記
アビス、ヴィトリオール、白沢(ハクタク)(156人目

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そりゃそうだ、キャラは自分の子供、鏡その物、感情移入すれば尚更だ。
性格的には似ていなくても、何処かに必ず自分の面影が見える。それがキャラであり「俺の子」だ。
どれだけ自分の理想を貫いても、理想で形作っても、自分の完璧な理想にはなり得ない。
それが俺だ。俺が120人以上のオリキャラを作り上げる過程で得た答だ。


最近やけに真面目な言い回しなのは、ちょっと真面目な文章力を培ってみてぇなと思ったからです^p^p^p^
だって何か格好いいじゃないwwwww中二病?上等だ←
リレイズはヘメティの一人称で進むからどうしてもヘメティ口調になるしね。

それにしてもアルディック俺に似すぎだよ…ヘメティも俺に少し似てるじゃない…
優柔不断なところとか嫉妬深いところとか人間嫌いなところとか。




俺が大好きな作者さんが書いた小説が完結しました。
胸に酷く残る作品でした。大好きです。ありがとうございました。
俺もこういう小説を目指したいです。それだけです。
文才は培う物、と以前言われましたが、こればかりは感性や先天的な才能なんじゃあないかと思ってしまう俺が居ます。
凄くいい作品でした。ありがとうございました。
コメとキャラ違うけど気にしちゃいけない(ryryry

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薄々気付いていたんだ、全てが偽りだということに。
だって、そうじゃなかったらおかしいことだって色々あったんだ。
言葉では表せない、身に纏っている雰囲気、目に宿る感情、言葉の端々に浮かぶ情念。
そして、俺を見てはいるけれど映していない眼。まるでガラス玉、ビー玉、そんな言葉がよく似合う瞳だった。
冷たい笑顔の仮面で自分を隠してはいるけれど、さすがにそこまでは隠せなかったんだろ?

でもその内、あんたが本気で俺を見てくれてる事に気付いた。
それに気付いたときは、「涙」が零れそうなくらいに嬉しかった。
だって、俺を見れくれる人間なんて本当に居なかったんだから。
母親は殺された。父親は失踪した。兄なんてただの狂気の塊だ。周りの大人は俺を同情の眼でしか見ない。
そんな中で、初めてだった。
——それも一時的な物だったのか、すぐに出会ったときと同じになったけれど。
人間の瞳として受け入れられていた物が、また人形みたいな瞳に変わったよ。それにも気付いていないだろ?

あんたも、俺が気付いている事になんていないだろ?
だから俺も演技をするさ、あんたが気付かないくらいに上手に上手に。
そしてあの塔の最上階であんたと対峙したときは、それこそ今気付きましたってくらいに叫びまくってやろう?

あんたの演技は確かに上手い、人を騙すのは確かに上手い。
ただ、その雰囲気や狂気を持て余してるんだ、だからすぐに俺にばれたんだ。
もし本当に仲間を騙したいなら、それも全部消さなきゃいけない。
それを解っておかないと。

薄々なんてものじゃない。
はっきりと確信していたんだ、俺は。


ねぇ、主催者さん?

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赤闇銀羽
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趣味:
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サイトにて活動中。




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FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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