I permanently serve you. NeroAngelo
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どんどん強くもっと強く……
歌声響く痛みの塔……
その最上階、しがみつき
柄にもなく震えているのは
こんな小さな痛みなど、早く捨て去ってしまいたかった。
それでもずっと持ち続けたのは、他の誰でもない──俺だ。
捨てることなど、いつでも出来た筈なのに──今までずっと捨てられずに、溜まっていた。
それを誰にも見せず、しまってきた。
知らず知らずのうちに、1個目の箱は満たされた。
別に、今更辛くなど無い。辛いという感情、とっくの昔に捨てた筈だ。
それでも、認めたくはなかったが──誰かに、俺を見て欲しかった。
何故そう思ったかは、解らない。
父はどこかに消えた。母はあの日、悪魔に襲われて殺された。
俺を知っている、唯一の『人間』は居ない。……だからだろうか?
これだけあれば、許されないだろうか。
少しだけ、優しくされる程度か──
捨てた痛みも、拾い集めて、無理矢理箱を満たして、積み上げる。
通りすがりの人間を横目に見ながら、10個目の箱を積み上げた。
──そうか、これでもまだ足りないのか
誰も、俺のことなど見ていない。誰も、俺など気にしていない。
ならば、もっと、今よりも高くしよう。
世界中に、見える程に。
どんどん高く、もっと高く。空を飛ぶ鳥にも届く俺の『痛みの塔』よ
俺はその上に立つ。
俺はその上に立ち、何事かと大口を開けた野次馬共を見下ろした。
地上にいれば、己と同じくらいの人間だろう。
ここから見たら、まるで蟻のようだな……
そう思いながら、100個目の箱を積み上げた。
お集まりの人間共、これは俺の痛みだ
俺は今、貴様等の慰め等届かぬ程の高さに居る
『きっと俺は特別なのだ』と
そう信じていなければ、やっていけなかった。
誰もが見上げる程に、特別な存在なのだと。
俺はこの世界の、孤独の神に選ばれたから。
こんな馬鹿げた景色の……中に来た
どんどん高く、もっと高く。空を覆い尽くす雲にも届け『痛みの塔』よ
俺はその上に座り足を組む。
俺の耳に届くのは、風の音だけ。
うざったく響いていた人間共の喧噪も、聞こえない。
そんな中、俺は1000個目の箱を積み上げた。
塔の上に立つと、俺は下を見下ろした。
その瞬間、酷い眩暈を感じ、俺は膝を付く。
やっと眩暈が治まったとき、一際強い風が吹いた。
塔に掛けられていた唯一の梯子が、風に煽られて飛ばされた。
飛ばされた梯子が見えなくなってから暫くして、俺は自分の身体が震えていることに気付いた。
そこで俺は気付く。
俺の様子は、誰にも見えていないのだと。
俺の想いなど、誰にも届きはしないのだと──
俺は叫ぼうと口を開くが、声が出ない。
声も出ない程、俺はこの状況に恐怖を感じていた。
そんな時、不意に下界から微かに声が聞こえた。
聞き間違う筈もない──あいつの声が。
その声が聞こえなくなり、何だったんだと俺が言おうとした瞬間、突然塔が揺れ、視界が下がった。
微かに聞こえる物音から、俺は理解した。
あいつと、あいつの仲間が、だるま落としのようにこの塔を──
誰かが歌う、ハンマーソングが聴こえる。
──みんなあんたと話したいんだ
「同じ高さまで降りてこいよ!!」
どんどん強く、もっと強く
歌声が響く、痛みの塔
あいつ等に、崩されていく『心の痛み』
遂に、俺が上に乗っている箱以外は、全て崩された。
久々に、俺は地面を見る。
不意に、その地面が陰った。
不審に思い、顔を上げる。
捨てた筈の、あいつが居た
歌声響く痛みの塔……
その最上階、しがみつき
柄にもなく震えているのは
こんな小さな痛みなど、早く捨て去ってしまいたかった。
それでもずっと持ち続けたのは、他の誰でもない──俺だ。
捨てることなど、いつでも出来た筈なのに──今までずっと捨てられずに、溜まっていた。
それを誰にも見せず、しまってきた。
知らず知らずのうちに、1個目の箱は満たされた。
別に、今更辛くなど無い。辛いという感情、とっくの昔に捨てた筈だ。
それでも、認めたくはなかったが──誰かに、俺を見て欲しかった。
何故そう思ったかは、解らない。
父はどこかに消えた。母はあの日、悪魔に襲われて殺された。
俺を知っている、唯一の『人間』は居ない。……だからだろうか?
これだけあれば、許されないだろうか。
少しだけ、優しくされる程度か──
捨てた痛みも、拾い集めて、無理矢理箱を満たして、積み上げる。
通りすがりの人間を横目に見ながら、10個目の箱を積み上げた。
──そうか、これでもまだ足りないのか
誰も、俺のことなど見ていない。誰も、俺など気にしていない。
ならば、もっと、今よりも高くしよう。
世界中に、見える程に。
どんどん高く、もっと高く。空を飛ぶ鳥にも届く俺の『痛みの塔』よ
俺はその上に立つ。
俺はその上に立ち、何事かと大口を開けた野次馬共を見下ろした。
地上にいれば、己と同じくらいの人間だろう。
ここから見たら、まるで蟻のようだな……
そう思いながら、100個目の箱を積み上げた。
お集まりの人間共、これは俺の痛みだ
俺は今、貴様等の慰め等届かぬ程の高さに居る
『きっと俺は特別なのだ』と
そう信じていなければ、やっていけなかった。
誰もが見上げる程に、特別な存在なのだと。
俺はこの世界の、孤独の神に選ばれたから。
こんな馬鹿げた景色の……中に来た
どんどん高く、もっと高く。空を覆い尽くす雲にも届け『痛みの塔』よ
俺はその上に座り足を組む。
俺の耳に届くのは、風の音だけ。
うざったく響いていた人間共の喧噪も、聞こえない。
そんな中、俺は1000個目の箱を積み上げた。
塔の上に立つと、俺は下を見下ろした。
その瞬間、酷い眩暈を感じ、俺は膝を付く。
やっと眩暈が治まったとき、一際強い風が吹いた。
塔に掛けられていた唯一の梯子が、風に煽られて飛ばされた。
飛ばされた梯子が見えなくなってから暫くして、俺は自分の身体が震えていることに気付いた。
そこで俺は気付く。
俺の様子は、誰にも見えていないのだと。
俺の想いなど、誰にも届きはしないのだと──
俺は叫ぼうと口を開くが、声が出ない。
声も出ない程、俺はこの状況に恐怖を感じていた。
そんな時、不意に下界から微かに声が聞こえた。
聞き間違う筈もない──あいつの声が。
その声が聞こえなくなり、何だったんだと俺が言おうとした瞬間、突然塔が揺れ、視界が下がった。
微かに聞こえる物音から、俺は理解した。
あいつと、あいつの仲間が、だるま落としのようにこの塔を──
誰かが歌う、ハンマーソングが聴こえる。
──みんなあんたと話したいんだ
「同じ高さまで降りてこいよ!!」
どんどん強く、もっと強く
歌声が響く、痛みの塔
あいつ等に、崩されていく『心の痛み』
遂に、俺が上に乗っている箱以外は、全て崩された。
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赤闇銀羽
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性別:
非公開
職業:
ソルジャー1st
趣味:
妄想!
自己紹介:
こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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