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すげええええええそして29話まで行っても序盤ってすげええええええええ
あれから普通に何事もなく1週間が過ぎた。
つまり、今から機関に戻る。
俺とソーマとイーナ、それにシェイド大佐とラスターさんの、5人で。
……どう考えても多すぎだろ!
RELAYS - リレイズ - 29 【5人で】
「あんまり実感してなかったけど、何なんだよこの人数!!」
がたがたと揺れる車内で、俺は声を張り上げた。
機関の方で大きめの車を用意してくれたからよかったものの、5人で乗車なんて初めてだった。
「仕方ないだろう。良いから黙れ」
「私は呼ばれたし。取り敢えず車の中なんだからそんな大声じゃなくても聞こえるって」
「オレも、だな。イーナの言う通り静かにしろ」
「だってヘメティとソーマは確実だし、そこに兄サンと嬢ちゃん入ったらこの時点で4人だろ?」
「だから何でそれが5人になったんだよって聞いてるんですよ俺は!!」
ラスターさんが自分も行くと言い出したときは別に何ともなかった。まあ5人なら大丈夫だろうと
簡単に考えていた。
だが、そんな簡単に済むわけがない。
今の状態は、助手席の部分にソーマが、その後ろに残りの4人が座っている感じだ。
一応4人座ってもある程度の余裕はあるが、だからといってこれはないだろうこれは。
ちなみに俺達の並びを左から言うと、イーナ、ラスターさん、シェイド大佐、俺、となっている。
それと肝心──かどうかは解らないが、ラスターさんの怪我はほぼ完治している。
あの傷がよく1週間で回復したな、と思う。あれは大怪我、重傷の部類に入るだろう。
それを本人に聞いてみると、言って困ることでもあるのか『秘密だ』としか返されなかった。
「──まあ、6人にならなくてよかったか……」
もしもう一人プラスされて6人で行きますなんてことになったら、どうしたらいいのか解らない。
「あの怪我で連れてくるわけにもいかないからな。部下を守るのも上司の務めだ。
あのまま置いてくるのも少し気が引けたが……な」
「でも、あの嬢ちゃんも大丈夫だったんだろ? 良かったじゃねぇか」
そのもう一人──ウライは、俺達の中で一番怪我の度合いが酷かったこともあるのだろうが
未だに怪我が治らずにいた。
一度ウライの病室に行って、自分達のことを話したときの彼女が言った言葉を思い出して俺は苦笑した。
軍を離れる、と言ったシェイド大佐に、何が何でもついていこうとしていたから。
『オレは少し……いや、長い間ここから離れる。その間待っていろ』
『っ、嫌です! 私もついて行きます!』
『駄目だ。その怪我で動けるわけがないだろう』
『私は大丈夫です、だから──』
『駄目だと言っている! ……今は自分の心配だけをしていればいい』
『そんな──上司についていって、守るのが部下の役目です!』』
「上司についていくのが部下の役目……か」
あれだけの怪我でも付いていこうとしていたということは、それだけの忠誠心がある、というのと
胴意義だろうと思う。
シェイド大佐とは1週間と少しの間しか行動を共にしていないが、人柄からも想像できた通り人望は厚い。
「ウライはああ見えて頑固なところがある。説得するのは辛かった」
「確かにそういうとこあるよなーあの嬢ちゃん」
やれやれ、とでも言うように笑いながら、シェイド大佐は呟いた。
あの後4日かかってようやく諦めてくれたらしい。どうりであまり見当たらないと思った。
手合わせの為に何度基地の中を走り回ったか解らない。その度に不審者と間違われるし、やっと
見付けたと思ったら今度はソーマが居ないし。
「──そういえばヘメティ」
「どうしたんですか?」
シェイド大佐は俺の目を見据えて、重く真面目な声で訊いてきた。
「最初に会ったときから気になってはいたんだが……お前のその眼の色、生まれ付きなのか?
カラーコンタクトを入れているわけではないだろうな?」
そんなの、全然気にしたことがなかった。
記憶を失ってから、機関に行って、そこで鏡を見てようやく自分がオッドアイなのだと気付いた。
カラーコンタクトの存在は知っていたが、まさかそれを片方だけに入れてオッドアイですなんて……
「いや、これ生まれ付きですよ。多分」
もしかしたら最初はどちらの眼の色も同じで、何らかの事件か何かがあってこうなったのかもしれない。
だから多分、だ。
「そうか……すまない。ただ少し気になっただけだ。昔オレの友人に居たからな。右目にだけ赤にしている奴が」
……居たよ、片方だけ無理矢理オッドアイにしてる人が居たよ。何かある意味すごいな。
「その理由を聞いたら『オッドアイ格好いいだろ!』と答えられたな」
「確かに格好いいとは思うけどさぁ、そこまでしてやることなの?」
「え、じゃあヘメティ、お前これ生まれ付きか! すげー!」
「いや何が凄いのか全く解らないんですけど」
俺にとってはこれが普通だし、隠そうとも思わないし、特別なものだとも思わない。
だが、世間から見ればこれは格好いいらしい。内心少しびっくりしていた。
「……あ、その友達の人は今どうしてるんですか?」
もしかしてまだカラーコンタクトでオッドアイなんてやっているんだろうかと思い、軽い調子で
訊いてみる。
その途端、シェイド大佐の笑みが凍り付き、悲しげに目を伏せた。
「──もう、居ない。数年前に……死んでしまった」
呟くような声で言って、シェイド大佐は微笑んだ。
それは、見た人の胸を締め付けるような、悲痛な微笑みだった。
やってしまった。今まで一応明るかった場の空気が、一気に重く淀んでいく。
運転手の視線以外──3人の容赦なく刺さってくる視線が痛い。
「……ああ、別に気にしなくていい。すまなかった」
「いや大佐何も悪くないですって! 俺のせいです俺の!! ごめんなさい!!」
気にしなくていい、と言われても気にせずに居られないだろう、これは。
「だからいいと言っているんだ。後ろばかり振り返っていられない。友の想いは、友が引き継ぐ」
「……ほんと、嫌っつーくらい前向きだよなぁ兄サン。ま、そうじゃねぇと軍人なんて
やってられないか」
「ネガティヴ思考はオレの性ではない、それだけだ」
「どっちでも同じだろそんなの」
本当に、前向きだ。
友人の死を受け入れ、それでも尚立ち止まることなく前を見据えている。
俺も見習いたい、そう強く思った。
今の俺は、仲間も機関の皆も何も、失ってはいない。──自分の記憶以外は。
自分が無くした記憶の中の『俺』は、何かを失っているのだろうか?
そこまで考えて、ふと気付いた。
「──ソーマ、お前どうしたんだよ」
助手席に座っているソーマの出している雰囲気が、普段とは明らかに違う。
「……悪かったな、後ろ向きで」
吐き捨てるように出された言葉に、俺は苦笑いしかできなかった。
確かにソーマは、人と比べて思考はネガティヴな方だとは思う。だがそれを気にする必要はあまり
ないような気がする。
「いや、ソーマはソーマってことでいいんじゃないか?」
俺が話しかけても、何の反応も示さない。いや、いつも殆ど反応なんてしてくれないけどさ。
どうやら多少ショックを受けている……らしい。珍しいな。
「え、アンタでもショック受ける事ってあるんだ」
「待てイーナ、それを言うな、死んでも知らないぞ」
少しはオブラートに包んで……も意味はないか。じゃあ自重してくれ、頼む。怖いから。
「……何だったか……思い出せそうで思い出せないな……」
「何がですか?」
隣でシェイド大佐が何かぶつぶつ言っている。思い出せそうで思い出せない、と。
その友人との思い出か、それとも違う物か。
「いや、1週間前に話した……支配者と共に居ただろう、白髪の執事が」
確か名前はアレスだったか、とシェイド大佐は付け足してから、溜め息混じりに言う。
「あいつの姿を見たときにも少し感じたが──どこかで見たことがある気がする」
既視感──デジャヴという物か。俺がしょっちゅう感じる物でもある。
ただ、それを思い出そうとしても思い出せないことの方が多い。ただ「何処かで見たことがある」というだけで。
「まあ、別に後ででもいい。取り敢えずまだ着かないのか?」
「あー多分もうすぐ着きますよ」
もうすぐ、とは言ったが、実を言うと俺もあんまり解っていなかったりする。
……大佐とみんな、何かごめん。
やったぜ次で30話だぜ。取り敢えず次出すキャラを考えよう。
あれから普通に何事もなく1週間が過ぎた。
つまり、今から機関に戻る。
俺とソーマとイーナ、それにシェイド大佐とラスターさんの、5人で。
……どう考えても多すぎだろ!
RELAYS - リレイズ - 29 【5人で】
「あんまり実感してなかったけど、何なんだよこの人数!!」
がたがたと揺れる車内で、俺は声を張り上げた。
機関の方で大きめの車を用意してくれたからよかったものの、5人で乗車なんて初めてだった。
「仕方ないだろう。良いから黙れ」
「私は呼ばれたし。取り敢えず車の中なんだからそんな大声じゃなくても聞こえるって」
「オレも、だな。イーナの言う通り静かにしろ」
「だってヘメティとソーマは確実だし、そこに兄サンと嬢ちゃん入ったらこの時点で4人だろ?」
「だから何でそれが5人になったんだよって聞いてるんですよ俺は!!」
ラスターさんが自分も行くと言い出したときは別に何ともなかった。まあ5人なら大丈夫だろうと
簡単に考えていた。
だが、そんな簡単に済むわけがない。
今の状態は、助手席の部分にソーマが、その後ろに残りの4人が座っている感じだ。
一応4人座ってもある程度の余裕はあるが、だからといってこれはないだろうこれは。
ちなみに俺達の並びを左から言うと、イーナ、ラスターさん、シェイド大佐、俺、となっている。
それと肝心──かどうかは解らないが、ラスターさんの怪我はほぼ完治している。
あの傷がよく1週間で回復したな、と思う。あれは大怪我、重傷の部類に入るだろう。
それを本人に聞いてみると、言って困ることでもあるのか『秘密だ』としか返されなかった。
「──まあ、6人にならなくてよかったか……」
もしもう一人プラスされて6人で行きますなんてことになったら、どうしたらいいのか解らない。
「あの怪我で連れてくるわけにもいかないからな。部下を守るのも上司の務めだ。
あのまま置いてくるのも少し気が引けたが……な」
「でも、あの嬢ちゃんも大丈夫だったんだろ? 良かったじゃねぇか」
そのもう一人──ウライは、俺達の中で一番怪我の度合いが酷かったこともあるのだろうが
未だに怪我が治らずにいた。
一度ウライの病室に行って、自分達のことを話したときの彼女が言った言葉を思い出して俺は苦笑した。
軍を離れる、と言ったシェイド大佐に、何が何でもついていこうとしていたから。
『オレは少し……いや、長い間ここから離れる。その間待っていろ』
『っ、嫌です! 私もついて行きます!』
『駄目だ。その怪我で動けるわけがないだろう』
『私は大丈夫です、だから──』
『駄目だと言っている! ……今は自分の心配だけをしていればいい』
『そんな──上司についていって、守るのが部下の役目です!』』
「上司についていくのが部下の役目……か」
あれだけの怪我でも付いていこうとしていたということは、それだけの忠誠心がある、というのと
胴意義だろうと思う。
シェイド大佐とは1週間と少しの間しか行動を共にしていないが、人柄からも想像できた通り人望は厚い。
「ウライはああ見えて頑固なところがある。説得するのは辛かった」
「確かにそういうとこあるよなーあの嬢ちゃん」
やれやれ、とでも言うように笑いながら、シェイド大佐は呟いた。
あの後4日かかってようやく諦めてくれたらしい。どうりであまり見当たらないと思った。
手合わせの為に何度基地の中を走り回ったか解らない。その度に不審者と間違われるし、やっと
見付けたと思ったら今度はソーマが居ないし。
「──そういえばヘメティ」
「どうしたんですか?」
シェイド大佐は俺の目を見据えて、重く真面目な声で訊いてきた。
「最初に会ったときから気になってはいたんだが……お前のその眼の色、生まれ付きなのか?
カラーコンタクトを入れているわけではないだろうな?」
そんなの、全然気にしたことがなかった。
記憶を失ってから、機関に行って、そこで鏡を見てようやく自分がオッドアイなのだと気付いた。
カラーコンタクトの存在は知っていたが、まさかそれを片方だけに入れてオッドアイですなんて……
「いや、これ生まれ付きですよ。多分」
もしかしたら最初はどちらの眼の色も同じで、何らかの事件か何かがあってこうなったのかもしれない。
だから多分、だ。
「そうか……すまない。ただ少し気になっただけだ。昔オレの友人に居たからな。右目にだけ赤にしている奴が」
……居たよ、片方だけ無理矢理オッドアイにしてる人が居たよ。何かある意味すごいな。
「その理由を聞いたら『オッドアイ格好いいだろ!』と答えられたな」
「確かに格好いいとは思うけどさぁ、そこまでしてやることなの?」
「え、じゃあヘメティ、お前これ生まれ付きか! すげー!」
「いや何が凄いのか全く解らないんですけど」
俺にとってはこれが普通だし、隠そうとも思わないし、特別なものだとも思わない。
だが、世間から見ればこれは格好いいらしい。内心少しびっくりしていた。
「……あ、その友達の人は今どうしてるんですか?」
もしかしてまだカラーコンタクトでオッドアイなんてやっているんだろうかと思い、軽い調子で
訊いてみる。
その途端、シェイド大佐の笑みが凍り付き、悲しげに目を伏せた。
「──もう、居ない。数年前に……死んでしまった」
呟くような声で言って、シェイド大佐は微笑んだ。
それは、見た人の胸を締め付けるような、悲痛な微笑みだった。
やってしまった。今まで一応明るかった場の空気が、一気に重く淀んでいく。
運転手の視線以外──3人の容赦なく刺さってくる視線が痛い。
「……ああ、別に気にしなくていい。すまなかった」
「いや大佐何も悪くないですって! 俺のせいです俺の!! ごめんなさい!!」
気にしなくていい、と言われても気にせずに居られないだろう、これは。
「だからいいと言っているんだ。後ろばかり振り返っていられない。友の想いは、友が引き継ぐ」
「……ほんと、嫌っつーくらい前向きだよなぁ兄サン。ま、そうじゃねぇと軍人なんて
やってられないか」
「ネガティヴ思考はオレの性ではない、それだけだ」
「どっちでも同じだろそんなの」
本当に、前向きだ。
友人の死を受け入れ、それでも尚立ち止まることなく前を見据えている。
俺も見習いたい、そう強く思った。
今の俺は、仲間も機関の皆も何も、失ってはいない。──自分の記憶以外は。
自分が無くした記憶の中の『俺』は、何かを失っているのだろうか?
そこまで考えて、ふと気付いた。
「──ソーマ、お前どうしたんだよ」
助手席に座っているソーマの出している雰囲気が、普段とは明らかに違う。
「……悪かったな、後ろ向きで」
吐き捨てるように出された言葉に、俺は苦笑いしかできなかった。
確かにソーマは、人と比べて思考はネガティヴな方だとは思う。だがそれを気にする必要はあまり
ないような気がする。
「いや、ソーマはソーマってことでいいんじゃないか?」
俺が話しかけても、何の反応も示さない。いや、いつも殆ど反応なんてしてくれないけどさ。
どうやら多少ショックを受けている……らしい。珍しいな。
「え、アンタでもショック受ける事ってあるんだ」
「待てイーナ、それを言うな、死んでも知らないぞ」
少しはオブラートに包んで……も意味はないか。じゃあ自重してくれ、頼む。怖いから。
「……何だったか……思い出せそうで思い出せないな……」
「何がですか?」
隣でシェイド大佐が何かぶつぶつ言っている。思い出せそうで思い出せない、と。
その友人との思い出か、それとも違う物か。
「いや、1週間前に話した……支配者と共に居ただろう、白髪の執事が」
確か名前はアレスだったか、とシェイド大佐は付け足してから、溜め息混じりに言う。
「あいつの姿を見たときにも少し感じたが──どこかで見たことがある気がする」
既視感──デジャヴという物か。俺がしょっちゅう感じる物でもある。
ただ、それを思い出そうとしても思い出せないことの方が多い。ただ「何処かで見たことがある」というだけで。
「まあ、別に後ででもいい。取り敢えずまだ着かないのか?」
「あー多分もうすぐ着きますよ」
もうすぐ、とは言ったが、実を言うと俺もあんまり解っていなかったりする。
……大佐とみんな、何かごめん。
やったぜ次で30話だぜ。取り敢えず次出すキャラを考えよう。
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こっから先はR指定だ!!
多分これはハッピーエンドで終わることは無いと思う。
そしてリレイズや他の作品とリンクしてはいるけど、その元作品にこっちで出たキャラが出ることも無いと思う。
ただ、最後まで話はできてる、それだけ、なんだ。
てらちゅうに^p^p^p^p^
駄目だ、ネットのチャットとか見てるとサマーウォーズ思い出してしまう・・・
ラブマシーンくんなあああああああああ(こねーよ
去年もスカイクロラ見た後にヘリの音聞いて「戦闘機いいいいい!!」ってなったんだよ!!
多分これはハッピーエンドで終わることは無いと思う。
そしてリレイズや他の作品とリンクしてはいるけど、その元作品にこっちで出たキャラが出ることも無いと思う。
ただ、最後まで話はできてる、それだけ、なんだ。
てらちゅうに^p^p^p^p^
駄目だ、ネットのチャットとか見てるとサマーウォーズ思い出してしまう・・・
ラブマシーンくんなあああああああああ(こねーよ
去年もスカイクロラ見た後にヘリの音聞いて「戦闘機いいいいい!!」ってなったんだよ!!
また消えたしwwwww何なんだよFirefoxのばかあ!!
RELAYS - リレイズ - 28 【手合わせ-2】
訓練場に着いた俺とソーマは、ある程度の距離を持って向き合っていた。
俺が立っているところは、丁度イーナが立っていた場所だろうか。
「──じゃあ、お互いに本気で、全力でいくぞ」
「当たり前だ。そうでなければ手合わせの意味がない」
こいつにとっての『本気』が『相手を殺すつもりでいく』ということなのは知っている。
それでも、俺はこうしたかった。勿論ソーマの言う通り『全力でいかないと手合わせの意味がない』
というのもあるが。
左手に拳銃を持ち、右手で闇霧を構える。
「……来い」
その言葉が耳に届くのとほぼ同時に、俺はソーマに向かって駆け出した。
その勢いのまま闇霧を振り下ろすが、いとも容易くナトゥスの柄で防がれてしまった。
防がれるのは予想していた。というか、防がれなければ逆におかしいとさえ思う。
ソーマの戦闘スタイルは、ある程度把握している。
ずっと見てきたからなのか、それとも規則性があるからなのかは解らない。
まず、相手の攻撃をそのまま受け止める。今の俺の状態がこれだ。
そのまま弾き返され、後ろに吹き飛ばされる。
俺が地面に着地した瞬間、ソーマは俺に向かって右手を突き出してきた。
「Lump oeleon!」
詠唱と共に俺に向かってきた黒い霧のようなものを纏った氷塊を、咄嗟に闇霧を身体の前に出して防ぐ。
次に、相手が間合いを取って自分への攻撃の心配が無くなったときに、魔法で追撃する。
闇霧を下ろし、顔を上げたときにはもう既にそこにソーマの姿はなかった。
背後に気配を感じ瞬時に振り返ると、俺の首を狩ろうと眼前に迫っていたナトゥスの刃を左手に
持っている拳銃の銃身で防いだ。
その状態で、突きをするようにして闇霧を振るう。
その一閃は、あまり日に当たっていないせいか白いソーマの頬を赤く滲ませた。
──そして、最後に近距離で攻撃する。
これが、ソーマの癖とも取れる戦い方だった。
まとめると、最初に防御、次に追撃、最後に近距離で畳み掛ける、といった感じだ。
確かに、体力の消耗も最小限に抑えられ、怪我をすることも少ない戦い方ではあると思う。
だが、その行動パターンを一度読まれてしまえば、相手を翻弄するのは難しくなる。
それでも今まで大丈夫だったのは、恐らくソーマ自身に隙があまりないからか。
ソーマは一度舌打ちをすると、後方に跳んだ。
「ソーマ、その戦い方少し変えたらどうだ? パターン読まれたら使えないぞ?」
「……考えておこう」
答えながら、ソーマは忌々しそうに頬を伝う血を手の甲で拭い取った。
てっきり『何故貴様に指図されなければならないんだ』と言われるかと思っていた。
ナトゥスを数度回転させてから、今度は両手で構え直す。
「──なら、今試してみるとするか」
「え? 何を──」
その言葉の意味が汲み取れず、何を言っているんだと言おうとした俺の前から、突然ソーマの姿が消えた。
どこに移動したのかと辺りを見回すが、どこにも見当たらない。
不意に、俺の耳に旗──というか、布が風に煽られるような音が聞こえた。
音に引き寄せられるようにして、頭上を見上げる。
そこにソーマは居た。
その手には、先程まで持っていたナトゥスはない。上空に居るときに能力解除したのか。
何故か恐怖を感じ、俺は無意識の内に屈んでいた。回避する、という考えが、すっかり頭の中から
抜け落ちていた。
ソーマはそのまま俺のすぐ側に降り立つと、顔を上げる暇もない程に早く手を伸ばしてきた。
俺の──首へ向かって。
「がッ……!?」
首を絞められ、俺は短く呻き声を上げる。
その力は、俺より一つ年上だとはいえ若干細身のその身体のどこにこんな力があるんだ、と
問い質したくなる程に強い。
「さっさと殺れないのは面倒だが、まあこれなら確実に殺れるか」
俺を見下ろすソーマの瞳は、本気で敵を殺そうとしているときの眼をしていた。
更に力を込められ、徐々に俺の視界が霞んでいく。
ぼやけた視界の中でも、ソーマが微かに口元を歪めたのが解った。
意識を手放しそうになったとき、どこかで銃声が聞こえた。
どこかで、というか、かなり近場で。
それから数秒と経たずに、俺の首からソーマの手が離れた。
「──ごほッ!!」
咳き込んでから、深く息を吸って呼吸を落ち着かせる。
「おいソーマ、これはあんまりだろ……!! 俺を殺すつもりか……!?」
「本気でやれと言ったのは貴様だろう」
「だからそういう意味じゃなくて……! っていうかさっきの銃声は──」
肩で息をしながら片膝をつき、先程の銃声のことを思い出した。
俺は撃っていない。というかあの状態で撃てるわけがない。
ソーマは絶対に銃器は使わないだろう。銃器よりも使い勝手が良い魔法があるのだから。
となると、答えは──
「──オレが撃ったが、何か文句でもあるかこの馬鹿共!!」
銃口から細く煙を出している拳銃を持ち、怒りに任せて撃った犯人──シェイド大佐は叫んだ。
「ソーマの部屋にもヘメティの部屋にも居ない上に何か物音がするから来てみれば……!
お前達、良いからそこに正座しろ!! 命令だ!!」
今までにない迫力で『命令だ』と言われると逆らえず──逆らうつもりもないが──黙ってそこに
正座することになった。
「まず、お前達は何をしているんだ」
まあ、誰でも最初はそう聞くだろう。俺は素直に答えた。
「自分がどれくらいの力を持っているのか知りたくて、ソーマと手合わせしてました」
「手合わせ──まあ、訓練と同じか。それならば──」
言いながら、シェイド大佐は俺の持っていた拳銃を手に取る。
そしてそれを誰も居ないことを確認してから、自分の真横へ向けて狙いも定めずに発砲した。
「実弾は使わないことだ。相手怪我をさせる程度ならばまだマシだろうが、重傷を負わせれば、
ましてや殺してしまえば大変だろう。言えばゴム弾でも何でも貸してやるから」
「……はい……」
一発も使ってはいないが、シェイド大佐の言う通りだ。何故そこまで気が回らなかったのか。
ソーマに改めて自分の『弱さ』を突き付けられ、焦っていたのか何なのか。
「それとソーマ、お前が一番問題だ」
さほど興味がなさそうに、他人事のように話を聞いているソーマに、シェイド大佐は
溜め息混じりに話──という名の説教をし始めた。
「確かに手合わせは本気でやらなければ意味がない。それは解る。だが首を絞めるのはあんまりだろう。
加減が解らずに、そのまま締殺なんてことになったらどうするつもりだ?」
「どうもしない」
「なっ、お前それでも人間か!!」
いつも通りに即答したソーマに憤慨しながらシェイド大佐が反論するが、何も聞いちゃいない。
「──兎に角だ!! 今度から手合わせはオレを呼ぶように!! 危なくて気が気ではない」
それだけを言い残して、シェイド大佐は俺の拳銃の安全装置を掛けると、基地の中へと戻っていった。
シェイド大佐はみんなのおかん←
RELAYS - リレイズ - 28 【手合わせ-2】
訓練場に着いた俺とソーマは、ある程度の距離を持って向き合っていた。
俺が立っているところは、丁度イーナが立っていた場所だろうか。
「──じゃあ、お互いに本気で、全力でいくぞ」
「当たり前だ。そうでなければ手合わせの意味がない」
こいつにとっての『本気』が『相手を殺すつもりでいく』ということなのは知っている。
それでも、俺はこうしたかった。勿論ソーマの言う通り『全力でいかないと手合わせの意味がない』
というのもあるが。
左手に拳銃を持ち、右手で闇霧を構える。
「……来い」
その言葉が耳に届くのとほぼ同時に、俺はソーマに向かって駆け出した。
その勢いのまま闇霧を振り下ろすが、いとも容易くナトゥスの柄で防がれてしまった。
防がれるのは予想していた。というか、防がれなければ逆におかしいとさえ思う。
ソーマの戦闘スタイルは、ある程度把握している。
ずっと見てきたからなのか、それとも規則性があるからなのかは解らない。
まず、相手の攻撃をそのまま受け止める。今の俺の状態がこれだ。
そのまま弾き返され、後ろに吹き飛ばされる。
俺が地面に着地した瞬間、ソーマは俺に向かって右手を突き出してきた。
「Lump oeleon!」
詠唱と共に俺に向かってきた黒い霧のようなものを纏った氷塊を、咄嗟に闇霧を身体の前に出して防ぐ。
次に、相手が間合いを取って自分への攻撃の心配が無くなったときに、魔法で追撃する。
闇霧を下ろし、顔を上げたときにはもう既にそこにソーマの姿はなかった。
背後に気配を感じ瞬時に振り返ると、俺の首を狩ろうと眼前に迫っていたナトゥスの刃を左手に
持っている拳銃の銃身で防いだ。
その状態で、突きをするようにして闇霧を振るう。
その一閃は、あまり日に当たっていないせいか白いソーマの頬を赤く滲ませた。
──そして、最後に近距離で攻撃する。
これが、ソーマの癖とも取れる戦い方だった。
まとめると、最初に防御、次に追撃、最後に近距離で畳み掛ける、といった感じだ。
確かに、体力の消耗も最小限に抑えられ、怪我をすることも少ない戦い方ではあると思う。
だが、その行動パターンを一度読まれてしまえば、相手を翻弄するのは難しくなる。
それでも今まで大丈夫だったのは、恐らくソーマ自身に隙があまりないからか。
ソーマは一度舌打ちをすると、後方に跳んだ。
「ソーマ、その戦い方少し変えたらどうだ? パターン読まれたら使えないぞ?」
「……考えておこう」
答えながら、ソーマは忌々しそうに頬を伝う血を手の甲で拭い取った。
てっきり『何故貴様に指図されなければならないんだ』と言われるかと思っていた。
ナトゥスを数度回転させてから、今度は両手で構え直す。
「──なら、今試してみるとするか」
「え? 何を──」
その言葉の意味が汲み取れず、何を言っているんだと言おうとした俺の前から、突然ソーマの姿が消えた。
どこに移動したのかと辺りを見回すが、どこにも見当たらない。
不意に、俺の耳に旗──というか、布が風に煽られるような音が聞こえた。
音に引き寄せられるようにして、頭上を見上げる。
そこにソーマは居た。
その手には、先程まで持っていたナトゥスはない。上空に居るときに能力解除したのか。
何故か恐怖を感じ、俺は無意識の内に屈んでいた。回避する、という考えが、すっかり頭の中から
抜け落ちていた。
ソーマはそのまま俺のすぐ側に降り立つと、顔を上げる暇もない程に早く手を伸ばしてきた。
俺の──首へ向かって。
「がッ……!?」
首を絞められ、俺は短く呻き声を上げる。
その力は、俺より一つ年上だとはいえ若干細身のその身体のどこにこんな力があるんだ、と
問い質したくなる程に強い。
「さっさと殺れないのは面倒だが、まあこれなら確実に殺れるか」
俺を見下ろすソーマの瞳は、本気で敵を殺そうとしているときの眼をしていた。
更に力を込められ、徐々に俺の視界が霞んでいく。
ぼやけた視界の中でも、ソーマが微かに口元を歪めたのが解った。
意識を手放しそうになったとき、どこかで銃声が聞こえた。
どこかで、というか、かなり近場で。
それから数秒と経たずに、俺の首からソーマの手が離れた。
「──ごほッ!!」
咳き込んでから、深く息を吸って呼吸を落ち着かせる。
「おいソーマ、これはあんまりだろ……!! 俺を殺すつもりか……!?」
「本気でやれと言ったのは貴様だろう」
「だからそういう意味じゃなくて……! っていうかさっきの銃声は──」
肩で息をしながら片膝をつき、先程の銃声のことを思い出した。
俺は撃っていない。というかあの状態で撃てるわけがない。
ソーマは絶対に銃器は使わないだろう。銃器よりも使い勝手が良い魔法があるのだから。
となると、答えは──
「──オレが撃ったが、何か文句でもあるかこの馬鹿共!!」
銃口から細く煙を出している拳銃を持ち、怒りに任せて撃った犯人──シェイド大佐は叫んだ。
「ソーマの部屋にもヘメティの部屋にも居ない上に何か物音がするから来てみれば……!
お前達、良いからそこに正座しろ!! 命令だ!!」
今までにない迫力で『命令だ』と言われると逆らえず──逆らうつもりもないが──黙ってそこに
正座することになった。
「まず、お前達は何をしているんだ」
まあ、誰でも最初はそう聞くだろう。俺は素直に答えた。
「自分がどれくらいの力を持っているのか知りたくて、ソーマと手合わせしてました」
「手合わせ──まあ、訓練と同じか。それならば──」
言いながら、シェイド大佐は俺の持っていた拳銃を手に取る。
そしてそれを誰も居ないことを確認してから、自分の真横へ向けて狙いも定めずに発砲した。
「実弾は使わないことだ。相手怪我をさせる程度ならばまだマシだろうが、重傷を負わせれば、
ましてや殺してしまえば大変だろう。言えばゴム弾でも何でも貸してやるから」
「……はい……」
一発も使ってはいないが、シェイド大佐の言う通りだ。何故そこまで気が回らなかったのか。
ソーマに改めて自分の『弱さ』を突き付けられ、焦っていたのか何なのか。
「それとソーマ、お前が一番問題だ」
さほど興味がなさそうに、他人事のように話を聞いているソーマに、シェイド大佐は
溜め息混じりに話──という名の説教をし始めた。
「確かに手合わせは本気でやらなければ意味がない。それは解る。だが首を絞めるのはあんまりだろう。
加減が解らずに、そのまま締殺なんてことになったらどうするつもりだ?」
「どうもしない」
「なっ、お前それでも人間か!!」
いつも通りに即答したソーマに憤慨しながらシェイド大佐が反論するが、何も聞いちゃいない。
「──兎に角だ!! 今度から手合わせはオレを呼ぶように!! 危なくて気が気ではない」
それだけを言い残して、シェイド大佐は俺の拳銃の安全装置を掛けると、基地の中へと戻っていった。
シェイド大佐はみんなのおかん←
Want to returnをバッドエンドにしてやろうか!!
リレイズを100話以上続けてやろうか!!
夢喰の連載を再開してやろうか!!
シェイドの過去編とか書いてやろうか!!
いっそ設定全部まとめて掲載してやろうか!!
「○○は俺の嫁!!」って堂々と言ってやろうか!!
いらっしゃい魔せえええええええええ!!!!
…タイトルこれしか思いつかなかった。
もう相互リンク先のシュリさんとか凪さんの子達が可愛すぎる件だよ…^p^
俺の子可愛げなくてごめんなさい、超ツンツンツンツンツンツンツンツンデレでごめんなさい^p^
ソーマなんて果てしないツン(ry)デレだよ…
あ、そのファミ魔はっとくぜ。聞くがいいわ。
Youtubeも。
リレイズを100話以上続けてやろうか!!
夢喰の連載を再開してやろうか!!
シェイドの過去編とか書いてやろうか!!
いっそ設定全部まとめて掲載してやろうか!!
「○○は俺の嫁!!」って堂々と言ってやろうか!!
いらっしゃい魔せえええええええええ!!!!
…タイトルこれしか思いつかなかった。
もう相互リンク先のシュリさんとか凪さんの子達が可愛すぎる件だよ…^p^
俺の子可愛げなくてごめんなさい、超ツンツンツンツンツンツンツンツンデレでごめんなさい^p^
ソーマなんて果てしないツン(ry)デレだよ…
あ、そのファミ魔はっとくぜ。聞くがいいわ。
Youtubeも。
嘘だろ!!
最近ボカロよりアリプロばっかり聞いてるな…
部屋の窓から見上げる綺麗な青空。
部屋の中には何故か一番テンションが上がらない奴。
することは何もない。
話す話題も何もなし。
うん、まあ、一言で言えば……
「──何でこんなに暇なんだよー!!」
RELAYS - リレイズ - 27 【手合わせ-1】
「いいから黙れ煩い」
「こんなに暇で──ちょっと待て、何かこういう展開前にもなかったか!?」
前にもこういうの経験した気がするんだが。しかもつい最近。あれ、気のせい?
「っていうか何で俺の部屋にソーマが居るんだよ! そっからして俺理解できない!!」
厳密には俺の部屋じゃなくて『俺に与えられた部屋』だけど、その部屋に何故こいつが居るのか。
ソーマだってシェイド大佐から部屋を割り当てられただろう。
それなのに何故ここにいるんだ。戻ればいいだろ。
「ただ本を忘れたから取りに来ただけだ」
「じゃあ何で居座ってんの!?」
「あちらの部屋よりもこちらの方が日当たりが良くて本が読みやすい。それだけだ」
「それだけかよ!!」
「ああそうだ」
何か問題でも?と続けたソーマに、俺は溜息を吐くしかなかった。
何というか、会ったときからソーマの行動は読めない。何をするか解ったものじゃないのだ。
時々ふらっと外に出て行ったと思えば数分で帰ってきたり、そのまま何日も帰ってこない事もある。
要するに気まぐれなのか。それとも本当に何か用事があるのか。それさえ解らない。
「あー畜生、暇だな……」
イーナはどこかに行ったみたいで見つからないし、シェイド大佐は勿論軍務中だし、ラスターさんは
『一度店戻って休店の張り紙貼ってくるぜ!』と言って出て行ったまま戻ってきていない。
せめて話せる相手がいれば……
あれから2日経った。
俺の傷は完治したし、後は5日間過ごすだけだった。
最初はこんな暇でのんびりとした時間も楽しめた。あんな騒ぎがあったのに、と。
だが3日目の今日になって、その暇な時間がとてつもなく苦痛に感じるようになってしまった。
何かしていないと落ち着かないというか、暇なのは性に合わないというか。
とにかく暇なのが嫌だ。無性に嫌だ。
一度基地の中を歩いてみようかとも思ったが、部外者が堂々と歩くのはさすがにまずいだろうと思い
やめておいた。それに俺だったら絶対迷う。ふらふらと彷徨い歩いた挙げ句、一般人立ち入り禁止の
場所に入ってしまう事も充分有り得る。俺は一般人じゃないけど。
「……おい」
「え? あ、何だ?」
突然声を掛けられ驚くが、それでも返事を返す。
ソーマは読んでいた本を閉じると、俺の目を見据えた。
「何度も言うようだが、貴様には戦う意志があるのか? 今回の戦いを見る限り、俺にはそんな物
無いように見えるが」
「──別に、そういう訳じゃない」
何度口ではそう言っていても、心のどこかで、出来る限り相手を傷つけたくない、なんてことを
考えている。酷い矛盾だ。
「何処かでその考えを打ち切らなければ、自分も守りたい物も失うことになる。それだけは言っておく。
──俺は自分の命以外、守りたい物等無いがな」
そんな俺の考えを見透かしたように、ソーマは告げる。
「生きるか死ぬか、だ。優しさも情けも、枷にしかならない」
これは強いて言うなら、覚悟だろうか。
相手に対する優しさも情けも全て捨て去る。それは自分の足を止める枷になってしまうから。
俺だって、痛い程に理解している筈なのに。ずっと、今まで繰り返してきた自問。
「理解しているのなら実行に移せ。貴様でもそれくらいはできるだろう」
遠回しに、俺を信用しているような言葉。俺がそう感じてしまっただけかもしれないが。
「……ああ。頑張るよ」
今はそれしか言えなかった。
これから自分がどうなるか解らない。今の状態で行くのか、それともソーマの言った通り
『覚悟を決められるのか』。
ソーマはまだ少し納得していないような雰囲気だったが、何も言わなかった。
それから暫くして、ソーマは立ち上がり、俺の部屋に忘れていたらしい本を持たずに部屋を
出ようとした。
「おーい、忘れてるぞ」
「……どうせまた来る。本を読む為にな」
言いながら、ソーマはナトゥスを出現させ、肩に担いだ。
「もしかして一人で鍛錬でもするのか?」
「貴様には関係ない」
その声を聞きながら、窓の外から見えるソーマとイーナが対峙した訓練場を見る。
そこには、誰も居ない。ソーマとしても、今が一番好都合なのだろう。
「──なあ」
「何だ」
窓の外に見える訓練場を指さし、ソーマに言った。
「俺と手合わせしないか?」
俺の言葉が予想していなかったものだったのか、ソーマは何も言わずに黙っている。
「今の俺がどれだけ戦えるのか、それが知りたいんだ」
側の壁に立てかけてあった闇霧を手に取り、ソーマに向けてしっかりと言葉を紡ぐ。
「……解った。やってやろう」
「え、いいのか!?」
「貴様が言ったんだろうが。さっさと来い」
それだけを言い残し、ナトゥス特有の金属音を廊下に響かせながら早足で歩くソーマの背中を
見ながら、俺は部屋のドアを閉めた。
だからソーマはツンデレなんだってb(ry
最近ボカロよりアリプロばっかり聞いてるな…
部屋の窓から見上げる綺麗な青空。
部屋の中には何故か一番テンションが上がらない奴。
することは何もない。
話す話題も何もなし。
うん、まあ、一言で言えば……
「──何でこんなに暇なんだよー!!」
RELAYS - リレイズ - 27 【手合わせ-1】
「いいから黙れ煩い」
「こんなに暇で──ちょっと待て、何かこういう展開前にもなかったか!?」
前にもこういうの経験した気がするんだが。しかもつい最近。あれ、気のせい?
「っていうか何で俺の部屋にソーマが居るんだよ! そっからして俺理解できない!!」
厳密には俺の部屋じゃなくて『俺に与えられた部屋』だけど、その部屋に何故こいつが居るのか。
ソーマだってシェイド大佐から部屋を割り当てられただろう。
それなのに何故ここにいるんだ。戻ればいいだろ。
「ただ本を忘れたから取りに来ただけだ」
「じゃあ何で居座ってんの!?」
「あちらの部屋よりもこちらの方が日当たりが良くて本が読みやすい。それだけだ」
「それだけかよ!!」
「ああそうだ」
何か問題でも?と続けたソーマに、俺は溜息を吐くしかなかった。
何というか、会ったときからソーマの行動は読めない。何をするか解ったものじゃないのだ。
時々ふらっと外に出て行ったと思えば数分で帰ってきたり、そのまま何日も帰ってこない事もある。
要するに気まぐれなのか。それとも本当に何か用事があるのか。それさえ解らない。
「あー畜生、暇だな……」
イーナはどこかに行ったみたいで見つからないし、シェイド大佐は勿論軍務中だし、ラスターさんは
『一度店戻って休店の張り紙貼ってくるぜ!』と言って出て行ったまま戻ってきていない。
せめて話せる相手がいれば……
あれから2日経った。
俺の傷は完治したし、後は5日間過ごすだけだった。
最初はこんな暇でのんびりとした時間も楽しめた。あんな騒ぎがあったのに、と。
だが3日目の今日になって、その暇な時間がとてつもなく苦痛に感じるようになってしまった。
何かしていないと落ち着かないというか、暇なのは性に合わないというか。
とにかく暇なのが嫌だ。無性に嫌だ。
一度基地の中を歩いてみようかとも思ったが、部外者が堂々と歩くのはさすがにまずいだろうと思い
やめておいた。それに俺だったら絶対迷う。ふらふらと彷徨い歩いた挙げ句、一般人立ち入り禁止の
場所に入ってしまう事も充分有り得る。俺は一般人じゃないけど。
「……おい」
「え? あ、何だ?」
突然声を掛けられ驚くが、それでも返事を返す。
ソーマは読んでいた本を閉じると、俺の目を見据えた。
「何度も言うようだが、貴様には戦う意志があるのか? 今回の戦いを見る限り、俺にはそんな物
無いように見えるが」
「──別に、そういう訳じゃない」
何度口ではそう言っていても、心のどこかで、出来る限り相手を傷つけたくない、なんてことを
考えている。酷い矛盾だ。
「何処かでその考えを打ち切らなければ、自分も守りたい物も失うことになる。それだけは言っておく。
──俺は自分の命以外、守りたい物等無いがな」
そんな俺の考えを見透かしたように、ソーマは告げる。
「生きるか死ぬか、だ。優しさも情けも、枷にしかならない」
これは強いて言うなら、覚悟だろうか。
相手に対する優しさも情けも全て捨て去る。それは自分の足を止める枷になってしまうから。
俺だって、痛い程に理解している筈なのに。ずっと、今まで繰り返してきた自問。
「理解しているのなら実行に移せ。貴様でもそれくらいはできるだろう」
遠回しに、俺を信用しているような言葉。俺がそう感じてしまっただけかもしれないが。
「……ああ。頑張るよ」
今はそれしか言えなかった。
これから自分がどうなるか解らない。今の状態で行くのか、それともソーマの言った通り
『覚悟を決められるのか』。
ソーマはまだ少し納得していないような雰囲気だったが、何も言わなかった。
それから暫くして、ソーマは立ち上がり、俺の部屋に忘れていたらしい本を持たずに部屋を
出ようとした。
「おーい、忘れてるぞ」
「……どうせまた来る。本を読む為にな」
言いながら、ソーマはナトゥスを出現させ、肩に担いだ。
「もしかして一人で鍛錬でもするのか?」
「貴様には関係ない」
その声を聞きながら、窓の外から見えるソーマとイーナが対峙した訓練場を見る。
そこには、誰も居ない。ソーマとしても、今が一番好都合なのだろう。
「──なあ」
「何だ」
窓の外に見える訓練場を指さし、ソーマに言った。
「俺と手合わせしないか?」
俺の言葉が予想していなかったものだったのか、ソーマは何も言わずに黙っている。
「今の俺がどれだけ戦えるのか、それが知りたいんだ」
側の壁に立てかけてあった闇霧を手に取り、ソーマに向けてしっかりと言葉を紡ぐ。
「……解った。やってやろう」
「え、いいのか!?」
「貴様が言ったんだろうが。さっさと来い」
それだけを言い残し、ナトゥス特有の金属音を廊下に響かせながら早足で歩くソーマの背中を
見ながら、俺は部屋のドアを閉めた。
だからソーマはツンデレなんだってb(ry
3,4回だけですが2chに書き込んだことがあります。
初めて書き込んだのはFF学園スレだったっけな。
オリキャラ2chバトン
オリキャラのいる世界に2ちゃんがあったらという荒んだバトン。
スレのタイトルでもレスでも、好きなように考えてみましょう!
スレタイ例
【テスト0点】物語の主人公がバカ【当たり前】
レス例・1
頭悪くて世界救えるかよ!
レス例・2
>>1 主人公になれなかったから僻んでるんですね、わかります
など。
誰々がレスをしたら、スレを立てたら〜というのもいいかと。
例は消してしまって構いません。
それではどうぞ!
あんまりにも長くなる+キャラ崩壊激しいので追記に下げます。
初めて書き込んだのはFF学園スレだったっけな。
オリキャラ2chバトン
オリキャラのいる世界に2ちゃんがあったらという荒んだバトン。
スレのタイトルでもレスでも、好きなように考えてみましょう!
スレタイ例
【テスト0点】物語の主人公がバカ【当たり前】
レス例・1
頭悪くて世界救えるかよ!
レス例・2
>>1 主人公になれなかったから僻んでるんですね、わかります
など。
誰々がレスをしたら、スレを立てたら〜というのもいいかと。
例は消してしまって構いません。
それではどうぞ!
あんまりにも長くなる+キャラ崩壊激しいので追記に下げます。
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HN:
赤闇銀羽
HP:
性別:
非公開
職業:
ソルジャー1st
趣味:
妄想!
自己紹介:
こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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