I permanently serve you. NeroAngelo
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実は二人ともまともに描くのが初めてだった件。
ファンデヴとサイラスのオッサンです。オッサンに猫耳は正義だと思ってます。
ファンデヴは27歳、サイラスは43歳の設定なんだけどね。うん。
ぶっちゃけファンデヴと誰かさんには血縁関係ありますとも。誰かさん。
サイラスはただのハンターというか旅人。定住めんどくさいらしいです。
ファンデヴはそんなサイラスと7年くらい一緒にいる兄貴探してる旅人。定住何それおいしいの?←
おまけ。
カイザレ=ヴィトリオールさん。最近白衣ばっかり描いてる気がするけど気にしない。
三十路の筈なんだけどなぁ…
カイザレ=ヴィトリオールって「Caizale=vitoriol」で綴り合ってんのかな。
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Want to return終わってからかなりスランプ(´・ω・`)
でも頑張る。
RELAYS - リレイズ - 35 【安息】
「や、やっと終わった……!」
俺は最後のゴミ袋をまとめ、絞り出すように言った。
目の前には数え切れないくらいのゴミ袋と、それと同じくらいの資料の山。
資料を関係性があると思われる物別に分けて、ファイルに入れて、まとめて、積み上げて……その繰り返しだ。
中には魔法と魔術の一覧表なんて物もあった。魔法なんて使えない俺からすれば無縁のものだけど。
よく研究班の人間が自分でまとめたらしい資料の山に埋もれて死んでいるように眠っているのを見かける。
その度に「そんなに辛いのか」と思っていたが、確かにこれは辛い。今まで解らなかった自分は何だったんだと思うくらいに疲れる。
俺の後ろではイーナとラスターさんとサイラスが座り込んでいる。それに比べてソーマとシェイド大佐、ファンデヴは平然と立っている。この3人は疲れなんて知らないのか。
もしかしたら──いや、もしかしなくても、彼等の辞書に『疲労』という言葉はないのだろう。
「もうしばらく動きたくない……」
「オレこんなで疲れるなんて思ってなかった……」
「っほ、本気で腰が……」
3人の溜め息と共に出された言葉に、他の3人は何故そこまで疲弊しているのか理解できない、と言った様子で声をかけた。
「どれだけ体力がないんだ、貴様等は」
「ラスター、それでも武器屋の店主か? これより重い物なんて幾らでも持ち運びしているだろう」
「……サイラス、やっぱり歳なんじゃないのか」
体力がないんじゃなくて、慣れてないだけだと思うんだが。俺だって資料整理に大掃除なんて事をしたのは初めてだ。それを今本部に来たばかりの人間がやったらこうなるのも仕方がないように思える。
「──取り敢えずオッサン、これ。湿布」
「ああサンキュ……って、オッサン呼ばわりすんじゃねぇよ!」
自分に差し出されたアイドの手から湿布を受け取ると、サイラスは軽く息切れを起こしながら、それでも反論した。
どれだけオッサンと呼ばれるのが嫌なのか……そりゃ良い気分はしないと思うが、ここまで必死になるのも珍しい。
「やー、みんなお疲れ様!! 特にヘメ君達は帰ってきたばっかりなのにごめんね!」
どこか清々しそうに、いつも通りの爽やかな笑顔でダグラスさんは言った。その手には、コーヒーカップが握られている。
コーヒーが苦手なダグラスさんの事だ、中身は恐らくココア。……案外似合うな。
「だったら最初からやらせないでくださいよ!!」
「そうだそうだ! それにオレ達は何もしてねぇんだぞ!!」
「解ってるよそんなのはー。ただみんなでやった方が早く終わるよねってだけだよ」
解っていて何故やらせるのか。本当にこの人は考えていることが解らない。
というか、何なんだその理由は。連帯責任みたいな感じなのか?
「──あ、それと言い忘れてたけど、イーナは正式に機関に入るって事で決まったから」
「そうそう。それを言おうとしたら部屋に誰も居なくて、探しに行ったらこんな事になってたのよ」
座り込んだままの体制でイーナはダグラスさんの言葉に同調した。
俺が考えたよりも早く終わったらしい。だからここまで来たのか。
「案外あっさりいったな……」
イーナをここに連れてくるのも、入らせるのも、予想していたよりかなりあっさりと終わった。
それにはダグラスさんの人柄もあるのかもしれない。
「それじゃ、改めて──よろしくな」
これで晴れて、イーナも俺達の仲間だ。勿論、俺は機関に入っていなくとも彼女は仲間だと思っているけれど。
「──あ、アイド! 休んでる所悪いけど、イーナをどこかに空き部屋作ってそこに案内して!」
「アンタどこまで鬼なんスか!!」
半泣きで、いや、もう泣く寸前でアイドは叫ぶが、当の本人は聞いちゃいない。
何て人使いの荒い人なんだ……以前から感じてはいた。だがここまでとは思わなかった。
「いーから! じゃあイーナ、また」
「え、あ、ハイ……あの人かわいそ……」
ダグラスさんに返事を返した後、イーナはアイドにもダグラスさんにも聞こえないような小声でぽつりと呟いた。
「仕方ない、あの人はああいう人だから。ほら、アイドについてけ」
何か面倒ごとがあると、容赦なく他人を使う。それがダグラス=ティアマントというリレイズ司令官だ。
別に悪人とかじゃない。ただ、『何かこれ一人でやるの? えーそれ面倒じゃない?』という事を他の人間まで巻き込んで解消するのだ。自分一人、もしくは数人だけでは絶対にやろうとしない。
そういう性格のせいもあり、研究班なんて数十人以上、もしかすれば100人くらい居るかもしれないくらいの大人数だ。白衣を着ている人間はほぼ研究班と言っていい。
それさえなければ……いいんだけどな。
「解った。んじゃ、また後でね!」
「俺達は邪魔だろうから、どっか行っておくぜ。な、ファンデヴ」
「……そうだ。自分達は違う、無関係な他人だ。だから」
「あ、ごめんね二人とも! あとで猫じゃらしと何かお菓子あげるから!」
「いらねーよ!!」
「要らない……!」
猫じゃらしよりマタタビとかの方がいいと思う。だがそれを言うと俺自身の命も危ないから自重しておく。
ファンデヴが何処か焦っているような気がした。不思議な所もあるが、やっぱり人間じみてるところだってある。
手を振ってからアイドを追いかけるイーナの後ろ姿、それにファンデヴとサイラスが見えなくなってから、ダグラスさんは俺達に向き直った。
そして一度短く溜息を吐いてから、どこか寂しげに微笑んだ。
「──任務、お疲れ様」
「……はい」
途端に、ダグラスさんの口元から笑みが消え、眼鏡の奥の瞳が真剣な光を帯びる。もうふざけてはいない。
「それで、どうだった? ……報告を」
「解っています。……その前にダグラスさん。ココア啜りながら真面目な顔でいうの止めません? ギャップが凄くて吹きそうになるんですけど」
死ぬ危険性だって当然ある任務の話を真面目な顔でしているのに、ココアなんて啜りながら言われたらそれはもう酷い。
何の一発芸だ、と爆笑してしまいそうになる。これは酷い。
「仕方ない。僕はコーヒーなんて苦い飲み物は苦手なんだ。ブラックコーヒーなんて飲み物じゃない」
「……司令官。オレはブラック派なんだが」
「大佐はそうか……ラスター君、君は?」
「は? オレ? オレはカフェオレ派なんだけど」
「……見事に好みが分かれたな。オレはブラック、ラスターはカフェオレ、貴方はココアだ。仕方ない、あとはそこの二人の意見で」
「はいはいはいそこまでにしてください! もう突っ込みませんからさっさと進めましょう!!」
何でココアかコーヒーかなんて話しになっているんだ。
ちらりと横目で隣にいるソーマを見れば、本当に下らないとでもいうように醒めた視線を送っている。
こいつは……雰囲気からして甘い物は嫌っていそうな気がする。というか食べる物にそこまでこだわっている気もしない。
自分から会話をやめさせておいて何だが、俺はコーヒーやココア自体が苦手だ。できれば紅茶がいい。
緑茶なんてのもあるらしいが、あまり興味はない。今の所は紅茶だけで充分だ。
「この重苦しい空気をどうにかしようと思ったんじゃないか。僕はこういうの嫌いなんだって何回も言ってるでしょー」
「司令官ともあろう人がそんなんでいいんですか……!」
「こういう暗い状況だからこそ、司令官が明るくないとみんな暗くなっちゃうでしょ? 僕はそれが嫌なんだ」
ダグラスさんの言っていることは解る。俺も一緒にいる仲間が暗い顔をしていたら、冗談でも何でも言って、何とかして明るくしようとするだろうから。
だがこの人の場合はその方法が突拍子もないというか、冗談なのか本気なのか判断しづらいところがある。
そこが難しいのだ。本気のときに「冗談言わないで下さいよ」と突っ込めば怒られるし、かといって冗談のときに何も言わなければ「何で突っ込んでくれないのさ」と不満を漏らされる、という……
「……いい加減に話を進めたらどうだ。自分達で話題を元に戻すことも考えろ。俺の手を煩わせるな」
いつも通り、と言うと少し悪い気もするが、ソーマが話を元に戻した。
ここまで年上、それも大佐や司令官という自分よりも立場が上の人間に堂々と命令口調で言える人間も珍しい。
「ごめんごめん。そんな怒らないでよソーマ。君切れると手付けられなくなっちゃうから」
「別に怒っている訳ではない。ただいつまで経っても馬鹿な話ばかりしている貴様等に苛立っているだけだ」
「だからごめんってー」
俺は二人を見て溜息を吐いた。もうどっちが司令官なんだか解らない。
「……それじゃ、程良く明るくなった所で──どうだったか、話してくれるかな」
明るくなってないよ!! と突っ込みたかったが、いい加減にしないとそろそろやばい。色々な意味で。
今回の任務、それの報告。
俺は一度ソーマやシェイド大佐、ラスターさんを見てから口を開いた。
取り敢えずサイラスのオッサンは猫じゃらしで釣れないと思う。
でも頑張る。
RELAYS - リレイズ - 35 【安息】
「や、やっと終わった……!」
俺は最後のゴミ袋をまとめ、絞り出すように言った。
目の前には数え切れないくらいのゴミ袋と、それと同じくらいの資料の山。
資料を関係性があると思われる物別に分けて、ファイルに入れて、まとめて、積み上げて……その繰り返しだ。
中には魔法と魔術の一覧表なんて物もあった。魔法なんて使えない俺からすれば無縁のものだけど。
よく研究班の人間が自分でまとめたらしい資料の山に埋もれて死んでいるように眠っているのを見かける。
その度に「そんなに辛いのか」と思っていたが、確かにこれは辛い。今まで解らなかった自分は何だったんだと思うくらいに疲れる。
俺の後ろではイーナとラスターさんとサイラスが座り込んでいる。それに比べてソーマとシェイド大佐、ファンデヴは平然と立っている。この3人は疲れなんて知らないのか。
もしかしたら──いや、もしかしなくても、彼等の辞書に『疲労』という言葉はないのだろう。
「もうしばらく動きたくない……」
「オレこんなで疲れるなんて思ってなかった……」
「っほ、本気で腰が……」
3人の溜め息と共に出された言葉に、他の3人は何故そこまで疲弊しているのか理解できない、と言った様子で声をかけた。
「どれだけ体力がないんだ、貴様等は」
「ラスター、それでも武器屋の店主か? これより重い物なんて幾らでも持ち運びしているだろう」
「……サイラス、やっぱり歳なんじゃないのか」
体力がないんじゃなくて、慣れてないだけだと思うんだが。俺だって資料整理に大掃除なんて事をしたのは初めてだ。それを今本部に来たばかりの人間がやったらこうなるのも仕方がないように思える。
「──取り敢えずオッサン、これ。湿布」
「ああサンキュ……って、オッサン呼ばわりすんじゃねぇよ!」
自分に差し出されたアイドの手から湿布を受け取ると、サイラスは軽く息切れを起こしながら、それでも反論した。
どれだけオッサンと呼ばれるのが嫌なのか……そりゃ良い気分はしないと思うが、ここまで必死になるのも珍しい。
「やー、みんなお疲れ様!! 特にヘメ君達は帰ってきたばっかりなのにごめんね!」
どこか清々しそうに、いつも通りの爽やかな笑顔でダグラスさんは言った。その手には、コーヒーカップが握られている。
コーヒーが苦手なダグラスさんの事だ、中身は恐らくココア。……案外似合うな。
「だったら最初からやらせないでくださいよ!!」
「そうだそうだ! それにオレ達は何もしてねぇんだぞ!!」
「解ってるよそんなのはー。ただみんなでやった方が早く終わるよねってだけだよ」
解っていて何故やらせるのか。本当にこの人は考えていることが解らない。
というか、何なんだその理由は。連帯責任みたいな感じなのか?
「──あ、それと言い忘れてたけど、イーナは正式に機関に入るって事で決まったから」
「そうそう。それを言おうとしたら部屋に誰も居なくて、探しに行ったらこんな事になってたのよ」
座り込んだままの体制でイーナはダグラスさんの言葉に同調した。
俺が考えたよりも早く終わったらしい。だからここまで来たのか。
「案外あっさりいったな……」
イーナをここに連れてくるのも、入らせるのも、予想していたよりかなりあっさりと終わった。
それにはダグラスさんの人柄もあるのかもしれない。
「それじゃ、改めて──よろしくな」
これで晴れて、イーナも俺達の仲間だ。勿論、俺は機関に入っていなくとも彼女は仲間だと思っているけれど。
「──あ、アイド! 休んでる所悪いけど、イーナをどこかに空き部屋作ってそこに案内して!」
「アンタどこまで鬼なんスか!!」
半泣きで、いや、もう泣く寸前でアイドは叫ぶが、当の本人は聞いちゃいない。
何て人使いの荒い人なんだ……以前から感じてはいた。だがここまでとは思わなかった。
「いーから! じゃあイーナ、また」
「え、あ、ハイ……あの人かわいそ……」
ダグラスさんに返事を返した後、イーナはアイドにもダグラスさんにも聞こえないような小声でぽつりと呟いた。
「仕方ない、あの人はああいう人だから。ほら、アイドについてけ」
何か面倒ごとがあると、容赦なく他人を使う。それがダグラス=ティアマントというリレイズ司令官だ。
別に悪人とかじゃない。ただ、『何かこれ一人でやるの? えーそれ面倒じゃない?』という事を他の人間まで巻き込んで解消するのだ。自分一人、もしくは数人だけでは絶対にやろうとしない。
そういう性格のせいもあり、研究班なんて数十人以上、もしかすれば100人くらい居るかもしれないくらいの大人数だ。白衣を着ている人間はほぼ研究班と言っていい。
それさえなければ……いいんだけどな。
「解った。んじゃ、また後でね!」
「俺達は邪魔だろうから、どっか行っておくぜ。な、ファンデヴ」
「……そうだ。自分達は違う、無関係な他人だ。だから」
「あ、ごめんね二人とも! あとで猫じゃらしと何かお菓子あげるから!」
「いらねーよ!!」
「要らない……!」
猫じゃらしよりマタタビとかの方がいいと思う。だがそれを言うと俺自身の命も危ないから自重しておく。
ファンデヴが何処か焦っているような気がした。不思議な所もあるが、やっぱり人間じみてるところだってある。
手を振ってからアイドを追いかけるイーナの後ろ姿、それにファンデヴとサイラスが見えなくなってから、ダグラスさんは俺達に向き直った。
そして一度短く溜息を吐いてから、どこか寂しげに微笑んだ。
「──任務、お疲れ様」
「……はい」
途端に、ダグラスさんの口元から笑みが消え、眼鏡の奥の瞳が真剣な光を帯びる。もうふざけてはいない。
「それで、どうだった? ……報告を」
「解っています。……その前にダグラスさん。ココア啜りながら真面目な顔でいうの止めません? ギャップが凄くて吹きそうになるんですけど」
死ぬ危険性だって当然ある任務の話を真面目な顔でしているのに、ココアなんて啜りながら言われたらそれはもう酷い。
何の一発芸だ、と爆笑してしまいそうになる。これは酷い。
「仕方ない。僕はコーヒーなんて苦い飲み物は苦手なんだ。ブラックコーヒーなんて飲み物じゃない」
「……司令官。オレはブラック派なんだが」
「大佐はそうか……ラスター君、君は?」
「は? オレ? オレはカフェオレ派なんだけど」
「……見事に好みが分かれたな。オレはブラック、ラスターはカフェオレ、貴方はココアだ。仕方ない、あとはそこの二人の意見で」
「はいはいはいそこまでにしてください! もう突っ込みませんからさっさと進めましょう!!」
何でココアかコーヒーかなんて話しになっているんだ。
ちらりと横目で隣にいるソーマを見れば、本当に下らないとでもいうように醒めた視線を送っている。
こいつは……雰囲気からして甘い物は嫌っていそうな気がする。というか食べる物にそこまでこだわっている気もしない。
自分から会話をやめさせておいて何だが、俺はコーヒーやココア自体が苦手だ。できれば紅茶がいい。
緑茶なんてのもあるらしいが、あまり興味はない。今の所は紅茶だけで充分だ。
「この重苦しい空気をどうにかしようと思ったんじゃないか。僕はこういうの嫌いなんだって何回も言ってるでしょー」
「司令官ともあろう人がそんなんでいいんですか……!」
「こういう暗い状況だからこそ、司令官が明るくないとみんな暗くなっちゃうでしょ? 僕はそれが嫌なんだ」
ダグラスさんの言っていることは解る。俺も一緒にいる仲間が暗い顔をしていたら、冗談でも何でも言って、何とかして明るくしようとするだろうから。
だがこの人の場合はその方法が突拍子もないというか、冗談なのか本気なのか判断しづらいところがある。
そこが難しいのだ。本気のときに「冗談言わないで下さいよ」と突っ込めば怒られるし、かといって冗談のときに何も言わなければ「何で突っ込んでくれないのさ」と不満を漏らされる、という……
「……いい加減に話を進めたらどうだ。自分達で話題を元に戻すことも考えろ。俺の手を煩わせるな」
いつも通り、と言うと少し悪い気もするが、ソーマが話を元に戻した。
ここまで年上、それも大佐や司令官という自分よりも立場が上の人間に堂々と命令口調で言える人間も珍しい。
「ごめんごめん。そんな怒らないでよソーマ。君切れると手付けられなくなっちゃうから」
「別に怒っている訳ではない。ただいつまで経っても馬鹿な話ばかりしている貴様等に苛立っているだけだ」
「だからごめんってー」
俺は二人を見て溜息を吐いた。もうどっちが司令官なんだか解らない。
「……それじゃ、程良く明るくなった所で──どうだったか、話してくれるかな」
明るくなってないよ!! と突っ込みたかったが、いい加減にしないとそろそろやばい。色々な意味で。
今回の任務、それの報告。
俺は一度ソーマやシェイド大佐、ラスターさんを見てから口を開いた。
取り敢えずサイラスのオッサンは猫じゃらしで釣れないと思う。
そして描いたのメモしてみる
・ファンデヴ(デフォ
・アルディック(デフォ
・サイラスのオッサン(初描きでファンデヴと2ショット
・アルディック(授業中の落書きでグロ
・アル(ry)(横顔とか
・ファンデヴ(サイラスと2ショットで
・初音ミクの無限の闇イメージしてファンデヴ
・初音ミクの無限の闇イメージしてラスター
・取り敢えずなんかソーマ
・何となくアレス
・もうどうにでもなれとクヴァシル
・数学のプリントの裏にカイザレ
・掲示板でかなりお世話になってる人のオリキャラ様
・もうどうでもいいのでシェイド(ラスターと2ショット
・もうどうでも(ry)ラスター(シェイドと2ショット
・また本当に何となくアレスさん
・何回目か解らない構図のアルディック
アルディック率の異常な高さとヘメティが居ない件。
ヘメティは気分が乗らないと上手く描けないのよ…その点アルディックは描きやすいんだよn(ry
カイザレっていうのは俺の新しい子。カイザレ=ヴィトリオール。
取り敢えずオリキャラメモ掲示板から全部コピペってみる。
カイザレ=ヴィトリオール
30歳の三十路なりたての科学者。
かなりの細身で、そんなに老けてもいない。要するに30とは思えない若さ。
短い茶髪を右分けにしており、眼の色は深緑。そして黒縁の眼鏡をかけている。
白衣の下には黒いシャツ、ズボンは濃い灰色の動きやすい物。
典型的な科学者の格好をしている、と言った方が伝わりやすいほどに地味な格好。
口調はかなり冷たく、他人を寄せ付けないような雰囲気を醸し出しているが、実はかなりのお菓子好き。
武器は護身用の二丁拳銃、そして塩酸や硫酸などの薬品。
過去に少しだけ魔術を習得している為、魔術も一応扱える。
護身用とはいえ、銃の腕はかなり高い。
一人称は「私」、二人称は「君」「お前」「貴方」等。
名前の「カイザレ」は「ボーカロイド初音ミク、カイトオリジナル曲『カンタレラ』より。
チェーザレとルクレチアの兄妹にちなんで、動画中ではそれぞれカイザレ・ミクレチアと
呼ばれている。題名のカンタレラは、チェーザレ・ボルジアが政敵の暗殺に使用したと
云われる秘伝の毒のこと」
姓の「ヴィトリオール」は「vitriol, 硫酸のことを示す」。
妻は既に病気で他界している(丁度2年前)
その時に科学者として何も出来なかった自分に対しての自責の念は凄まじい。
取り敢えず他の人のオリキャラと被ってたよ…しにてぇ\(^o^)/
・ファンデヴ(デフォ
・アルディック(デフォ
・サイラスのオッサン(初描きでファンデヴと2ショット
・アルディック(授業中の落書きでグロ
・アル(ry)(横顔とか
・ファンデヴ(サイラスと2ショットで
・初音ミクの無限の闇イメージしてファンデヴ
・初音ミクの無限の闇イメージしてラスター
・取り敢えずなんかソーマ
・何となくアレス
・もうどうにでもなれとクヴァシル
・数学のプリントの裏にカイザレ
・掲示板でかなりお世話になってる人のオリキャラ様
・もうどうでもいいのでシェイド(ラスターと2ショット
・もうどうでも(ry)ラスター(シェイドと2ショット
・また本当に何となくアレスさん
・何回目か解らない構図のアルディック
アルディック率の異常な高さとヘメティが居ない件。
ヘメティは気分が乗らないと上手く描けないのよ…その点アルディックは描きやすいんだよn(ry
カイザレっていうのは俺の新しい子。カイザレ=ヴィトリオール。
取り敢えずオリキャラメモ掲示板から全部コピペってみる。
カイザレ=ヴィトリオール
30歳の三十路なりたての科学者。
かなりの細身で、そんなに老けてもいない。要するに30とは思えない若さ。
短い茶髪を右分けにしており、眼の色は深緑。そして黒縁の眼鏡をかけている。
白衣の下には黒いシャツ、ズボンは濃い灰色の動きやすい物。
典型的な科学者の格好をしている、と言った方が伝わりやすいほどに地味な格好。
口調はかなり冷たく、他人を寄せ付けないような雰囲気を醸し出しているが、実はかなりのお菓子好き。
武器は護身用の二丁拳銃、そして塩酸や硫酸などの薬品。
過去に少しだけ魔術を習得している為、魔術も一応扱える。
護身用とはいえ、銃の腕はかなり高い。
一人称は「私」、二人称は「君」「お前」「貴方」等。
名前の「カイザレ」は「ボーカロイド初音ミク、カイトオリジナル曲『カンタレラ』より。
チェーザレとルクレチアの兄妹にちなんで、動画中ではそれぞれカイザレ・ミクレチアと
呼ばれている。題名のカンタレラは、チェーザレ・ボルジアが政敵の暗殺に使用したと
云われる秘伝の毒のこと」
姓の「ヴィトリオール」は「vitriol, 硫酸のことを示す」。
妻は既に病気で他界している(丁度2年前)
その時に科学者として何も出来なかった自分に対しての自責の念は凄まじい。
取り敢えず他の人のオリキャラと被ってたよ…しにてぇ\(^o^)/
お菓子くれなきゃ悪戯すんぜ!!
…母と母の友人が紅葉見に行ってます。行きたかったけど絵チャの方が気になる。
結局今年も絵が描けなかった(´・ω・`)
仕方ないからネタだけほっぽっとくよ!需要?ないんじゃね?
ヘメティが吸血鬼、ソーマが死神、シェイド大佐が包帯男でいい気がする。
っていうかヘメティ以外自前じゃねーかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
自前って楽ですよね!っていうかソーマはただ髑髏の仮面被って黒マント羽織ればそれで完成じゃnアッー
ヘメティはほんとに役が見つからない件。しょうがないからオッドアイってことでまあ頑張って吸血鬼にでもなるがいいさ!!←
ぶっちゃけた話こいつらがオリキャラ代表みたいな感じになってる気がwwww
まあいいけどね!大好きだおまいら!!
シェイドの自前が一番楽だろうな…(何
そういえば顔に傷ついてる奴って居ないなと思ったからシェイドにやった。だが後悔はしていない。
後で包帯なしVer.も描こうかなとか考えてる。でも最近オリジナルばっかりだしアルディック祭だし^p^
アルディックとレノの2ショット描きたくてしょうがないんですが!
Want to return見直すと駄文で目が痛い。
そして新型インフルの頭痛と熱の中で完結させた思い出が…(´;ω;`)ブワッ
取り敢えず、とりっくおあとりーと!!はっぴーはろうぃん!!
さっき超重たい感じの耳鳴りしてびびった。いやー最近多いな。
…母と母の友人が紅葉見に行ってます。行きたかったけど絵チャの方が気になる。
結局今年も絵が描けなかった(´・ω・`)
仕方ないからネタだけほっぽっとくよ!需要?ないんじゃね?
ヘメティが吸血鬼、ソーマが死神、シェイド大佐が包帯男でいい気がする。
っていうかヘメティ以外自前じゃねーかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
自前って楽ですよね!っていうかソーマはただ髑髏の仮面被って黒マント羽織ればそれで完成じゃnアッー
ヘメティはほんとに役が見つからない件。しょうがないからオッドアイってことでまあ頑張って吸血鬼にでもなるがいいさ!!←
ぶっちゃけた話こいつらがオリキャラ代表みたいな感じになってる気がwwww
まあいいけどね!大好きだおまいら!!
シェイドの自前が一番楽だろうな…(何
そういえば顔に傷ついてる奴って居ないなと思ったからシェイドにやった。だが後悔はしていない。
後で包帯なしVer.も描こうかなとか考えてる。でも最近オリジナルばっかりだしアルディック祭だし^p^
アルディックとレノの2ショット描きたくてしょうがないんですが!
Want to return見直すと駄文で目が痛い。
そして新型インフルの頭痛と熱の中で完結させた思い出が…(´;ω;`)ブワッ
取り敢えず、とりっくおあとりーと!!はっぴーはろうぃん!!
さっき超重たい感じの耳鳴りしてびびった。いやー最近多いな。
最近腹がキリキリ痛みます。
それを母に言ったら「神経性の腸炎か胃炎じゃねーの」と言われました。ぐふっ。
こっちで連載してるメイン小説がリレイズだけになってからというものの、自分の身体を顧みずに
「書きたい」という衝動で書き殴るということが本当に少なくなりました。
Wantはそういう意味ではかなり入れ込んでた作品ですね。
そうじゃなかったら新型インフルで38,8の熱出してる状態で最終話書かねーよwっていう。
いや、リレイズとかヘメティ達が嫌いって訳じゃない。
多分これは俺の心の持ちよう…ですよね。うん。
俺は前「自分が描きたいと思ってるシーンとそうじゃないシーンとの文章の差がありすぎる」と言われたことがあります。
なので今回もまたその類かと…最悪だな俺…
リグスペイアでの郊外戦が一番辛かったです。あれ一番書くの大変だった(´・ω・`)
白樺の小説でも始めたらいいんかな、こっちで。
それを母に言ったら「神経性の腸炎か胃炎じゃねーの」と言われました。ぐふっ。
こっちで連載してるメイン小説がリレイズだけになってからというものの、自分の身体を顧みずに
「書きたい」という衝動で書き殴るということが本当に少なくなりました。
Wantはそういう意味ではかなり入れ込んでた作品ですね。
そうじゃなかったら新型インフルで38,8の熱出してる状態で最終話書かねーよwっていう。
いや、リレイズとかヘメティ達が嫌いって訳じゃない。
多分これは俺の心の持ちよう…ですよね。うん。
俺は前「自分が描きたいと思ってるシーンとそうじゃないシーンとの文章の差がありすぎる」と言われたことがあります。
なので今回もまたその類かと…最悪だな俺…
リグスペイアでの郊外戦が一番辛かったです。あれ一番書くの大変だった(´・ω・`)
白樺の小説でも始めたらいいんかな、こっちで。
43歳と27歳のコンビはどうなんだろうか(サイラスとファンデヴ)
いや、それを言ったらアルディックとカラッド(29歳と16歳)もそうd…マスタング大佐とエドかよこいつら^p^p^p^
RELAYS - リレイズ - 34 【掃除】
「──というか何なんだこの紙の山は……」
「面倒だな」
「少しは整理した方が良いぞ、仕事の効率が上がる」
「兄サンの机が綺麗すぎるだけじゃね? 取り敢えずもうこれ面倒なんだけど」
「……逃げないでよ? 私だってちゃんとやってるんだから」
「逃げねーよ! ぶっちゃけ逃げたいけどな!!」
「仕方ないと思う。愚痴っても始まらない」
無理矢理掃除に参加させられた俺達は、巨大兵器の破損した部位や飛んできた資料等で酷い事になっている廊下を中腰で歩き回りながら掃除をしていた。
「取り敢えず、かなり度胸があると思うな、あの人は」
「そうですか?」
ゴミ袋を片手に、ネジや金属板、その他諸々の部品を拾い上げてはその中に放り込んでいたシェイド大佐が軍服の襟元を緩めながら言った。
「そうだろう。……堂々と大佐に掃除をさせるなんてな」
「……要するに怒ってるんですね、解ります」
「怒るに決まっているだろう! オレは何もしていないんだぞ!!」
確かにそうだが、ダグラスさんが『みんなで掃除しようよ!』と言ってしまったのだから仕方がない。
別に反論しても死刑とかはないに決まっている。ただ何となく反抗できないだけで。
あの人に逆らったら何があるか解ったもんじゃない。変な薬の実験台にされる可能性だってある。
実際研究班でそういう事になった人達を何回も見てきた。怖くて怖くてしょうがない。
「……自分のせいで、ごめん大佐」
今までほぼ無言で黙々と資料を集め、揃え、近くの部屋にあった机の上に置いていたファンデヴが不意に口を開き、大佐に向かって謝罪した。
「いや、お前のせいではない。こんなのをちゃんと強度のあるワイヤーで縛っておかなかった研究班が悪い」
「俺達のせいだって言いたいのか!」
そうだろ、どう考えても。何でそんな細いワイヤーなんだ。
ワイヤーの太さはせいぜい1,2ミリ程度だ。これだけ巨大な機械を拘束しておくにはどう見ても太さが足りない。
故障させたから大丈夫だ、ということでこうなったのかもしれないが、あんまりだろう。
「あー畜生……腰が痛ぇ」
「さすがオッサンだな」
「うるせェ誰がオッサンだ!! 20超えてるかどうかすら解らないような餓鬼に言われたくねぇよ!!」
「餓鬼じゃねぇ、オレはもう23だバーカ!!」
「馬鹿っていう奴が馬鹿なんだろうが!!」
「何だと、アンタの方が」
「煩い黙れ、どちらも馬鹿だ」
不毛な言い争いを続けていたサイラスとラスターさんを、ソーマが一言で黙らせた。これを鶴の一声っていうのか?
っていうかラスターさん23歳だったのか。まだ20歳くらいだと思っていたのに。
それにしても資料の種類──内容?が雑多すぎる。
何か訳の分からない薬品の調合法とか、複雑すぎてただの暗号にしか見えない数式とか、何が書いてあるのかさっぱり解らない物とかが溢れかえっている。
そして薬品の書類がまとめてクリップで留められているのかと思ったら、今度は能力者の旧名簿だったりする。何年前のなんだ。
若干この酷い惨状からの現実逃避も兼ねて、その旧名簿に目を通した。
俺の名前がどこにもない。恐らく俺が機関に来る前の名簿だ。ソーマの名前があったことに驚いたが。
俺は殺意のようなオーラが滲み出しているソーマの背中を見る。
一体こいつはどれだけの間、機関に所属しているのだろうか。
それが少し気になったが、ソーマが簡単に教えてくれる訳がない。どうせ『何故貴様に教えなければいけないんだ』と一蹴されるのがオチだ。
「──11年だ」
「え?」
一瞬心を見透かされたのかと思った。突然の言葉に、俺はソーマに聞き返す。
ソーマは俺の手から資料を取ると、それを読みながら答えた。
「俺がいつから此処に居たのか、それが訊きたいのだろう。だから答えただけだ」
「……何で解ったんだよ」
「旧名簿を見た後にこちらを見ていれば、すぐに解る」
資料を投げ捨てながら、小馬鹿にするような声音でソーマは告げた。
「って、何普通に投げてるんだ! 折角整理したのに!」
そんな俺の尤もな──自分でそう思っているだけかもしれないが──反論には答えないまま、ソーマは堂々と資料と機械の破片を踏みつけながらどこかに行ってしまった。
「11年……か」
今のソーマの年齢が18、ここに来たのが11年前──ということは、ソーマは7歳の頃から機関に所属していることになる。
どうしてそうなったのかは訊いてみなければ解らない。それに、あまり知りたいとも思わない。
勿論『今のところ』は、というだけだけれど。もしかしたら、今後知りたくなる事もあるかもしれない。
「はいはーいサボる暇があったらちゃんとやってねー」
「あ、すみませ……ダグラスさんが一番サボってません!?」
コーヒーカップを片手にのんびりと椅子に座りながら言われても困る。一番サボってるのは言っている本人だ。
「やだなー休憩だよこれは」
「休憩とは思えないんですけど」
「休憩って言ったら休憩」
本当に休憩ならコーヒーを自分で注いでゆっくりと飲むなんてしない……いや、この人ならしそうで怖い。何をしでかすか解らない人だから。
「──あれ、兄サンどうしたんだよ」
「包帯が邪魔で仕方がない。取る」
「え、いいのかよ?」
不意に聞こえた会話に、ダグラスさんから視線を外してそちらを見る。
シェイド大佐が、自分の後頭部に手を回して包帯を解いていた。
あれは邪魔だと思う。うん、絶対邪魔だ。
そういえば、イーナには『ただの怪我を隠すため』みたいな感じで話していたな、なんて事を思い出しながら、俺は資料を手にしたままで立っていた。
微かに衣擦れの音を残して、包帯が全てシェイド大佐の手の中に収まった。
「……やはり目立つか、傷は」
「いや、前に比べたらずっと目立たなくなってるけど。ホントに外して良かったのか?」
左頬の正面から見て斜め右下から鼻の辺りまで続いている傷痕と、髪の毛で隠れているが右の額に僅かに見える傷痕。
かなり時間は経っていると思うのだが、それは未だにはっきりと刻まれていた。
それを触りながらラスターさんと言葉を交わしている。
「──ああ、そういえばヘメティ達はオレの傷痕を見るのは初めてか。というよりも包帯を外す所さえ見ていなかったか」
俺の視線に気付いたのか、シェイド大佐が俺に近づきながら訊いてきた。
「そうですけど……その傷どうしたんですか?」
「数年前の戦いで、な。治っているから大丈夫だ。包帯を巻いているのは傷を隠す為でもあるが、それよりもオレ自身の趣味と言った方が正しいくらいだからな」
「どういう趣味ですか」
「格好いいだろう」
それは多分思春期の辺りに入ったほんの一部の子供が思う『眼帯とか血は格好いい』と同類な気がしてならない。
いや、本人の嗜好なのだからどうこう言うつもりはないけれど。
「あ、じゃあ私がむしり取っても大丈夫ってことね?」
「そうなるが──って、お前はいつの間にオレの後ろに居た!!」
「いや突っ込むところ違う! 何でむしり取っても良い感じになってるんですか!!」
本当にいつの間にイーナはシェイド大佐の後ろに立っていたんだ。しかも暗黒微笑ときている。
「だから換えの包帯だったら幾らでもあるから大丈夫だと言っているんだ」
大丈夫じゃないだろ、どう考えても。換えがあるから大丈夫、なんて。
「……にしても……傷、結構深かった?」
まるで患者の怪我の治りが遅いのを心配する医者のような目つきで、歩み寄ってきたファンデヴが問いかけた。
「確かに深かった。そうでなければ、傷痕がここまではっきりと残っているのもおかしい」
「やっぱりそうか。うん、いきなりごめん」
「おーいファンデヴ、あんまりふらふら歩き回るんじゃねぇぞー」
先程まで腰痛で唸っていたサイラスの声に、ファンデヴは「解ってる」とだけ返すとそちらの方へと今度は小走りで走っていった。
会ってから間もないのだから、相手がよく解らないのは仕方がないとは思う。
だが、ファンデヴの場合は色々扱いづらいというか、言動が意味深で対応しづらい。
元々そういう口調なのか、意図的にこうしているのかは知らないが、話し方も特徴的すぎてどう返したらいいのか少し戸惑ってしまう。
「……まあ、これから少しずつ慣れていけば大丈夫か」
最初はソーマもかなり戸惑った。何を言っても黙れとしか言われなかった。
それでも時間が経つに連れて結構上手く会話できるようにはなった。結局は『慣れ』なのだと思う。
だからきっと、何れはファンデヴともちゃんと話せるようになる。
それよりも、まずはこの惨状をどうにかするのが先決だ。早く終わらせないとこの後に色々響く。
俺はそう考えながら、取り敢えず手当たり次第に資料を手に取った。
真面目に掃除してるのはファンデヴとシェイドだけだったりする←
いや、それを言ったらアルディックとカラッド(29歳と16歳)もそうd…マスタング大佐とエドかよこいつら^p^p^p^
RELAYS - リレイズ - 34 【掃除】
「──というか何なんだこの紙の山は……」
「面倒だな」
「少しは整理した方が良いぞ、仕事の効率が上がる」
「兄サンの机が綺麗すぎるだけじゃね? 取り敢えずもうこれ面倒なんだけど」
「……逃げないでよ? 私だってちゃんとやってるんだから」
「逃げねーよ! ぶっちゃけ逃げたいけどな!!」
「仕方ないと思う。愚痴っても始まらない」
無理矢理掃除に参加させられた俺達は、巨大兵器の破損した部位や飛んできた資料等で酷い事になっている廊下を中腰で歩き回りながら掃除をしていた。
「取り敢えず、かなり度胸があると思うな、あの人は」
「そうですか?」
ゴミ袋を片手に、ネジや金属板、その他諸々の部品を拾い上げてはその中に放り込んでいたシェイド大佐が軍服の襟元を緩めながら言った。
「そうだろう。……堂々と大佐に掃除をさせるなんてな」
「……要するに怒ってるんですね、解ります」
「怒るに決まっているだろう! オレは何もしていないんだぞ!!」
確かにそうだが、ダグラスさんが『みんなで掃除しようよ!』と言ってしまったのだから仕方がない。
別に反論しても死刑とかはないに決まっている。ただ何となく反抗できないだけで。
あの人に逆らったら何があるか解ったもんじゃない。変な薬の実験台にされる可能性だってある。
実際研究班でそういう事になった人達を何回も見てきた。怖くて怖くてしょうがない。
「……自分のせいで、ごめん大佐」
今までほぼ無言で黙々と資料を集め、揃え、近くの部屋にあった机の上に置いていたファンデヴが不意に口を開き、大佐に向かって謝罪した。
「いや、お前のせいではない。こんなのをちゃんと強度のあるワイヤーで縛っておかなかった研究班が悪い」
「俺達のせいだって言いたいのか!」
そうだろ、どう考えても。何でそんな細いワイヤーなんだ。
ワイヤーの太さはせいぜい1,2ミリ程度だ。これだけ巨大な機械を拘束しておくにはどう見ても太さが足りない。
故障させたから大丈夫だ、ということでこうなったのかもしれないが、あんまりだろう。
「あー畜生……腰が痛ぇ」
「さすがオッサンだな」
「うるせェ誰がオッサンだ!! 20超えてるかどうかすら解らないような餓鬼に言われたくねぇよ!!」
「餓鬼じゃねぇ、オレはもう23だバーカ!!」
「馬鹿っていう奴が馬鹿なんだろうが!!」
「何だと、アンタの方が」
「煩い黙れ、どちらも馬鹿だ」
不毛な言い争いを続けていたサイラスとラスターさんを、ソーマが一言で黙らせた。これを鶴の一声っていうのか?
っていうかラスターさん23歳だったのか。まだ20歳くらいだと思っていたのに。
それにしても資料の種類──内容?が雑多すぎる。
何か訳の分からない薬品の調合法とか、複雑すぎてただの暗号にしか見えない数式とか、何が書いてあるのかさっぱり解らない物とかが溢れかえっている。
そして薬品の書類がまとめてクリップで留められているのかと思ったら、今度は能力者の旧名簿だったりする。何年前のなんだ。
若干この酷い惨状からの現実逃避も兼ねて、その旧名簿に目を通した。
俺の名前がどこにもない。恐らく俺が機関に来る前の名簿だ。ソーマの名前があったことに驚いたが。
俺は殺意のようなオーラが滲み出しているソーマの背中を見る。
一体こいつはどれだけの間、機関に所属しているのだろうか。
それが少し気になったが、ソーマが簡単に教えてくれる訳がない。どうせ『何故貴様に教えなければいけないんだ』と一蹴されるのがオチだ。
「──11年だ」
「え?」
一瞬心を見透かされたのかと思った。突然の言葉に、俺はソーマに聞き返す。
ソーマは俺の手から資料を取ると、それを読みながら答えた。
「俺がいつから此処に居たのか、それが訊きたいのだろう。だから答えただけだ」
「……何で解ったんだよ」
「旧名簿を見た後にこちらを見ていれば、すぐに解る」
資料を投げ捨てながら、小馬鹿にするような声音でソーマは告げた。
「って、何普通に投げてるんだ! 折角整理したのに!」
そんな俺の尤もな──自分でそう思っているだけかもしれないが──反論には答えないまま、ソーマは堂々と資料と機械の破片を踏みつけながらどこかに行ってしまった。
「11年……か」
今のソーマの年齢が18、ここに来たのが11年前──ということは、ソーマは7歳の頃から機関に所属していることになる。
どうしてそうなったのかは訊いてみなければ解らない。それに、あまり知りたいとも思わない。
勿論『今のところ』は、というだけだけれど。もしかしたら、今後知りたくなる事もあるかもしれない。
「はいはーいサボる暇があったらちゃんとやってねー」
「あ、すみませ……ダグラスさんが一番サボってません!?」
コーヒーカップを片手にのんびりと椅子に座りながら言われても困る。一番サボってるのは言っている本人だ。
「やだなー休憩だよこれは」
「休憩とは思えないんですけど」
「休憩って言ったら休憩」
本当に休憩ならコーヒーを自分で注いでゆっくりと飲むなんてしない……いや、この人ならしそうで怖い。何をしでかすか解らない人だから。
「──あれ、兄サンどうしたんだよ」
「包帯が邪魔で仕方がない。取る」
「え、いいのかよ?」
不意に聞こえた会話に、ダグラスさんから視線を外してそちらを見る。
シェイド大佐が、自分の後頭部に手を回して包帯を解いていた。
あれは邪魔だと思う。うん、絶対邪魔だ。
そういえば、イーナには『ただの怪我を隠すため』みたいな感じで話していたな、なんて事を思い出しながら、俺は資料を手にしたままで立っていた。
微かに衣擦れの音を残して、包帯が全てシェイド大佐の手の中に収まった。
「……やはり目立つか、傷は」
「いや、前に比べたらずっと目立たなくなってるけど。ホントに外して良かったのか?」
左頬の正面から見て斜め右下から鼻の辺りまで続いている傷痕と、髪の毛で隠れているが右の額に僅かに見える傷痕。
かなり時間は経っていると思うのだが、それは未だにはっきりと刻まれていた。
それを触りながらラスターさんと言葉を交わしている。
「──ああ、そういえばヘメティ達はオレの傷痕を見るのは初めてか。というよりも包帯を外す所さえ見ていなかったか」
俺の視線に気付いたのか、シェイド大佐が俺に近づきながら訊いてきた。
「そうですけど……その傷どうしたんですか?」
「数年前の戦いで、な。治っているから大丈夫だ。包帯を巻いているのは傷を隠す為でもあるが、それよりもオレ自身の趣味と言った方が正しいくらいだからな」
「どういう趣味ですか」
「格好いいだろう」
それは多分思春期の辺りに入ったほんの一部の子供が思う『眼帯とか血は格好いい』と同類な気がしてならない。
いや、本人の嗜好なのだからどうこう言うつもりはないけれど。
「あ、じゃあ私がむしり取っても大丈夫ってことね?」
「そうなるが──って、お前はいつの間にオレの後ろに居た!!」
「いや突っ込むところ違う! 何でむしり取っても良い感じになってるんですか!!」
本当にいつの間にイーナはシェイド大佐の後ろに立っていたんだ。しかも暗黒微笑ときている。
「だから換えの包帯だったら幾らでもあるから大丈夫だと言っているんだ」
大丈夫じゃないだろ、どう考えても。換えがあるから大丈夫、なんて。
「……にしても……傷、結構深かった?」
まるで患者の怪我の治りが遅いのを心配する医者のような目つきで、歩み寄ってきたファンデヴが問いかけた。
「確かに深かった。そうでなければ、傷痕がここまではっきりと残っているのもおかしい」
「やっぱりそうか。うん、いきなりごめん」
「おーいファンデヴ、あんまりふらふら歩き回るんじゃねぇぞー」
先程まで腰痛で唸っていたサイラスの声に、ファンデヴは「解ってる」とだけ返すとそちらの方へと今度は小走りで走っていった。
会ってから間もないのだから、相手がよく解らないのは仕方がないとは思う。
だが、ファンデヴの場合は色々扱いづらいというか、言動が意味深で対応しづらい。
元々そういう口調なのか、意図的にこうしているのかは知らないが、話し方も特徴的すぎてどう返したらいいのか少し戸惑ってしまう。
「……まあ、これから少しずつ慣れていけば大丈夫か」
最初はソーマもかなり戸惑った。何を言っても黙れとしか言われなかった。
それでも時間が経つに連れて結構上手く会話できるようにはなった。結局は『慣れ』なのだと思う。
だからきっと、何れはファンデヴともちゃんと話せるようになる。
それよりも、まずはこの惨状をどうにかするのが先決だ。早く終わらせないとこの後に色々響く。
俺はそう考えながら、取り敢えず手当たり次第に資料を手に取った。
真面目に掃除してるのはファンデヴとシェイドだけだったりする←
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こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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