I permanently serve you. NeroAngelo
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上がってきた!!テンション上がってきた!!!
さあ書くぜ!!
昨日休んでサーセン!
サンドリヨンてんしょんあがるよ!!
久しぶりに夢喰でも更新しますぜ。
……今日和?今晩和でしょうか?それともお早う?
俺の仕事の時間は決まって夜ですから、今晩和でしょうか。
さあ、仕事の時間です。
──夢から覚めたく、ないなぁ……
私は以前、そう願っていたんだ。
それをずっと、ずっと願っていたら──本当になるかもしれないって。
なるはずが、ない──
夢喰 3
私が願う理由は、現実が嫌だから。
でも、死にたくない。
友達もいる。友達と居るときが一番楽しい。
それは裏を返せば、それ以外の時間は全て辛いということ。
だったら、夢の中の方がいいでしょう?
そう、私は考えていたんだ。
誰かが言っていた。
『その願いを、強く願えば、必ず叶う』
──その通り。
今だから言えるけど……
私はその願い通り、目覚めなくなった。
ここからは私の姉から聞いた話になる。
ちゃんと心臓は動いていたらしいし、死んだわけではないのだということは解る。
要するに……植物状態と言った方がいいのだろうか。
ともかく、私はそんな感じだったらしい。
残っている写真に写っている、静かに眠っている私は、穏やかに微笑んでいた。
凄く、幸せそうに。
私は、姉だけに「夢から覚めたくないと思う」ということを話していた。
私がこの状態になったとき、姉が真っ先に思い至ったのはこの事だったのだろう。
「夢から覚めたくない、って、彼女自身が願ってるんじゃないか」
姉は、医者にそう言ったらしい。
それを聞いた医者は全員サジを投げ出した、とも聞いている。
まあ当然と言えば当然だろう。
「夢のせい等、有り得るわけがない」
でも姉はそこを譲らなかった。
そう、だからこそ──
そんな姉だからこそ。
『彼』の存在を信じ、助けて欲しいと願ったのかもしれない
姉が話してくれたことを、全てまとめて話すと──
夜の2時前。
妹の病室で、私はずっと待ち続けていた。
『彼』が来ることを信じて、ずっと。
光源は、病室にある機械の明かりと、開け放たれた窓から射し込んでくる微かな月明かりだけだった。
彼ならきっと、助けてくれる。
夢を消してくれる、彼なら……
妹を、夢から覚ましてくれるかもしれない。
私の腕時計の針が、2時を指した。
──お願いします。
どうか、どうか
「妹を、助けて……っ!」
私は祈るように手を合わせ、絞り出すように呟いた。
気付けば、私の頬には涙が伝っていた。
何で私は泣いているんだろう。
私は涙を拭わずに、窓の外を見た。
誰も、来る気配はない。
彼──夢喰が窓から入ってくることも、私は事前に知っていた。
私の友達で、実際に会った人が居たのだ。
その人から聞いたこと。
「夢喰さんは窓から入ってくるんだよ」
でも、来る気配はない。
私はその場に座り込んだ。
もう、私に出来ることも何もない──
私がそう思い、病室を出ようとしたときだった。
カーテンが、微かに揺れた。
その音に、私は弾かれたように振り返った。
・・・さーせん・・・ここで・・・一旦・・・バタッ
ショタデスヨンの調教が上手い件←
さあ書くぜ!!
昨日休んでサーセン!
サンドリヨンてんしょんあがるよ!!
久しぶりに夢喰でも更新しますぜ。
……今日和?今晩和でしょうか?それともお早う?
俺の仕事の時間は決まって夜ですから、今晩和でしょうか。
さあ、仕事の時間です。
──夢から覚めたく、ないなぁ……
私は以前、そう願っていたんだ。
それをずっと、ずっと願っていたら──本当になるかもしれないって。
なるはずが、ない──
夢喰 3
私が願う理由は、現実が嫌だから。
でも、死にたくない。
友達もいる。友達と居るときが一番楽しい。
それは裏を返せば、それ以外の時間は全て辛いということ。
だったら、夢の中の方がいいでしょう?
そう、私は考えていたんだ。
誰かが言っていた。
『その願いを、強く願えば、必ず叶う』
──その通り。
今だから言えるけど……
私はその願い通り、目覚めなくなった。
ここからは私の姉から聞いた話になる。
ちゃんと心臓は動いていたらしいし、死んだわけではないのだということは解る。
要するに……植物状態と言った方がいいのだろうか。
ともかく、私はそんな感じだったらしい。
残っている写真に写っている、静かに眠っている私は、穏やかに微笑んでいた。
凄く、幸せそうに。
私は、姉だけに「夢から覚めたくないと思う」ということを話していた。
私がこの状態になったとき、姉が真っ先に思い至ったのはこの事だったのだろう。
「夢から覚めたくない、って、彼女自身が願ってるんじゃないか」
姉は、医者にそう言ったらしい。
それを聞いた医者は全員サジを投げ出した、とも聞いている。
まあ当然と言えば当然だろう。
「夢のせい等、有り得るわけがない」
でも姉はそこを譲らなかった。
そう、だからこそ──
そんな姉だからこそ。
『彼』の存在を信じ、助けて欲しいと願ったのかもしれない
姉が話してくれたことを、全てまとめて話すと──
夜の2時前。
妹の病室で、私はずっと待ち続けていた。
『彼』が来ることを信じて、ずっと。
光源は、病室にある機械の明かりと、開け放たれた窓から射し込んでくる微かな月明かりだけだった。
彼ならきっと、助けてくれる。
夢を消してくれる、彼なら……
妹を、夢から覚ましてくれるかもしれない。
私の腕時計の針が、2時を指した。
──お願いします。
どうか、どうか
「妹を、助けて……っ!」
私は祈るように手を合わせ、絞り出すように呟いた。
気付けば、私の頬には涙が伝っていた。
何で私は泣いているんだろう。
私は涙を拭わずに、窓の外を見た。
誰も、来る気配はない。
彼──夢喰が窓から入ってくることも、私は事前に知っていた。
私の友達で、実際に会った人が居たのだ。
その人から聞いたこと。
「夢喰さんは窓から入ってくるんだよ」
でも、来る気配はない。
私はその場に座り込んだ。
もう、私に出来ることも何もない──
私がそう思い、病室を出ようとしたときだった。
カーテンが、微かに揺れた。
その音に、私は弾かれたように振り返った。
・・・さーせん・・・ここで・・・一旦・・・バタッ
ショタデスヨンの調教が上手い件←
PR
……今日は仕事がないようです。
しかし暇ですねえ──
……そうだ。
俺の話をしましょうか。
今回は、俺が生み出されたときの話でも。
夢喰 - ANOTHER - 1
俺が生み出されたのがいつだったのか、それはもうよく覚えていません。
ずっと前だった気もするし、つい最近だった気もするんです。
ただ覚えていることは──俺を作ったと思われる人物の言った言葉。
冷たい機械的な声でただ一言、こう言ったんです。
『夢を喰らえ』
意識が覚醒したばかりでぼんやりしている頭で唐突に言われたんですよ。
意味を汲み取れなくて、俺は聞き返したんです。
「どういう事だ」と。
『夢に絶望している人間の、夢を消し去ればいい』
その声は淡々と言いました。
やっとそこで「そういうことか」と理解できたんですがね。
ただ……
実は俺、最初は本当に乗り気じゃなかったんです。
そんな面倒な事なんてしてられるか、と。
あ、今ではそんなことないですよ?
この『仕事』に誇りだって持てるようになりましたし、ね。
俺の最初の仕事は、ある青年の夢を取り除く事でした。
その人は夢に固執しすぎていて、生活できないくらいの人で……
『少しで良い、彼が普通に生活を送れるくらいまで、夢を消してくれと──』
声の主から、俺を生んだ本人からそう言われました。
それを聞いたときは本当に嫌でしたね…
面倒以前に、そういう人間の相手なんてできないと思っていましたから。
そう思っていても、やらなければならなかった。
だから俺は、彼の夢を少しだけ。
名前通り、文字通り、意味通り──『喰らった』んです。
あの時は「こんな事をして何になるんだ」と……
いやぁ、お恥ずかしい。
今とは全然違いますね。
1週間くらいしてから、俺は自主的に彼の様子を見に行ったんです。
そうしたら、彼は普通に生活していました。
朝起きて、仕事場に行って、家に帰って、寝て──
それを見て俺は思ったんです。
「ああ、俺がやったことで救われた人が居るんだな」
その日から俺は、『夢喰』として仕事をして生きていくことに決めたんです。
それが、俺のするべきことならば…と。
──そして、今に至る訳です。
少し長くなりましたね。すみません。
思い出話は、話し出すと止まらないもので……
……ああ、もうこんな時間ですか。
調度良く、仕事が来たようですね──
では、今日はこの辺で。
良い夢を。
しかし暇ですねえ──
……そうだ。
俺の話をしましょうか。
今回は、俺が生み出されたときの話でも。
夢喰 - ANOTHER - 1
俺が生み出されたのがいつだったのか、それはもうよく覚えていません。
ずっと前だった気もするし、つい最近だった気もするんです。
ただ覚えていることは──俺を作ったと思われる人物の言った言葉。
冷たい機械的な声でただ一言、こう言ったんです。
『夢を喰らえ』
意識が覚醒したばかりでぼんやりしている頭で唐突に言われたんですよ。
意味を汲み取れなくて、俺は聞き返したんです。
「どういう事だ」と。
『夢に絶望している人間の、夢を消し去ればいい』
その声は淡々と言いました。
やっとそこで「そういうことか」と理解できたんですがね。
ただ……
実は俺、最初は本当に乗り気じゃなかったんです。
そんな面倒な事なんてしてられるか、と。
あ、今ではそんなことないですよ?
この『仕事』に誇りだって持てるようになりましたし、ね。
俺の最初の仕事は、ある青年の夢を取り除く事でした。
その人は夢に固執しすぎていて、生活できないくらいの人で……
『少しで良い、彼が普通に生活を送れるくらいまで、夢を消してくれと──』
声の主から、俺を生んだ本人からそう言われました。
それを聞いたときは本当に嫌でしたね…
面倒以前に、そういう人間の相手なんてできないと思っていましたから。
そう思っていても、やらなければならなかった。
だから俺は、彼の夢を少しだけ。
名前通り、文字通り、意味通り──『喰らった』んです。
あの時は「こんな事をして何になるんだ」と……
いやぁ、お恥ずかしい。
今とは全然違いますね。
1週間くらいしてから、俺は自主的に彼の様子を見に行ったんです。
そうしたら、彼は普通に生活していました。
朝起きて、仕事場に行って、家に帰って、寝て──
それを見て俺は思ったんです。
「ああ、俺がやったことで救われた人が居るんだな」
その日から俺は、『夢喰』として仕事をして生きていくことに決めたんです。
それが、俺のするべきことならば…と。
──そして、今に至る訳です。
少し長くなりましたね。すみません。
思い出話は、話し出すと止まらないもので……
……ああ、もうこんな時間ですか。
調度良く、仕事が来たようですね──
では、今日はこの辺で。
良い夢を。
……おや?
仕事の時間のようですね?
今日の依頼人さんは、少し不思議な人ですが……
──チッ
また今日も……
夢なんて見たくないんだ
誰でもいい。誰でもいいんだ。
俺の夢──
夢喰 2
単刀直入に言う。
俺は夢が嫌いだ。
悪夢なんて以ての外だし、というか、夢自体が嫌いなのだ。
何故?
俺の周りの人間──といっても、母や家族だけだが。みんなそう聞く。
答えは簡単だろ?
「現実との違いに絶望するんだよ」
俺の定型文。
小学時代から虐めに遭って?
その時の友達から裏切られて?
中学に行って友達できたと思えば裏切られて?
高校行っても──変わらなくて?
俺はもう、現実なんてこんなモンだと思っている。
腐っていて、馬鹿げている……
でも現実を割り切れない。
女々しいな、俺……
その理由は簡単だ。
俺はどうやら夢を見やすいらしい。
毎日と言って良いほど、色んな夢を見る。見てしまう。
その夢は、悪夢だったり、俺の願望だったり、凄くいい夢だったり──様々で。
悪夢だったら『まだいい』。
現実の辛さとそんなに変わらないから。
だがいい夢だとどうだ?
現実との違いに嫌になる。
俺はこの夢みたいな世界を望んでいた──俺は好きでこんな──何で──どうして。
色々な考えが頭を駆けめぐる。
これさえなければ、かなり精神的に楽なのだ。
だから俺は思う。
夢を見たくないと。
俺は最近学校に行っていない。
学校なんて、行くだけ無駄だ。
どうせいつも毎日、同じ事の繰り返しで……
靴を隠される?ああ、日常茶飯事だな。
無視される?……いつからだっけ?覚えてないな。
あいつらは俺が居なくてどうだろうか?
邪魔者が来ないだけであいつらはいいだろう……
それか暇潰しできなくて憂鬱か?
興味なんて無いけどな。
俺はそう考えながら、パソコンを弄っていた。
いつも行く掲示板。
ここになら、俺の居場所がある。
まあいつどうなるか解ったモンじゃないから警戒は解いていない。
文面ではフレンドリーに。心の奥底では疑い続ける。
それが俺。
その時、俺はある書き込みを見つけた。
『そういえば──さ、夢が苦手だって言ってなかったか?』
俺宛だ。
ああ、そういえば言ったな。
『言ってたけど、それがどうかしたのか?』
俺はそれに返信する。
するとすぐに答えが来た。
もしかして暇なのか?俺もだから他人のことは言えないけど。
『何かさ、夢を消してくれるっていうのがあるみたいだよ』
『聞いたことはあるけど、詳しくは知らないな』
それにまた返信。
『夢喰っていうの、──知らないか?』
それか。
以前聞いたことはある。
だが、下らない都市伝説だと思って聞き流していた。
そいつの話によると、どうやら呼び出し方とかいうのがあるらしい。
そいつに「その呼び出し方を教えてくれ」と返信する。
まさか「夢喰さんお願いしまーす」なんて電話かけろ、とか──それはないか。
俺はそいつから『夢喰さん』の呼び出し方を教えて貰った。
そして今俺は、それを試そうとしている。
2時まで起きているのなんか、何の苦でもない。
俺にとっての午前2時は、朝の10時と同じ事だ。
時計の針が2時へ動く。
俺は呼び出すための呪文のような言葉を呟く。
「っと……夢喰、さん」
「どうか俺の夢を」
「俺の夢を──……消してくれッ……!」
もう、苦しみたくないんだよ──!
俺は伏せていた顔を上げる。
目の前に掛けられている壁掛け時計の針が、2時5分になっている。
それを見た瞬間、俺の身体の力が抜けた。
俺は耐えきれず、その場に座り込む。
クソッ──
やっぱり嘘だったんじゃないか……
俺がため息をついたときだった。
──カラカラ…
どこかから、窓を開けるような音が聞こえた。
『す、すみません──遅れました』
肩で息をしながら、そいつは絶え絶えに言った。
そいつが居るのは、俺の部屋の窓。
「あんた、誰だよ?こんな時間に…不法侵入で訴えるぜ?」
『それは誠に申し訳ございません。今日は少し『仕事』が多くて』
……俺は何を分かり切った質問をこいつにしているんだ。
こいつを呼んだのは──俺じゃないか。
「仕事か──ご苦労な事だ、夢喰サン」
『今日の仕事は君で終わりですから、大丈夫ですよ。』
『──初めまして。夢喰です』
分かり切ってはいたが、その名前を本人から聞き、俺は無意識の内に笑っていた。
「あんた、本当に──」
『ええ、夢を消してくれと言うのなら』
笑ったままで答える夢喰に、俺は言った。
「俺の夢、全部全部何もかも──消してくれ」
俺の言葉に、夢喰は意外そうな顔をした。
『全部を消してくれとは、珍しい……君はそれでいいのですか?』
「何がだ?」
『君は今まで、今でも辛い状況に居るようですが……未来もそうだと言えるでしょうか?』
「言えるね」
『夢が無くても君は──生きていけますか?』
「逆に夢があるから生きていけないな。ただ辛いだけさ」
『──君は、大人になってから……後悔しませんね?』
「後悔?そんなモンする訳ないだろ?」
『……解りました。』
夢喰は微かに悲しそうな表情をしたが、俺はそれを軽く受け流した。
その日から、俺は夢を見なくなった。
凄く、気持ちが楽になった。
『この時』は……
今、俺は大人として、社会人として、生活している。
だが、何にもやる気を見出せない。
あの頃よりは凄く……いいはずなのに。
会社の奴から信頼されて、幸せなはずなのに──
何でこんなに、俺は辛いんだ?
今、俺は会社のビルの屋上に居る。
下を見下ろす。
誰も居ない。誰も、誰も。
俺は答えを見つけたんだ。
「あんたの言ったことが──正しかったよ……夢喰サン」
あの頃の俺は、なんて馬鹿だったんだろう。
だが、今思っても後の祭りだ。
今の俺に、『夢』はない。
今の俺に
その日、俺は世界から姿を消した。
仕事の時間のようですね?
今日の依頼人さんは、少し不思議な人ですが……
──チッ
また今日も……
夢なんて見たくないんだ
誰でもいい。誰でもいいんだ。
俺の夢──
夢喰 2
単刀直入に言う。
俺は夢が嫌いだ。
悪夢なんて以ての外だし、というか、夢自体が嫌いなのだ。
何故?
俺の周りの人間──といっても、母や家族だけだが。みんなそう聞く。
答えは簡単だろ?
「現実との違いに絶望するんだよ」
俺の定型文。
小学時代から虐めに遭って?
その時の友達から裏切られて?
中学に行って友達できたと思えば裏切られて?
高校行っても──変わらなくて?
俺はもう、現実なんてこんなモンだと思っている。
腐っていて、馬鹿げている……
でも現実を割り切れない。
女々しいな、俺……
その理由は簡単だ。
俺はどうやら夢を見やすいらしい。
毎日と言って良いほど、色んな夢を見る。見てしまう。
その夢は、悪夢だったり、俺の願望だったり、凄くいい夢だったり──様々で。
悪夢だったら『まだいい』。
現実の辛さとそんなに変わらないから。
だがいい夢だとどうだ?
現実との違いに嫌になる。
俺はこの夢みたいな世界を望んでいた──俺は好きでこんな──何で──どうして。
色々な考えが頭を駆けめぐる。
これさえなければ、かなり精神的に楽なのだ。
だから俺は思う。
夢を見たくないと。
俺は最近学校に行っていない。
学校なんて、行くだけ無駄だ。
どうせいつも毎日、同じ事の繰り返しで……
靴を隠される?ああ、日常茶飯事だな。
無視される?……いつからだっけ?覚えてないな。
あいつらは俺が居なくてどうだろうか?
邪魔者が来ないだけであいつらはいいだろう……
それか暇潰しできなくて憂鬱か?
興味なんて無いけどな。
俺はそう考えながら、パソコンを弄っていた。
いつも行く掲示板。
ここになら、俺の居場所がある。
まあいつどうなるか解ったモンじゃないから警戒は解いていない。
文面ではフレンドリーに。心の奥底では疑い続ける。
それが俺。
その時、俺はある書き込みを見つけた。
『そういえば──さ、夢が苦手だって言ってなかったか?』
俺宛だ。
ああ、そういえば言ったな。
『言ってたけど、それがどうかしたのか?』
俺はそれに返信する。
するとすぐに答えが来た。
もしかして暇なのか?俺もだから他人のことは言えないけど。
『何かさ、夢を消してくれるっていうのがあるみたいだよ』
『聞いたことはあるけど、詳しくは知らないな』
それにまた返信。
『夢喰っていうの、──知らないか?』
それか。
以前聞いたことはある。
だが、下らない都市伝説だと思って聞き流していた。
そいつの話によると、どうやら呼び出し方とかいうのがあるらしい。
そいつに「その呼び出し方を教えてくれ」と返信する。
まさか「夢喰さんお願いしまーす」なんて電話かけろ、とか──それはないか。
俺はそいつから『夢喰さん』の呼び出し方を教えて貰った。
そして今俺は、それを試そうとしている。
2時まで起きているのなんか、何の苦でもない。
俺にとっての午前2時は、朝の10時と同じ事だ。
時計の針が2時へ動く。
俺は呼び出すための呪文のような言葉を呟く。
「っと……夢喰、さん」
「どうか俺の夢を」
「俺の夢を──……消してくれッ……!」
もう、苦しみたくないんだよ──!
俺は伏せていた顔を上げる。
目の前に掛けられている壁掛け時計の針が、2時5分になっている。
それを見た瞬間、俺の身体の力が抜けた。
俺は耐えきれず、その場に座り込む。
クソッ──
やっぱり嘘だったんじゃないか……
俺がため息をついたときだった。
──カラカラ…
どこかから、窓を開けるような音が聞こえた。
『す、すみません──遅れました』
肩で息をしながら、そいつは絶え絶えに言った。
そいつが居るのは、俺の部屋の窓。
「あんた、誰だよ?こんな時間に…不法侵入で訴えるぜ?」
『それは誠に申し訳ございません。今日は少し『仕事』が多くて』
……俺は何を分かり切った質問をこいつにしているんだ。
こいつを呼んだのは──俺じゃないか。
「仕事か──ご苦労な事だ、夢喰サン」
『今日の仕事は君で終わりですから、大丈夫ですよ。』
『──初めまして。夢喰です』
分かり切ってはいたが、その名前を本人から聞き、俺は無意識の内に笑っていた。
「あんた、本当に──」
『ええ、夢を消してくれと言うのなら』
笑ったままで答える夢喰に、俺は言った。
「俺の夢、全部全部何もかも──消してくれ」
俺の言葉に、夢喰は意外そうな顔をした。
『全部を消してくれとは、珍しい……君はそれでいいのですか?』
「何がだ?」
『君は今まで、今でも辛い状況に居るようですが……未来もそうだと言えるでしょうか?』
「言えるね」
『夢が無くても君は──生きていけますか?』
「逆に夢があるから生きていけないな。ただ辛いだけさ」
『──君は、大人になってから……後悔しませんね?』
「後悔?そんなモンする訳ないだろ?」
『……解りました。』
夢喰は微かに悲しそうな表情をしたが、俺はそれを軽く受け流した。
その日から、俺は夢を見なくなった。
凄く、気持ちが楽になった。
『この時』は……
今、俺は大人として、社会人として、生活している。
だが、何にもやる気を見出せない。
あの頃よりは凄く……いいはずなのに。
会社の奴から信頼されて、幸せなはずなのに──
何でこんなに、俺は辛いんだ?
今、俺は会社のビルの屋上に居る。
下を見下ろす。
誰も居ない。誰も、誰も。
俺は答えを見つけたんだ。
「あんたの言ったことが──正しかったよ……夢喰サン」
あの頃の俺は、なんて馬鹿だったんだろう。
だが、今思っても後の祭りだ。
今の俺に、『夢』はない。
今の俺に
その日、俺は世界から姿を消した。
───うーん…
またどこかで泣いてるね…?
私は、ベッドの中で震えていた。
また、あの夢を見た。
もう嫌だ、夢なんて見たくないのに
お願いします。
私の夢を消してください
夢喰 1
私には、夜に決まって見る夢がある。
本当に小さい頃にあった、大切な人の夢。
私には4つ上の兄が『居た』。
今はもう───居ない。
私が5歳くらいの頃、交通事故で居なくなった。
あの頃の私は、死というモノを全く理解していなかった。
だからいつか、兄が帰ってくると思ってたんだ。
もう帰ってこないと気付いたのは、12歳の頃。
かなり遅いのだろう。
私もそれは自分で理解していたから、誰にも言っていない。
そしてその日から、私はその夢を見るようになってしまった。
酷いノイズにブレーキ音に、悲鳴に…泣き声。
その泣き声が私のモノだと気付いたのは、夢を見るようになってから1年くらい経ったある日。
調度、中学1年生になった頃。
それを知ってから、余計にその夢は鮮明になって、私を苦しめた。
見始めてから、もう3年近くが経つ。
私はもう高校生で。
兄はもう高校卒業してて。
もしかしたら大学に行ってるかもしれなくて…
もう嫌なのに、何で見なくちゃいけないの
思いながら、私は学校に行った。
私は自分の席で、友達が来るまでの少しの間、気持ちを落ち着かせる。
辛いけど、友達に心配は掛けたくないから。
そう考えていると、突然肩を叩かれた。
「おはよう!」
「おはよう」
友達は私の前の自分の席に座った。
私はただ、友達の話に相槌を打ちながら、どうやったらあの夢が消えるのかを
ぼんやりと考えていた。
「あ、そうそう、知ってる?」
「何が?」
「『ムクロ』」
「───へっ?」
唐突に言われ、私は間の抜けた声を出してしまった。
「何かね、そういう幽霊みたいなのが居るんだって」
「また都市伝説?」
「だと思うけど、その内容が面白いんだって」
少し興味を引かれ、友達の話を真面目に聞いてみる。
「何かね───…」
「自分の見る夢を、消してくれるらしいよ」
その言葉に、私の思考が一瞬止まった。
『夢を消してくれる』
私が求めて已まないモノ。
「それホントなの!?」
「いや都市伝説でしょ!つーかあんたもさっきそう言ってたじゃん!」
そりゃそうだけど、そういうのがあると言われて黙ってはいられない。
「でもその噂があるってことは、もちろん呼び出し方みたいなものも存在してるんだよね?」
「あんた本気にしちゃったね…まあしょうがないか。」
友達は、私の悩みや夢のことを理解してくれる唯一の人だ。
「午前2時に、自分の見たくない夢のことを思い浮かべながら」
「うん」
「『ムクロさん、お願いします、私の夢を消して下さい』って言うと来る…らしいよ」
私は一発で一字一句逃さずに暗記した。丸暗記した。
「まあ、試さないよりはマシだと思うよ」
「解った。ありがと」
そこでチャイムが鳴り響いた。
月だけが照らす暗く静かな部屋に、時計の秒針が刻む音が響く。
あと1分もしないで、2時。
カチ カチ カチ
時計の針が、2時を指した。
ムクロさん
お願いします
お願いだから───
「私の夢を消して…!」
胸の前で手を合わせ、祈る。
どれくらいの間、そうしていただろう。
すごく短い間こうしていた気もするし、長い間こうしていた気もする。
時計を見る勇気はなかった。
私が息を吐いた瞬間
───コンコン
微かな物音に、顔を上げる。
どこから聞こえているのか、私は辺りを見回す。
『こっちですよ』
突然聞こえた声に、声のした方を向く。
窓の外に、人影が見えた。
「誰…?」
誰かなんて分かり切っているのに、私は「彼」に聞いた。
『それは…っと、その前に、窓を開けて貰えませんか?窓枠に捕まるのも限界が…』
窓の外を見れば、彼は窓枠に捕まっている。
よくまあこんな凹凸なんて無いに等しい所に掴まれるものだ。
私は言われたとおりに窓を開けた。
私の部屋に音もなく滑り込んだ彼は、同じく音もなく床に降り立った。
『いやぁすみません。今日は少し調子が悪くて』
彼は照れたように笑った。
彼が動く度、長い黒髪が揺れる。
着ているのは、どこにでもあるような男子用制服の夏服。
校章は付けていないから、どこの学校かは解らない。
そもそも、こんな時間にこんな格好で窓から入ってくるのなんて───
1人しか、あれしかない。
「もしかして…」
『その通り、どうも───『ムクロ』です』
彼は本当に居た
『君ですよね?俺を呼んだのは』
「え…うん」
そうだ。
私はあの悪夢を消して貰おうと、彼を、ムクロを呼んだのだ。
「それで、その───」
『大丈夫』
私の言葉を遮って、ムクロは言った。
『君の夢はもう、大丈夫』
その言葉と笑みに、私は心から安堵した。
「ありがとう…」
『いえいえ。これが仕事ですから。』
ムクロはもう一度笑い、窓へと歩み寄った。
そして窓を開け、窓枠に足をかける。
『では、良い夢を』
ムクロはそう言い残し、夜の闇に熔けるように消えていった。
この日から私は、あの夢を見なくなった。
その代わりに見るのは、兄との楽しかった思い出。
ありがとう。
悪夢がなければ…
そう思う皆さん
もしも君がそれを本当に望むのなら…
俺はその『夢』を叶えましょう。
俺の存在意義
夢を喰らえ。
そう言われ。
名付けられた名は
『夢喰』
またどこかで泣いてるね…?
私は、ベッドの中で震えていた。
また、あの夢を見た。
もう嫌だ、夢なんて見たくないのに
お願いします。
私の夢を消してください
夢喰 1
私には、夜に決まって見る夢がある。
本当に小さい頃にあった、大切な人の夢。
私には4つ上の兄が『居た』。
今はもう───居ない。
私が5歳くらいの頃、交通事故で居なくなった。
あの頃の私は、死というモノを全く理解していなかった。
だからいつか、兄が帰ってくると思ってたんだ。
もう帰ってこないと気付いたのは、12歳の頃。
かなり遅いのだろう。
私もそれは自分で理解していたから、誰にも言っていない。
そしてその日から、私はその夢を見るようになってしまった。
酷いノイズにブレーキ音に、悲鳴に…泣き声。
その泣き声が私のモノだと気付いたのは、夢を見るようになってから1年くらい経ったある日。
調度、中学1年生になった頃。
それを知ってから、余計にその夢は鮮明になって、私を苦しめた。
見始めてから、もう3年近くが経つ。
私はもう高校生で。
兄はもう高校卒業してて。
もしかしたら大学に行ってるかもしれなくて…
もう嫌なのに、何で見なくちゃいけないの
思いながら、私は学校に行った。
私は自分の席で、友達が来るまでの少しの間、気持ちを落ち着かせる。
辛いけど、友達に心配は掛けたくないから。
そう考えていると、突然肩を叩かれた。
「おはよう!」
「おはよう」
友達は私の前の自分の席に座った。
私はただ、友達の話に相槌を打ちながら、どうやったらあの夢が消えるのかを
ぼんやりと考えていた。
「あ、そうそう、知ってる?」
「何が?」
「『ムクロ』」
「───へっ?」
唐突に言われ、私は間の抜けた声を出してしまった。
「何かね、そういう幽霊みたいなのが居るんだって」
「また都市伝説?」
「だと思うけど、その内容が面白いんだって」
少し興味を引かれ、友達の話を真面目に聞いてみる。
「何かね───…」
「自分の見る夢を、消してくれるらしいよ」
その言葉に、私の思考が一瞬止まった。
『夢を消してくれる』
私が求めて已まないモノ。
「それホントなの!?」
「いや都市伝説でしょ!つーかあんたもさっきそう言ってたじゃん!」
そりゃそうだけど、そういうのがあると言われて黙ってはいられない。
「でもその噂があるってことは、もちろん呼び出し方みたいなものも存在してるんだよね?」
「あんた本気にしちゃったね…まあしょうがないか。」
友達は、私の悩みや夢のことを理解してくれる唯一の人だ。
「午前2時に、自分の見たくない夢のことを思い浮かべながら」
「うん」
「『ムクロさん、お願いします、私の夢を消して下さい』って言うと来る…らしいよ」
私は一発で一字一句逃さずに暗記した。丸暗記した。
「まあ、試さないよりはマシだと思うよ」
「解った。ありがと」
そこでチャイムが鳴り響いた。
月だけが照らす暗く静かな部屋に、時計の秒針が刻む音が響く。
あと1分もしないで、2時。
カチ カチ カチ
時計の針が、2時を指した。
ムクロさん
お願いします
お願いだから───
「私の夢を消して…!」
胸の前で手を合わせ、祈る。
どれくらいの間、そうしていただろう。
すごく短い間こうしていた気もするし、長い間こうしていた気もする。
時計を見る勇気はなかった。
私が息を吐いた瞬間
───コンコン
微かな物音に、顔を上げる。
どこから聞こえているのか、私は辺りを見回す。
『こっちですよ』
突然聞こえた声に、声のした方を向く。
窓の外に、人影が見えた。
「誰…?」
誰かなんて分かり切っているのに、私は「彼」に聞いた。
『それは…っと、その前に、窓を開けて貰えませんか?窓枠に捕まるのも限界が…』
窓の外を見れば、彼は窓枠に捕まっている。
よくまあこんな凹凸なんて無いに等しい所に掴まれるものだ。
私は言われたとおりに窓を開けた。
私の部屋に音もなく滑り込んだ彼は、同じく音もなく床に降り立った。
『いやぁすみません。今日は少し調子が悪くて』
彼は照れたように笑った。
彼が動く度、長い黒髪が揺れる。
着ているのは、どこにでもあるような男子用制服の夏服。
校章は付けていないから、どこの学校かは解らない。
そもそも、こんな時間にこんな格好で窓から入ってくるのなんて───
1人しか、あれしかない。
「もしかして…」
『その通り、どうも───『ムクロ』です』
彼は本当に居た
『君ですよね?俺を呼んだのは』
「え…うん」
そうだ。
私はあの悪夢を消して貰おうと、彼を、ムクロを呼んだのだ。
「それで、その───」
『大丈夫』
私の言葉を遮って、ムクロは言った。
『君の夢はもう、大丈夫』
その言葉と笑みに、私は心から安堵した。
「ありがとう…」
『いえいえ。これが仕事ですから。』
ムクロはもう一度笑い、窓へと歩み寄った。
そして窓を開け、窓枠に足をかける。
『では、良い夢を』
ムクロはそう言い残し、夜の闇に熔けるように消えていった。
この日から私は、あの夢を見なくなった。
その代わりに見るのは、兄との楽しかった思い出。
ありがとう。
悪夢がなければ…
そう思う皆さん
もしも君がそれを本当に望むのなら…
俺はその『夢』を叶えましょう。
俺の存在意義
夢を喰らえ。
そう言われ。
名付けられた名は
『夢喰』
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赤闇銀羽
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性別:
非公開
職業:
ソルジャー1st
趣味:
妄想!
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こちらは更新凍結しました
サイトにて活動中。
手描きブログ。
FF、DMC、TOAをメインにやる予定だったのに何かオリジナル増えそう。
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